たまりば

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2016年11月24日

三角形の線分の比と面積の比。





さて、今回は、中学三年生の数学「相似」という単元の中の「三角形の線分の比と面積の比」の話。

例題 上の図で、AD:DB=2:3、BE:EC=4:1である。△BDEの面積は△ABCの面積の何倍であるか答えなさい。

この問題には何通りかの解き方がありますが、どれも、高さが等しい三角形は面積の比と底辺の比が一致するという考え方を利用します。
そのことがまず理解できるかどうかが鍵です。

上の図で、高さの等しい三角形は、例えば△ADEと△BDEです。
底辺が同じ直線上にあり、残る頂点が一致していれば、その2つの三角形の高さは等しいです。
図形の学習の難しさは、このことが理解できない子が少なからず存在するというところにあります。
2本の平行線の間に三角形を2つ描いて、この2つの三角形は高さが等しいねと説明してあければ理解できる子も、こうした図の中で高さの等しい三角形を自力で発見することができないこともあるのです。
「三角形の高さ」というものへの認識が漠然としていて、小学生の頃から底辺と斜めの位置の辺の長さも高さとして利用して面積を求める式を立ててしまう子は、上の図の三角形のどこが高さなのか把握できないようです。
あるいは、三角形が少し斜めになっていたり逆さになっていたりするだけで見えにくくなってしまう子も多いでしょう。

図形把握力の弱さは、小学生の頃から表れています。
正方形が斜めになっているだけで正方形に見えなくなる子。
図形の向きによって、直角三角形と二等辺三角形の識別ができない子。
三角形の高さをその三角形の外側の位置にしか示せないような形の三角形のときに、高さを把握できない子。
「では、どうしたら良いのでしょうか」
と保護者の方から相談されることがあるのですが、弱点というのはそんなに簡単には克服できません。
問題ごとに「この三角形とこの三角形が高さが等しいのですよ」とマーカーでなぞり、このように見えるものなのだということを教え込んでいくしか方法はないと思います。
知力がイメージ力を補っていくのを期待しましょう。
時間は相当かかると思います。

さて、一応、高さの等しい三角形は把握できるのだとして。
その先、この問題をどう解いていくかです。

私立中学を受験した子たちにとっては、この問題は学習済みの内容です。

教える場合も、正直に言えば、中学受験経験者に対するほうが相似は教えやすいです。
基本は理解できていますので、実際に解いてもらい、本人の習熟度を判断しながら、本人にわかる解き方で教えていきます。
同じ中学受験生といっても「相似」という単元に関しては習熟度に大差がありますので、理解できるレベルも個人差が大きいです。

まず最も基礎的な中学受験算数の解き方としては。
三角形の高さが等しいならば、底辺の比と面積の比は等しいから、
△ADE:△BDE=2:3
この2つを合体させた△ABEを➄とする。
同様に、
△ABE:△ACE=4:1
➄が4にあたるのだから、それを20と置き換えると、
△ABEは、20。△ACEは、5。
△BDEは、12。
△ABCは、25。
よって、△BDEは△ABCの12/25倍。

受験算数にもう少し習熟している子は、別の解き方をします。
△DBEと△ABCで。
底辺の比は、4:5。
高さの比は、3:5。
よって、面積の比は、12:25。
答え 12/25倍。
(底辺の比)×(高さの比)=(面積の比)
という「比の積」の考え方が身についている子には、これで話が通じます。
上の図に一応入れた補助線AEも必要としません。
ただ、底辺の比の4:5はともかく、高さの比が3:5であることは理解できない子が多いです。
式そのものは簡単なのですが、自力で使えるかどうかは個人差が大きい解き方です。
説明を聞けば理解できるのだとしても、試験中に自力で使えなければどんなテクニックも意味がありません。
「比の積」「比の商」は、中学受験生の中でもかなり受験算数に習熟した子でないと定着していない内容です。
多少もたついても、一番上の解き方のほうが理解できる子が多いのです。

一方、中学受験を経験していない子たちは、この問題をどう解くのがベストかというと。
一番上の解き方は、最小公倍数で揃えることを必要としない問題ならば良いのですが、今回のように「20に揃える」といった要素が出てくると、あまり定着しません。
〇や△を使って問題を解くことに慣れていないので、作業自体がもたつきますし、〇と△を使い分けることをせず混乱してしまう子がほとんどです。

そこで、分数を使ったきっちりした式で説明することになります。
慣れるとこちらのほうがわかりやすい面もあります。
これは、大きい三角形のほうから分割するように考えていったほうがわかりやすいです。
まず△ABEは、△ABCを4:1に分けた4つ分のほうですから、
△ABE=△ABC×4/5
また、△BDEは、△ABEを3:2に分けた3つ分のほうですから、
△BDE=△ABE×3/5
     =△ABC×4/5×3/5
     =△ABC×12/25
よって、△BDEは、△ABCの12/25倍。

ものの考え方がシャープな子に対しては、2番目の(底辺の比)×(高さの比)=(面積の比)の意味とその考え方を一度きっちり教えます。
これは公式として覚えなさい、この形の問題を見たら必ずこれで解きなさいと指示します。
「裏ワザ」的なことが好きな男子生徒は定着率が高いです。


同じ問題を解くときに、上のような問題は、中学受験の経験者にとっては解き慣れた基本問題ですが、中学で初めて学ぶ子にとっては初めて挑戦する内容だというのは大きな違いです。
この差は埋まらないことが多いです。
経験値が違い過ぎます。
毎日放課後遊べるはずの楽しい小学校時代の数年を受験勉強に注ぎ込むというのは、そういうことです。
何かを失ったかもしれない。
でも、得たものも大きい。
そういうことだと思うのです。

一番難しいのは、受験算数を勉強したけれど結局マスターできなかった子。
〇や△の記号を使おうとするけれど記号の使い分けをせず、無関係な比を同じものと誤解して使用し誤答してしまいます。
曖昧に身につけた技術がアダとなっている印象です。
他の解き方を教えても、逆に混乱する様子であまり定着しません。
何を解いても、何度解いても、間違える。
気持ちも滅入ってきます。

受験算数で挫折感を深めてしまうと、メンタルの問題としては、数学嫌いをこじらせてしまうことがあります。
世間一般のレベルから言えば、そんなに数学ができないわけではないのに、本人はそう思っていません。
苦手意識から、勉強が後回しになり、やがて本当に苦手になっていきます。

公立小学校・中学校の算数・数学しか知らず、自分は数学はよく出来ると自信を持っているほうが幸せかもしれない、とも感じます。
自分は数学は得意だ、数学は好きだ、という信念で、コツコツ勉強していったほうが、高校数学がよく身につく場合もあります。

その子にあった道がある。
どの道にも良い可能性はある。
そう思います。
  


  • Posted by セギ at 13:14Comments(0)算数・数学

    2016年11月21日

    紅葉の高尾山から南高尾を縦走しました。2016年11月。


    2016年11月20日(日)、高尾山の紅葉が見頃になったと聞き、行ってきました。
    しかし、紅葉の時期の高尾山は混雑必至。
    1号路さえ大渋滞が起こることがあります。
    朝早いうちに高尾山を歩き、そこから離れていくコースをとりましょう。

    いつもより早めに出発し、高尾山口到着。7:58。
    ケーブルカーの始発は8:00。
    すでに長い行列ができているのを横目に、6号路の琵琶滝コースへ。
    こちらへ歩いていく人もたくさんいて、登山口付近は長い列になっていました。
    春から夏にこの状態だと追い抜くのは大変です。
    でも、今の季節は、厚着で出発し、途中で立ち止まり上着を脱ぐ人が多いです。
    歩いていくうちに前方に人はいなくなりました。
    沢の中を飛び石で歩くところはさすがに少し渋滞。
    その先の長い木段は、皆さん1列で登っていられて、自分のペースで追い抜いていくことができました。
    なんだか、むしろいつもより早いペースで、高尾山頂。9:00。

    大見晴台からは、雪をかぶった富士山がくっきり見えました。
    丹沢の山々は青紫色。
    手前の山々は紅葉。

    さて高尾の紅葉はと言うと、今年は秋に暑すぎたり寒すぎたりと妙な天候が続いたせいか、紅葉する前に黒い斑点が出てしまった葉や枯れた葉が多く、飛びぬけて素晴らしい年とは言えないように思います。
    でも、朝の光は良いですね。
    充分きれいに見えました。
    上の画像が高尾山の紅葉です。

    さて、ここから、まずは小仏城山へ。
    高尾山から奥高尾方面へと降りていく緩い道、そして階段を降り切ってその先少し登った紅葉台は、名前の通り紅葉の名所。
    茶店は朝から行列の出来る大繁盛。
    ベンチも人でいっぱいでした。
    ここからの富士山もきれいでした。

    木段は昨日の雨で泥んこで足元注意なのですが、その途中にも紅葉は随所にあり、見上げたり足元を見たり、立ち止まっては写真に撮ったりして、なかなか先に進めません。
    一丁平まで来ると空いているベンチもあり、ようやく休憩。9:40。
    ここも紅葉の名所です。
    その先の展望台からも富士山。
    ここは近景に高い木がないので、丹沢と富士山の眺めが爽快でした。

    いったん下ってまた登っていくと、小仏城山。10:00。
    ここから富士山を見るのは久しぶりです。

    ちょっと長めの休憩を取った後、来た道を少し戻って、分岐から南高尾へ。
    今日はトレイルランナーの人はほとんど登ってこないなあ。
    高尾の大混雑が予想されるこんな日は別の場所を走るのでしょうか。
    喧騒からふいに静かになった山道の急坂を下っていきました。
    斜面を巻く細い道が終わると、ジグザグに下っていき、浅い沢沿いの道へ。
    そこから急な坂を鉄柵に頼って降りていくと甲州街道。
    歩道橋を渡るとそのまま南高尾の登山道につながります。
    樹間から甲州街道が見えるのに案外道は細く、用心して歩いていくと上り坂が始まります。
    登ったり緩くなったりを繰り返し、植林帯のベンチ前を通ってしばらく行くと、大洞山。11:30。
    1パーティが賑やかに昼食を調理中。
    ここは素通りして、少し先の登山道からちょっと外れた小高いベンチで休憩しました。


    南高尾は、明るい雑木林の道。
    赤や黄色に色づいた葉から透ける光で、道はいつもよりさらに明るく照らされています。
    足元は、茶色の枯葉が積もった上に、まだ鮮やかな赤や黄色い葉が落ちていました。
    紅葉の色の強さは高尾主脈のほうが勝っていますが、南高尾の紅葉の道はしみじみとしています。

    前方から近づいてきている初老の男性が、胸ポケットから何か取り出したのが見えました。
    スマホケースかなと思ったら、手帳。
    「落ち葉を拾っているんだよ。いたずらで」
    手帳を開いて見せてくれたのは、うす茶色や黄色のきれいな落ち葉でした。
    私は来た道を指さし、
    「ここから先、赤い落ち葉もありましたよ」
    「あった?」
    「はい」
    にこにこ笑って別れました。

    中沢山のまき道は少し細い。
    でも道はすぐに歩きやすい緩い道になります。
    見晴台。12:10。
    横並びの1つに座り、景色を眺めながら昼食をとりました。
    雲が出て富士山はもう隠れていましたが、秋の津久井湖と丹沢の眺めは晴れ晴れとしています。

    さて出発。
    まき道が延々と続きますし、道自体は細いのですが、怖いと感じることはほとんどありません。
    斜面の傾斜が緩いのと、高尾の森の印象のせいでしょうか。
    木が高く、紅葉も遠いところにありますが、変わらず道は明るいです。
    反対回りに歩いてくる人が今日は多いなあ。
    高尾山が大混雑のときは、静かな南高尾も少し人が増える印象です。

    三沢峠。13:05。
    ベンチで休憩。
    道が4本に別れるところで、どの道を行くか看板の地図を眺めて考えこんでいる人も。
    地図の位置からは「高尾山口」の道しるべが見えにくいのが立ち止まってしまう原因でしょうか。
    実際に分岐の中央に立てば、「高尾山口」の道しるべが見えます。
    さて出発。
    立ち止まっている人が振り返って私を目で追っているのがわかりました。
    この人も高尾山口に下山したいのかな。
    緩い上り坂が高尾山口への道です。
    振り返ると、先ほどの人が少し離れて後ろをついてきていました。

    段差の大きい階段をいくつか下っていき、最後に急坂を登ると、草戸山。13:35。
    ここでもベンチで休憩。
    さすがに少し疲れてきました。
    でも、3時頃には下山できそうです。

    草戸山からは左に折れるように道を下っていきます。
    植林帯の暗い道はすぐに終わり、再び明るい雑木林が始まります。
    登り返すと、草戸峠。
    ここもベンチが並んでいます。
    高尾の尾根がよく見えました。

    ここからは登ったり下ったりの繰り返し。
    距離は短いのですが思いがけず急な登りもあります。
    高尾山口はもう近いのに山深い味わいがあります。
    何度来ても好きな道です。
    登り切った小さなピークのベンチに3人パーティ。
    「お姉さん、見てみて。ツツジ」
    手招きされてみると、本当にツツジが咲いていました。
    「あ。何でこんな季節に」
    「ねえ?」
    天候不順は植物に負担をかけますね。

    落ち葉を踏みしめ、四辻まで来ると、下山口まであと15分。
    湿った急坂を用心して降りていくと、民家の脇からポンと舗装道路に出ます。
    そこからは高尾山の交差点までは1分です。
    下山。15:00。
    道路の向こう側は、予想通り観光客で混雑していました。

      


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    2016年11月17日

    中学数学 図形の証明問題。



    さて、今回は証明問題のお話です。
    証明問題が苦手という子は多いです。
    たいていは三角形の合同か相似を証明する易しい証明問題なのですが、生徒の答案を見ると、世の中には証明を書くことに向いていない人がいるのかもしれないと思うほどに、何だかよくわからない答案になっていることがあります。

    証明には、作法があります。
    読む側はその作法で読みますので、書く側もその作法で書く必要があります。
    その作法で書いていない証明は、
    「え?」
    「何で?」
    と読む側は思ってしまいます。
    読む側にそう思われないように作法を守って書けば良いのです。


    最もシンプルな三角形の合同の証明問題の答案の例として、例えばこのようなものが考えられます。

    △ABCと△DCBにおいて
    仮定より
    AB=DC
    ∠ABC=∠DCB
    共通な辺なので
    BC=CB
    2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので
    △ABC≡△DCB

    この程度の易しい証明問題も、書き間違える子は、この1題の中で2か所、3か所と間違えてしまいます。
    AB=DC
    と、対応する頂点を揃えて書かなければならないのに、
    AB=CD
    と書いてしまう。
    ∠ABC=∠CDB
    と書き間違えて、全然違う角を示してしまう。
    同じ角を示しているのであっても、
    ∠DCB=∠ABC
    と、示した角と、最初に提示した三角形の順番が逆になってしまう。

    しかも、自己採点ではそれに〇をつけてきたりするので、私が見直して×をつけることも多いです。
    本人は正解だと思い込んでいます。
    「え。ちゃんと書きましたよ」
    と主張するので、どこが間違っているかを説明する必要があります。

    書き間違いがあまりにも多いので、
    「これは、0点ですね」
    と言っても、
    「え?少し減点くらいでしょう?」
    と気楽に構えている子もいます。
    大体できているんだから大丈夫と思うようです。
    精度に対する意識が低い、ということなのでしょう。
    結果、テストで得点できず、落胆するのは本人です。

    証明というのは相手を説得するために書くものです。
    順番がぐちゃぐちゃで通用するわけがありません。
    自分が書くときには順番がぐちゃぐちゃな子に、私が同じように順番がぐちゃぐちゃな説明をして理解できるかといったら、おそらくできないでしょう。
    私がうっかり言い間違えたり書き間違えたりしたら、生徒はそこで詰まって理解できなくなっ
    てしまいます。
    だから、同じように自分も順番を守って正確に説明しなければならない。
    そう自覚するだけで、証明のどこに気をつけなければならないかわかってくると思います。

    また、根拠を示すことの重要性に対する認識が必要です。
    根拠を示さなければ誰も納得しません。
    何の定理を使ったのか。
    どこに根拠があってそれが言えるのか。
    それを明示しなければ読む人は理解してくれません。
    読む側の立場にたってわかるように書くのが証明の答案です。

    どこに注意を払い、何をどう書いていけば良いのか。
    そのコツさえつかめれば、証明問題は型通りに書いていくだけのものなので、典型題に関してはむしろ得点源とすることが可能です。

    こうした易しい典型題の証明問題なら解けるけれど、もう少し難しい問題が発想できないという人もいます。
    これも人によって様ざまな課題があります。
    まず、考える時間が異様に短い子。
    問題を読んでから「わからない」と言うまで1分もかからないこともあります。
    ものをじっくり考えるという習慣がないようです。
    そういう子にとって、問題は、「ぱっと見てわかる問題」と「わからない問題」の2種類しかないのかもしれません。
    頭の回転自体は速い子にこういうタイプが多く、わかる問題だけ解いていればいい、自分がわからない問題は難しい応用問題だから解かなくていいという意識を持っていることもあり、改善には時間がかかります。
    ものをじっくり考える習慣のない子が考えるようになるには動機が必要です。
    多くは、高校入試を意識するようになってから必要に迫られてようやくそういう方向に気持ちが動き始めます。
    遅過ぎるようですが、何しろ頭の回転自体は速いので、中3の秋から大きく伸びることがあります。
    高校入学後は、身につけた考える力が良い結果を生むようになります。

    もっと不器用なタイプで、一所懸命考えているけれど証明問題が解けない子の場合は、その子に特有の盲点がある場合が多いです。
    例えば、線分で区切られると図形が見えなくなる子。
    区切られた最小の図形しか見えません。
    線分をまたいで大きく図形を把握することができないので、合同な三角形も相似な三角形もその子の視点では存在しないことになります。
    ものの見え方の癖のようなものなのでしょう。
    説明されても見えないのであればもう仕方がないのですが、大抵は知力でカバーできますから、どういう図形が本当は見えるものなのかを繰り返し把握することで少しずつ見えてくるようになります。

    あるいは、特定の定理が使用できない子。
    例えば中2で、
    「2角の等しい三角形は二等辺三角形である」
    という定理を使用できない子。
    あるいは中3で、
    「半円の弧の円周角は90°である」
    という定理を使用できない子は多いです。
    言われれば理解できる定理です。
    何度もそれに気づかないせいで問題が解けなかった経験があるにも関わらず、やはりその定理が使用できず、問題が解けません。
    その定理が使用できる状態で頭の中にない。
    そこが盲点になってしまっています。

    漠然と「応用問題が解けない」ではなく、どういう応用問題が解けなかったのか。
    その応用問題はどういう定理を使用する問題だったのかを自分で分析するようにすれば、傾向は見えてくるはずです。
    そうすれば、その定理は使用できるようになるでしょう。
    間違えた問題にバツをつけることすらやりたくないタイプの子にはこれは難しいことのようですが、正答できた問題よりも間違えた問題、解けなかった問題から多くのことが学べます。

      


  • Posted by セギ at 12:24Comments(0)算数・数学

    2016年11月14日

    鶴寝山から大マティ山を歩いてきました。2016年11月。


    2016年11月13日(日)、鶴寝山と大マテイ山を歩いてきました。
    中央線上野原駅下車。8:25。
    先月、権現山を歩いたときに乗ったのと同じ松姫峠行きのバスに乗りました。
    前回もそうでしたが、バスの乗車口で待っている係員の方は、乗客に行き先を訊きます。
    バス会社の方ではなく、小菅村の職員の方なのかな?
    「どこに行くの?」
    「松姫峠まで行きます」
    「じゃあ、これ持っていって」
    と、小菅村登山ガイドと書いてあるパンフレットをいただきました。
    「温泉行く?小菅の湯」
    「行きます」
    「じゃあ、割引券あげよう」
    ポケットから取り出した、100円引きの割引券もいただきました。
    わーい。ヽ(^。^)ノ

    バスは満席。
    私の他に数人の高校生が立っていました。
    わいわいと賑やかにバスは出発です。8:30。

    市街地を抜けると、景色は途端に山深くなり、紅葉が目立ち始めました。
    今年は秋の天候不順があったから、紅葉は今ひとつかなあ。
    それでも、ときどきハッとするような赤いカエデの木があります。
    要害山の登山口で下りた人がいて、高校生たちは遠慮して座らないので、そこからは有難く一番前の座席に座らせてもらいました。
    広いフロントガラスから紅葉を堪能。
    ギリギリの道幅のところに入っていくバスにも感動。
    凄い運転技術だなあ。

    色々な山の登山口を通っていくバスで、登山口の度に乗客は1人2人と降りていきます。
    鶴峠バス停。9:35。
    ここで乗客の大半が下りていきました。
    中高年の10人ほどのパーティ。
    そして高校生の団体14人。
    顧問の先生が人数を申告し、一気に支払って降りていきました。
    そうかあ。
    やっぱりみんな奈良倉山から縦走するんだなあ。
    紅葉をゆっくり眺めたいし、温泉もゆっくり入りたいから、私は松姫峠からにしたのですが、奈良倉山とつないで歩く人のほうが多いのかもしれません。

    急にガランとしたバス。
    後ろを振り返っても、乗客は5~6人でした。
    次のバス停は小菅の湯。
    ここでも2人降りていき、心細さがつのります。
    運転者さんが、
    「帰りはここから乗られますか?」
    と問いかけるのに声も出ず、コクコクと首を振って応えると、
    「今、ロータリーが工事中なので、帰りのバスもここから出ます」
    私は再び、無言で首をカクカク。
    知らない山だし、奥深い山だし、今年は熊が多く出没しているし。
    だんだん緊張してきました。

    終点、松姫峠。10:15。
    バスの下車口から少し戻る位置にバイオトイレがありました。
    そのトイレの横が登山口です。
    「牛の寝 大菩薩峠登山口」と縦書きに書かれた渋い道しるべが立っていました。
    大菩薩峠まで縦走できる距離なのです。
    随分と遠くまで来たなあという気持ちになりました。

    熊鈴を腕につけてリンリン鳴らしながら出発。
    緩い登り坂の先、少し傾斜が急になったところで、親子連れが休憩していました。
    お父さんと小さい女の子です。
    「お父さんが下りるぞと言ったら、絶対すぐに山を下りるからね」
    はしゃぐ女の子にそう言い聞かせています。
    うん、大事なことだな。

    さらに行くと、若い女の子が1人、下りてきました。
    案外、人がいる。
    良かった。ヽ(^。^)ノ

    登山道は既に落ち葉がぎっしり積もって、その下に石や木の根が隠れています。
    ちょっと危ないかなと感じ、ストックを出しました。
    これで歩行は安定。
    傾斜の緩い山がさらに歩きやすく緩くなって、スタスタ歩いていけました。

    鶴寝山。10:45。
    あっという間に1つ目のピークに到達。
    ベンチが2つあり、山頂標識は新しいものでした。
    かなり観光的に整備されている印象です。
    朝もらったパンフレットにも載っているコースですし。

    少し行くと、道は2つに別れました。
    左は「日向みち」。
    右は「巨樹のみち」。
    どちらも惹かれるネーミングですが、巨樹の道を選択。
    落ち葉に登山道が隠れているから余計にそう感じるのでしょうが、道なき林の中を歩いているようでした。
    落ち葉の踏み跡は明瞭で、迷うことはないのですが。
    神様として祀られるほどの巨樹ではないのですが、そこそこ大きいなあと感じられる木がそこかしこに。
    これはブナかな。
    これはカエデだな。
    1本1本確かめながら歩いて行くと前方に2人の登山者を発見。
    一定の距離を取りながら、その2人の後をついていき、気がつくと道は崖っぷちを行くようになりました。
    あれ?
    後で地図を見直したところ、いつの間にか日向みちのほうに入ってしまっていたのです。
    右手の大きな尾根がどんどん高くなっていて、そのまき道を歩いている形です。

    失敗しましたー。((+_+))
    他の人に安易についていくから。
    自分で地図で確認すれば良かったのに。
    尾根道を歩く予定だったのになあ。
    そこは広い尾根道で、道迷いを起こしやすく、「大迷い」から「大マテイ山」と名付けられたという説もあるそうです。
    美しい森の広い尾根道、歩きたかったなあ。
    崖っぷちの道、好きじゃないのになあ。
    しかし、今さら戻るのもなあ。
    やってくる人がもしいたら、この道ですれ違うの怖いしなあ。
    というわけで、そのまままき道を行きました。
    崖っぷちの道は南面なので、日差しが明るく、紅葉が輝いています。
    今日一番の紅葉をそこで見ることができました。
    斜面に立つ木は寒暖差が大きく、紅葉もひときわ赤くなるのでしょうか。
    しかし、道幅が狭く怖いのでザックからスマホを出せません。
    写真には撮れなかったけれど、この紅葉を見られたから、この道でも良かったかな。

    途中、道しるべがあり、そこからジグザグに稜線へと上がっていく道がありました。
    上がりきると、すぐに大マテイ山の山頂。11:40。
    上の写真はそこで撮影したものです。
    山頂標識とベンチが2個ある他は、周囲は漠然と平らで、山頂というより林の中という印象でした。
    木が育って眺望はほとんどないですが、晩秋の林が味わい深い。
    いい山に来ました。
    ベンチに座って、のんびり昼食。

    さて、出発。
    緩く下っていくと、先ほどのまき道に再び合流する道もありましたが、道しるべにしたがって広めの道を下っていくと、大ダワ。12:10。
    大ダワとは開けた広場につけられる名称。
    棚倉小屋跡とも呼ばれるところで、確かに小屋がここにあったのだろうと感じられる平坦地でした。

    ここからは再び左が切れ落ちた崖っぷちの道が続きました。
    ここは他に選択肢はなしです。
    道幅はそこそこあり、そんなに危険なわけではないのですが、何となく緊張する道がずっと続きます。
    こういう道は苦手だー。
    落ち葉が積もっているのも滑りそうで何だか嫌です。
    途中に桟道もありました。
    しっかりした造りですし、注意すれば平気ですが、これも苦手です。

    しばらく行くと、道が2つに別れている印象の場所に出ました。
    左は今まで同様に下っていく崖っぷちの道。
    右は尾根に登っていく道。
    その真ん中の木にピンクのテープが巻かれ「小菅の湯」などの行先が書いてありますが、どちらを示しているピンクテープなのかよくわかりません。
    まだ早いとは思うんだけど、ここがモロクボ平かなあ。
    だとしたら、右の道を行かないといけないんだけど?
    試しに右の道に入ってしばらく尾根を登っていくと、足元がフカフカしてきました。
    見た目は登山道なのですが、ここは人が歩いていないなあ。
    そこで分岐まで戻り左の崖っぷちの道を行きました。
    やはり足元が硬い。
    よく踏まれている登山道です。
    それで正解でした。
    しばらくすると、2個目の桟道。
    ここも注意して通過。

    その先、道は大きく右に旋回して下っていき、しばらく行くと、平らな林が広がりました。
    ここがモロクボ平。13:10。
    道しるべもありました。
    地図上でも、等高線がそこだけ真っ白になっているところです。
    気持ちの良い広葉樹の林が広がっていました。

    やがて、道はうす暗い植林帯に入り、ジグザグに下り始めました。
    田元への道を左に分け、道はさらに急斜面に作られたジグザグ道に。
    ほぼ180°Uターンするように行っては戻って急斜面を下っていきます。
    薄暗くて心細いところですが、車の音がもう聞こえてきているのが励みになりました。
    斜面を降り切り、小さい道しるべの通りに左に曲がると、橋。
    コンクリートのしっかりした橋を渡ると、もう舗装道路でした。
    あとは、要所要所に道しるべがあるのでその通りに舗装道路を歩いていき、小菅の湯へ。14:00。

    建物に入って左手が下駄箱。
    下駄箱の鍵を受付に出すシステムでした。
    3時間620円。
    割引券を朝もらったので、さらに100円引き。
    安いなあ。

    脱衣所のロッカーは30Lザックならば入る大きさでした。
    洗い場は15個ほど。
    まだ14時なので空いていました。
    温泉の泉質は高アルカリ性。
    浴槽がいくつかあります。
    普通の内湯。寝湯。打たせ湯。
    露天は、普通の露天。五右衛門風呂。ハーブ湯。
    普通の露天が一番濃い印象で、肌に小さい泡がつき、ツルツルしました。
    ぬるいハーブ湯と行ったり来たりすれば、いつまででも入っていられそうです。

    さて、入浴後のお楽しみ。
    あれ、ビールの自販機は?
    村営の真面目な施設ですと酒類を販売しないところもあるので、ここもそうかなあとキョロキョロしながら受付ロビーまで戻ってくると、入り口の下駄箱とは反対側に酒類の自販機がありました。
    どれも350mL。
    麦とホップ200円を購入。
    ロビー奥のソファに座って飲みました。

    15:00。
    飲み終わって、少し早いけれどバス停が遠いようなので受付に行くと、そこに朝の高校山岳部の顧問の先生がいました。
    「14人分まとめてあるはずなんですが」
    と、また人数を言って下駄箱の鍵を受け取っていました。
    鶴峠から縦走してきた高校生に追い付かれちゃった。
    私もいつになく長風呂してはいましたが、それでも30分と違わず到着したのでしょう。
    さすがに高校生は速いなあ。
    私も今度は春に来て、奈良倉山から縦走しようかな。
    大マテイ山の広い尾根道を歩けなかったのも心残りですし。

    朝、運転手さんが言っていたように、普段なら小菅の湯の建物の前まで来るバスは、ロータリーが工事中のため駐車場の一番端までしか来ません。
    そのバス停には既に行列が。
    バスは駐車場で2台待機していました。
    15:15。乗車開始。
    1台目に無事に座れました。
    15:25。定刻にバスは出発しました。

      


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    2016年11月08日

    放物線と直線に関する問題。



    画像は、センブリの花。ヽ(^。^)ノ

    今回は中3の数学「2乗に比例する関数」または中2「1次関数」についてのお話です。

    放物線と直線の交点からその直線の式を求めたり、座標平面上の三角形の面積を求めたり、その三角形の面積を2等分する直線の式を求めたりするのが、座標平面に関する典型題です。
    しかし、教科書は、こうした応用問題にはあまりスペースを割いていませんし、学校の授業もそればかりやるわけにいきません。
    学校のワークも難しいほうのページに少し載っているだけです。
    そのため、テストに出ないと誤解している生徒もいます。
    関数の問題としてはこちらのほうがむしろメインで、こういう問題を解くために基本作業をまずは学習しているのですが。
    入試は、こういう問題しか出ないのです。
    そのことを自覚し、応用問題をたくさん解いておきたいものです。

    座標平面に関する応用問題は作業過程が長いので、常に意識していないと自分が何のために何を求めているのかふっとわからなくなってしまう子が多いです。
    「2点の座標から直線の式を求めなさい」
    という基本問題なら解けますし、
    「放物線と直線の交点の座標を求めなさい」
    と言われたら、それも求められる子が、座標平面が与えられ、小問が3つくらいある応用問題になると、何をどうしていいか全くわからなくなり、手も足も出なくなります。
    結局、基本問題と同じ作業を組み合わせて解くだけなのですが、自力では発想できない様子です。

    そうした子に、
    「基本作業の組み合わせだよ」
    と説明しても、
    「何をどう組み合わせるのかわからない」
    と言います。
    基本を学習していたときに、その意味が理解できないまま作業手順だけなぞっていた子は、応用問題に対応できなくなります。
    しかし、基本作業の意味はどうにか理解していた子なら、作業の意味をもう一度確認しながら、スムーズに解けるようになるまで補助して、何題でも経験を積んでもらうと、少しずつ頭の中で何かがつながっていく様子が見られます。
    何か回路が作られていく。
    そのように感じることが多いです。
    個別指導が威力を発揮する場面の1つです。

    しかし、「学校ではそんなのあまりやっていない」「多分テストに出ない」などの本人の希望的観測が強いと定着は難しくなります。
    「応用なんか、そんなに出ない」
    と思い込んで、その練習の大切さを理解できていないのです。
    「応用問題は、自分はできなくてもいい」
    と思い込んでいる子もいます。
    応用問題は解かなくても80点はとれる、と小学校のカラーテストのような感覚でいることもあります。
    その子が思う「応用問題」は、実は、座標平面の典型題であることも多いです。
    中学生が独りで勉強していると、情報不足による奇妙な思い込みをしやすいです。

    解こうとしているけれどわからないと本人が言うこともあります。
    しかし、石にかじりついても理解しようという気持ちがあるかといったら、それは疑問です。
    学力的には同じくらいと感じられる中学生でも、「テストにこれを出すぞー」と座標平面の応用問題のプリントを何枚も先生から渡された学校の生徒と、何が出るか知らされず、座標平面の応用問題は多分テストには出ないだろうと思っている生徒とでは、理解度・定着度が全く違ってきます。
    気持ちの問題も大きいのです。

    これはかわいそうだなと感じるのは、問題文と座標平面が書かれているタイプの問題を解いた経験が少ないため、そうした問題を解くことに慣れていない子。
    塾に通わず、独りで勉強している子に、こういう子がいます。
    学校の教科書もワークも市販の問題集も、そういうタイプの問題は紙面を広くとるせいか、数題しか載っていないことが多いのです。
    わからなくて、解けなかった。
    もっと練習したい。
    でも、すぐに問題を使い果たしてしまいます。
    同じ問題を何回も解くといっても、さすがに絶対量が少な過ぎて練習になりません。

    塾用の教材は、出版社のものにしろ、その塾のオリジナル教材にしろ、そういう練習をたくさん出来るように作られています。
    基本作業の練習ページと同じくらい、実際に定期テストや入試に出るタイプの問題に紙面が割かれ充実しています。
    生徒自身の誤った判断によるものではない、必要な学習ができます。
    同じ時間、同じ熱意で勉強するなら、教材の質は大切です。


    意欲もあるし教材も良いのにどうも定着しない子の場合、いくつかの課題が考えられます。
    1つの原因は、問題文を読んでいないこと。
    問題文の中には、直線の式や交点のx座標など重要な情報がたくさん書いてあるのに、読まないんです。
    座標平面ばかり見て、「わからない」「難しい」とつぶやいています。
    「問題文に書いてあるでしょう?」
    と声をかけても、まだダメです。
    「ここに書いてあるでしょう」
    とテキストの該当箇所を指差してあげると、ようやくそちらに視線を動かします。

    根本的に、目が問題文のほうに動いていかない。
    視野の問題なのか。
    小学生の頃からの癖なのか。
    図形が与えられれば図形だけを見てしまう。
    グラフが与えられば、グラフだけを見て解こうとする。
    数行の日本語を読むことに苦痛を覚えるのでしょうか。
    それとも、グラフがあるのだから、それだけ見れば解けると勘違いしてしまうのでしょうか。
    意欲とは別の次元で数学の問題が解けない子がいると感じる昨今です。
    当たり前のことですが、問題文を読まなければ、問題を解くことはできません。
    自分のそうした癖や傾向を意識して改善できるかどうかか鍵となります。

    あるいは、こんな困難も。
     y=ax+b
    これは、1次関数の一般式。
    この式に数値を代入することで、直線の式は求めることができます。
    ところが、この式に数字を代入すると、いつもの方程式とはちょっと違う見た目になってしまいます。
    例えば、
     8=3a+3
    というように。
    これは、3a+3=8、と右辺・左辺を逆にすれば、易しい1次方程式です。
    だから、面倒がらずにひっくり返せばいいのですが、そのことが発想できず固まってしまう子がいます。
    少し見た目が変わると、もう対応できないようです。

    いつもの見た目なら、いつも通りに解くのに、見た目が変わると解き方を忘れ、力ずくで解く子もいます。
     a=-2
    などといきなり書くので、え、何がどうなったらそんな誤答が出るの?と私は慌ててしまいます。

    では、右辺・左辺が逆のままでも解けるように訓練すればいいのかというと、そんな訓練は無駄ですよね。
    中1の1次方程式を解く様子を見ていると、こういう解き方をする子がいました。
     4x+6=2x-2
      6+2=2x-4x
         8=-2x
    と、完全に逆のまま解いていました。
    「何でxの項を左辺に書かないの?」
    と訊くと、
    「前の塾のセンセイが、こういうふうに解いていた」
    と答えるので、嘘だろー?と驚いたことがあります。
    そんなふうに鏡を見ながら解くようなのは頭が疲れるだけです。
    その講師は、右脳が発達しているか何かで、それでも問題なく解けるのかもしれませんが、
    見た目が普段と違うと、普段ならあり得ないミスが出ます。
    例えば、その子はこんなミスをしやすかったのです。
        8=-2x
       10=x
    ・・・・・・え?今、何をやったの?
    昔は絶対なかった驚愕の誤答が飛び出します。
    こんなレベルの計算は、いちいち頭を通す必要もなく、手がスルスル解いていくような感覚のものなのに、七転八倒です。

    私は、1次関数の式を求める問題では、子どもの頃から代入の時点で右辺と左辺を逆にして、
     3a+3=8
    として解いていますが、
     8=3a+3
    と、とりあえずそのまま代入して、次の行は、
     3a=5
    と、いきなり直していける子には、ストップはかけません。
    様子を見ます。
    符号は変えずにクロスさせながら定数項の計算もする。
    それくらいは、安全に出来る子もいるからです。

    ただ、それが自動化された作業になってしまい、その作業の「意味」に戻れなくなった場合、関数の学習が終わった後、冬期講習などで復習すると全く解けなくなっていることがあります。
    作業手順だけになってしまったことは、手順を忘れた途端に何もできなくなってしまうのでしょう。
    もともと、式が、
    8=3a+3
    という見た目になった途端にどう解いていいかわからず戸惑うというのは、かなり不器用だということですし、数学の根幹への理解が怪しい可能性があります。
    そうであるのに簡略化した作業にこだわるのは、危険です。
    作業は意味のわかる定型でやっておいたほうが、いつでも振り返ることができるのです。


      


  • Posted by セギ at 12:52Comments(0)算数・数学

    2016年11月03日

    陣馬山一ノ尾根を歩きました。2016年10月。


    2016年10月30日(日)、藤野駅から陣馬山、そして高尾山へと縦走しました。
    秋晴れの日には富士山の見える山に行きたい。
    予定している候補の山もいくつかあるのですが、朝からどんより曇り空。
    午後から晴れてくるとの予報もありますが、山は雲が残りがちです。
    こんな日は、いつも通りに奥高尾を歩こう。

    三鷹駅7:48発。
    中央特快なので高尾駅では向かい側ホームに乗り換える中央線が待っていました。
    乗り込むとすぐに発車。
    藤野駅着。8:38。
    藤野駅は駅から出た右手に外トイレがあります。
    駅前にベンチが並び、山支度がしやすいです。
    さて出発。
    駅から高尾方向に戻るように歩いていき、踏切を渡ってトンネルに入ります。
    歩道は確保されていますし、トンネル内も明るいです。
    でも、車が横を通っていくときの音が凄いので、安全だとわかっていてもヒャーと首をすくめて立ち止まってしまいます。
    トンネルを出て、そのまま舗装道路をどんどん歩いていき、陣馬温泉の大きな広告塔が見えてきたところで道しるべの通りに右折。
    右折してすぐ、次の道しるべを左折。
    道は細くなりましたが、なお舗装道路は続きます。
    路面にすべり止めのデコボコがつけてある急坂です。
    朝からかなり冷えていましたが、少し汗ばむくらいになった頃に、分岐。
    まっすぐな道は未舗装。
    右の道は舗装されています。
    正解は右の道。
    曲がるとすぐ登山口です。
    道しるべがあります。9:20。
    ここから陣馬山まで4km。

    一ノ尾根の登山道はよく整備されて歩きやすい道が続きます。
    傾斜もそんなに急ではありません。
    道は昨日の雨か朝露かで濡れていましたが、特に歩きにくい箇所もなく順調に歩いていくと、「一ノ尾テラス」という掲示を発見。10:05。
    ひさしぶりに一ノ尾根を歩いたら、面白いものができていました。
    上の写真がそれです。
    登山道の左側のちょっと空いている場所が整備されて、休憩スペースになっていました。
    ベンチやテーブルの他に、タープが張ってあります。
    雨やどり用だそうです。
    ここが2km地点。
    ちょうど中間地点です。
    来る途中のベンチは全て湿っていましたが、タープの下のベンチだけは乾いていたので、気持ちよく座って休憩しました。

    さらに順調に登っていき、清水小屋の脇から陣馬山山頂へ。10:50。
    空は朝と変わらず曇り空。
    眺望はありません。
    座っていると寒くなってきます。
    一気に冬が来たようです。
    それでも山頂は多くの登山客で賑わっていました。

    さて、ここから高尾山を目指します。
    陣馬山から明王峠への道は例によってドロドロ道。
    雪どけ時期ほどではなく、端を歩けば大丈夫でした。
    明王峠。11:50。
    そろそろお昼と思いましたが、たくさんあるベンチが満員。
    こんな寒い日でも日曜日の奥高尾は人が多いです。
    秋の観光シーズン到来ですね。

    では景信山でお昼にしよう。
    明王峠から景信山まではアップダウンのある道とまき道とに幾度も別れます。
    その分岐で立ち止まって地図を開いている人たちを見かけるのも、観光シーズンならではです。
    前を行く若い3人がしばらく立ち止まった後に登り道のほうを行ったのを見送って、私はまき道を選んだのですが、ふと後ろを振り返ると、その人たちが後ろをついてきていました。
    え?
    戻ってきたの?

    すぐに追いつかれたので道を譲り、先に行ってもらうと、彼らは登り道との合流点で堂所山への急な段差を見上げ、「凄いなあ」と写真を撮っていました。
    いや、若い上にトレッキングポールを持っているんだから、楽に登っていけますよ。
    私が通りかからなかったら、あのまま登っていったのかなあ。
    私が挑戦の機会を潰したのかもしれません。
    見た目ほど怖くないですよ、堂所山の上り下りは。
    そう言うなら自分が登れという話ですが、何か面倒くさくてまき道ばかり選んでしまうんですよね。

    景信山。12:55。
    やはり空は曇り。
    それでも空とススキの眺めが気持ちよく、山頂付近のベンチで昼食。
    あたりのベンチも人でいっぱいです。
    ストーブでお湯を沸かしてラーメンを食べている人。
    茶店でうどんなどの温かいものを買って食べている人。
    山での装いもモコモコと暖かそうな人が増えてきました。
    秋が深まってくると赤いウエアが山に映えてきれいだなあ。
    特に今日のような空の暗い日には。

    さて、次は小仏城山へ。
    寒くなると奥高尾の地面の硬度が増すような気がするのは気のせいでしょうか。
    ガチガチ&ツルンツルン。
    日が差さないのでまだ地面が濡れています。
    急な下りでこういう地面は苦手だー。
    へっぴり腰で通過。
    小仏峠まで下りてくるともうそういう道はなくなり、あとは城山まで登るだけです。
    坂道と細い木段との二択の道は、今日は泥んこ道が滑りそうなので木段を選び、たったか上がると相模湖の眺望の良い地点に出ます。
    今日はやはり富士山は見えません。
    気持ちの良い広い道から、よく整備された木段の道、そして、木の根の段差の多い急な登り坂へ。
    登り切った少し先に電波塔が見えてきて、小仏城山。
    ここも人で賑わっていました。
    なめこ汁を頼んで、持参のおにぎりと一緒に食べている人が多いです。
    夏にはかき氷やビールが売れていた店。
    季節が移ったのを感じます。
    茶店は2軒あり、1軒のなめこ汁はしょうゆ仕立て、もう1軒はみそ仕立てです。

    さて、ここからは整備された木段・木道が続きます。
    木段の脇にセンブリが咲いていました。
    以前からそうだったかなあ。
    木道が整備されて、植生が回復された証かもしれません。

    予想通り、午後になっても雲は取れないまま。
    眺望が期待できないので、一丁平の展望台も紅葉台もまいて、高尾山の下に着くと、救急車のサイレンが聞こえてきました。
    近いな?
    山頂まで上がってくるのかもしれません。
    山頂も巻いて、トイレのところまで歩いていくと、3号路から車が上がってくるところでした。
    ミニパトが1台。
    ミニパトと同じサイズの赤い消防署の車が3台。
    凄いなあ。
    八王子市は、山仕様の小さいサイズの緊急車両が整備されているんだなあ。
    町の小さな路地でも活躍しているのでしょうか。

    「歩行者の方、道の山側で止まってください」
    とアナウンスがありました。
    平地で一般車に向けて行われるようなアナウンスです。
    車になったような気分で立ち止まりました。
    怪我人かな?
    病人かな?
    高尾山の山頂まで、小さい車なら登ってこられるんですね。

    1号路は薬王院から上は段差のあるところが何箇所かあります。
    どの経路をたどって車は登ってくるんだろう。
    考えながら1号路を下りていくと、下山していく赤い車が、薬王院の向こうに見えました。
    登山客・観光客が右折して階段を上がっていくところですが、そういえば直進する舗装道路があります。
    よく整備されているものだなあ。
    あっと。
    勿論、緊急車両と関係者車両以外は高尾山に入ったらダメですよー。

    6号路は観光シーズンが終わるまで、登り一方通行。
    リフトは長い行列ができていました。
    1号路をとことこ歩いて下山。
    まだそんなに混雑せず、ストレスなく歩いていくことができます。
    これから紅葉シーズンは1号路も人でいっぱいになりますが、高尾の紅葉はきれいだから、やはり見に来たいなあ。
    そんなことを考えるうちに賑わう麓へと降りてきました。

      


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