たまりば

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2015年05月06日

尾瀬・至仏山を歩いてきました。2015年5月。


ゴールデンウイークは、尾瀬に行ってきました。
5月4日、東京駅から上越新幹線に乗車。6:36発。
連休中なので混雑を覚悟していたのですが、車内はガラガラ。
ガーラ湯沢駅までしか行かない新幹線だからかもしれません。
上毛高原駅着。7:53。
駅前から戸倉行きのバスに乗車。8:10発。
山支度の人は私も含めて6人でした。
戸倉・鳩待峠バス連絡所。9:58着。
ここから、鳩待峠行きのマイクロバスに乗ります。10:20分発。
いよいよ、鳩待峠に到着。10:55。

青空の下、鳩待峠は、大勢の登山客で賑わっていました。
下山してきた人たちが、手に持ったアイゼンをカチャカチャいわせながら、
「山頂のガスは、あれは何だったんだ?」
とぼやいていました。
どうやら、彼らが山頂にいた時点では、眺望はなかった様子です。

本日は山ノ鼻まで行くだけ。
ストックを調節して、さて出発です。
暖かいので雪はシャーベット状。
鳩待峠から山ノ鼻へは緩い下り道です。
トレースはしっかりありますし、前後に必ず人がいました。
コースは途中まで夏道どおし。
そこから川上川の左岸を行きます。
川上川は、雪融け水が轟々と流れていました。
空気に水の匂い、雪の匂いを感じます。
イオンを感じる冷たくおいしい空気です。
水や雪は無臭と言われればその通りなのですが。
のんびり歩いて、山ノ鼻到着。12:15。
今夜の宿は、国民宿舎尾瀬ロッジ。
チェックインは14時からなので、そのまま、尾瀬ヶ原を散策することにしました。



歩いているうちにかなり雲が増えてきましたが、遠く燧ケ岳がくっきりと見えていました。
尾瀬ヶ原の大半は、まだ雪の下です。
向こうから歩いてくる人が意外にたくさんいました。
大清水から入山して、尾瀬沼・尾瀬ヶ原を縦走してきた方たちでしょうか。
そういうのもいいなあ。

小雨が降ってきたので、山ノ鼻に戻り、チェックイン。
電気は通っているし、水道から飲料水が出るし、トイレは水洗です。
尾瀬の山小屋は、快適だー。
連休も後半となり、客が少ないので、個室を1人で占有。
缶ビール500mL550円を購入し、小屋の前のデッキに座って、景色を眺めながら飲みました。
そのうちに気がついて、小屋前の池塘にミズバショウが咲き始めていることを確認しました。
写真を撮って戻ってくると、小屋に3人連れが入っていきました。
「消毒液があったら貸してもらえますか。アイゼンで太ももを切って」
外からも聞こえる大きな声でした。
転んだときに自分のアイゼンが刺さってしまったようです。
ここで救助隊を呼ぶよりも、下山してタクシーを拾って病院に行ったほうが早い。
ロッジの人からそういう助言をもらい、デッキで消毒していました。
ロッジの人とそういう話をしている本人が怪我人で、気丈な方のようなのがまだしも救いでした。
アイゼンもピッケルも砥いでおかないと効かないけど、自傷の可能性もあるので怖いです。

17時、夕食。
岩魚の串焼きがメインディッシュでした。
ご飯とお茶はおかわり自由。
味噌汁のお代わりがないのが、ちょっと残念。
客は、私も含めて10人でした。

18時、お風呂がわき、入浴。
尾瀬では、石鹸・シャンプー・歯磨き粉の使用は禁止されています。
でも、汗が流せるだけで、幸せ。
浴槽は、3人くらいがのびのび入れる広さでした。
混雑時は、10人くらいが互い違いになって入るでしょう。

部屋の窓からは、至仏山がよく見えました。
19時、就寝。

5月5日、5時30分起床。
予報は朝のうち曇り。午前9時頃から晴れ。
洗面や支度をして、6時、朝食。
焼き塩鮭、温泉卵、海苔、納豆、小鉢、トマトと玉ねぎのサラダ、味噌汁。
ロッジの前でアイゼンを着け、6時40分、出発。
至仏山を目指します。
歩いていくとすぐ十字路。
看板の通りに至仏山登山道に入りました。
昨夜、雨が降り、トレースは薄くなっていましたが、先行者のアイゼンの跡が2種類。
心強いと感じ、夏道どおしに登っていきます。
最初から急坂です。

樹林帯を越えると、ますます急になり、しかも朝早いので雪面がまだ凍っていました。
アイゼンがよく効いているからましですが、ストックの先がほとんど刺さりません。
やっぱりピッケルにすれば良かったかなあ。
ガイドブックには、ゴールデンウイークはストックで対応できると書いてあったのですが。
高天原はだだっ広い雪面で、先行者のアイゼンの跡を見失ってしまいました。
まあとにかく上を目指そうと、少し不安を感じながらもガシガシとアイゼンを軋ませて登っていきました。

ふいに、斜面の上部に人が現れました。
尻セードで滑り下りてきたと思ったら、バランスを崩して横転。
ストックを雪面に突き刺そうとしてもスピードは緩まず、ゴロンゴロンと落ちていきました。
おいおいおい。( ;∀;)

斜面を水平に移動して下を覗きこみました。
怪我でもしていたら、救助隊を呼ばなくちゃ。
遙か下でようやく止まった人に声をかけました。
「大丈夫ですかあー?」
「大丈夫ですー」
ストックを上げて答えがあったので、安堵しました。
雪面が凍結しているときの尻セードは危険のようです。
ここの斜度は、30°くらいあるように思います。
雪面の斜度30°は、体感では60°くらいあるので怖いです。

高天原。9:10。
この付近だけ、雪が融け、木段が見えていました。
風が強いです。
上から2人下りてきました。
あれ、先行者かな?
登れる印象の若い男性2人です。
この人たちがピストンで下りてきたのなら、山頂から先は、1人でルートを読まないといけないのかなあ。

今年の雪山シーズンは天候に恵まれず、クリスマスもお正月も春分の日も雪山に行けませんでした。
私の連休はその3回しかなく、今年はゴールデンウィークが最初の雪山。
これでは北アルプスはちょっと自信がないので初級者向けの至仏山に来たのですが、ここもなかなかどうして危険は危険です。
はあ。
まあ来てしまったものは、仕方ない。
この急斜面を下って戻るのはもっと嫌ですし。

またあたり一面の雪原となり、ひたすら上を目指しました。
ついに至仏山、山頂。9:40。
ここも、雪が融けていました。
そして、予想外に大勢の人がいました。
鳩待峠から登ってきた人たちです。
まるで夏山の賑わいです。

見覚えのある山頂標識に触わって頂上を実感した後は、360°の眺望を楽しみました。
絶景です。
雲は上空に帯のように残っていましたが、遠くまで青空が広がっています。
目の良い人たちが、
「劔が見えるよ」
「あれ、富士山でしょう?」
と歓声を上げていました。
うーむ、単眼鏡を持ってくれば良かったー。
でも、肉眼でも、十分な眺望でした。
一番上の写真がそれです。

太陽が照り付けると、雪はあっという間にシャーベット状に。
ここから先は、下山する人や今から登ってくる人で大賑わいでした。
鳩待峠からピストンする人が多いのでしょうか。
それなら、急なところもほとんどなく、雪山が初めてという人でも歩けます。
あとは、山スキーヤーとスノーボーダー。


さて、下山。
くっきりついたトレースの通りに尾根の東斜面をトラバースしていきます。
トレースの幅が広く、雪の水平道という印象で、そんなに高度感はありませんでした。
小至仏山の上り下りがないぶん、夏に歩くよりむしろ楽かもしれません。

1867mピーク付近で広い尾根状の地形になったら左へ下る。
ガイドブックのこの1文がトレース無しの場合かなり難解と感じていました。
「鳩待峠への下りは道に迷いやすいのでご注意ください」
の看板も出ていました。
でも、迷うはずのないトレース。
快晴なので木々の赤テープもくっきり視認できました。
緩い下りを快適に歩いて、ふっと気づくともう鳩待峠の建物が見えてきました。
鳩待峠。11:40。
切符を購入して、マイクロバスにすぐに乗り込みました。
バス出発。11:50。
予定より1本早いバスに乗れました。

戸倉。12:15。
道路を渡った温泉旅館が日帰り入浴OKだったので、温泉を満喫。
上がって、缶ビールを購入。500mL、320円。
バス停横の石段のようなところに座ってバスを待ちました。
快晴の下、心地良い風が吹き、最高の風呂上がりです。
上毛高原行きのバス乗車。13:12。
上毛高原。14:59。
東京行きの新幹線。15:09発。
さすがにそこそこの混雑でしたが、次の高崎駅で下車する人がいて、そこからは座っていくことができました。

思っていたよりも天候に恵まれ、混雑も避けることができ、楽しい山旅でした。

  


  • Posted by セギ at 16:48Comments(0)