たまりば

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2013年02月18日

鍋割山を歩きました2013年2月


このところ冬晴れの続く日曜日。
2月17日は、丹沢の鍋割山を歩いてきました。
金曜日に街で降った冷たい雨に少し期待していたのですが、秦野は降らなかったのかなあ。
それとも、降っても雨だったのかもしれません。
雪は、山頂付近のみでした。
2006年の1月に鍋割山を歩いたときは、ちょうど、前日の土曜日に都心で5cmの積雪があり、丹沢は麓から雪道で、雪山気分を楽しめました。

小田急渋沢駅北口から、大倉行きのバスに乗り、終点大倉下車。
そこから、西山林道を歩きだしました。午前8:25。
林道といっても、大半は舗装されていないので、整備された広い山道を歩いている感じで、あまりストレスはありません。
二俣到着。9:40。
沢に橋がかかっていました。
丹沢の沢のこういう木製の小さい橋は、かかっても、またすぐ流されるので、いつもあるとは期待できません。
徒渉の予定でいたのですが、あるものは渡ろう。
橋幅50cmほどの、欄干のない橋で、渡っていると多少揺れます。
中途半端な高さが、むしろ徒渉よりスリリング。
(^_^;)
私のあとから来たカップルは、徒渉してました。
橋が流されているときに使われる徒渉点もありますので、どちらでも大丈夫です。
さて、そんな橋を2つ渡り、林道も尽きて、いよいよ鍋割山の登山口。
鍋割山荘にボッカする水のペットボトルがたくさん置いてあったので、2リットルを1本ザックに入れて、さあ出発。
登山口は何だか段差が大きく、辺りの風景も荒れた印象で、この山、怖いのかなという感じがします。
実際は見た目ほど怖くありませんが、急登はずっと続きました。
2006年は、ここを下ったのですが、あまりに昔のことなので、記憶がありません。
こんなに段差の大きい急な雪道を下ったのか。
やるなあ、自分。
変な感心をしながら、後沢乗越。10:25。
左手には樹間から富士山が見えてきます。
素晴らしい眺望にしばしば足が止まります。
最後の階段あたりから雪が出てきて、鍋割山荘到着。11:30。
ストックを置いて、ザックを置いて、ボッカの水も置いて、鍋焼きうどんを注文。

7年前も、ここで鍋焼きうどんを食べました。
あの頃は、雪の時期の鍋割山なんて、人の姿もまばらでしたが、今日は、登山道の前も後ろも人の姿が絶えたことがありませんでした。
鍋割山は、特に若者に人気が出たようで、鍋焼きうどんは1時間待ちのこともあるとか。

若い子の間の山ブーム。
何だかよくわからないです。
1990年代に始まった中高年の山ブームは、わかりやすかったのですが。
ブームの火付け役も明瞭でした。
NHKの番組「日本百名山」と「中高年の山歩き」。
この番組の影響で、カリスマ登山インストラクターの薦めのもと、中高年はみんなストックをついて、百名山を目指しました。
いえ、ストックが悪いわけではないんです。
バランスに不安がある場合。
膝に痛みがある場合。
ストックは有効です。
でも、いまだに、ストックを持っているときのマナーの悪い人が多くて、怖いんですよね。
日本の山は急な登りが多いです。
あなたのストックの切っ先は、後ろを歩く人の目の位置にあるのかもしれない。
そのことを意識してストックを使っていただけると、後ろを歩く者も安心です。

さて、若い子の間の山ブーム。
発信源は、誰なんだろう。
誰がブームを牽引しているんだろう。
「我こそが、そうである」的な顔をした人が、若い子の読む山雑誌に登場しますが、あまりピンときません。
ファッション的には牽引しているんでしょうが、私が知りたいのは、行く山を誰が決めているのか。
金時山とか、鍋割山とか、「え、なんで?」という山に、若い子が過度に集中する理由は何なのかがよく見えてこないんです。
若いのに、なんでみんな同じ山に行くんだろう。
どうして、こうも集中するんだろう?

幸い15分待ちで鍋焼きうどんが出来上がりました。
1000円を支払い、こたつの形をしたテーブルに。
火は入っていませんでした。
無論、昼間に照明など付けているはずのない薄暗い山小屋の中ですが、外の雪明りで窓が白く輝き、中は案外明るいです。
うどんの湯気が立ちのぼるのがよく見えます。
水は貴重ですから、汁は少な目。
こんな山頂で熱々のものが食べられることの嬉しさ。
街で、この値段でこの鍋焼きうどんだったら、軽く暴れるかもしれませんが。
(*^_^*)

さて、鍋割山頂から、富士山や南アルプスの眺望を楽しんで、そこから塔ノ岳を目指しました。12:15。
ここからは、雪道が続きました。
青い空、白い雪、黒いブナの木。
ウキウキと歩いていきました。
凍結箇所もなく、楽しい雪道散歩。
1か所、急な下りがあり、そこだけ、少しもたつきました。(*^^)

金冷シの分岐から、塔ノ岳へ。
ここも、凍結箇所はないんですが、急な登りなので、ちょっと滑る感じでした。
ここは、帰り道はアイゼンがいるな、と感じながら、塔ノ岳へ。1:45。
風は強かったですが、ここも、見事な富士山。
そういえば、夏に、丹沢に来たときには、富士山は見えなかったので、丹沢で富士山を見るのは久しぶりです。
昔、5月に丹沢の主脈を縦走したときには、塔ノ岳の尊仏山荘に泊まりました。
小屋の人が、私に山小屋の窓から見える富士山を示しました。
まず、普通の視線の方向に指をさして見せ、そこからもっと高い位置に富士山があることを指で示し、「凄いでしょう?」という顔をしたのが、記憶に残っています。
あのとき、私は、もっと感動を示すべきだったかもしれない。
でも、その年は、ゴールデンウィークに、大雪の奥秩父を縦走したばかりでした。
雪に難渋しながら見上げた富士山の高さは、あれは、息が止まるほどでした。
富士山は、平地から見ると、案外低い。
でも、富士山近くの高い山に登ると、富士山は圧倒的に高く、その高さにがく然とします。

さて、下山。1:55。
金冷シの分岐までは雪がありましたが、そこを過ぎると、たちまち雪は消えました。
あとは、いつもの丹沢大倉尾根。
大倉尾根は、来る度に整備が進み、石のゴロゴロした急な下りが、整備された階段に変わっています。
去年の夏のときよりもさらに整備が進み、麓まで階段に変わっていました。

麓近くの山小屋の前に、草をむしゃむしゃ食べる鹿が2匹いました。
大きいなあ。
私の姿に1度は振り向くも、危害を加えられる心配はないとふんだのか、無視して、またむしゃむしゃ。
丹沢大山山頂付近の鹿も、態度が大きく、お弁当を開くと、「何かくれ」と寄ってくるほどですが、大倉尾根の鹿も、態度がでかいなー。
(^_^;)

大倉到着。4:35。
バスに飛び乗り、渋沢駅へ。
小田急の鶴巻温泉で途中下車し、いつものように弘法の里湯に入って帰りました。
  


  • Posted by セギ at 14:23Comments(0)

    2013年02月11日

    雲取山に行ってきました。2013年2月


    この連休は、雲取山を歩いてきました。
    三鷹から国分寺、東村山、所沢、と電車を乗り継いで、所沢からは、特急ちちぶ5号に乗って西武秩父駅まで。
    そこから西武秩父駅始発のバスで、三峰口駅経由で三峯神社へ。
    座席はたちまち満席で、9:10発車。
    三峯神社到着。10:25。

    降車バス停はだだっ広い駐車場の中で、トイレはすぐ目の前で便利でしたが、三峯神社は全体的に敷地が広く、どこに何があるのか、よくわかりません。
    ガイドブックには、ビジターセンターの横から登り始める、と書いてあるのですが、そのビジターセンターは、どこにあるの?
    とりあえず、階段を上がり、「雲取山」という道標を見つけ、舗装された林道を下り気味に歩いていったら、全くトレースのない雪道に出てしまいました。
    連休2日目で、そんなわけないだろうと、来た道を戻りました。
    古民家らしきものがあり、そこからは雪道で、トレースがあったので、少し入ると、雲取山への道標を発見。
    えっ。道標、小っちゃ。

    そこから、ようやく登り始めました。10:35。
    6年前、やはり2月に雲取山から逆に三峯神社に下りたことはあるのですが、下りるのは、とにかく道なりに下りたら良いけれど、登るのは、登山口を見つけるまでが案外ややこしいことがあります。
    無雪期に、三峯神社奥宮のある妙法ヶ岳にも登ったことがあるので、結局、ちゃんと覚えていないのがいけないのですが。
    (^_^;)

    樹林の中のさくさくの新雪の道。
    トレースも広く明瞭でした。
    徐々に傾斜がきつくなり、結構疲れるなあと感じながら、霧藻ヶ峰到着。12:25。
    ここには休憩所があり、休日のみ営業。売店もあります。
    両神山がくっきり見えました。遠目からもギザギザしています。
    両神山に半ば隠れているような白い山は、浅間山でしょうか。
    休憩所のおじさんが表に出てきて、
    「中に入って休んでいいよー」
    と声をかけてくださいましたが、よく晴れて寒くもないので、表のベンチで休憩しました。
    「ここからは、アイゼンをつけたほうがいいかもしれないね」
    おじさんの勧めに従い、アイゼン装着。

    そこから、まずは下り。
    その後、登山道の雪が消え、春を思わせる土の道になり、あれ?と思うところもありましたが、再び雪が現れ、道は、前白岩山への岩がちな登りになりました。
    ここは、やっぱりアイゼン付けてて正解でした。
    露出感の強い、崖っぷちの1歩があります。
    段差が大きく、うまく前足に体重を移動できないところもあります。
    全部が難しいわけではないんですが、部分的に神経を遣うところのある道でした。

    何となく怖いなあ、この道は。
    心の中でぶつぶつ言いながら歩いていくと、看板が立っていました。
    「この先、凍結箇所があります。技術・装備が不十分な人は、ここで引き返してください」
    しかし、この先とは、今来た道のことなのか、これから行く道のことなのか。
    今来た道も、ちょっと嫌な感じの道でしたが。

    しばらく行くと、木の階段が現れました。
    これが凍結していると、確かに嫌です。
    今回は、凍結はしていませんでした。
    崖っぷちの道も多かったです。
    ここが凍結していて滑落すると、本当に嫌です。

    さらにしばらく行くと、さっきと同じ「技術・装備が不十分な人は」の看板がまたあり、ああ、さっきのところからここまでがそうなのか、と納得しました。

    そんなこんなで、雲取山荘到着。3:55。
    雲取山は、近いようで遠い山です。
    三峯神社からで、雪山コースタイムは6時間。
    鴨沢からでも6時間。
    でも、このコースタイムでは歩けない場合も多く、5時を過ぎても泊まり客が続々と到着します。
    山小屋の人は、慣れているのか、遅くなっても怒らないようです。
    前回泊まったときは、6時を過ぎても予約客で来ていない人が何人もいて、食事が予定より30分遅くなりました。
    「仕方ないんだよ。雪で歩きにくいから」
    と小屋の人が、各部屋を回って説明していました。

    雲取山荘に泊まるのは3回目。
    いつも2月のこの時期です。
    各部屋にコタツがあり、暖かいのが嬉しいです。
    2007年2月11日に泊まったときは、1室に1人でのんびりできました。
    2008年2月10日に泊まったときは、1人できていた女性と2人部屋になりました。
    今回は、1部屋に5人。
    冬の雲取山荘がこんなに混雑するとは。
    やっぱり雪山は流行ってきているなあ。
    夏には10人くらい泊まることになりそうな部屋なので、まだ余裕はあるんですが。

    夕食のメニューは変わりません。
    ハンバーグ。山菜の小鉢。玉子焼き。レタス。ポテトサラダ。冷奴。玉ねぎとワカメの味噌汁。ご飯のみ、おかわり自由。
    2007年のハンバーグは、肉がふわふわして、手作り感があり、美味しかったけれど、2008年は、ハンバーグが固く薄っぺらな昔の給食っぽくなり、それは今年も変わりませんでした。
    2008年は、具だくさんの味噌汁が熱々で、雪山では、これだけでご馳走だ、と感じましたが、今回、味噌汁は、食べる頃にはもう冷めていました。
    仕方ない。
    泊まり客が増えれば、そうなります。
    あの立地で、あの食事は、有難いです。

    夕食後、歯磨き粉を使わない歯磨きをしに外に出ると、大きなかまくらの中に灯がともっていました。
    空は、満天の星。
    見える星が多過ぎて、星座がわかりません。
    東京都最高峰、雲取山。
    空気が澄んでいます。

    さて翌朝。2月11日。
    朝食は5時半から。
    味噌汁。焼き鮭。生卵。味付け海苔。
    梅干しとふりかけは、好きなだけ。
    山小屋の朝食に生卵がついていると、テンションが上がります。
    客が座ってから味噌汁をよそってくれるので、朝の味噌汁は熱々でした。
    (*^_^*)

    6時10分、小屋前でアイゼン装着。
    足元の雪は、半分凍って、ガリガリと音を立てています。
    小屋は東を向いていて、遠くの山際が赤く燃えています。
    「何あれー?」
    2階の窓を開けた若い女の子が叫ぶのが聞こえました。
    こんな朝焼けを、初めて見たのかもしれません。
    一緒に来たのか、表に出ていた二十代と思われる男の子が、その子に向かって、
    「ネックウォーマーとビーニーで、顔をギンギンに防寒して、下りておいで」
    と叫び返していました。
    爽やかである。
    朝からちょっと良いものを見た、と感じて、出発。
    あたりはだんだん明るくなってきたので、ヘッドランプはつけず、歩きだしました。

    樹林の間を登りきると、雲取山山頂。
    不思議と風がなく、ちょうど登ってきたご来光を仰ぐことができました。
    振り返れば、朝陽を浴びた富士山。
    上の画像がそれです。

    さて、下山。
    下山は、鴨沢コースをとりました。
    山頂から小雲取山の下りまで、かなり急な下りが三か所ある、と記憶していたのですが、今回は、あまり急な印象がありませんでした。
    トレースが直線的でなく、夏道そのままのS字カーブがそのままトレースになっていたからだと思います。
    小雲取山を通らないまき道のトレースもありました。
    全体に積雪が少な目だから、そうなるのでしょう。
    水曜日の雪も思ったほどではなかったですし。
    積雪が少ないと、むしろ、凍結箇所が多いので、アイゼンが外せませんでした。
    例年これから積雪が増え、3月が一番積雪量が多くなると聞きます。

    下っても、雲取山は長い。
    鴨沢バス停を通るバスは、9時台、10時台、11時台は、1本ずつあるのですが、11:22の次は、14時過ぎになってしまいます。
    正直な話、11時台までのバスに間に合うのは、結構大変です。
    のんびりしていると、12時を過ぎてしまいます。
    前回、それで2時間半、バスを待たねばなりませんでした。
    近くにお店でもあると良いのですが、そういうものはなく、ずっと外のバス停で待っていると、身体が芯から冷えてきます。
    雪山より、バス停が一番寒い。
    なので、今回は、急ぎました。
    ザクザク歩いて、林道に出たのが、10時。
    そこから、鴨沢への近道が凍結していない様子なので、近道をとり、バス停到着10:20。
    鴨沢のバス停の隣りは、立派な建物のトイレで、表にホースのついた水道もあり、泥のついたアイゼンやストックや登山靴を洗えて、助かりました。
    荷物の片付けが済み、全く食べなかった行動食のパンを食べながら、携帯をオンにすると、即座にメール受信。

    前夜に発信されたメールでした。
    うちの塾に通う、高校生からでした。
    「0°≦θ<180°で、サインが6分の5のとき、コサインとタンジェントは、+ですか-ですか」
    おっとっと。
    次の授業で、また座標平面と単位円について解説しよう。
    そうこうするうちに、10:53のバスがやってきました。
      


  • Posted by セギ at 20:35Comments(0)