たまりば

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2018年05月31日

中学生は、英語のどこでつまずくのか。


本日は中学生の英語の話を。
英語が苦手という子の中には、単に覚えるのが苦手でなかなか覚えられないけれど、授業はまあまあわかるという、普通に英語が苦手な子も多いです。
しかし、なかには、大人が想像もしないようなところでつまずいて、その先に進めない子もいます。

まず、単語のスペルのルールが理解できなくておろおろしている子。
パソコンを扱える子は、パソコン方式のローマ字の打ち込みはできますから、ヘボン式とは多少異なるとはいえ、英文字と音とのつながりを理解しています。
ところが、英単語のスペルは、ローマ字とはかなり違います。
そこで混乱する子がいます。

英単語のスペルはどんなルールがあるのだろう。
なぜ、先生は、そのルールを教えてくれないのだろう。
教える必要もないくらいの常識なのだろうか。
自分だけが理解できないのだろうか。

かなり頭の良い子が、こういう混乱を起こすことがあります。
周囲は、その子の頭の良さを知っていますので、まさかそんなことが原因で英語不振に陥っているとは思ってもいません。
本人は勉強に関してプライドが高く、自分のそういう悩みを相談できません。
英語に関するもやもやが晴れず、どんどん英語が苦手になっていきます。

場当たり的な勉強や丸暗記の勉強は嫌いで、理屈が勝ってしまうタイプの子は、英単語のスペルにもルールを発見しようとし、そして発見できずに挫折してしまうのです。
他の科目と比べて英語だけ成績が悪く、これはちょっとおかしいという状態の子に、以下のことを説明するだけで、はっと覚醒し、その後、英語も他の科目と同じように理解することがあります。
英単語のスペルは、本当はルールがあるけれど、とても複雑だし、例外が物凄く多いから、今は、単語1つ1つのスペルを覚えていくといいよ。
日本語の漢字を覚えるようなものだよ。
そう助言するだけで、今までの霧が全て晴れ、英語がわかるようになっていくことがあります。


今は文法を全面に出して英語を教えるのは悪いことであるかのような風潮がありますが、理屈が好きな子には、文法で英語を教えたほうが効果があります。
文法用語を使わず何の文法事項を扱っているのか伏せた状態で、基本例文というのを暗記させられ、その文の意味を覚えていく学習を中1・中2とやっていくと、英語に対してモヤモヤしてしまう子は多いです。
そういう子に、例えば中3の「現在完了」などをゴリゴリの文法で解説するとバキッと開眼することがあります。

I have been in this town for two years.

➁She has kown the man since he was a child.

➂He has read the book three times.

➃I have already finished my homework.

問題 上の4つの文のうち、同じ用例のものはどれとどれか。

答えは①と②です。
文法的にこれをとらえる場合、使われている語句に着目します。
➀はfor two years 、➁はsince he was a child と、期間を表す語句が使われています。
いずれも、現在完了の「継続」の用法であることを示す語句です。
ちなみに、➂はthree times という回数表現があるので、現在完了の「経験」の用法。 
➃はalreadyが使われているので、「完了」の用法です。

文法的なアクセスができない子は、4つの文をいちいち和訳して解きます。
➀私は2年間この町に住んでいます。
➁彼女は彼が子どもの頃から彼を知っています。
➂彼はその本を3回読んだことがあります。
➃私はすでに宿題を終えてしまいました。

この日本語訳から、同じ用法のものを選ぶのです。
「完了」「継続」「経験」「結果」という現在完了の4つの用法という観点はなく、日本語の意味から、同じ意味あいのものを選ぶのです。

・・・・何てまだるっこしい。(-_-)
訳し方をちょっと失敗したら、終わりです。
「同じ意味あい」ってどういうことなのか、かなり曖昧ですし。
「完了」「継続」「経験」「結果」という、文法事項を正確に指し示すキーワードと、それに付随する語句をセットで覚えればはるかに楽ですし、正確に分析できます。

理屈が好きな子は、文法で解く解き方を教えると覚醒し、
「わかりやすい」
「初めて英語がわかる」
と感動します。
成績も急上昇します。

他の科目もそうですが、英語の問題には、出題者の意図があります。
何の文法事項を問う問題なのか、その出題意図を見抜けば、答えは楽に出せます。
そうした出題意図を見抜くためにも文法からの分析は有効です。
上の問題でいえば、ああ、現在完了の用法の識別だなと把握し、サクサク解けば短時間で終わります。
しかし、何の問題なのか、何を問われているのかわからないまま、漠然と日本語に直し、何となくこれが答えなんじゃないかと判断して解いている子もいます。
まさか、そんな、バカな。
そんなことがわからないはずがない。
大人はそう思うのですが、文法が苦手ということは、そういうことです。
英語学習が常に曖昧な状態で進み、英語の問題をどう解いていいかわからず、ぼんやり解いている子は、案外どこにでもいます。

文法を理解することは、文法問題を解くのに有利なだけではありません。
英文をいちいち日本語に訳さずに読んでいく癖がつきます。
英文を英文のまま読んでいくというのはどういうことなのか、言葉で説明してもわからない子は多いのです。
文法問題のような短文を訳さないで読んでいく習慣が身につくと、長文を読んでいく際にも、訳せと言われない限りはいちいち日本語にしない習慣がついていきます。
日本語に訳さず、しかし意味のまとまりごとに英文を区切って読んでいくには、文法知識が必要です。

文法は教えない。
だが、意味のまとまりに区切って英語のまま理解しろ。
そんな要求をされた場合、そもそも意味のまとまりに区切る、その区切り方がわかりませんよと生徒が不満を持つのは当たり前のことだと思います。
文法がわからないと、英文の構造が把握できないので、どこで意味が区切れるのかもわからないのです。
文法を知れば、意味のまとまりは自明の理です。
そんなの、S、V、O、C、Mのことなんですから。


ところが、文法を教えても英語が得意にならない子も確かに存在します。
「現在完了の見分けがつかない」
というので、
➀完了の用法
「すでに~してしまった」「ちょうど~したところだ」の意味。
already,yet,justなどを伴うことが多い。

➁経験の用法
「~したことがある」の意味。
once,twice,three time,many times,beforeなどの語句を伴うことが多い。

といった文法事項を説明すると、そんなに覚えることが多いのは嫌だ、もっと簡単に分類できる方法を訊いたのに、と不満を感じる子もいます。
文法用語に対する拒否感が強いのです。
覚えることが多いのは苦痛を感じる。
理屈が好きじゃない。
もっと簡単で、もっと楽しいことがやりたい。
そういう要求の強い子は、文法をいくら説明しても、覚えてくれませんし、活用してくれません。
何を教わっても、1文1文を日本語に訳して意味を取ってからでないと解かないのです。
出題者の意図を汲み取りなさいといっても、そういう視点を持ったことがない様子で、ぼんやりしています。
何の文法事項を問われているのか考えてみてと問いかけても、そんなのわからない、と言います。
全てモヤモヤし、ぼんやりしている中で、意味だけを頼りに解いていこうとし、やがて英文の意味を読み取れなくなり、英語に挫折していきます。

修飾語句が多くなり日本語に訳すのが難しくなる中2の「不定詞」あたりから、英語がわからなくなっていく子が多いのはそのためでしょう。
英文の構造が複雑になればなるほど、意味だけで英文を理解していくのは難しくなります。


文法重視が悪いことのようになってしまうと、文法からアプローチすれば高度な英文も理解できるタイプの子から、その機会を奪うことになります。
文法が理解できる子には、今まで通り文法を教えるのが最善です。
勿論、進学校はそれを承知していますので、「過度な文法重視を排し」と言われようがどうしようが、文法をきちんと教えていくと思います。

問題は、文法に拒否反応が強く、文法をいくら教えても文法を活用しないタイプの子に、どのように英語を教えるか、です。
教えても活用しないのですから、それこそ「過度の文法重視を排し」ていかなければなりません。
文法を教えていないふりで、文法を教える。
文法を教えていないふりで、英文の構造を教える。
そうした面倒くさい作業が必要となります。
当然、英語学習の時間を今までより多くし、触れる英文の数を増やさないといけませんし、文法で骨組みを補強できない分だけ語彙力を鍛える必要が生じます。

それでも、相手によって教え方を変えないと、その子は伸びません。
その見極めが重要です。

  


  • Posted by セギ at 13:55Comments(0)英語

    2018年05月28日

    陣馬山から高尾山を歩きました。2018年5月。


    2018年5月27日(日)、奥高尾を歩いてきました。
    前日まで天気予報は曇りがち。
    ならば、いつもの奥高尾をちょっとトレーニング気分で歩こうと予定していたら、いざ当日になると意外に晴れていました。
    この天気なら、もっと早起きして、遠くの山に行けば良かったかなあ。
    でも、奥高尾、好きなんです。
    近場なのに1日たっぷり歩けますから。
    よし、予定通り、奥高尾を歩こう。

    JR高尾駅北口。8:35。
    陣馬高原行きのバスはいつも通りの長い行列でした。
    小仏行きのほうは、いつもより過激に長い行列となり、蛇行しています。
    「小仏行き最後尾」の看板を掲げた職員さんが整理にあたっていました。
    陣馬高原行きバス発車。8:52。
    バスは2台同時発車。
    座席を畳んでバスの収容人数を増やす、ラッシュ時の形態となっていました。
    座ることはできず、畳まれた椅子に寄りかかり、車窓を眺めていきました。
    初夏の明るい車窓は、山に着く前から緑があざやかです。

    終点、陣馬高原下。9:35。
    トイレを済ませて、さて出発です。
    茶店の前を通りかかると、店頭でスタンプを押している人がいました。
    高尾・陣馬スタンプハイクですね。
    毎年やっているのは知っていたのですが、参加したことがありません。
    プレゼント応募にはあまり興味がないけれど、ちょっとやってみようかな。
    試しにそこにあった用紙にスタンプを押してみました。
    あ。花のスタンプです。
    陣馬高原下・山下屋のスタンプは、カシワバハグマ。
    これはちょっと楽しいかも。ヽ(^。^)ノ
    用紙を畳んでザックに入れ、さて出発。

    まずは舗装された林道を登っていきます。
    歩き出しは日向で暑いのですが、途中から沢の冷気が上がってきて、気持ちよく歩いていけました。
    道しるべに従い、左の登山道へ。
    歩きやすい道だなあ。
    奥高尾くらい整備された登山道は、ちょっと他で見ないですよね。
    登り坂は急ですが。
    これはどうしようもありません。

    前を行く親子連れに追いつきました。
    お父さんと男の子2人。
    弟くんのほうは、結構嬉しそうに歩いているのですが、小学校高学年くらいのお兄ちゃんは、やる気ゼロの様子で遅れながら歩いています。
    お父さんがしょっちゅう振り返ってはっぱをかけます。
    「ほら、早く来い。そんなだらだら歩くから余計に疲れるんだ」
    でも、男の子はやっぱり辛そうです。
    これは、山が嫌いになるパターンですね。

    山は、自分が来たいと思って来るのでなければ、楽しくありません。
    それに、自分のペースで歩けないのは辛く不愉快なだけです。
    こんな急坂は、もっとゆっくり歩いたら楽しいのに。

    私も、子どもの頃は遠足の山歩きは大嫌いでした。
    息を切らしながらずっと歩き続けて、好きなときに休憩することもできませんでしたから。
    しかも、水分は子ども用の小さな水筒に入っているぬるい水だけでした。
    そんなのはすぐに飲み干してしまいますし、昔のことですから「水分を取りすぎるとバテる」といった迷信が横行していて、喉の渇きを我慢して歩くのが普通のことでした。
    子ども用のナップザックは肩に食い込んで痛いし、体操着は登山用のものじゃないから汗をかくと不愉快だし。
    靴は普通の運動靴だから、基本歩きにくいし。
    あの頃の記憶のまま、今も山歩きに我慢・忍耐・苦痛のイメージしか持てない人も同世代には多いのかもしれません。
    息切れしないペースでのんびり歩き、水分取り放題、おやつ食べ放題、立ち止まり放題、ザックも靴も装備は全て快適。
    それが大人の山歩き。
    山頂にはかき氷にビール。
    下山したら温泉。
    こんな楽しい山歩きを知ったら目からウロコが2~3枚バリバリ剥がれ落ちる人も多いと思うのですが。

    さて、前半の急登が終わって、いったん道はゆるやかになります。
    もう新緑のシーズンは終わり、すっかり緑が濃くなりました。
    涼しい木陰でひと休み。
    ここからさらなる急登が待っています。
    広い尾根は、ジクザグに切られた正規の道があるのですが、すっかり複線化して直登気味の道が何本もできています。
    淡々と登っていくと、急坂のてっぺんに。
    ここにはベンチ代わりの丸太も置かれています。

    さて、ここから、短い距離ですが崖っぷちの道。
    これくらいの道幅があると、安心だなあ。
    と、いまだに先月の細い道幅の山歩きの記憶がよみがえります。

    大きなカエデの木のところで左に曲がり、いよいよ最後の登りです。
    春先は泥んこ道になるところですが、さすがにこの季節はよく乾いて快適な道でした。
    坂が少し緩くなり、歩きやすい道をたどって、最後の石段を数段登ると、陣馬山山頂。10:55。
    白馬のモニュメントがお出迎えです。

    スタンプハイクの旗の下、押したスタンプは、センニンソウ。
    空は霞んで富士山は見えませんでしたが、奥多摩方面の眺望はありました。
    生藤山の左に三頭山。右奥に雲取山、そして、少し離れて肩をいからせた大岳山。
    山頂周辺のベンチは人で一杯でしたので、木段を下って、芝生のほうに向かいました。
    あれ?
    芝生を園芸用の緑色の細いパイプや白いビニールテープで囲ってあります。
    何か植物でも植えたのでしょうか?
    芝生は芝生のまま、ほったらかしてくれたほうがいいのになあ。
    そこは富士山の眺望が特によい一等地なのになあ。
    少し離れ、暖簾のように並ぶ鯉のぼりとその向こうに大岳山が見える芝生にレジャーシートを敷いて、ちょっと長めの休憩を取りました。

    さて、出発。11:15。
    高尾へと歩き慣れた道を進みます。
    まず木段を下り、広い道をのんびり歩きました。
    足許にはフタリシズカが沢山咲いていました。
    白い小さな花が集まって咲いている木は、マルバウツギでしょうか。
    道が乾いているので、この時期の奥高尾は本当に歩きやすいです。
    いつもならまき道を選ぶのですが、今日は時間に余裕があるので、尾根道を選んで歩きました
    道の北側は広葉樹の雑木林。
    側は、植林。
    この季節、尾根道を歩くと、高尾の南面と北面の植相の違いが林の明るさの違いになってはっきり感じられます。
    まき道は植林の中を歩くそっけない道ですが、尾根道は雑木林の明るさに心が浮きたちます。

    伐採地。
    何かの苗が植えられた他、丈の高い草が伸びて、ワサワサしていました。
    何年かして、苗の背が高くなっていくと、日影となって草は生えなくなり、また植相が変わっていくのでしょうか。

    景信山。13:10。
    ここのスタンプは、ホタルブクロ。
    晴れているのに、空は高層ビルも見えないほど霞んでいました。
    夏空のようです。

    山頂直下の急な下りから、岩がちな下り、S字の下りとさまざまな下りをたどって、小仏峠。
    そこから登り返して、相模湖を見晴らせるベンチ。
    あれ?
    相模湖脇の道路が見たことがないほど渋滞しています。
    車が列をなし、ほとんど動いていないのです。
    先客のグループも、この大渋滞をいぶかしみ、スマホで渋滞情報をチェックしていました。
    上の画像がそれです。
    ネットに上げた段階で画素数を大きく減らしたのでボケてしまいましたが、オリジナル画像では、車一台一台がくっきり見えています。

    しばらく平坦な道を進んで後、木段の登り、木の根の作る段差の道を登って、小仏城山。14:05。
    城山のスタンプは、イチリンソウ。
    城山の茶店は今日は2軒とも開店していました。
    名物のかき氷の販売も始まっていました。
    今日は、凍らせてきたゼリー飲料を飲めば平気でしたが、この夏またお世話になると思います。

    城山から、木段木道の道を降りていくと、一丁平。
    ヤマボウシが満開でした。
    眺望がないので、今日は紅葉台には登らず、まき道を行きます。
    まき道とはいっても、登りは登りなんだなあ。
    気温が高いと、ちょっとした登りも案外負荷がかかり、ああ、ここは登り坂だと感じます。

    高尾山直下。15:00。
    ひと息ついて、ここからもまき道を行きました。
    トイレのところで右に曲がり、6号路に入ります。
    ベンチに座って、少し休憩。
    林に向かって座り、水分補給。
    柔らかな日差しに、広葉樹の林は薄緑色に光っています。
    その林の中で、白い蝶がヒラヒラしているのが見えました。
    あれは・・・・。

    さて、下山。
    まずは木段をどんどん降りて、平坦な道をしばらく行くと、沢の中の飛び石。
    こんな時間なのに、登ってくる人が案外多いです。
    もうビアガーデンをやっているのかな?
    登山姿ではない若い子たちがどんどん登ってきます。

    飛び石が終わると、木の根や岩の多い沢沿いの道。
    滑らないよう、用心して通過。
    下るほど道は良くなってきます。
    沢の右岸に渡った頃からは本当に歩きやすい良い道になります。
    どんどん下っていくと登山口に。
    舗装道路の脇の林の前で立ち止まり、見上げている女性がいます。
    つられて見上げると、無数の白い蝶がヒラヒラと飛んでいました。
    あれは、ヤママユガ。
    先程ベンチで見た、林の中の幻のようなチョウも、きっとそうだったのでしょう。

    清滝駅。16:00。
    スタンプの用紙を見て、気づきました。
    あ、琵琶滝でスタンプを押し忘れた。(''_'')
    清滝駅のスタンプは、サルトリイバラでした。
    スタンプハイクは、5月31日までなので、今年はとびとびに5個集めただけでしたが、来年は本気で取り組んでみようかな。
    もう1つ、このスタンプ用紙には、「おすすめコース」なるものが載っていて、城山北東尾根という歩いたことのないコースが掲載されていました。
    ほほお?
    日影沢の徒渉があるんだ。
    この夏、沢の水位が下がったときに挑戦できるかな?

      


  • Posted by セギ at 18:31Comments(0)

    2018年05月26日

    6月9日(土)、大人のための数学教室を開きます。



    5月26日(土)の大人のための数学教室は、参加者0人のため中止となりました。
    次回は、6月9日(土)の予定です。

    さて、授業は進まなかったので、今回も何か数学に関するこぼれ話を。
    中学3年生は今の時期、「平方根」を学習している学校が多いです。
    そして、ほぼ毎年、平方根が全く呑み込めない子が現れます。

    x2=aであるとき、xをaの平方根という。

    この定義は、確かにわかりにくいです。
    字面を目で追っても意味が伝わってこない。
    それは私も共感できるのです。
    だから、まずは具体例で説明します。

    6を2乗すると36になります。
    そして、-6も2乗すると36になります。
    言い方を少し変えると、2乗すると36になる数は、6と-6です。

    ここが実は重要で、上のように少し言い方を変えただけで、理解できなくなる子がいます。
    日本語の助詞の働きを読み取ったり聞き取ったりできない子が一定数いるのです。
    単語の羅列でしか言葉を理解していないので、語句と語句の関係を把握するのが苦手な様子です。
    だから、ちょっと語順を変えて、原因と結果が逆になっている文になると理解しづらく、眉を寄せたり、頭を抱えたりします。
    「6を2乗すると36になる」は理解できるのですが、「2乗すると36になる数は、6と-6」はすんなりとは飲み込めないのです。
    かなり苦しそうです。

    それでも、何とか理解するのを待ちます。
    2乗すると36になる数は、6と-6。
    この6と-6が36の平方根です。
    2乗するとaになる数が、aの平方根。
    2乗する前の数が、2乗する後の数の平方根です。

    4の平方根は、±2。
    9の平方根は、±3。
    ここまで丁寧に説明すると、新しい学習内容にちょっと抵抗を示しながらでも、一応理解できるという子が多いです。
    ただ、本人が余程集中し理解しようとしたときにようやく意味の伝達が可能なので、中途半端に授業を聞いていたら理解できない子は案外多いのです。

    では、2の平方根は?
    △×△=2 となるときの△にあたる数です。
    え?
    そんな数ある?
    1.5くらい?
    1.4くらい?
    そう。大体1.4くらいの数ですが、1.4×1.4=1.96ですので、正確には2ではありません。
    1.41×1.41=1.9881
    1.414×1.414=1.999396
    どんどん2に近づいてはくるのですが、小数で表している限り、どこまでいっても2乗して正確に2なることはありません。
    2乗して2になる数は、小数で表すことはできないのです。
    これを√ という記号を用いて表すことにします。
    2乗してaになる数を±√a と表す。
    つまり、aの平方根が±√a です。
    2の平方根は、±√2 。
    √2 を2乗すると2になるということ。
    -√2 も2乗すると2になります。

    新しい記号である√ に、かなりの抵抗があり、話はさらに難しくなってきました。
    √2を2乗すると2。
    -√2を2乗すると2。
    つまり、2の平方根は±√2。
    前後をあえて逆にして、その行ったり来たりが本人の頭の中で上手くいっているか確認します。
    何とか大丈夫そうだ。
    ようやく問題練習に入りますが、ここで大きくつまずく子がいます。
    問題を解き始めると、理解していたはずのことが一気に崩れ、大混乱が起こるのです。

    問題 √36 を整数に直しなさい。

    √36=6 です。
    わかっている者にとっては、これの何が難しいのか、むしろそれがわからないくらいにシンプルな問題なのですが、これがわからない子は案外多いです。

    √36 というのは、36の平方根。
    2乗して36になる数のうちの正のほうの数だから、それは6です。
    そう説明しても、意味がその子に伝わっている様子が見られません。
    では、答えは何だと思う?
    何を誤解しているのか確認しようとして問うと、そういうのは別にないというのです。
    ただ、わからない。
    √36 という書き方がわからない。
    何を言っているのかわからない。
    そう言うのです。

    √4=2 です。
    -√9=-3 です。
    いくつかの具体例から共通のルールを本人が見つけることがあるかもしれないと、ボードにありったけ書いていっても、やはりわからないというのです。
    本来、√36なんて書き方はしなくてもいいよね。
    36の平方根は±6だものね。
    整数になるのだから、√ を使わなくてもいいよね。
    でも、使ってもいいよね。
    そう説明しても、表情に変化はなく、目に光は宿りません。

    授業が膠着状態に入り、生徒から、ようやく自分の考えが述べられることもあります。
    「√36は、2乗したら36なんだから、36だと思う」
    「・・・・え?いや、√36 は、2乗したら36になるので、まだ36にはなってないんだよ。2乗する前の段階、1乗の段階だから、6なんだよ」
    「ちょっと何言ってるかわからない」
    「・・・・・」
    ( ;∀;)

    平方根が理解できないのは、数学的なことが理解できないというよりも、本人の国語力・言語能力に負うところが大きいと思います。
    説明が理解できない。
    説明されている言葉が理解できない。
    平方根の壁は、言葉の壁だと感じます。

    もっとわかりやすく説明する方法はないだろうかと、数学に関する本を書店で探しますと、数学者というのは現実の数学嫌いな中学生と接した経験は少ないのでしょう。
    「平方根が子どもにとってわかりにくいのは、それが身近にあるものだと知らないからです」
    なんて書いてあったりします。
    だから、数学の授業の初めに、平方根を使った実例を説明すればいいと言うのです。
    ほほお?
    で、その実例が、コピー用紙などの紙の規格。
    A4、B5といった規格は、どのサイズも縦と横の比が√2:1になっているという話が説明されています。

    いやいやいや。(-_-)
    中学生でA4・B5の紙の話をして通じる子は、平方根の話も1度で通じます。
    そういう話を目を輝かせて聴く子は、そういうエピソードがなくても平方根は理解できるのです。
    「紙の規格なんか知らない」
    平方根が理解できない子の多くは、その一言で終わりです。
    一般に、理解の遅い子は、世の中のことや身の回りのことへの関心が薄い傾向があります。
    音楽・アニメ・ゲームなど、サブカルチャーには興味はあるのだと思いますが、現実への関心は薄く、興味を持って耳を傾けてくれる可能性は低いのです。
    ルーズリーフを使っている子に、
    「その袋にB5って書いてあるでしょう?それが紙の規格なんだよ。ノートの片面のサイズがB5。ノートを開いたサイズがB4」
    そう説明すれば目を輝かせるかというと、そんなことは期待できません。
    「袋なんか見ない」
    それで話は終わってしまいます。
    そこで、紙の規格について1から説明したところで、それは本人の関心のあるエピソードではありません。
    平方根の説明だけでもわからないのに、紙の規格という謎の知識が乗っかって、さらに負担が増すのです。
    紙の規格が身近な知識になるのはコピーを取る必要が生じる大学生以降で、中学生にとってはほとんど関係ないですから、知らないのは責められないですし。

    中学生に紙の規格の話をするのは徒労感が強い。
    平方根を教えるには、平方根で教えるしかないのです。

    毎年、理解したとは到底思えない状態で授業が終わります。
    それでは、平方根がマスターできないままで終わるのか?
    案外そうでもないのが不思議なところです。
    1週間後の授業では、あれほどの混乱が嘘のように収まっているのです。

    学校の授業で理解したのでしょうか?
    いえ、学校の授業がわからなかったから、塾で平方根について質問し、その説明も理解できなかったのです。
    でも、1週間後、理解できているように見えるのです。
    家で教わった?
    友達に教わった?
    そんな気配もありません。

    1つ考えられること。
    これは、脳の働きなのではないか。
    脳というのは不思議なもので、一晩寝ると情報が整理され安定するらしいのです。
    だから、勉強したら、その後よく寝ることが大切。
    その場では咀嚼できなかった多くの情報。
    しかし、一晩寝たら、何がわからなかったのか不思議なくらいに理解し、安定する。
    そういうことなのではないか?
    結局、平方根を理解するために必要なことは、説明を聞くだけ聞いたらよく寝ることかもしれません。
    (^-^;

    そんなわけで、紙の規格の話は、平方根がわからない中学生にしても意味がないのですが、この話自体は興味深いので、ここで説明します。

    紙には規格があります。
    一番大きいのがA0。
    縦と横の辺の比が√2:1の、約1m2の紙です。
    これを半分に切ったサイズがA1。これも辺の比は、√2:1です。
    さらに半分に切ったのがA2。これも辺の比は、√2:1。
    このように、半分、半分、半分と切り分けていっても、どれも辺の比は、√2:1となります。
    つまり、全て相似な長方形の紙となっています。

    これは、他の比ではそんなにうまくいかないのです。

    例えば、縦と横の比を3:2としてみましょう。
    半分に切ったとき、縦と横の比は、1.5:2=3:4。
    縦長に向きを直すと4:3となり、もう3:2にはなりません。
    1回切っただけで、もう元の紙と相似な長方形ではなくなるのです。

    √2:1の場合。
    半分に切ったとき、縦と横の比は、√2/ 2:1=√2:2=1:√2。
    縦長に向きを直すと、無事に√2:1の相似の長方形になります。
    √2だからこそできる技です。
    こりゃ凄いですね。ヽ(^。^)ノ

    A版の他にもう1つB版という規格があります。
    全く別の規格なのかというと関係性があります。
    A4の対角線の長さが、B4の長いほうの辺の長さなのです。

    A4の辺の長さを仮に√2、1としてみましょう。
    対角線の長さは、三平方の定理により、√3 と計算できます。
    その√3が、B4の長いほうの辺の長さなのです。
    ということは、A4とB4の辺の比は、√2:√3。
    すなわち相似比が√2:√3 ということです。
    面積比は、相似比の2乗ですから、2:3。
    B4は、A4の1.5倍の大きさの紙であることがわかります。
    うーん。いろんなことが美しい。
    それも、平方根があるからこそ。
    ヽ(^。^)ノ

    さて、次回の数学教室のお知らせです。
    出席を希望される方のみ、前日の午後9時までにメールをください。
    欠席の連絡は不要です。

    ◎日時  6月9日
    (土)10:00~11:30
    ◎内容  数Ⅱ「因数定理・高次方程式」を続けます。p.37例題14の解説から。
    ◎場所  セギ英数教室
           三鷹市下連雀3-33-13
             三鷹第二ビル 305
           春の湯さんの斜め前のビルです。
    ◎用具   ノート・筆記用具
    ◎参加費 2,000円
           当日集めさせていただきます。
    ◎予約  私の携帯メールかLINEに、ご予約をお願いいたします。





      


  • Posted by セギ at 15:15Comments(0)大人のための講座

    2018年05月24日

    高校生の英語力が伸びない理由.


    2013年に閣議決定された英語到達目標がありました。
    2017年度までに中学3年生の50%が英検3級程度の英語力をもつこと。
    高校3年生の50%が英検準2級程度の英語力を持つことでした。

    しかし、実際には、2017年度に、英検3級程度以上のレベルに達した中3は全体の40.7%。
    英検準2級程度以上のレベルに達した高3は39.3%。
    目標達成はなされませんでした。

    高校生に対しては、そもそも低く目標設定されていました。
    英検3級は中学3年生程度の英語力を基準としていますので、学年相当の設定です。
    一方、高校3年生に対する政府目標は英検準2級とされています。
    英検準2級は、高校1~2年生程度の英語力です。
    しかも、その目標を達成できませんでした。

    数値も同じ40%程度ですので、中学3年生のときに英検3級程度の英語力のある子は、高校3年生のときには英検準2級程度の英語力がある、という流れが見えます。
    2017年度の中3と高3の話で、同じ学年の子どもたちの継続調査ではないのですが、継続調査をしてもその程度ではないでしょうか。
    これを、英検2級で調査したら、当然、もっと数値は低くなるでしょう。
    中3のときにはそれでも学年相当の英語力のあった40%の子たちも、学年が上がるにつれて、学年相当の英語についていけなくなっていると予想されます。

    どうすれば良いのか?
    これは「4技能」の話とはちょっと違うのです。
    「4技能」は、日本人は中学・高校と英語で秀才だった子も実際には英語を話せないという観点から、「話すこと」にも力点を置こうという話です。
    「話すこと」の指導に力を入れれば英語の他の技能も上がる、ということではありません。
    「話すこと」に力点を置けば、話す技能は今までよりは上がるかもしれません。
    しかし、それに伴って「読むこと」「聴くこと」「書くこと」の能力が上がる保証はありません。
    実際、これまでの例で言えば、中学生で英会話教室に通っている子は、「話すこと」「聴くこと」の力は標準よりあるけれど、ペーパーテストに弱いので、成績は「4」は取れても「5」はなかなか取れないのが実状でした。
    高校生で英会話教室に通っている子になると、さらに効果は不明瞭で、高校の英語の授業についていくことができない子もいます。
    でも英会話教室は楽しいらしいのです。
    楽しいのなら何より。
    もうそれはお稽古ごとの領域です。

    ただ、英会話教室も今は多種多様で、昔ながらのネイティブの講師を囲んで数人のグループで会話をする形式のものは少なくなりました。
    毎回自己紹介に授業の半分が費やされるという効果不明のものは淘汰されつつあります。
    各種英語検定合格に特化したもの、大量のリーディングを課し速読力を強化するもの、高校受験・大学受験に対応しているものもあり、それは英会話教室というより英語教室と呼んだほうが良いのでしょう。
    そして、そうした英語教室は「話すこと」が他の技能を伸ばすとは必ずしも考えてはいないのです。
    4技能は、それぞれを伸ばさないと伸びないのです。

    話を戻して。
    中学英語にはまあまあついていけた子が、なぜ高校英語で学年相当の力がつかなくなっていくのか。
    最大の原因は単語力だと思います。
    高1になっても、高2になっても、高3になっても、単語力は中学生レベル。
    そういう子が多いのです。
    たまにわからない単語があるという程度ではなく、1文の文意を決定する単語のほとんどがわからないのです。

    例えばこんな文。
    She possesses a great capacity for overcoming any obstacle.
    文法的にはシンプルです。
    比較的短く、内容をとらえやすい英文です。
    しかし、英語が苦手な高校生は、この文の意味を把握できません。
    単語の意味がわからないのです。
    主に以下の4単語です。
    posess , capacity , overcome , obstacle
    どれも高校レベルの単語です。
    でも、覚えていない子は多いです。
    1文に4つわからない動詞や名詞があったら、意味は把握できないですよね。
    単語の意味がわからない限り、英語は謎の呪文です。
    (-_-)

    英単語はいきなり大量に出てくるものではないので、新出のときにしっかり覚えて2度と忘れないようにすれば、語彙は着実に増えていきます。
    中学生の頃は、それがそこそこ上手くいっている子も多いのです。
    しかし、高校生になると、新出単語を覚えきれなくなっていきます。

    高校の英語の先生は、生徒の単語力不足を気にしていますので、単語集を配布し、週1回テストを課すことが多いです。
    しかし、それも、その単語テストのために一夜漬けで覚えて、テストが終わればすぐに忘れてしまう子が大半です。
    それを防ぐため、学校の先生は、そうした毎週の単語テストの範囲を定期テストの範囲に全て含めることがあります。
    その場合、単語のテスト範囲は「捨てる」という暴挙に出る高校生が多いのです。
    覚える単語数が多すぎるからでしょう。
    他の教科の勉強もあるからと諦めてしまうのです。
    定期テストでは、単語集からの出題はほぼ全滅。
    身についた単語はほとんどありません。
    この繰り返しで、教科書の本文も、テストに出る初見の英文も、わからない単語がどんどん増えていきます。
    高校生で英語が苦手な子の大半は、そういう子ではないでしょうか。

    知っている単語の数がもう少しあれば、文法力や文章の構造把握力でどうにかカバーする方法はあります。
    上の英文で言えば、まずcapacity。
    この単語がわかるとわからないとでは、かなり違ってきます。
    そして、この単語は、半分日本語になりつつある単語です。

    しかし、英語が苦手な子とは、こんな会話になりがちです。
    「キャパシティは、もう半分日本語になっているね。キャパって言うじゃない?」
    「言いません」
    「武道館のキャパ1万2千人。東京ドームのキャパ4万人とか」
    「言いません。知りません」
    「・・・・」

    思い出すヒント、覚えるヒントとしてこうした話を持ち出しているのですが、単語が苦手な生徒ほど、こんな反応になりがちです。
    知らないことを責められていると感じてしまうのでしょうか。
    他にも、
    「ファッション誌に、インポート物とか書いてあるじゃない?」
    「知りません」
    「都知事がよくダイバーシティとか言っているじゃない?」
    「知りません」
    叩き返すような返答です。
    「映画で、ミッション・インポッシブルってあるじゃない?」
    「知りませ・・・あ・・・」
    「・・・・知ってるよね?」
    「知ってますけど、意味とか考えたことありません」
    日本語としてなじみのない音のつながりでも、映画のタイトルだと覚えられたりしますから、それを利用しない手はないですよね。
    ちょっとでも語彙を増やしていく、その気持ちが大切。
    ヽ(^。^)ノ

    単語力をつけたいと思っている人は、1万語をまとめてスルスル覚える方法を求めている様子の人が多いです。
    そのためには3か月単語漬けになるくらいの覚悟が必要ですし、その後もそれを維持するための継続的努力が必要なのですが、その人にその覚悟があるかというと、それはまた別の話。
    一方、身近なところから1つでも2つでも覚えていこうということもない。

    英単語は、覚えられない。
    私は、英単語を覚えるのは苦手だ。
    全然頭に入らない。
    それは仕方ないことだ。
    それを解決できないのは、私の責任ではない。
    楽にスルスル覚えられる方法が開発されたら、やってみないでもないが。
    そういうところで停滞し何も動かないのが、中学英語と高校英語との間に高い壁を作っている一つの原因かなと思います。


    ともかくcapacityは「能力」という意味だと、それはわかっているとして。
    She posseses a great capacity for overcoming any obstacle.
    文法の基本がわかっていれば、わからない英単語は英語のまま、意味を取っていくことができます。
    「彼女はどんなobstacleもovercomeする大きな能力をpossessしている。」
    何のこっちゃわからん、と言うこともできますが、とにかく能力の話なのだとわかります。
    そして、英文というのはこの1文だけポツンと書いてあるのではなく、これは長文の一部分です。
    この文の前後、大抵はその後ろに、その能力についてもっと具体的な描写があるはずです。
    その能力は、どんなobstacleもovercomeする能力だそうですが、その後に具体例が書いてあり、それが読み取れれば、obstacleもovercomeもわからなくても大丈夫でしょう。
    修飾部分ですから。
    具体例のほうがもっとわかりやすく説明してあるはずです。
    逆に、その後ろの具体例が読み取れなくても、あと一語、overcomeの意味がわかるなら、おおよその文意は把握してその先を読み進めることができます。
    「彼女はどんなobstacleも克服する能力をpossessしている」
    ここまでわかれば、ほぼわかったようなものです。
    その後に、何かを克服した具体例が書いてあるのでしょう。

    ただし、こうした読み方はかなりの集中力と推理力を必要とします。
    単語の意味がもっとわかれば、こんなに苦労をしなくて済むものを。
    せめてこの単語の意味だけでもわかれば。
    そうした経験から、1つ1つ増えていくのが生きた語彙です。

    単語集による単語暗記も並行して行う中で、覚えたはずの単語が長文中に出てきて、それなのに意味が取れないとき。
    この単語の意味がわかれば、この文の意味はわかるのに。
    覚えたはずなのに。
    悔しいなあ。
    そうして、その単語の意味を確認し、ああ、そうだった知っていたのにと感じます。
    その単語は自分の語彙になるまで、あともうほんの少しです。
    もう自分の語彙になっているかもしれません。
    単語集の中の単語の羅列が、文章の中で生きた使われ方をした瞬間に、驚くほどすんなり頭に入ってきて忘れないことがあります。
    だから、単語暗記と多読とを並行して行うことが効果的です。
    重要な単語は本当に高い頻度で英文の中に出てきますので、英文を多く読めば読むほど、頭に残ります。

    しかし、英語が苦手な高校生は、単語暗記も多読もしません。
    教科書の英文だけは予習しようとしても、新出単語以外にもわからない単語が多く、いちいち辞書をひくだけで時間がかかります。
    文法も苦手なので、単語の意味は調べられても、1文が長いと構造を把握できません。
    関係代名詞とか分詞とか、学校の授業で説明されても、意味がわからない。
    中学でちょっと勉強して終わると思っていたのに、何で毎回文章に関係代名詞とかいうのが出てくるんだろう?
    全然わかんない。
    教科書の予習だけでも、もう手が回らない。
    そもそも英語にそんなに時間をかけていられない。
    そう考えて、やがて諦めていきます。
    そういう子が多いと思います。

    この状態で、塾で、学校の英語の授業の予習復習を希望し、それ以外のことはやりたくないしやらないとなると、問題の解決はほとんど不可能です。
    わからない単語は辞書を引かなくても教えてもらえるので、コミュ英の予習は一見順調となります。
    教科書の問題を一緒に解いてくれるので、英語表現の予習も順調。
    英語の予習がとりあえず楽になります。
    わかってきたような気がします。
    これなら、定期テストの点数も上がるかなあと本人は期待するのですが、その高校の定期テストが単語集からの出題や初見の英文の出題が多い場合、得点の伸びはあまり期待できないでしょう。
    むしろ、長期的にはじりじり下がっていく可能性のほうが高いと思います。
    自力で英語と対峙する機会がむしろ減っているのですから。

    間口の狭い勉強にこだわっていると英語力は永遠に中学生のままです。
    根本の英語力を鍛えることが必要です。
    まずは単語力。
    学校がせっかく与えてくれている単語集。
    繰り返し繰り返し暗記してみてください。
    学校が指示するよりも早く、何周でもしてください。
    英語学習の間口を広げましょう。

      


  • Posted by セギ at 15:32Comments(0)英語

    2018年05月21日

    棒ノ折山から岩茸石山へと縦走しました。2018年5月。


    2018年5月20日(日)、棒ノ折山を歩いてきました。
    以前にこの山を歩いたのは、5年前の4月。
    久しぶりです。
    三鷹発7:14。
    国分寺・東村山・所沢と乗り継いで、飯能着。8:14。
    改札を抜けると、北口と南口の両方にバスのマークがあり、ちょっと悩みましたが、「名郷」の地名に従って左側へ。
    それで間違いありませんでした。
    名郷行きバス停は既に大行列。
    バスは臨時増発がもうすぐ来るということでしたが、1台目に乗りました。8:30。
    バスの車窓からは、道路の清掃をしたり川辺の草を刈っている人がずっと見えていました。
    町内会の清掃日なんでしょうか。
    日曜の朝らしい、すがすがしい光景でした。

    「さわらびの湯」で下車。9:00。
    まずは、バス停からちょっと敷地内の奥のほうにあるトイレに行き、準備をして出発。
    再びバス停まで戻り、バスの進行方向のまま、舗装道路の坂道を登っていきます。
    やがて、広い堤防を歩く先行者やバイクや自転車の人たちが見えてきます。

    名栗湖を巡る道路を進み、白谷橋。9:30。
    ここから登山道です。
    杉林の道は、やがて白谷沢を高巻く道へと変わりますが、崖っぷちでも道幅は十分ありました。
    前回も前々回も、登山道の幅が異様に狭い道を歩いたせいか、ありがたいほど歩きやすいと感じる道です。
    登山道が岩の上をまたぐところや、木の根に気をつけなければならないところもありますが。
    私の感覚が少しおかしくなっているかもしれません。
    5年前の記録では、ここは案外難しいと書いていましたから。
    新緑の棒ノ折山は、人気の山。
    登山道が渋滞気味になって、さていよいよ沢沿いの道です。
    2段・3段の滝を左に右にと見ながら、飛び石で繰り返し沢を渡ります。
    やがて、沢歩きのハイライト、両方から岩壁が迫る狭い谷筋、ゴルジュに突入。
    5年前に歩いたときは親子連れが多く大渋滞が起こっていましたが、今回は山慣れている中高年と若い人ばかりで、スムーズに進んでいけました。
    写真を撮るタイミングを見つけにくく、逆にそれが困ったくらいです。
    2つのゴルジュを越え、ロープのかかった斜めの壁を越えると、沢も登山道も穏やかになっていきました。
    道が少し広くなった沢のほとりでちょっと休憩。
    今日は気温も20℃程度で、新緑の木陰は涼しい風が通っていました。

    林道を横切ると、そこからは急登です。
    ジグザグに切られた道を息を切らして登りきりました。
    その先は、スキップしたいほど歩きやすく平坦な道がしばらく続きます。
    やがて岩茸石。10:40。
    直方体っぽい形の岩で、後ろに回れば登っていくこともできるようです。
    てっぺんに立っている人もいました。
    ベンチもあり、ここも休憩適地です。

    そこからは木段の急登でした。
    木段は壊れかけていて歩きにくく、それを避けて登山道は複線化していました。
    5年前は、複線はなく、ハードルのように高く斜めに飛び出した木段から木段へと跳び移って歩いていったものでしたが、今は倒れてバラバラに粉砕された木段が無造作に転がっています。
    5年前、木段から木段へと跳び移って歩いたのは、木段がハードルのように飛び出していてまたぐのが大変だったからですが、考えればあれは木段に余計な負荷のかかる行為でした。
    多くの人がそうやって歩いたことで木段は粉砕されてしまったのでしょう。
    大雨や大雪の影響もあるかもしれません。
    早めに土嚢を入れるなどの整備がされていれば木段は守られたのでしょうが、予算の問題か、手が回らないのか。
    とにかく、木段が飛び出ていても、乗らないようにしよう。
    反省。

    ちょっと気持ちがシュンとして、うつむいて歩いていくと、権次入峠。11:05。
    「ゴンジリとうげ」と読みます。
    何か力強い、インパクトのある名前です。
    ベンチに座って水分補給。

    こから、しばらく道は平坦でした。
    登山道に白い花が散っていました。
    ニセアカシアの花に似ているけれど、違うのかな。
    咲いている木は確認できませんでした。
    ウツギの一種かもしれません。
    ニセアカシアは外来種で、強く根を張るので周りの木が枯れてしまいます。
    養蜂のためのニセアカシアの林なら今もあるようですが、それ以外は伐採が進み、街で見ることは少なくなりました。

    平坦な道が終わると、また登り。
    最後の登りが案外長く苦しいです。
    誰しも同じ気持ちなのかペースが落ちてきて、数珠つながりになりながら登っていきました。

    行く手に青空だけが見えてきて、棒ノ折山山頂。11:20。
    山頂は横に広く、眺望抜群です。
    右手、白く光る西武ドームと多摩湖。
    奥に東京の街並み。高層ビル群。スカイツリー。
    さらに遠く筑波山。
    双耳峰の青い影が見えます。
    左手、近景は大持山、子持山。
    その向こうに、遠く雪を頂く山。
    幻のように姿を見せていました。
    案内板によれば、どうやら谷川岳のようです。
    空気が澄んで、春にしては驚くほど遠望がききました。

    春から夏の山では、おにぎりがなかなか喉を通らないので、本日はゼリー飲料を2つと行動食を持参。
    ベンチに座り、遮るものない眺望を楽しみながらゼリー飲料を1つ飲んで、さて出発です。
    まずは先ほどの権次入峠に戻りました。
    そこから、小沢峠の道しるべに従い、縦走開始です。11:40。

    穏やかな道から始まりますが、すぐに急な下りに。
    トレッキングポールがなかったらちょっと厄介だったかもしれません。
    小石まじり・砂まじりの急な下りが一番苦手です。
    何とか通過。
    道幅は十分で、怖いと感じる箇所はありませんでした。
    石の階段の急な登りを行くと、黒山。12:00。
    ベンチがあり、休憩適地です。
    先客が2人いました。
    水分補給をして、道しるべをよく見て、右手の「岩茸石山」のほうへ。
    ここを誤って直進すると、小沢峠に出てしまうようです。

    その先も、痩せ尾根と言える箇所もありますが、道幅が1メートルより細くなることはなく、快適な歩きやすい道が続きました。
    ここは関東ふれあいの道で、5年前と比べて整備も進んでいるようです。
    ちょっとした展望地は「山びこ広場」と名付けられ、ベンチも設置されていました。12:25。

    道は小さなアップダウンが繰り返されます。
    ときどき逆方向から登ってくる人がいます。
    身軽そうな男性に追い越されたりもします。
    権次入峠から岩茸石山まで、そうやって出会った登山者は10人ほど。
    5年前よりは多いのですが、それでもやはり静かな道でした。

    5年前の道の記憶はほとんどなかったのですが、歩いてみると、ちょっと歩きにくかった箇所は記憶が戻るのを感じました。
    登山道に岩が埋まっている痩せ尾根。
    岩が塞ぐ急な下り。
    中でも覚えていたのは、林の中の何でもない下りなのですが、倒木が目の錯覚でよく整備された人工的な何かに見える箇所。
    あれ、コテージでもあるのかな、こんな所に?と感じるのです。
    5年前もだまされたなあ。(^-^;

    新緑の中の木段を登りきると、道しるべがあり、岩茸石山まで0.7kmとありました。
    ここからが長かったです。
    気持ちの問題なのでしょう。
    さらに小ピークが繰り返されます。
    中でも、岩がちで今までと印象の違う急な登りがありました。
    いよいよ岩茸石か?と期待していると、登り切ったらすぐにまた急な下り。
    何て無駄な。
    騙された感が強いです。(^-^;
    しかし、その先、道は三方向に別れ、いよいよ山頂直下の印象が濃くなってきました。
    岩茸石山までの上り坂は、全体にザレていて、上からの崩落で登山道が砂で不明瞭になっている箇所もありました。
    道を判断しながら最後の登りを行きます。
    もう空しか見えないので、あそこが山頂で間違いありません。
    段差のある最後の急な登りを行くと、岩茸石山山頂。13:35。

    山頂は、奥多摩で人気の高水三山にしては人が少なく静かでした。
    朝から登ってきた人はもう下山している時間帯だからかもしれません。
    ベンチの一つに座って休憩。
    棒ノ折山からここまでの尾根道が見通せました。
    あそこを通って来たんだなあ。

    ゼリー飲料を1袋のみ、スニッカーズ・ミニを頬張って、さて出発。
    次は高水三山のもう一つの山である惣岳山を目指します。
    まずは山頂直下の急な下り。
    ここが今日一番の急な下りでした。
    高水三山は奥多摩入門の山とか言われる割にここが一番難しいじゃないのとぼやきながら通過。
    急な下りが終われば、あとは平坦で歩きやすい道でした。
    惣岳山が近づくと、道は岩がちの険しい登りになりました。
    注意深く登っていくと、神社。
    ここが山頂でした。
    奥の院ですが、境内らしい落ち着いた平らな場所でした。

    読図ツアーでしょうか、講師を囲んで数人が円陣を組んでいました。
    「さあ、ここからが難しいですよ」
    と講師のよく通る声が聞こえてきます。
    私も参加したことがあるのですが、生徒は交替してリーダーとなり、地形図を読んで、皆を先導するのです。
    一度行ったり戻ったりして、そのパーティは、
    正規の登山道ではないほうに消えていきました。
    地図を確認すると、なるほど波線が描かれています。
    ちょっと心惹かれましたが、読図講習にお金も払わずついていくのはあまりよろしいことではないので、私は普通の登山道を。
    足元に注意しながら下りていくと、小さな鳥居。
    それをくぐったあたりから、道は歩きやすくなり、どんどん下っていきました。
    5年前、もうここからは下りだけだと思っていたら、登りが現われて、心が折れたのを覚えています。
    最後に登りがあるぞと力をセーブしながら歩いていったせいか、実際に最後の登りが現れると意外と大したことない登りと感じました。
    登りは3か所。
    それを終えると、また急な下り。
    もう車の音、踏切の音が聞こえてきます。
    ぽんと神社脇に出て、道なりに直進します。
    踏切を渡ると道路に出て、右に行くと、御嶽駅。15:55。
    次の電車は16:06。
    良いタイミングです。
    いっぱい歩いて充実感があるのに、下山時刻は案外早い。
    お薦めのコースです。
    ヽ(^。^)ノ

      


  • Posted by セギ at 14:26Comments(0)

    2018年05月16日

    途中式のほどよい省略。


    数学の答案を見ていますと、無駄なくらいに途中式を書く子と、途中式を省略しすぎて計算ミスをする子とがいます。
    本人の計算力にもよるので、どの程度の省略がいいかは一概には言えないのですが。

    例えば、こんなとき。

    -8+3-7+5
    =-8-7+3+5
    =-15+8
    =-7

    上の式の2行目、要らないですよね?

    あるいは、こんな例。

    2x+3=5x-6
    2x-5x=-6-3
    -3x=-9
       x=3

    上の2行目、要らないですよね?

    やり方の説明のため、最初に学習するときには教科書に書いてある式です。
    とはいえ、絶対に書かなければならない式ではありません。
    慣れるまでは書いていくのもいいでしょう。
    でも、慣れれば、特に頭に負荷のかかることなく暗算できることです。
    書かなくて良いものです。
    でも、中3になっても高1になっても、永久に書き続ける子がいます。
    2年も3年も書き続けていると、省略したらそこで詰まってしまうのでしょう、絶対に省略できない様子です。
    正答率に影響することではないので、書きたかったら書いたらいいのですが、早めに省略を身につけていれば1行書かずに済むのになあと思わないでもありません。

    とはいえ、丁寧なのはそんなに問題ではないので、そのことには触れないことが多いです。
    私の板書は、省略したものを書きます。
    省略しても安全に解いていけることを示しながら、解説します。
    テキストを見て解説するときも、
    「この1行は説明のための1行で、実際に計算するときは書く必要はないよ」
    と説明します。
    それでも本人が書くのなら、もうそれでいいでしょう。

    やはり、問題は過剰な省略。
    これは正答率に影響します。

    例えば、こんな例。

    (√6-√2)2
    =4-2√3

    え?
    何をしたの?

    (√6-√2)2
    =6-2√6√2+2
    =8-4√3
    これが正解です。

    (a-b)2
    =a2-2ab+b2
    という乗法公式を利用しているのですが、これを、
    =(a2+b2)-2ab
    として、(a2+b2)のところは暗算で済ませるやり方は、ないわけではありません。
    ただ、真ん中の負の符号に引きずられて、6-2=4としてしまうミスが起こりやすいのです。
    また、-2abのところは、今回、-2√6√2=-2・2√3
    なのですが、2がかぶっているため、暗算の中で1つになってしまい、その結果、
    (√6-√2)2
    =4-2√3
    と誤答してしまった様子です。
    途中式を書けば間違えるはずのないところで間違えてしまう勿体ないミスです。

    1度このやり方を始めた子に、
    「そのやり方は正答率が下がるから、やめたほうがいいよ」
    と助言しても、まずやめません。
    今度こそ正答してみせると逆にムキになってしまうのか、以後、このタイプの計算ではミスすることを含みこんでの得点しか期待できなくなってしまいます。

    人間のやることなんて、そんなに正確じゃない。
    あなたが不正確だと言っているわけではない。
    人間は不正確なんですよ。
    そのように諭しても、直しません。
    人間の限界に思いが至るほどには精神的に成長していないからでしょうか。
    ミスをすることがある自分を認められないのでしょうか。
    理解は深まっているのに、同じ計算ミスが繰り返されるので得点が伸びない。
    数学を指導していて感じる不条理の1つです。

    そのやり方を否定しても直りません。
    むしろ、本人のやりたいやり方で正解できるよう指導し応援するのが得点を上げる近道となります。
    子どもの中には否定されることに異様に弱い子がいます。
    何を注意しても「否定された!」と感じて傷つくだけで、肝心の注意されたことは直りません。
    傷ついてもそれで直るのなら意味があるのですが、傷つくだけで直らないとなると、こちらも考えざるを得ません。
    そんなことでは社会に出たらすぐ潰れるのではないかと老婆心ながら思うこともあるのですが、そんなにメンタルが弱いなら、せめて学力がその子の将来を守ってくれますように。

    とはいえ、これは否定しないとどうにもならない省略もあります。

    25(3x+1)2-49=0 を解け。
    √3x =-√25/49-1

    ・・・・え?
    何をやったの?
    「この先は、どう計算するんですか?」
    とその子は質問するのですが、私はむしろそこまでをどう計算したのか問いたい。

    ノートにはその2行しかないのです。
    与式の次は、もうその暗算の結果が書かれているのです。
    こういう極端な暗算が癖になっている子もいます。
    おそらく、中1や中2の頃は独りで勉強していて、方程式を型通りに解いたことがなく、全部暗算で出していたのではないかと想像されます。
    それでもある程度の正答率は維持していたので、問題視されずにきたのでしょうか。
    2次方程式になって、ついにそれでは解けなくなったということなのでしょう。

    25(3x+1)2-49=0
    25(3x+1)2=49
    (3x+1)2=49/25
    3x+1=±7/5
    3x=±7/5-1
    3x=2/5,-12/5
    x=2/15,-4/5

    これは、暗算は、ちょっと無理です。
    正しい解き方を繰り返し解説したのですが、その子は、暗算が直りません。

    どういうことなのだろう?
    暗算は無理だと言われれば言われるほど、いや自分はできると思ってしまうのか?
    正しいやり方が理解できないので、この解き方をしているのか?

    本人に訊いたところ、予想外の第三の答えが返ってきました。
    「言われたことはわかるし、直そうと思っているが、問題を解き始めると忘れてしまう」
    「・・・・・・」
    ('_')

    忘れてしまう・・・・。

    この言葉、説得力があります。
    忘れてしまうんだなあ。
    その子に限らず、繰り返し間違えてしまう子たちの行動も説明してくれる言葉です。
    そうか、忘れてしまうんだ。
    問題を解き始めると、直したほうがいいことも、注意すべきことも、スマートな解き方も、全部忘れてしまう。
    だから、間違った解き方を繰り返してしまう。
    ( ;∀;)

    しかし、めげません。
    忘れたら、また覚えましょう。
    そのやり方では正解は出せないということを、まず覚えましょう。
    れを思い出して、立ち止まれるようになれば、きっと変わると思います。
    がんばれ、がんばれ。



      


  • Posted by セギ at 15:17Comments(0)算数・数学

    2018年05月12日

    5月26日(土)、大人のための数学教室を開きます。


    5月12日(土)の大人のための数学教室は、出席者0人のため、中止となりました。
    次回は5月26日(土)となります。

    さて、授業がなかったので、今回は、余談として、インド式かけ算の話をします。
    2桁×2桁のかけ算を暗算でできたらいいのになあと思うことがありますよね。
    インド式かけ算では、それができるのです。

    まずはその仕組みから。
    十の位がa、一の位がbである整数と、十の位がx、一の位がyである整数をかけるとします。
    文字式で表すと、
    (10a+b)(10x+y) と表すことができます。
    これを展開すると、
    100ax+10ay+10bx+by
    となります。
    これを筆算のように書いてみると、

      ab
    x xy
    axby
     ay
     bx

    と表すことができます。
    axやbyは、積のことであり、文字そのものではありません。

    例えば、36×27 は、

      36
    × 27
     642  ・・・2×3=6 の横に、6×7=42 を書いたもの。
     21   ・・・3×7=21 を書いたもの。
     12   ・・・2×6=12 を書いたもの。
     972

    となります。
    この構造をしっかり理解していると暗算が可能です。
      36
    × 27

    まずは6×7=42 の2が一の位にくることは確定です。

      36
    × 27
       2

    次に、先ほどの6×7=42 の4と、互いの十の位と一の位とをたすきにかけた答えの一の位の数とを足したものが、答えの十の位となります。
    3×7=21の1と、6×2=12の2です。
    4+1+2=7
    7が十の位だとわかります。

      36
    × 27
      72

    先程の十の位を出すためのたし算に繰り上がりの数があったら忘れずにメモをしておきますが、今回はありませんでした。
    次は、互いの十の位どうしをかけた数3×2=6の6と、互いの十の位と一の位とをたすきにかけた答えの十の位を足します。
    6+2+1=9
    これは2桁になったらそのまま、千の位から書いていきます。
    今回は、百の位におさまりましたね。
    先程の繰り上がりがあったら、それもたします。

      36
    × 27
     972

    これが答えです。
    慣れないうちは大変ですが、慣れれば機械的作業ですから、暗算が可能です。
    この暗算はさすがに技術が必要なので、こんな苦労をするくらいなら普通の筆算のほうがいいなあと思う人が多いかもしれません。
    ただ、インド式かけ算で筆算するなら、日本式の筆算より速く正確にできる可能性はあります。

      36
    × 27
     642
     21
     12 
     972

    まずはかけ算に集中し、最後にまとめてたし算するので、途中の繰り上がりに頭を使わなくて済みますから、速く計算できるでしょう。
    日本式の筆算は、繰り上がりを意識しながら、かけ算とたし算を同時にこなさなくてはならず、そこでミスする子が多いですね。

    とはいえ、日本の学校に通っているのに1人だけインド式でかけ算するというのは、もしも混乱したときに周囲に補助してくれる人が存在しないので、リスクが高いです。
    常に正解ならば周囲も何も言わないでしょうが、いったん間違えたときに、何を間違えたのか指摘したり補助してくれる先生も友達もいないことを覚悟しなくてはなりません。


    ずっと前にこのブログに書きましたが、アメリカ式のひき算と日本式のひき算との間で苦労していた子に授業したことがあります。
    アメリカ人のお父さんと日本人のお母さんとの間に生まれた子でした。
    小学校の途中まではアメリカに住んでいて、アメリカ式のひき算を学習したのですが、途中から日本で暮らすようになりました。
    インターナショナルスクールに通えば問題なかったのでしょうが、両親の強い希望で日本の公立学校に転入したため、日本式のひき算を途中からやらねばならなくなりました。
    アメリカにいた頃から、家庭でもお母さんが日本式で教えたので、本人の中で混乱が起こり、結局、引き算がわからなくなっていたのも大きな原因でしょう。

    ところで、アメリカ式のひき算とはどのようなものか?
    アメリカ式とはいっても、アメリカ全土で同じようにやっているのかどうかは未確認なのですが、とにかく日本のひき算とは異なります。

    4-7 の計算をしてみましょう。

    日本では、まず一の位の計算をする際、4から7は引けないので、十の位から10を下ろして、14-7=7 とします。
    その計算をさらに詳しく語るならば、下ろしてきた10から7を引いて、10-7=3。
    その3と、もともと一の位にあった4をたして、3+4=7 です。

    ところが、その子がアメリカで習ってきた引き算は、
    4から7が引けないことを確認したら、まず7-4=3 をします。
    日本では禁じ手である、下から上をひく計算をするのです。
    これで、ひけない分、つまり不足分が3であることがわかります。
    その不足分は、十の位から10を下ろしてきて引きます。
    10-3=7 です。
    したがって、14-7=7 です。

    日本は、引いてから足します。
    アメリカ、引いて、さらに引きます。

    それぞれ理屈は正しいので、どちらかのやり方を貫き通せば何も問題ないのですが、その子はアメリカではアメリカ式、しかし、家庭でお母さんに算数を見てもらうときや日本に帰ってからは日本式で教えられ、ごちゃごちゃになってしまったようです。
    14-7=13
    といった答案が多く見られました。
    いったん癖になってしまうと、こういう基本的なことはなかなか治りません。
    長期に渡る丹念な指導が必要でした。

    さて、次回の数学教室のお知らせです。
    ◎日時  5月26日(土)10:00~11:30
    ◎内容  数Ⅱ「因数定理・高次方程式」を続けます。p.37例題14の解説から。
    ◎場所  セギ英数教室
           三鷹市下連雀3-33-13
             三鷹第二ビル 305
           春の湯さんの斜め前のビルです。
    ◎用具   ノート・筆記用具
    ◎参加費 2,000円
           当日集めさせていただきます。
    ◎予約  私の携帯メールかLINEに、ご予約をお願いいたします。








      


  • Posted by セギ at 14:46Comments(0)大人のための講座

    2018年05月11日

    重複組合せの考え方。具体的に考えてみることから公式へ。


    「組合せ」の学習の続きです
    今回は、「重複組合せ」の学習です。

    問題 りんご・かき・なしをあわせて7個詰めた果物かごを作りたい。何通りの果物かごを作ることができるか。ただし、使わない果物があっても良いものとする。

    ふーむ。
    とりあえず、具体的に考えてみましょう。
    果物の一番上のひらがな1字で表すならば、例えばこんな詰め方があります。

    り・り・り・か・か・な・な

    あるいは、

    り・り・り・か・な・な・な

    こういうのを全部書きだしていくことでも求められるけれど、もう少し一般化できないものか?
    そこで、とりあえず、果物を全て〇で表すことにします。
    そして、別の種類の果物との境に仕切りを入れることにします。

    〇〇〇|〇〇|〇〇

    これが、先ほど書いた り・り・り・か・か・な・な
    を表すものとなります。

    〇〇〇|〇|〇〇〇

    これは、 り・り・り・か・な・な・な。

    〇〇〇||〇〇〇〇

    これは、 り・り・り・な・な・な・な。
    仕切りを2本続けて描くことで、柿は0個であることを表します。

    〇〇〇〇〇〇〇||

    これは、 り・り・り・り・り・り・り。
    全てりんごの場合です。
    こうやってみますと、果物かごの作り方は、〇7個と仕切り2本の順列と考えることができます。
    同じものを含む順列です。
    同じものを含む順列は、例えば今回のように〇7個、仕切り2本であれば全部で9個のマスを考え、その9個のうち、〇を入れる7個のマスを選ぶと考えます。
    それは、9個から7個を選ぶ組合せです。
    9C7=(9・8・7・6・5・4・3)÷(7・6・5・4・3・2・1)
    ネットで分数を表しにくいのでこう書きましたが、これは、実際には分数で表します。
    その次は、結果的には計算しなくても良いのですが、残った2個のマスから仕切りを入れる2個を選びます。
    2C2=(2・1)÷(2・1)
    これらをまとめて1本の式にしますと、
    (9・8・7・6・5・4・3・2・1)÷(7・6・5・4・3・2・1・2・1)=36
    これは、9!÷(7!2!) と同じですね。
    一般化しますと、全部でn個のもののうち、p個が同じもの、q個が同じもの、・・・・である順列は、
    n!÷(p!q!・・・)
    重複組合せは、この「同じものを含む順列」の公式を利用して解いていきます。
    果物が全部で7個で3種類のときは、〇7個、仕切り2本。
    だから、全部で9個のうち同じものが7個と2個。
    このように、式に代入する数値の決定までは頭を使いますが、そこから先は公式に代入して簡単に計算していけます。
    (9・8・7・6・5・4・3・2・1)÷(7・6・5・4・3・2・1・2・1)=36
    答えは36通りです。



    問題 りんご・かき・なしの果物をあわせて7個詰めた果物かごを作りたい。3種類の果物を少なくとも1つずつは必ず入れるとすると何通りの果物ができるか。

    先ほどの考え方では、かごに入らない果物もありました。
    仕切りが両端にあったり2本並んでしまうと、入らない果物が出てしまうことになります。
    では、今回のルールは、〇7個仕切り2本は変わらないけれど、仕切りは両端に来てはいけないし、2本並んでもいけないということになります。

    この場合は、〇と〇の間のスペースに着目しましょう。

    〇・〇・〇・〇・〇・〇・〇

    この図で書いた「・」の位置、つまりスペースに仕切りが入ったり入らなかったりすると考えます。
    この「・」、つまり6個のスペースのうち、2個に仕切りが入ることになります。
    言い換えると、6個の「・」のうち2個を「|」に置き換えれば良い。
    4個の「・」と2個の「|」を並べると考え直すことができます。
    結局、またも同じものを含む順列なのですが、先ほどとは数字が異なりますね。
    4個の「・」と2個の「|」、あわせて6個を並べる順列。
    6!÷(4!2!)=15
    答えは、15通りとなります。
    これは、6個のスペースのうち2個を選んで仕切りを入れると考えることもできます。
    その場合の式は、6C2=15
    結果は同じです。

    この「同じものを含む順列」の公式は、この問題だけで使うマニアックなものではなく、数Ⅱの学習でまた使う重要公式です。
    問題がこのくらい難しくなると、誤解すらできなくなるのか、
    「え?こうじゃないんですか?」
    と自分の間違った考え方を正しいと主張する生徒を見ることもなくなります。
    授業は一見スムーズに進むようになりますが、基本問題で既にモヤモヤしていた高校生にとっては、既に理解の限界を越えているから黙り込んでいるだけかもしれません。
    それはそれで授業としてピンチです。
    わからないから、とにかく解き方だけ覚えよう、それで定期テストを乗り切ろうとする人が多くなります。
    繰り返しますが、この考え方は、数Ⅱ「二項定理」に関する問題など、忘れた頃にまた出てきます。
    理解できないままですと、この上には何も積み上がらなくなります。
    まずは具体例に即して基本の考え方を理解し、公式の成り立ちを理解して、単なる暗記に終わらないようにしましょう。
    忘れたら自力で復元できるくらいに理解を深めておくことが、知識の定着につながります。


      


  • Posted by セギ at 13:06Comments(0)算数・数学

    2018年05月09日

    場合の数。グループ分けの問題。


    今回も「組合せ」の学習です。
    例えばこんな問題です。

    問題 
    6人で旅行し、ホテルに宿泊しました。301号室、302号室、303号室の3部屋に2人ずつ宿泊します。何通りの泊まり方がありますか。

    まず、301号室に泊まる人から決めていきましょう。
    6人から2人を選ぶ組合せでいいですよね。
    だから式は、6C2です。
    次に、残った4人から、302号室に泊まる人を決めます。
    4人から2人を選ぶ組合せです。
    だから式は、4C2です。
    最後に、残った2人から、303号室に泊まる人を決めます。
    2人から2人を選びます。
    式は、2C2です。

    この最後の2C2。
    2C2=1ですし、何より、残った2人は自動的に303号に泊まることになるのですから、書かなくて良いものです。
    ところが、2C2は書かないということがスルッと理解できる人と、どんなに言葉を変えて説明しても理解できない人とがいます。
    思考の癖なのだと思います。
    「選ばない」ということが、どうしてもどうしても納得できないようなのです。

    しかし、そういう人には、あえて2C2=1を書いて説明すると、問題なく理解します。
    なぜなんだろう。
    理解しやすさという点で何が違うんだろう。
    説明する側として、むしろそのことに興味があるのですが、きっと何かが決定的に違うんだろうと思います。
    残ったのが2人でも、ちゃんと選んでほしい。
    選ばないままなら、それは選んでいない。
    そういうことなのかなあ。

    そこがモヤモヤすると、そもそも6C2の次が4C2というのがわからない、2人ずつ選ぶんだから、6C2×6C2×6C2じゃないのか、それでなぜいけないのかという話に進む可能性もあります。
    一度そのように混乱し始めると、言葉で説明しても到底理解してもらえるものではなくなります。
    「場合の数と確率」という単元は、一度、本人の頭の中に間違った筋道ができてしまうと、それを消すのには大変な手間と時間がかかります。
    思考の迷宮に陥る前に、先手を打って2C2=1で理解してしまうのが良さそうです。
    「場合の数と確率」は、理解するにも教えるにもデリケートな単元です。

    先日も、中学生に「場合の数と確率」の授業をしていたのですが、その子は「順列」と「組合せ」は何が違うのかわからないと嘆いていました。
    「順番が関係あるのが順列で、順番はどうでもいいのが組合せだよ」
    と説明しても、
    「それがわからない」
    と言うのです。
    「A、B、C、D、Eの5人から、AとBを選ぶのと、BとAを選ぶのは、同じ選び方じゃない?それが組合せだよ」
    「AとBを選ぶのと、BとAを選ぶのとは、違うと思う」
    「そう?例えば、親戚の人がお土産に色々なケーキを持ってきてくれて、その中から、イチゴのショートケーキとチョコレートケーキを選ぶのと、チョコレートケーキとイチゴのショートケーキを選ぶのは、実質同じことだよね?」
    「イチゴを食べてからチョコを食べるのと、チョコを食べてからイチゴを食べるのは、口の中の感じが全然違うから、違う選び方だ」
    「それは順列だよ。胃の中に入れば同じだよ。それが組合せだよ」
    「そんな雑な話は、わからない(笑)」
    途中から笑っていましたから、理解できたようです。
    ヽ(^。^)ノ


    一番上の問題の説明に戻ります。
    3つの部屋に入る人を選ぶのは同時に起こることなので、「積の法則」が適用され、全体の式は、
    6C2・4C2・2C2 です。
    最後の2C2はどうせ答えが1なので省略されて、6C2・4C2
    分数の式にすると、

    6・5・4・3
    2・1・2・1

    この2行は、分数の分子・分母として読んでください。
    答えは90通りです。
    しかし、このグループ分けに関する問題の最大のヤマ場は、この次にあるのです。

    問題
    6人を2人ずつ3つのグループに分ける。何通りの分け方があるか。

    問題に余計な叙述がなくなっただけで、同じことなのでは?
    答えは90通りでしょう?

    ・・・・いいえ、違います。
    この問題の答えは、15通りです。

    何で、最初の問題の答えは90通りで、同じ問題のように見えるのに後のほうの問題の答えは15通りなのか?
    この2つの問題は、大きく異なる点があるのです。
    分けられた3つのグループに「名称」と呼べるものがあるかないか。
    最初の問題の3つのグループは「301号室の人」「302号室の人」「303号室の人」と名称が与えられます。
    参加者6人をA、B、C、D、E、Fとするなら、
    301号室はAとB、302号室はCとD、303号室はEとF
    という部屋分けと、
    301号室はAとB、302号室はEとF、303号室はCとD
    という部屋分けは、違う部屋分けです。
    90通りの中で、上の2つは別々の部屋分けとしてカウントされています。

    では、「6人を2人ずつ3つのグループに分ける」という場合はどうなのか?
    (A、B)、(C、D)、(E、F)と、
    (A、B)、(E、F)、(C、D)は、別のグループ分けでしょうか?
    これは、同じですね。
    順番を変えているだけで、同じ分け方ですから。
    3つのグループに名称がなく、ただ3つに分けるだけなら、順番は関係ないのです。
    他にも、
    (C、D)、(A、B)、(E、F)
    (C、D)、(E、F)、(A、B)
    (E、F)、(A、B)、(C、D)
    (E、F)、(C、D)、(A、B)
    これらは全て同じです。
    90通りの中で、同じ1通りのグループ分けを繰り返しカウントしていることになります。
    1つについて、何回繰り返しカウントしているか?
    上の例からもわかるように、3つのグループを並べる順列、
    すなわち3P3=3!=6(回)、同じグループを繰り返しカウントしています。
    ですから、答えは90÷6=15(通り)となります。

    ほんのちょっとした記述の違いで、解答が大きく異なる。
    場合の数は、そういう意味でも難しい単元です。
    センター試験のⅠ・Aでは、「場合の数と確率」は選択問題の1つなのですが、これを避けると図形問題を選択しなければならなくなります。
    図形は図形で、苦手な人が多いのです。
    どちらを選ぶか。
    どちらが克服可能か。
    中学生の頃からの図形への苦手意識で、安易に「図形は絶対無理」と思ってしまう人も多いのですが、解いてみると「場合の数と確率」のほうが得点できないこともあります。
    「場合の数と確率」の考え方とそりが合わないとでもいうのでしょうか。
    それでも、本人には苦手だという自覚がない。
    何となく得点できないだけ、ケアレスミスしただけと勘違いして、「場合の数と確率」に固執してしまう場合もあるようです。
    どちらを選ぶべきか、客観的な判断が必要なところです。

      


  • Posted by セギ at 11:07Comments(0)算数・数学

    2018年05月02日

    5月12日(土)、大人のための数学教室を開きます。


    4月28日(土)、大人のための数学教室を開きました。
    今回も「因数定理・高次方程式」に関する問題です。

    問題 方程式 x4-3x3+ax2+bx-4=0 がx=1、2を解にもつとき、定数a、bの値と他の解を求めよ。

    中3の「2次方程式」の頃から、このタイプの問題はよく出題されていますね。
    その頃と解き方も同じです。
    x=1、2が解なのですから、もとの方程式にx=1とx=2を代入できます。
    やってみましょう。
    x=1 を代入して、
    1-3+a+b-4=0
    整理しましょう。
    a+b=6 ・・・➀
    x=2を代入して、
    16-24+4x+2b-4=0
    整理すると、
    4a+2b=12
    両辺を2で割って、
    2a+b=6 ・・・➁
    文字はaとbの2種類。式は2本。
    これは連立方程式として解けますね。
    ➁-➀
     a=0 ・・・➂
    ➂を➀に代入して
    b=6
    ここで問題を見直すと、他の解も求めなければなりません。
    この値をもとの方程式に代入します。
    x4-3x3+6x-4=0
    この4次方程式を解きます。
    x=1、2は既にわかっていますので、それを利用して組立除法をしましょう。

    1 -3   0   6 -4  |1
       1  -2 -2  4
    1 -2 -2    4  0   |2
       2   0 -4
    1  0 -2   0

    よって、与式は、
    (x-1)(x-2)(x2-2)=0 と因数分解できます。
    x2-2=0 の場合、
      x2=2
       x=±√2
    です。
    よって、この問題の解答は、a=0、b=6、他の解 x=±√2 となります。

    問題 実数係数の方程式x3+ax2+bx+6=0がx=1+√2 i を解にもつとき、定数a、bの値と他の解を求めよ。

    あれ?文字が2つなのに、与えられた解が1つしかない。
    しかも、解が複素数なので、計算がごちゃごちゃしそうです。
    ここで登場するのが、「共役な複素数」です。
    複素数を最初に学習したときに出てきた言葉でした。
    複素数a+√b i と共役な複素数は、a-√b i です。
    これは定義ですので、「なぜ?」という質問は不要です。
    「共役の複素数」と呼ぶと決めただけのことなので、それ以上の理由はありません。
    と説明すると不審そうな顔をする高校生もいるのですが、それはおそらく「共役」という言葉が耳慣れず、その言葉の意味を説明してほしくて質問しているのかもしれません。

    どのへんが共役なのかというと、
    x=a+√b i が解である方程式は、x=a-√b i も解なのです。

    これを本格的に証明しようとすると、いろいろと面倒くさいことになるのですが、感覚的には理解しやすいことだと思います。
    2次方程式の解の公式を思い出してみましょう。
    x=-b±√b2-4ac /2
    この解の公式を眺めていると、a+√b i とa-√b i という2つの解が同時に得られるのは自然なことと感じますね。
    √b2-4ac /2 の部分が√b i にあたると考えると、その前の±によって共役な2つの解が同時に得られるのがわかります。
    そういう把握で十分です。

    上の問題に戻りましょう。
    x=1+√2 i が解のとき、それと共役なx=1-√2 i も解です。
    したがって、上の方程式の左辺は、
    {x-(1+√2i)}{x-(1-√2i)}(x+p)
    と因数分解できます。
    前半の2つの{ }を展開して1つの( )にまとめてみましょう。
    複素数ではない、簡単な式に整理できるんです。
    {x-(1+√2i)}{x-(1-√2i)}
    =x2-(1+√2i+1-√2i)x+(1+√2i)(1-√2i)
    =x2-2x+1-√22i2
    =x2-2x+1+2
    =x2-2x+3
    よって、上の方程式の左辺は、
    (x2-2x+3)(x+p)
    となります。
    展開しましょう。
    x3+px2-2x2-2px+3x+3p
    xについて降べきの順に整理しましょう。
    =x3+(p-2)x2+(-2p+3)x+3p
    これがもとの方程式の左辺と等しいのですから、
    x3+ax2+bx+6=x3+(p-2)x2+(-2p+3)x+3p
    係数を比較して、
    a=p-2 ・・・➀
    b=-2p+3 ・・・➁
    6=3p ・・・➂
    という3本の式が得られます。
    文字が3種類、式が3本。
    連立方程式として解くことができます。
    ➂より p=2
    これを➀に代入して、a=0
    ➁に代入して、b=-1
    他の解も求めなければなりませんが、今回は、もとの式に代入して組立除法で解き直す必要はありません。
    もとの方程式の左辺は、途中でpを用いた因数分解をしてありましたので、
    (x2-2x+3)(x+p)=0
    ということです。
    では、解の1つはx=-p、すなわち、x=-2です。
    忘れてはいけないのは、最初に見つけた共役な複素数もxの解であること。
    よって、この問題の解答は、
    a=0、b=-1、他の解x=1-√2i、-2 
    となります。


    問題 x3=1の虚数解の一つをωとするとき、ω12+ω6+1、ω10+ω5+1の値を求めよ。

    これも高次方程式に関する問題の一種です。
    しかし、高校生には非常に評判が悪いのが、このωに関する問題です。
    あまりにも唐突に出てきて、違和感が強すぎる。
    意味がわからない、ということのようです。
    そもそも、読み方すらわからない、という声さえ聞きます。

    ωは「オメガ」と読みます。
    ギリシャ文字です。
    数学にギリシャ文字が出てくることが本当に嫌で嫌で我慢ならないという高校生もたまにいるのですが、数学の発祥はギリシャですから、まあそう嫌がらずに。
    普段使わない文字なので、その違和感は理解できますが。
    覚えることが1つ加わって、ハードルが高くなってしまいますものね。
    書き慣れていないので、書きにくいですし。

    ωは小文字で、大文字はΩです。
    「オームの法則」で有名な、電気抵抗の単位を表す記号です。
    この説明をすると、高校生の顔が微妙に和らいだりします。
    Ωは許容範囲なのでしょう。
    要するに、慣れの問題なのだと思います。

    さて、x3=1 の虚数解の1つがωです。
    すなわち、ωは1の3乗根、あるいは立方根という言い方もします。
    ωという文字で表していますが、iを用いて表すことも可能です。
    3次方程式として、普通に解いてみます。
    x3=1
    x3-1=0
    因数分解の公式を使えます。
    (x-1)(x2+x+1)=0
    x2+x+1=0 のとき、
    x=-1±√1-4 /2
    x=-1±√3i /2
    共役な2つの複素数の解が得られました。

    え?それのどっちがωなの?
    と高校生に質問されることがあるんですが、結論としては「それはどっちでもいい」となります。
    ここも高校生には理解しづらいところのようです。
    どっちでもいいわけないだろうと思うらしいのです。
    でも、本当にどっちでもいいのです。
    この問題は、ωの値を求めることではないのですから。
    上の問題では、x3=1の複素数の解の1つをωとする、としてあるだけです。
    どちらと限定していません。
    それは、どちらでも同じ結果が得られるからです。

    ω=-1+√3i /2 としてみましょう。
    ω2=(-1+√3i /2)2
      =1-2√3i+√32i2 /4
      =1-2√3i-3 /4
      =-2-2√3i /4
      =-1-√3i /2
    お?
    ω2は、ωと共役の複素数、-1-√3i /2 となりました。

    ω=-1-√3i /2 としてみましょう。
    ω2=(-1-√3i /2)2
      =1+2√3i+√32i2 /4
      =1+2√3i-3 /4
      =-2+2√3i /4
      =-1+√3i /2
    あ。
    やはり、ω2は、ωと共役の複素数、-1+√3i /2 となりました。
    つまり、ωが1の3乗根ならば、ω2も1の3乗根なのですね。

    なぜω2にそんなこだわるか?
    上のx3=1に戻って考えましょう。
    x3-1=0
    (x-1)(x2+x+1)=0
    でした。
    x-1=0 のとき、x=1。
    これは、整数解です。
    もう1つの( )の中身、
    すなわち、X2+x+1=0
    が成り立つときのxが、x3=1の虚数解ωでしょう。
    すなわち、x=ωを代入すると、
    ω2+ω+1=0
    そして、問題を解くときによく使うのが、この ω2+ω+1=0 なんです。
    ωがどちらの虚数解でも、結果に影響しないのです。

    ここまでのところをまとめますと、
    ωは1の3乗根ですから、
    ω3=1 です。
    そして、
    ω2+ω+1=0
    この2つのことを使って、問題を解いていきます。

    上の問題で求めよと言われたのは、まず、ω12+ω6+1の値でした。
    ω3=1ですから、
    ω12+ω6+1
    =(ω3)4+(ω3)2+1
    =1+1+1
    =3

    次のω10+ω5+1は?
    ω10+ω5+1
    =(ω3)3・ω+ω3・ω2+1
    =ω+ω2+1
    =0

    ωがどちらの虚数解であるかは、やはり何も影響しないですね。
    ωに関する問題は、知識を利用するだけなので、わかってみれば得点源です。
    忘れたら、x3=1 を自分で解き直せば、ω2+ω+1=0の式は復元できます。
    ヽ(^。^)ノ

    さて、次回の大人のための数学教室のお知らせです。
    欠席のご連絡は不要です。
    出席のご連絡はメールか「メッセージ」でお願いいたします。


    ◎日時  5月12日(土)10:00~11:30
    ◎内容  数Ⅱ「因数定理・高次方程式」を続けます。p.37例題14の解説から。
    ◎場所  セギ英数教室
           三鷹市下連雀3-33-13
             三鷹第二ビル 305
           春の湯さんの斜め前のビルです。
    ◎用具   ノート・筆記用具
    ◎参加費 2,000円
           当日集めさせていただきます。
    ◎予約  私の携帯メールに、ご予約をお願いいたします。







      


  • Posted by セギ at 12:02Comments(0)大人のための講座