たまりば

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2022年11月28日

NHK「ラジオビジネス英語」が好きになりました。



(この記事は、2024年4月に加筆修正しました)
ラジオ英語講座は、ポータブルラジオレコーダーに録音して聴いています。
夏期講習の忙しさに録音がたまってしまい、聴くのがひと月遅れていたラジオ英語講座も、今週おいつきました。
継続は力なり。

どの勉強でもそうなのですが、継続できない人は、無駄に完璧を目指してしまう傾向があるように思います。
ちょっと休んでしまうと、もうそれで全部ダメだと思ってやめてしまう。
少しサボっても、またその後に再開したらいいのです。

もう1つ。
継続できない人は、即効性を求める傾向があるようにも思います。
学習効果には、タイムラグがあります。
「今回のテストはしっかり勉強した!」
と思っていたのに、テスト結果はパッとしなかった・・・。
だからもう嫌になって、その次のテストはいい加減な準備だったのだけれど、そんなに悪い結果ではなかった・・・。
そんなこと、経験ありませんか?

やっぱり、努力なんて意味ないな。
勉強しても無駄だ。
そんなふうに思ってしまう人もいるかもしれません。

でも、それは違うと思います。
今頑張ったことは、早くても2か月後に結果が表われるのです。
だから、今回のテスト勉強を頑張っても、今回のテストの結果にそんなに反映されないことがあります。
でも、今回の頑張りは、次回のテスト結果に上積みされます。
だから、もう嫌になって適当に勉強した次のテストが、そんなに下がらなかったりするのです。
テスト範囲は違うものでも、勉強すれば頭の働き自体が良くなりますので、結果は次に持ち越されるのです。

英語の勉強は特にそうです。
即効性を期待しても嫌になるだけです。
そのうち何とかなるだろうと地道に継続していくと、気がつくと次のステージに上がっています。
長文読解は苦手だなと思っていたのに、気がつくと前よりも読みやすくなっている。
リスニングは苦手だなと思っていたのに、気がつくと前よりも英語が聞こえるようになっている。
それは、努力している今ではなく、ずっと先に効果として表れます。


英語学習を継続できるかどうかの1つの試金石がNHKのラジオ講座です。
一説によれば、英検1級合格者の4割は、NHKのラジオ講座を聴いているそうです。
これは私自身もそうです。

少なくとも、「基礎英語」を毎日しっかり聴き続けている中学生で、英語ができない子に出会ったことはありません。
ラジオ講座を聴いていなくても英語のできる子は、もちろん存在します。
しかし、ラジオ講座を聴いているのに英語ができない子に出会ったことはないのです。
英語が苦手な子は、大抵、ラジオ講座を勧められてもそもそも聴かないか、途中で挫折してしまいます。

ただ、これは、番組にそれだけの効果があるというよりも、正直それほど面白いわけではないラジオ英語講座を毎日毎日聴き続ける性格傾向が英語学習に向いているということの表れなのかもしれません。

NHKのラジオ講座。
ただ漫然と聴くだけでも、何も聴かないよりは何がしかの効果がありますが、より効果的なラジオ講座の利用法があります。
まず、番組をしっかり聴く。
放送中は本文のシャドーイングをします。
そんなコーナーがなくても本文2回目は自分でシャドーイングしてみましょう。
ちなみに、シャドーイングとは、英文を見ないで、音だけ聴いて後について言ってみる練習です。
英文の構造と単語の発音と意味を把握していないとたちまちガタガタになるので、自分がいかに未習熟かを実感できます。

そうです。
自分がいかに未習熟かを実感してぞくぞくするような性格傾向が、そもそも英語学習に向いています。
まだ登るべき山があることのワクワク感が好きであること。

だから、勿論、英文を自分で作って言ってみるコーナーは声に出して積極果敢に挑戦します。
上手くできないのは嫌だから挑戦しない、のではなく、上手くできないからこそ挑戦します。


番組を聴いた後は、日本語訳を見て、その英文を言ってみる練習をします。
「反訳トレーニング」という言葉で近年定着されつつある練習方法です。
文法力と単語力の両方を同時に鍛えることができます。
さらに、日本語訳を見て、その英文を書いてみます。
そして、テキストの英文を見て、自己採点。
このように番組をしゃぶりつくすような英語学習をすれば、英語力は必ず向上します。

中1で「基礎英語1」。
中2で「基礎英語2」。
中3で「基礎英語in English」。
高1で「ラジオ英会話」。
高2で「ニュースで学ぶ『現代英語』」。

学年ごとに、このように順調に進級すれば、英語学習はスムーズです。
高3は、受験勉強が忙しいので、上のような作業を毎日やるのは無理がありますから、「ニュースで学ぶ『現代英語』」を聴き、リスニングテスト対策として耳の衰えを予防する程度で十分と思います。
それでも何かやりたいのであれば、NHK出版から年4回発売されている音声ダウンロードブック「杉田敏の現代ビジネス英語」が良質です。

え?
「ラジオビジネス英語」は?
この記事のタイトルなのに?

うーん・・・。
大学受験までの英語学習には、あまり使えないかもしれません。
ただ、金曜日のインタビューは、外語大入試などの、リスニング問題が生の英語で聴き取りにくい大学を志望する場合には良い教材となります。
プロの朗読ではなく、講義録音などの生の英語音声をリスニングに使う大学です。
スピードの緩急が激しく、全体に声が小さくて聴き取りにくく、早口。
どこの訛りなのかわからないけれど、何か独特の訛りのある英語のこともあります。
「ラジオビジネス英語」のインタビューも、英語が母語でない人が英語を早口で喋っているインタビューが多いのです。
癖が強いです。
ついでに言えば、インタビューを行っているのはこの番組の講師で、もちろん日本人です。
「日本人の英語」としての1つの完成形を感じることができます。
自分の英語の発音に自信のない人に勇気をくれると思います。
こういう英語でいいんだ。
日本人の話す英語が日本語訛りなのは当然で、それでいいのだ。
それで伝わる。
伝わる英語というのは、こういうことなんだ。
発音よりも、内容だ。
何をどのような語彙で話すかだ。
英語的教養とは、そういうことだ。
それを実感できます。
私は昔、杉田敏先生のラジオ講座の英語でそれを感じ、常に励まされていました。

「ラジオビジネス英語」は、月曜日・火曜日・水曜日はビジネスシーンでの会話を扱います。
大学の一般入試にはあまり関係ないですが、大学受験に使うために英検準1級取得やTOEICでそれなりのスコアを目指している人には役に立ちます。
ビジネス英語も普通の英語なのですが、実社会での経験のない高校生には、場面に違和感があり、よく理解できないことがあります。
英検準1級のリスニングは、オフィスでの会話も含まれます。
TOEICは大半がそれです。
とにかく慣れることが必要です。
もちろん、前述のインタビューも、TOEICのリスニングに役立つ教材です。


「ラジオビジネス英語」は、2021年度に、杉田敏先生の「実践ビジネス英語」の後番組として始まりました。
杉田敏先生のビジネス英語は、NHKラジオ英語講座の金字塔。
英検1級合格者の4割というのは、つまり、これを聴いていた人たちでした。
合格後も聴き続ける。
通訳などの仕事についた人も聴き続ける。
そのように圧倒的な内容でした。

その後番組。
まあ、アンチが多くて当然です。
私自身も、昨年度は、斜に構えて聴いていました。
2021年度の感想としては。
まず、月曜日・火曜日のスキットに共感できませんでした。
主人公の日本人の若者が、まずはアメリカ支社と仕事をし、アメリカ人と交流し仕事も上手くいきかけていたのに、唐突にシンガポールに転勤するという内容に首を傾げました。
え?何で?
主人公と一緒にハシゴを外されたような気分になりました。
だったら最初からシンガポールで活躍する話にしてほしかった。
アメリカのほうがいいのにといった話ではないのです。
シンガポールでの仕事が上手くいきかけたら唐突にアメリカ転勤、でも同じ感想だったと思います。

また、水曜日のビジネスメールの書き方という講座の内容も疑問でした。
日本人が書いてしまいがちなメールを添削するという内容が、上から目線で鬱陶しい。
そんなまわりくどいメール、そもそも書かないだろう、という内容でした。
英語を使うときは、日本人でも、思考方法や文の組み立て方が変わります。
仕事に使うくらいの英語力があるのに、日本語のもってまわった言い方をそのまま英語にしようとする人は少ないと思います。
ビジネスメールのマニュアルもありますしね。
かえってビジネスライクになりすぎるのをどう抑えるかが課題ではないかと思うのです。

木曜日・金曜日のインタビューは人選がつまらなくて、あまり話を聴く気にならないのが難点でした。
もともと聴き取りづらいうえに、この人の話を聴いてみようという意欲も起こらないのです。

そのような感想のまま半年、さらに下半期の再放送も聴き続けました。
つまらない放送を1年聴く。
凄いでしょう?
こんなに文句があっても、それでも聴くんですよ。
だから英語が得意になるのですよ。

・・・と、謎の自慢はさておき。


さて、2022年度。
もう11月で、先月からは再放送が始まっていますが、この年の放送は良かったです。
番組のファンになりました。
月曜日・火曜日は、Business Expression。
スキット形式のビジネス英会話です。
これが、昨年度と比べて好感のもてる物語になっていました。
日米の自動車メーカーの、突然の合併。
佳那は、日本側のプロジェクトリーダーとして、アメリカ側の責任者ヘンリーとともにインドでのプロジェクトに挑戦していきます。
突然の合併後の、リモート会議。
佳那のアメリカ出張。
ヘンリーの日本出張。
互いの国民性や仕事の質に対する意識の違いをどうすりあわせていくか。
さらに、インドでの生産拠点設立。
今度はインドのよくわからないビジネス慣習に悩まされ、それを2人で解決していきます。
そして、プロジェクトは成功し、2人はそれぞれ、次の仕事に向かっていきます。

楽しかったのは、水曜日の英文メールの学習が、謎の添削ではなく、模範メールによる解説になっていたことです。
しかも、昨年度よりもずっとしっかりと、ストーリーとからんでいました。
昨年度もまあ関係はあったのですけれど、あってもなくてもどうでもいい感じがつきまとっていました。
今年度は、特に最終週のメールが良かったです。
佳那からのヘンリーへのメール。
ストーリーの結末をメールで明かす展開になっていたのです。
4月の最初の会話での佳那のちょっとした勘違いを最後のメールに活かした、気のきいたラストにもなっていました。
番組が提唱する、明瞭で簡潔でありながらパーソナルタッチが感じられるメール。
その意味が、実例としてわかるものでした。

木曜日・金曜日のインタビューは、6月(再放送では、12月)の、落語家桂三輝さんのインタビューが群を抜いて面白いものでした。
やはり、落語家は話すことが仕事ですから、発声から違いますし、カナダ人の英語なので聴き取りやすく、中身も面白い。
テキストで英文を確認しなければならない部分が1つもないクリアな英語でした。
聴き取りにくい英語を聴くから勉強になるとはいえ、聴き取りやすい英語はやはり嬉しい。
もう1度聴きたいので、今から12月の再放送が楽しみです。

そんなわけで、「ラジオビジネス英語」は、高校生ではなく、大学生か社会人が聴くと良い番組と思います。

さらに2023年度は、ヨーロッパのワイン販売会社に転職した日本人女性の話でした。
スキットは、月曜日・火曜日・水曜日となり、木曜日が英文メールの書き方。
金曜日が、ゲストを招いてのインタビュー。
スキットはこの年も面白いものでした。
就職面接から始まり、まずは日本支社での勤務。
そして、イギリス本社に出張。
自然派ワインや日本製のワインをどう売っていくかで、実力を示していきます。
これもサクセスストーリーとして、楽しめました。

2024年度のスキットは、半年を通してのストーリーではなく、毎月、登場人物が変わるようです。
その分、今までは描けなかったシーンが展開されています。

そして今年も、音声ダウンロードブック「杉田敏の現代ビジネス英語」が、変わらず楽しみです。
ビジネス英語と言いますが、こちらは、ビジネスシーンでの雑談と言いますか、時代に即した新しい話題を英語で提供してくれるビニェットが最高です。
英検のライティングや二次面接に悩みのある人にお勧めです。
新しい社会的な話題を英語でどう言うのか、どのような考え方があるのか、参考になります。

  


  • Posted by セギ at 15:06Comments(0)英語

    2022年11月23日

    冬期講習空きコマ状況のお知らせ。2022年度。



    冬期講習空きコマ状況です。

    1月7日現在


    なお、1月9日(月)より通常授業です。

      


  • 2022年11月22日

    駅からハイキングに参加してみました。2022年11月。


    2022年11月16日(水)、駅からハイキングに参加してみました。
    JR東日本が主催するイベントです。
    予約が必要なものもありますが、私が参加したのは、予約不要のイベント。
    Facebookで、三鷹駅出発のイベントがあることを知り、それなら歩いてみたいなと思ったのです。
    名前は聞いたことがあったけれど、参加するのは初めてでしたので、情報を得るべく、前日、三鷹ネットワーク大学でみたか太陽系ウォークの景品をもらった帰りに、三鷹駅に寄り、パンフレットを入手しました。
    パンフレットにQRコードが載っていたので、そこからアプリをスマホに入れて、会員登録。
    コースを確認しました。

    出発指定時刻は9:00~11:00。
    アプリには地図が載っていないけれど、地図はスタート地点に行けばもらえるのかな?
    9:30に三鷹駅に行ってみると、切符売り場のすぐ横に机が出してあり、駅員さんが2人、受付をしていました。
    「紙の地図をもらえますか?」
    そう尋ねると、
    「あ、アプリで参加の登録をするんですよ」
    との返事。
    「はい。じゃあ、今、参加します」
    とアプリでこのコースを選び、「参加する」を押して、画面を見せると、紙の地図をもらえました。
    やはり、歩くには、紙の地図が便利です。
    ウォーキング用の小さなザックから、サコッシュを出して、そこに紙の地図とスマホを入れて、さあ出発です。

    考えてみると、三鷹駅の北口に行くことはほとんどありません。
    線路というのは、昔で言えば大きな河と同じ働きがあって、特別な用がない限り、日常生活では越えない。
    河を渡ることには心理的な意味があり、今では線路も同じ役割を果たす。
    そんな説があります。
    結構信ぴょう性がある気がします。

    三鷹駅北口を出て、まずは直進。
    中央通り交差点を左折。
    三谷通り商店街を行きます。
    この時間帯ですと、開店時間の前ですから、どの店もシャッターが下りたままで、商店街の賑わいというものとは無縁の朝の風景でした。

    少し前、『孤独のグルメ』という番組の再放送で、シーズン2の最終回が三鷹市内のお店だったのを見ました。
    実際に入ったお店も、カメラに映っている街並みの中のお店も、今は移転したり廃業したりしているところがいくつもあり、見ていて、
    「ふわああああ」
    と声が出てしまいました。
    コロナの影響なのか。
    店主の高齢化もあるのでしょうか。
    10年くらい前の番組だと思うのですが、10年というのは、重い年月です。

    そういえば、みたか太陽系ウォークで、井の頭公園駅付近のお店を回ったときのこと。
    栗原ストアーの近くのアパートに学生時代に住んでいたので、ついでに様子を見に寄ったのですが、とうとう、正確な場所がわかりませんでした。
    10年前は、アパートは建て替えられていたけれど、ここだなとわかったのですが。
    付近には小型の低層マンションが並び、どれがどれだが、わからないのです。
    この10年は、重い。

    さて、話は、駅からハイキングに戻ります。
    商店街を通り過ぎ、市立グリーンパーク緑地へと右折。
    グリーンパーク緑地は、遊歩道です。
    舗装されている道でしたが、大きな柿の木にたわわに柿が実っているなど、樹木に覆われた雰囲気の良い道でした。
    秋が深まってきましたね。

    遊歩道からそのまま関前公園へ。
    夏にはじゃぶじゃぶ入って遊べるのらしい底の浅い池と緑地と大きな樹木のある公園です。
    近所にあるとちょっと嬉しい規模の公園です。
    ここも紅葉がきれいでした。

    舗装された緑地をさらに歩いていくと、突き当たりが武蔵野中央公園。
    ここは大きな公園でした。
    何もない。
    整備された見事な広場です。
    まさかのときには、ここにはテントが並び、大規模避難場になるのだろうなあという雰囲気です。

    公園に入ってすぐに左折し、公園内の舗装された道を行きます。
    テニスコートの前を通り過ぎて、公園を出て左折。
    すぐに八幡町の交差点を渡り、直進。
    さらに千川小前交差点を左折。
    ここから、千川上水遊歩道が始まりました。

    千川上水遊歩道。
    ここは土の道でした。
    これは嬉しい。
    上の画像がそれです。
    細い上水がさらさらと流れる横を歩きます。
    清流に落ちた紅葉が、するする流れていきます。
    都の清流復元事業で復元したものの1つだそうです。

    武蔵野大学の前で遊歩道は終わり、そこから五日市街道を行きます。
    交通量の多い道ですが、途中の横断報道で、中央分離帯に渡りました。
    ここも、土の道です。
    柳橋交差点からはまた舗装された歩道に戻り、関前5の交差点。
    多摩湖自転車歩行者道の入り口です。
    ここから、よく知る道。

    多摩湖自転車歩行者道からのコースは、私のいつもの散歩道です。
    いつものように上向台小学校の土手の途中から、銀色の道しるべの通りに左折。
    畑の中の道を行き、鈴木街道を渡ると、都立小金井公園です。
    ここには色づきの早いカエデとイチョウがあるので、そろそろ見頃なのでは、と足を速めました。

    お目当てのカエデが真っ赤に紅葉していました。
    さらに次のエリアで、期待していたイチョウも黄葉。
    良い時期に来ました。

    さて、ここまで一気に歩いてきたので、ここでひと息。
    ベンチに座って、もらった紙の地図を確認しました。
    このマップの提示で特典が受けられるようです。
    江戸東京たてもの園、入園料20%引き。
    わお。
    これは行かねば。
    というわけで、20%引きで320円の入園料を払い、江戸東京たてもの園へ。

    単なる偶然なのですが、江戸東京たてもの園に入るのは、いつも秋から冬になります。
    初めてのときは、お正月の三が日だったからか、何だか特別な雰囲気で、江戸時代の同心屋敷の中で囲炉裏に火が入れられてありました。
    前回は、農家の軒先に大根が干してありました。
    今年は、建物の前の小さな畑で大根が収穫を待っていました。
    こういう細かい演出が、ちょっと嬉しいですね。

    前回入ったときは、コロナに対する危機意識がもっと高かった時期で、園内では、数歩行くごとに「他のお客様と2メートルの距離をあけて」といったアナウンスが自動で流れていました。
    今回は、入口でその放送を1度聞いたきりでした。
    もちろん、注意喚起を促す掲示を下げたスタッフの方は園内を巡回していましたし、建物内は定員が設けられています。
    今回は、銭湯だけは靴を脱いで入りました。

    子宝湯。
    どっしりした瓦屋根の建物です。
    こういう銭湯、私の学生時代はまだ普通に街に存在していた気がします。
    前述の井の頭公園駅付近にも、少なくとも2軒、こうした銭湯がありました。
    20年くらい前、北アルプスを歩いた帰りに富山市内で入浴した銭湯も、まだこんな雰囲気だった気がするのですが、今はもう、こういう建物の銭湯はありそうでないのかもしれません。
    マンションの1階が銭湯という形が経営的にも順当なのでしょう。

    そこから、商家の建物などを散策。
    父の昔の実家のほうがもっと雰囲気があったなあと思ったりもするのですが、昭和中期には取り壊され、建て替えられました。
    家の片側に小さな和室がずっと奥までつながり、片側はすべて土間になっていた、商家特有の造りでした。
    家の裏手は、今はもう暗渠となっている水路につながっていて、往時は直接荷揚げができたのでした。
    あれが今も残っていたら、文化財だったのだろうなあ。
    でも、残らないのですよね。
    だから、今残っているものが文化財になるのですが。

    さて、さらに散策。
    江戸東京たてもの園の中で、私が一番好きなのは、高橋是清邸。
    裏側からの眺めに趣があります。

    江戸東京たてもの園を堪能し、コースマップを再び眺めると、ここからは浴恩館公園を経由して武蔵小金井駅まで歩くコースとなっていました。
    このイベントは、スタートだけ受付があるのですが、ゴールに受付はありません。
    浴恩館公園は、また気が向いたら行くとして、ここでコースを離脱し、帰ることにしました。
    帰り道は、もちろん、玉川上水緑道をひたらす歩きました。
    土の道が嬉しい。
    やはり、舗装道路歩きが長く、ちょっと疲れました。
    足腰の疲れが、土の道で癒されるようでした。

      


  • Posted by セギ at 11:43Comments(0)

    2022年11月17日

    みたか太陽系ウォーク、コンプリートしました。2022年11月。


    さて、三鷹市を太陽系に見立てて136か所を回るみたか太陽系ウォーク、コンプリートしました。
    アプリを使用し、デジタルスタンプをためていく催しです。
    以前のブログで、冥王星エリアを制覇したことは報告しましたが、その後も暇を見ては、新川エリアを攻略、武蔵境エリアを攻略、井の頭公園駅と三鷹台駅周辺を攻略。
    アプリのスタンプ帳には、スタンプの番号や場所名が入っていないので、自分がどこのスタンプを押して、どこを押していないのかは、紙に書いた一覧表が頼りでした。
    全部回ったと思ったのに、新川の郵便局に行っていないことに気づいて、泣く泣く戻ったり。
    三鷹台で、ケーキ屋さんのスタンプを押したと思ったのに押されていないことに気づいて、泣く泣く戻ったり。
    スタンプ帳に、各スタンプの番号と名称が記されていれば、もう少し楽なのになあ。

    その間も、アプリは、再び地図の使用が不可能になったりもしました。
    それでも、早々にコンプリートを達成し、あとは景品交換日を待つばかり。
    しかし、デジタルは、すべてが一瞬で消えてしまう可能性があります。
    私は、若い世代ほどには、デジタルの万能性を信じていないのです。
    何回もファイルが壊れたのを経験している。
    知っている。

    そう思っていたら、実際に、デジタルスタンプ帳が消えた人がいた様子で、その復旧方法がアプリのトップページに掲載されていました。
    驚いて確認すると、私のスタンプ帳は消えていませんでした。
    あー、良かった。

    そうして迎えた、景品交換開始日の11月15日(火)、スタンプ帳が壊れていないことを再度確認し、うきうきと三鷹ネットワーク大学に交換に行ってきました。
    行列ができているかなと思ったけれど、誰もいない・・・。
    スタッフの方が4人、笑顔で迎えてくださいました。

    スタンプ帳を見せればすぐ終わるのかと思ったら、そこでさらに「番号入力」などの操作がありました。
    紙のスタンプ帳だった頃は、交換終了のスタンプを台紙にポンと押せば済みましたが、アプリでは、そうはいきません。
    アプリに景品交換手続きの指令を出します。
    反応するまで、時間がかかります。
    これ、行列ができていたら、大変なのでは?
    操作方法を行列の後ろの人たちに常に伝え、準備してもらいながら、ということになるのかな?
    スマホがぐるぐる回転するマークを表示している間、ここで操作を間違えて、スタンプが全部消えて泣く子ども・・・というような地獄絵図を想像し、戦慄していました。
    多分、そのような場合には、スタッフさんが何とかしてくれるとは思うのですが。

    休日にお父さん・お母さんと一緒にヘルメットをかぶって子ども用自転車で回っているお子さんを何人か見ました。
    私と同じところで停止して、長い間アプリの反応を待っているので、太陽系ウォークをやっている人は、すぐにわかるのです。

    しかし、もう行ってきたはずのところのスタンプが押されていなかったり。
    どこのスタンプが押されていないのか調べるのが大変だったり。
    その場に行ってみても反応のないスタンプ箇所に絶望しかけたり。
    地図が使えなくなったり。
    あげくにスタンプ帳が消えたり。
    このイベントは、子どもの忍耐力を鍛える好機・・・。
    いや、絶対投げ出すでしょう。
    コンプリートは、大人でも忍耐の必要な作業でした。
    デジタルの弱点を煮詰めたようでした。

    ところが。
    twitterで、「太陽系ウォーク」で検索したら、スタンプ帳の画像をアップしている方がいて、何とその画像には、各スタンプに番号と場所名が記されているのです。
    私のスタンプ帳には、そんなのはないのに。
    だから、とても大変だったのに。
    私のスタンプ帳はこんなふうなのです。



    え?
    何で?
    iPhoneじゃないから?
    私のアプリだけ、根本的な不具合があったの?

    最後の最後にまた驚愕。
    そして、これを書いている今日見たら、スタンプ帳のほんのところどころですが番号と場所名が記されていました。
    何、これ?


    とはいえ、景品は予想以上に豪華なものでした。

    コンプリート賞のノートというけれど、とっても小さいメモ帳くらいのサイズなんじゃないのと思っていたのです。
    いいえ。
    普通のB5サイズの白ノートでした。
    これは、嬉しい。
    数学の問題を解くのに使います。
    数学は、白ノートが使いやすいのです。
    白ノートだと子どもは字が大きくなりすぎるし、かつ曲がるので、中学までは罫線ノートを使ったほうがいいと思いますが。

    林忠四郎賞のバンダナ。
    これは、バンダナという以上、これ以外のものは予想していないので、予想通りです。
    お弁当を包もうかなあ。
    白いので、醤油のしみとかついたら、泣いてしまうかなあ。

    ニュートン賞のクリアファイルというけれど、雑誌の付録によくあるような、とっても小さいサイズなんじゃないの?
    いいえ。
    普通のA4サイズのクリアファイルでした。
    何枚あっても嬉しいのがクリアファイル。
    実用的だから嬉しいのに、柄が気にいるとかえって使えないのがクリアファイル。
    これも当分保存してニヤニヤ眺めることになりそうです。
    嬉しい。

    ケプラー賞のペーパークラフト。
    これはもう最初から特に期待はしていないので、まあ、そのままです。
    2011年に参加したときは、ハヤブサのペーパークラフトでした。
    懐かしい。
    今回は、また別のものでした。
    まだ組み立てていないので、よくわかりません。
    組み立てる気でいるのかと驚かれるかもしれませんが、組み立てて遊んだうえで、多分、捨てると思います。



    というわけで、組み立てましたー。
    カライドサイクル。
    紙の内側には1か所も切れ込みを入れていないのに、このような形に組み立てられ、ずっと回していける立体です。
    地球、火星、木星、土星の絵柄が順番に表れます。
    思っていたよりずっと良いものでした。
    しばらく捨てられないだろうと思います。

    そして、景品の最後は、コンプリートした人だけがもらえる、シール。
    金色のシールです。
    私は、来年の手帳の表紙に貼りました。
    花柄の手帳の良いアクセントになりました。
    もともと、そういう図柄だったみたいに。

    上の画像が、景品を並べたものです。
    いろいろ苦労もあったけれど、このアプリを設計・管理している人の苦労は、こんなものじゃなかったろうと想像します。
    これだけいろいろアクシデントがあったら、クレームもそれなりにあったろうし、本当に大変だったと思います。
    ご苦労さまでした。
    ありがとうごさいました。
    来年は、もっと改善されていると思うので、来年も実施されたなら、ぜひ参加したいと思います。

    ああ、楽しかった。
    苦労が結局楽しかった思い出に変わるのが、こういうイベントの不思議ですね。


    <
      


  • Posted by セギ at 13:05Comments(0)

    2022年11月15日

    三角比でつまずく子の傾向。


    数Ⅰ「三角比」は、鋭角の三角比、つまり直角三角形の辺の比として学習している限りは、数学が苦手な子も、一応理解している様子を見せるのですが、鈍角の三角比に学習が進む頃に、どうしようもなく混乱していくことがあります。
    そうした子たちは、鈍角の三角比に拡張したときに、三角比は新しい定義になったことを理解していないように感じます。

    鈍角の三角比を学習するために、三角比の新たな定義を学習しています。
    学校の授業でも。
    塾でも。
    しかし、数学が苦手な子は、問題の解き方を丸暗記することや作業手順を覚えることが「数学の勉強」になってしまっています。
    そういう子は、概説的なことは重要ではないと思うのか、聞き流す習慣があるようなのです。
    あるいは、そのときは理解しても、すぐに忘れる子もいるのでしょう。
    そして、ノートには、板書を丸写しした、第2象限の直角三角形の図が残っている。
    教科書や参考書にもその図がある。
    結果として、彼らは、鈍角の三角比とは、第2象限に描かれた今までとは逆向きの直角三角形の辺の比だと思い込んでしまいます。


    拡張された新しい三角比の定義は、単位円を描いて考えます。
    高校1年の数Ⅰ「三角比」では、まだθは0°から180°までなので、上半分だけで大丈夫です。
    単位円とは、座標平面上に描いた、原点を中心とした半径1の円です。
    この円周上を動く動点Pの座標を(x , y)とします。
    そして、原点と点Pとを結んだ線分OPを動径と呼びます。
    「動く半径」ですね。
    Pを円周上のどこにとっても、OPの長さは円の半径ですから常に1です。

    とりあえず、まずは第1象限内に点Pをとりましょう。
    Pからx軸に垂線を下ろします。
    垂線の脚をHとしましょう。
    そうすると、x軸上に底辺がある直角三角形OPHを座標平面上に描くことができます。
    斜辺は単位円の半径ですから、長さは1です。
    P(x , y)ですから、この直角三角形の対辺PHの長さはy、底辺OHの長さはxとなります。

    動径OPとx軸の正の方向との成す角をθとすると、
    sinθ=y/1=y
    cosθ=x/1=x
    tanθ=y/x
    となります。

    これは便利です。
    サインがy座標そのもの、コサインがx座標そのものになります。
    このように、三角比を定義し直すのです。

    原点Oを中心として半径 r の円において、x軸の正の向きから左まわりに大きさθの角をとったとき定まる半径をOPとし、点Pの座標を(x , y)とする。
    このとき、
    sinθ=y/r
    cosθ=x/r
    tanθ=y/x 
    と定める。

    これが、拡張した三角比の定義です。
    実際には、
    r=1のとき、サインがy座標そのもの、コサインがx座標そのもの、タンジェントは直線OPの傾きそのものになり、とても便利なので、この単位円で話を進めていきます。
    そして、θが鋭角の場合だけでなく、鈍角の場合も、この定義をそのまま用いるのです。

    これが三角比の拡張です。

    しかし、三角比は直角三角形の辺の比だと信じている子は、教科書やノートに第2象限に描かれた直角三角形が残っていることもあって、自分の信念を変えません。
    裏返しに描かれた直角三角形の辺の比が、鈍角の三角比なのだと信じ込んでいます。

    それはそれで、符号にさえ気をつければ、答が出ないわけでもないから、それでもいいのではないか?
    しかし、直角三角形へのこだわりは、以降の問題を解くのに、さまざまな不具合が出てくるのです。

    よくある誤答が、
    sin 90°=1/√2
    というもの。

    三角比を解くときに、どうしても直角三角形を描きたい子は、y軸上の点P(0 , 1)と、原点Oと、x軸上の(1 , 0)とを結んだ直角二等辺三角形を描いてしまうのです。
    sin 90°だと言っているのに、θ の位置を勝手に移動し、sin 45°ととらえ、1/√2 という答をひねり出します。
    直角三角形の向きは何でもよくて、とにかくサインは対辺/斜辺だと思っているので、その子の頭の中で θ が自由に移動するようです。
    この誤答、そして、この謎の直角二等辺三角形は、1人の生徒だけのものではなく、うちの塾に通った、三角比が苦手な歴代の生徒たちが描きました。
    私の中では既に、その生徒がいかに三角比が理解できていないかを測る踏絵となっています。

    直角三角形など、もう関係ない。
    繰り返しますが、三角比は、単位円上の点Pの座標を使ってとらえ直しているのです。
    サインの値は、単位円上の動点Pのy座標の値です。
    だから、
    sin 0°=0
    sin 90°=1
    sin 180°=0

    コサインの値は、単位円上の動点Pのx座標の値です。
    cos 0°=1
    cos 90°=0
    cos 180°=-1

    タンジェントの値は、単位円上の動点Pの y/x の値です。
    tan 0°=0/1=0
    tan 90°=1/0 となってしまい、「ない」。
    tan 180°=0/-1=0

    三角比は直角三角形の辺の比と思い込んでいた子には、理解を越えた数字です。
    そこで、もう一度、三角比の拡張について解説することになるのが授業の流れです。
    一度派手に転んで、今までのやり方では通用しないことに気づかないと、解説を理解しよう覚えておこうという気持ちにならない子が多いのです。

    それでも、なお、直角三角形の辺の比という考え方にこだわって、混乱して、頭を抱えてしまう子もいます。
    結局、何をどうすれば簡単に答が出るのか。
    作業手順は何か?
    何とか見つけだそうとしますが、本人が思うよりも事態は複雑です。
    複雑なことを簡単に理解しようとしがちな子たちにとっては、これは苦痛をともなうことのようです。
    私の解説したことを解説したまま理解しようとしてくれません。
    要するに何をどうすればいいのか?
    どう自分のやり方でまるっと丸めるか?

    そう。

    彼らは、解説を受けてもそのまま理解しようとせず、「自分のやり方」で咀嚼しようとする癖があります。
    複雑なことを複雑なまま理解しようとはしてくれません。
    これでも随分簡単に解説しているつもりなのですが、彼らにとっては、もっと簡単になるはずだという思いがあるのかもしれません。
    だから、難しい解説は受け入れてくれません。
    簡単に答を出す方策を探し、誤解し、間違った解き方を身につけてしまいます。

    三角比は直角三角形の辺の比だ。
    そのように思いこんでいる子は、x 軸と y 軸と単位円を受け入れたくないのかもしれません。
    それでは、まるで関数じゃないか!

    そうです。
    三角比が苦手な子は、たいてい、関数が苦手なのです。

    「点Pが y 軸上にあるときの、点Pの座標を言ってください」
    単位円の図を描き、点Pを指さしながら、1文節ずつ生徒にゆっくり呼び掛けても、座標平面の話になると咀嚼に時間がかかる子は多いです。
    そして、長考の末の生徒の解答が、(1 , 0)というのも、よくあること。
    関数が苦手な子の多くは、y軸上の点は、y座標が0だと誤解しているのです。
    y どうしだからでしょうか?
    理解しているわけではなく、やり方を覚えようとしているだけだから、そういうことになってしまうのかもしれません。

    「点Pが y 軸上にあるときの、点Pの座標を言ってください」
    この問いに、「1」しか答えない子もいます。
    「座標には、x座標とy座標がありますので、そのセットで答えましょう」
    というと、ひるんだ顔をします。
    座標ということが理解できないまま高校生になっている可能性があります。
    「0」というのは存在しないのだから言わなくていいのだと思っているのかもしれません。
    あるいは、横と縦の数字の組み合わせで位置をとらえるということが、そもそもわかっていない可能性もあります。
    根本の概念になるほど、わかっていない子は、驚くほどわかっていないのです。
    頭の奥までしみていっていない。
    頭の表面のところで理解したふうな様子を見せてすぐに消去することの繰り返しが「勉強すること」になってしまっているような奇妙な感じがあります。


    三角比の拡張。
    ところが、単位円上の動点Pの座標だけで問題を解くわけでもないのが、三角比の複雑なところです。
    直角三角形の辺の比を今後も上手く活用していくことにもなるのです。
    単位円と点Pの座標という考え方と、直角三角形の辺の比という考え方を二重写しのように活用します。
    全部、簡単なイメージで解いていけますので、理解できれば、わざわざ単位円を描く必要もありません。

    sin 0°=0、sin 30°=1/2、sin 45°=1/√2、sin 60°=√3/2、sin 90°=1、sin 120°=√3/2、sin 135°=1/√2、sin 150°=1/2、sin 180°=0

    といった数値の一覧表を丸暗記をしようとして、覚え間違えてしまう子もいます。
    丸暗記できるならば別に止めませんが、脳に負担がかかるだけのそんな丸暗記は本来必要ありません。
    単位円の中に、第1象限での直角三角形のイメージを落とし込んで考えることができれば、簡単なのです。

    すなわち、
    sin 30°と言われたら、
    単位円と二重映しに、θ=30°の直角三角形をイメージします。
    サインの値は、対辺/斜辺。
    30°、60°、90°の三角定規の三角形をその位置に置くのなら、sin 30°=1/2。
    点Pの座標を何とか読もうとする必要もないし、一覧表を暗記する必要もありません。
    やはり、直角三角形の辺の比で解いていけるのです。
    単位円をいちいち描く必要もありません。
    頭の中でイメージするだけで、簡単に答が出ます。

    cos 150°の値を求めよと言われたら。
    まずは、鈍角なので、コサインの値は負の数であることを確認します。
    負の数ですが、絶対値は、第1象限の cos 30°と同じです。
    単位円と二重映しに、30°、60°、90°の直角三角形をイメージします。
    コサインの値は、底辺/斜辺。
    cos 30°=√3/2
    だから、cos 150°=-√3/2

    この作業は、慣れれば慣れるほど速くなります。
    そのうちに数値を覚えてしまい、直角三角形をイメージしなくても答が正確に出せるなら、それも良し。
    どうせ出てくる値の絶対値はサインやコサインならば、1/2、1/√2、√3/2。
    タンジェントならば、1/√3、1、√3。
    その大小関係に敏感になれば、直角三角形の二重映しも必要なくなっていきます。
    さらに、解くスピードが速くなります。

    そのように、技を伝授します。
    数学が得意な子が目を輝かせ、笑顔を見せる場面です。
    「すげえ。これならすぐわかる」
    「はい」
    私は笑顔で応えます。
    「三角比は簡単ですよね」

    ところが、数学が苦手な子は、アキレス腱を抱えています。
    30°、60°、90°の三角定規の三角形の辺の比を、覚え間違えていることがあるのです。
    1:2:√3
    という数字は覚えているのですが、斜辺が√3だと誤解しているのです。
    「2と√3は、どちらが大きいの?√3って、1.7くらいですよね?2のほうが大きいですよ」
    と説明すると、驚愕の表情を浮かべるのですが、1週間経つと、また誤解した状態に戻っています。
    30°、60°、90°の直角三角形を2枚背中合わせにはりあわせると、正三角形になる。
    そうした図を描いて、印象づけようとしても、1週間経つと、また混乱しているのです。
    中3のときに間違えて覚えてしまい、それから約1年経っているので、間違いを訂正することが難しくなっているのでしょう。
    どちらが正しかったか、時間が経つとまたわからなくなる・・・。
    混乱は、一生続く可能性すらあります。


    ここまでくると、本人の精神的なダメージも大きくなります。
    わかっていたことさえわからなくなり、奇妙な答案を書き始める子もいます。

    sin 60°=30° というような。

    「・・・三角比は、角度のことではないですよ?」
    そんなとき、数学がとても苦手な子に、涙ぐんで抗議されたこともありました。
    「何を言っているんですか!三角比は、角度ですよっ」
    「・・・何でそう思うの?なぜ、60°と30°が等しいの?」
    「それは、サインだからですよ!」
    「・・・」

    私立の女子高に通う生徒が、以前、話してくれたこともありました。
    クラスの半分くらいの子は、数学の時間に泣いている。
    三角比がわからな過ぎて、問題を解いていて、涙が自然に出てくるらしい。

    三角比は、そこまで難しい単元ではないのです。
    でも、小学校からずっと、作業手順を覚えて済ませてきた子。
    関数が結局よくわからず、もやもやし続けている子。
    中学の数学で間違って覚えてしまっていることの多い子。
    そうした子にとっては、三角比はつらい単元なのかもしれません。

    覚えるのではなく、理解してください。
    理解すれば、三角比は、そんなに難しくないのです。
    あわせて、少しずつでいいですから、中学までに身につけてしまった誤解を1つ1つ解いていけば、三角比は、マスターできる単元です。

      


  • Posted by セギ at 12:30Comments(0)算数・数学

    2022年11月11日

    八国山を歩いてきました。2022年11月。


    2022年11月10日(木)、自転車で八国山まで行ってきました。
    まずはコンビニに寄って、おにぎりとカレーパンとカフェオレを購入。
    しかし、コンビニ経由で武蔵境駅から多摩湖自転車歩行者道に向かう道は不慣れで、例によって道に迷いました。
    武蔵境駅からまっすぐ北上すれば井の頭通りとの交差点に出ると思ったのに、気がつくと、武蔵高校の前。
    え?
    武蔵高校?
    どこ、ここ?

    とりあえず、さらにまっすぐ行くと、見知った交差点に出ました。
    ああ、ここは、上水桜通りです。
    それならば、都立小金井公園に寄っていこう。
    上水桜通りをひたすら西に行き、都立小金井公園正門から中へと入りました。
    舗装された道をゆったり走っていきました。
    桜は紅葉。
    ハラハラと葉が落ちていきます。
    イチョウやカエデはもう少しというところです。
    来週以降が見頃かなと思います。

    さて、都立小金井公園を突っ切って、無事に多摩湖自転車歩行者道へ。
    ここから、またひたすら西へ。
    平日なので、自転車歩行者道は空いていました。

    どんどん進んで、狭山公園に到着。
    公園も突っ切って、そこから八国山に向かいました。
    このあたりに来るのは2年ぶりです。
    知っていると思っていた道をまた間違えて、それでも何とか八国山ころころ広場の駐輪場に到着しました。
    家を出て、1時間半。
    山を歩きに行くときも、電車とバスで合計でそれくらいかかることは多いから、まあそんなものだと思います。
    高尾山まで自転車で1時間半で行けるなら、毎週行くんだけれどなあ。
    多分、3時間くらいかかるでしょう。
    それから山を歩いて、また3時間かけて帰るのはさすがにつらい。

    東京都のコロナ新規感染者は、一時期1000人を切るかというところまで行ったのですが、その後、すぐにリバウンドが始まりました。
    第8波がきています。
    とはいえ、もう誰も経済を止める気はない。
    緊急事態宣言など出ない。
    せいぜいで、「屋外ではマスクを外しましょう」というキャンペーンは止めた程度。
    これは、私も考えを改めなければダメでしょうか。
    このままでは、一生、山に行けそうにありません。

    マスクを二重にして、用心して、私も出かけようかなあ。

    でも、もう足がなえてきているかもしれません。
    奥高尾も歩き通せなかったら、どうしよう。
    そう考えながら、八国山のよく整備された坂道を歩き始めました。
    うわあ。
    緩い登りが足にすいつくようです。
    何だろう。
    平地よりもむしろ歩きやすい。
    このすいすい進む感じは、何でしょう。
    山道って、いいですね。
    徒歩10分もかからず尾根道に上がれるのが八国山ですが、今回、体感は3分ほどで尾根道に到達しました。
    久しぶりの山道に足が喜んでいます。

    八国山は、東西に長い尾根道と、そこから東京側へは緩く下る斜面や広場がある、特徴的な構造をしています。
    尾根道の北側は階段で簡単に所沢方向に降りていけます。
    東京都と埼玉県の県境の緑地です。
    そういえば、先日テレビで埼玉特集的な番組をやっていたときのこと。
    「トトロ」の七国山のモデルである八国山というところもあるという話になったときに、司会者が、
    「トトロの舞台って埼玉なのか!」
    と驚いていたのが印象的でした。
    え?
    知らない日本人がいたの?

    その人は、長野県あたりをイメージしていたそうなのです。
    長野県?
    軽井沢のサナトリウムのイメージがあるのでしょうか。
    そんな感じの映像じゃないですけどね、「となりのトトロ」は。
    どこにも日本アルプスが見えない草っぱらと水田。
    そんな長野県は、ないだろう。

    のんびりと尾根を歩き、道しるべの通りに、広場への緩い木段を下っていきました。
    上の画像は木段の途中から撮影したものです。
    画像も、ベンチのあるちょっといい感じの広場ですが、そのまま緩い下り道を進んでいくと、春には山桜が見事に咲く、また別の小さな広場があります。
    そこにはテーブルとベンチもあります。
    遊歩道から10メートルは離れているので、安心してマスクを外して、持ってきたコンビニおにぎりの昼食を食べました。
    おいしーい。
    山の食事にあまりこだわりはないほうですが、久しぶりに外で食べる食事は本当においしい。
    マスクを外して吸い込む外気もおいしい。

    ごくたまに、人が通り過ぎていきます。
    犬の散歩の人。
    二人連れで散策している人。
    秋の山道を赤い服を着て歩くのは、センスいいな。
    紅葉の1つのように山に融け込んでいます。

    さて、下山。
    少し行くとまた別の広場があり、その先、道は少し複雑になります。
    細い道へと右折。
    さらに山道感が強まります。
    さまよい歩きを楽しみながら、ころころ広場に戻ってきました。
    時計を見ると、午後2時。
    ちょうどいい時間です。
    さあ帰ろう。

      


  • Posted by セギ at 13:01Comments(0)

    2022年11月08日

    数学が苦手な子の課題。


    数学は、結果が出るまでに時間がかかる科目です。
    数学が苦手というのは多重構造です。
    一番奥の核にあるのは、数学的なものの考え方が理解できないことです。
    小学生のときに理解できなかったことが、中学生になっても高校生になっても結局理解できていない子はいます。

    例えば、高校生の「2次関数」の平方完成の答案を見たときのこと。

    y=2x^2+4x+5
     =2(x^2+2x)+5
     =2(x+1)2+5
     =2(x+1)2-2+5
     =2(x+1)2+3

    ・・・うん?
    別に間違っていないのではと見過ごすこともあるかと思いますが、よく見てください。
    問題は、3行目です。
    本来は、2行目から4行目のように書いていくものです。
    それが、意味不明な3行目が入ってしまっています。
    何だろう、これ・・・。

    おそらく、本人は、2行目から4行目にいきなり進むのがつらくて、ひと呼吸おきたいのだと思います。
    まず、平方完成をした式を書いて、それから、平方完成をしてしまった分の辻褄あわせをすることを考えたい。
    そういう、本人の都合が優先されているのだと思うのです。

    しかし、数学では、等しくないものをイコールで結ぶのは、あり得ないことです。
    2行目と3行目は等しくない。
    3行目と4行目は等しくない。
    「ダメだよ。こういうことを書いたらダメなんです」
    と、理由もあわせてこんこんと説いたのですが、本人の表情は変わらず、返答もありませんでした。
    「わかりますか?聞こえていますか?」
    リモート授業だったので、伝わらないことのもどかしさに私の声が大きくなった瞬間。
    その子は何かのボタンを連打しました。
    おそらくは、ボリュームボタンを。

    近くにいる家族に、聞かれたくない。
    そういう気持ちはわかりますが、数学的に重要な話には無反応な一方、ボタンを連打するのは素早い。

    動画を見ているのではないのです。
    リモートで、人間と対話しているのですよ?
    なぜ、返事をせず、ボリュームを下げるの?
    あなたの返答がないから、私の声が大きくなるのですよ?
    それは、心が折れそうになる瞬間でした。
    耐性のある私でなければ、心が折れているぞ。

    でも、これは私が悪いのです。
    「わかりますか?」
    と尋ねても返答を得られないのは、ある意味あたりまえでした。
    わかるのか、わからないのか、本人にもわからないから、考え込んでしまい、返答できなくなるのです。
    声を大きくすれば伝わるというものではない。
    それこそ、不合理です。

    入会当時は、
    「答あわせをしましょう。(1)は?」
    と問いかけても、返答のなかった子でした。
    しかし、
    「答あわせをしましょう。自分の答を言ってください。(1)の答は何ですか?」
    と問いかければ、返答がある。
    AIみたいなところがあるのでした。
    正しい手段でアクセスすれば反応がある。
    だから、私が悪い。
    私の問いかけ方が悪いのです。

    しかし、伝え方を工夫して、返答を得られるようになっても、数学的な考え方は、なかなか伝わっていかない。
    作業手順は間違っていない。
    ただ、その子の思考の核に、数学的な考え方が伝わっていかないのです。

    以前も書きましたが、その子に限らず、小学生の頃にイコールの意味を理解しないまま、中学生になり高校生になっている子は多いです。
    「=」は、さあ計算しますよー、といった程度の意味しかないと思っているようです。
    等しいということに対する意識が、なぜか育っていないのです。

    y=3/4x-1/4
     =3x-1

    といったことを書いてしまう子もいます。
    「いや、式の値が変わるでしょう?」
    と問いかけても、本人は、分母を払って整理するのは当然のことと思っています。
    究極、等号の意味を理解していないのだと思います。

    数学において、何をやって良くて、何をやったらダメなのか。
    何をどれだけ学習しても表面的な作業手順をなぞるだけで終わってしまい、根本的なことが理解できない。
    数学が苦手な場合の核はそれです。


    その外側に「学習内容を覚えていられない」という状況がまとわりついています。
    小学校・中学校の間は、公式と作業手順を何とか覚えてやり過ごすのですが、高校数学になると、学習する公式の数が本人が覚えられる限界を越えていきます。

    しかも、1度学習した公式はその後も使います。
    テスト前だけ公式を無理に暗記してすぐに忘れていると、やがてツケがまわってきます。
    数ⅠAまではどうにかこなせても、数Ⅱが全くわからなくなる子に、そういう子が多くみられます。
    例えば、数Ⅱ「式と証明」という単元の二項定理を理解するには、数Aの「同じものを含む順列」の理解が必要です。
    そんなの、覚えていない・・・。
    公式を忘れているというレベルではなく、学習したこと自体、覚えていない・・・。
    そして、それを理解するために、そこだけピックアップして復習しても、理解できないのです。
    「場合の数と確率」の単元全体の知識がほぼ消えているのです。

    数Ⅱ「図形と方程式」という単元も公式の数が膨大です。
    学習の前半で直線の式の公式を学習します。
    高校数学用にバージョンアップされた式です。
    しかし、すぐに忘れてしまい、中学時代の解き方で解いてしまう子は多いです。
    y=ax+b の x と y に、2点の座標を代入して、a と b の連立方程式を作って解くやり方です。
    それでは解くのに時間がかります。
    また、学校の問題集の解答解説は、当然、高校の公式を利用しています。
    解答解説を見ても、どうして突然そんな式が立てられているのかわからなくなります。
    数Ⅱ「微分」を学習すると、接線の方程式の公式が出てきますが、それは高校で学習した直線の公式を利用しています。
    それを理解できないため、複雑な公式を意味がわからないまま丸暗記するしかなくなります。
    また、数Ⅱ「三角関数」を学習する際に、数Ⅰ「三角比」を全部忘れているため意味がわからない子は典型的な例でしょう。

    積み上げ科目が、積みあがらない。
    ひどいときには、定期テストが返ってきたので間違えた問題を解き直そうとしても、もう問題の意味がわからない子もいます。
    テストのときには正答できた問題も、テストが返却された時点ではもう解けません。
    しかし、終わったテストにこだわっていても、学校の授業は進んでいます。
    次のテストの対策をしなければならない・・・。
    そうして、数学は、意味がわからないまま、公式と作業手順を丸暗記して何とかやり過ごす科目になっていきます。
    単位だけ取れればいいというのならそれも仕方ないのですが、そういう学習をしているにも関わらず、数ⅡBを入試に使うという子も、今は多くなっています。

    根本的な理解不足という核。
    その周りにある、学習内容を覚えていられないという課題。
    それだけでも大ごとですが、その周囲にもまだ層があります。

    さらにその周囲に、ケアレスミスが多いという本人の傾向が加わってくるのです。

    単なる練習不足から起こるミスは、練習量を増やすことで減っていきます。
    新しいことを学習するとき、計算過程が複雑なため、解き方は理解しても計算の答が合わない。
    学習している新しいことが難解で、本人のキャパを越えているため、付随する簡単な計算過程でミスが出てしまう。
    数Ⅱ「三角関数」や「積分」の計算過程で、分数計算で失敗する人が多いのはその例です。
    それは、練習量を増やすことで、改善していくことができます。

    しかし、そのような良質のミスばかりではありません。
    例えば、ミスをしやすいようなやり方で解いているから起こるミス。
    これは、やり方を変えればなくなりますが、やり方を変えられない子が多いのです。

    数A「確率」の計算で、
    7/12・6/11・5/10・4/9
    といった式を正しく立てることはできるのですが、その後、できるだけ約分してから最後にかけ算するという工夫ができず、分子どうしのかけ算、分母どうしのかけ算を全部やってから約分して、結局は計算ミスをしてしまう子がいます。
    先に約分できない。
    そうしても良いことを忘れてしまうのです。

    スポーツに例えるとわかりやすいと思います。
    どんなスポーツもそうですが、フォームが悪い場合は、伸びは限定的です。
    だから、指導者は、フォームを直そうとします。
    口で説明し、何かに例え、映像を見せて、何とか本人のフォームの改善を促します。
    本人も、自分のフォームが悪いことは理解します。
    それでも、直せない場合のほうが多いでしょう。
    直せれば、一流のスポーツ選手になれる。
    でも、直せない。
    自分の身体を自分の思うように動かせない。
    直したいのに、直せない。
    多くはそれで伸び悩んでいくのではないでしょうか。

    数学も同じです。
    自分の脳を自分の思うように動かせません。
    小学生ですら、本人なりの考え方のフォーム、答案の書き方のフォーム、計算手順のフォームがあります。
    それを直せと言われ、その場で理解しても、直せないのです。
    また別の問題になると、同じことをやってしまいます。
    直したい気持ちがあっても、直せない。
    不合理でミスを誘いやすいやり方をやっていくしかない。
    当然、ミスは減りません。

    また、数学に対する苦手意識やプレッシャーによる動揺から起こるミスもあります。
    他の科目はそうでもないのに、数学のときだけ、奇妙なミスを繰り返す子がいます。
    「数学不安症」という名称すらあります。

    数学に限らず、全てのことで精度を保てないためのミスもあります。
    しかも、ミスをしやすい人は、自分が「ミスをしやすい人間である」と認めることに抵抗がある場合も多いです。
    他人のほうがミスをしやすい、自分はそんなにミスはしていないという間違った自己認識をしています。
    それは、自尊心や自己肯定感にかかわるものなので、仕方ない点もあります。
    あなただけがミスをしやすいと言っているわけではない。
    人間はミスをするものなんだよ。
    と話しても、その「人間」の中に「自分」は含まれないものとして理解してしまうようです。
    自分のこととして考えず、ミスだらけの答案を受け取っても、これはケアレスミスだから大したことはないと思ってしまう子もいます。
    ミスを軽視している限り、ミスは減りません。
    「ケアレスミス」を「ちょっとしたミス」という意味に解釈している子どももいます。
    「不注意なミス」という意味ですよと説明すると、嫌な顔をします。

    中学生くらいになると、定期テスト前の悪い学習習慣がついてしまっている子も多いです。
    テスト前は、睡眠時間を削って勉強します。
    連日、午前1時、2時までテスト勉強。
    朝はいつも通りに起きなければ、学校に遅刻するのに。
    そんな睡眠時間では、数学のテストで計算ミスをするのは当たり前です。
    しかし、そのことを注意しても、そうした悪い生活習慣・学習習慣は直りません。
    本人は、そうした学習のやり方に、ある程度の「成功体験」を持っているので、注意されたくらいでは改める気がありません。
    計算ミスを睡眠不足と結びつけて考える発想がそもそもないのだと思います。
    睡眠不足のとき。
    肉体的に疲労しているとき。
    精神的に動揺しているとき。
    自分の脳がどう動くか。
    どこまで正確か。
    そうした自己認識をできるようになるには、まだまだ子どもなのだと思います。

    こうしたミスは、果たして治るものだろうかと、首をひねる場合は多いのです。
    本人が自分を深く見つめることで解決していくしかない課題です。
    一生完治しないかもしれない。
    本人が、どこまでミスを見つめて用心していくことができるかにかかっています。


    上の三重構造だけでも大変なのですが、まだあります。
    特に高校生。
    一番外側に、
    「数学の勉強にそんなに時間はかけられない」
    という本人の気持ちがコーテイングされていることが多いのです。
    本人は、それでも数学にはそれなりに時間をかけているつもりでいます。
    保護者の方も「数学はやっているようですが」とおっしゃいます。
    学校の課題を提出するために、学校の問題集を解答解説や学校の教科書と首っぴきで解き方をなぞって解いているだけの時間が数学の学習時間のすべてであるにも関わらず、です。
    何も見ないで自分で考えて数学の問題を解いている時間はほとんどありません。
    模範解答をなぞって式を立て、計算は自分でやったことを、「自分で解いた」と誤解しているだけです。
    テストは、解答解説を見ることができませんから、自力で解くことができません。
    この当たり前のことを改善できない高校生は多いです。

    でも、学校の宿題は、提出しなければならない。
    わからないときは、解答解説を見るしかない。
    学校の宿題に時間をとられて、それ以外に数学の勉強はできない。
    それは、自分のせいではない。

    この表面のコーティングがぶ厚い高校生は多いです。
    それでいて、どうにかして数学が得意にならないかなあと夢想しています。

    まずは意識を変えましょう。
    何かを変えない限り、現状は変わりません。
    とりあえず、学校の問題集以外にもう1冊、何か解きましょう。
    あるいは、学校の問題集は、もう1度、今度は何も見ないで解きましょう。
    そのための時間は、決して無駄な時間ではありません。
    数学の成績を上げたいのなら、数学の学習時間を今の倍にする覚悟が必要です。



      


  • Posted by セギ at 13:22Comments(0)算数・数学

    2022年11月01日

    みたか太陽系ウォークをやっています。2022年10月。


    みたか太陽系ウォーク。
    私は、2011年に1度参加しました。
    その頃は、観光名所や店先のスタンプを押して回る、文字通りのスタンプラリーでした。
    スタンプ用紙が地図とセットになっている冊子を持って回るのでした。
    今は、アプリをダウンロードして、そこにスタンプを集めるシステムです。
    地図もデジタルマップになっています。

    10月25日(火)、1日目。
    徒歩で近場を回ることにしました。
    まずは三鷹駅。
    改札前に太陽系ウォークの大きな垂れ幕が下がっています。
    デジタルマップもいいけれど、紙の地図があればそれもほしいなと切符売り場の横あたりを探しましたが、そういうものは用意されていないようです。
    そして、デジタルマップは、不具合があったようで、使用できなくなっていました。
    代替物として、スタンプのおよその位置がわかる画像はアプリ内にあるのですが、各ポイントが近すぎるところは、よくわからない・・・。
    とりあえず、三鷹駅付近には沢山のポイントがあることだけはわかるので、闇雲に歩いてみることにしました。
    駅前南口テラスで、早くもアプリに複数の反応が。
    三鷹コラル内の店舗のようです。
    ポイント地点に近づくと、アプリ画面に、スタンプ箇所の名称が表示され、それをクリックすると、スタンプをゲットできます。

    エスカレーターでテラスを降りて、三鷹中央通りへ。
    商店街です。
    1ブロック歩くごとに立ち止まってスマホを見ると、新しいスタンプ箇所がアプリに出ています。
    どこにそのお店があるのか、わからないまま、どんどんスタンプがたまりました。
    1軒1軒お店を回って、スタンプを押すのと比べると、労力が少ないシステムですね。

    三鷹中央通りから、1本東の道に入り、またとことこと三鷹駅に戻ります。
    そうやってジグザグに歩いていくだけでスタンプがたまります。
    しかし、私は重大なことに気づいてしまいました。
    「太宰治文学サロン」は、昔もスタンプ箇所でした。
    今、そこが外れているはずがない。
    念のために一覧表で確認したら、やっぱり載っている。
    しかし、まさにその真ん前でスマホを見ているというのに、アプリに反応がないのです。

    それに気づいて、「スタンプ帳」や「スタンプポイント」の一覧を見比べてみました。
    店の前を通ったのに、スマホが反応していない箇所がかなりあります。
    三鷹駅南口スクランブル交差点のマクドナルド三鷹店。
    赤とんぼの碑。
    名取屋。
    スカスカのスタンプ帳を見て、考えこんでしまいました。

    そして、しばらく考え込んだ後に、アプリをホーム画面に戻すと、「太宰治文学サロン」が反応している!
    遅いっ。
    反応遅いっ!
    駅近辺は、微弱なフリーWi-Fiが入ってくるためにスマホの反応が遅いのでしょうか。
    電波状態があまり良くないことも影響しているかもしれません。

    とりあえず、風の散歩道を東へ。
    途中、「みたか井心亭」を示す道しるべがありました。
    スタンプ一覧を確認すると、ここもスタンプ箇所です。
    行ってみることにしました。
    住宅街の長い長い道を歩いていきます。
    舗装道路ばかりで、膝や腰に負担を感じます。
    自転車にするべきだったと後悔しました。
    目指す「みたか井心亭」に到着。
    ここも、表の解説板など読みながらしばらく待つと、アプリに反応がありました。
    日本文化に関わる集まりや催しなどに部屋を貸し出す古民家的な何かのようです。

    そこから井の頭公園方面に向かいました。
    うまい具合に、道の突き当りは三鷹の森ジブリ美術館。
    ここはすぐにアプリに反応がありました。
    施設の大きさも影響するのでしょうか。
    しかし、小さな店でも、20メートル先から反応するようなところもあります。
    何が違うのだろう?

    そこから北に向かい、井の頭公園へ。
    井の頭弁財天は、池のほとりまでくれば、反応がありました。
    とことこ歩いて、中田喜直記念歌碑。
    「ちいさい秋みつけた」の楽譜が書かれた歌碑です。
    歌碑の真ん前でどれだけ待っても、まったく反応がありません。
    歌碑の裏側に回り、少し斜面を登ると、ようやく反応が!
    ちょっとした方向や高低差が影響するのかもしれません。

    闇雲に歩いていても、アプリは反応しない。
    一方、反応の強い箇所では、何回も同じところのスタンプを開いてしまう。
    アプリのスタンプ帳は、何番のスタンプが押されたのかわからないのが難点です。
    番号が振られていないのです。

    家に帰り、まずはスタンプポイント一覧を紙に書き出す作業を行いました。
    1から136まで一覧表にし、スタンプを既に押してある箇所にチェックを入れました。
    ここからは、戦略的にいきます。


    10月28(金)
    自転車で、スタンプ大量ゲットを狙いに出発。
    連雀通りを行きます。
    ここは、商店街で、スタンプ箇所が並んでいます。
    ただ、連雀通りは、道路が狭いので、自転車で走るのはちょっと怖いです。

    道路交通法では、自転車が歩道を走るのは、原則禁止です。
    車道の左側に寄って走らなければならないとされています。
    ただ、交通の状況からみてやむをえない場合は自転車で歩道を徐行することができます。
    三鷹通りの歩道などがそうです。

    連雀通りは、車道を走るには、狭くて怖い。
    そして、歩道も狭い。
    こういう道が一番難しいです。
    自転車を押して歩道を進みました。

    スタンプを順調にゲットしながら東へ。
    小さなラーメン屋さんに到着。
    お昼どきとあって、店頭に行列ができていました。
    しかし、ここが例によってなかなかアプリに反応がありません。
    店の横の脇道に自転車を停めて反応を待っていたら、その道にバンが入ってきたー。
    うわあ、すみません、すみません。
    アプリが早く反応してくれないと、他人に迷惑ですね。
    行列に並ぶ人たちは、私が変な位置にいるので、横入するんじゃないかと妙な顔をしているし。
    3分待って、ようやくスタンプをゲットできました。

    その先のクライミングカフェは、表通りからではアプリに反応しないので、店頭まで行くために裏道に入りました。
    裏道に入ると、アプリに反応が。
    さらに「三木露風旧居跡」というポイントが近いことを地図で確認。
    入り組んだ道で、グーグルマップのお世話になって、ようやく発見しました。
    旧居跡というので、小さな公園で石碑でも立っているのかと思いましたが、普通の民家で表札が「三木」であることに、驚愕しました。

    夕方から仕事もあるし、そろそろ帰り道。
    ジブリ美術館に面した通りをのんびり行きながら、三鷹駅方向に戻りました。
    しかし、「太田ふとん」だけは、ゲットできませんでした。
    少し中に入っているようです。
    ここは、また来よう。


    うちの教室は赤鳥居通りにあります。
    毎日往復しているのに、三鷹産業プラザ前ではアプリが反応しないことに気づきました。
    電波状態がかなり悪いようです。
    では、夜ならばどうだろう?
    この推測は当たりました。
    仕事帰りに産業プラザ内のスタンプ複数を一気にゲットしました。
    スタンプ最優先でいくなら、夜歩くほうがいいのかもしれません。
    夜歩く。
    横溝正史の小説のタイトルですね。
    三鷹駅周辺は、仕事帰りに少しずつ回ることにしました。

    10月29日(日)
    アプリの地図が回復していました。
    快晴の日曜日、冥王星エリアを制覇すべく、自転車で出発。
    まずは人見街道を行きます。
    ここも連雀通り同様に、道路は細く、歩道はさらに細い。
    スタンプ箇所はお店が多いから仕方ないのではありますが、ウォーキングに適していない道が多いのが難点です。
    と思っていたら、しばらく行くと人見街道は歩道が広くなり、イチョウの巨木が並ぶ感じ良い散歩道になりました。 
    「人見街道」の解説板もありました。
    こんなところがあるんだ。
    三鷹に長く住んでも、三鷹のことをあまり知らないなあ。

    天文台通りを南へ。
    天文台もスタンプ箇所です。
    そこから、調布飛行場へ。
    その先、武蔵野の森公園内に謎のスタンプポイントがあるのです。
    「掩体壕・大沢1号」
    読み方すらわかりません。
    意味はもっとわからない。
    アプリの地図によれば、この辺なのだが?
    と、公園をきょろきょろしていると、警察官に呼び止められ、自転車が盗難車でないかチェックされてしまいました。 
    さらに行くと、軽トラックのドライバーが、
    「あんた、監視員の人?」と声をかけてきます。
    三鷹を出た途端にこれです。
    ここはほぼ調布。
    スタンプラリーという発想はない。
    「掩体壕・大沢1号?何それ?」
    と険しい顔で道路から公園をきょろきょろ覗いている不審者を、調布市民は許さない。

    それはともかく、何だかよくわからない黒っぽいオブジェのようなものが公園内にあり、自転車を押して入っていくと、そこが掩体壕でした。
    掩体壕(えんたいごう)。
    戦争中、敵の空襲の際に飛行機を隠すための壕。
    ああ、そういうことでしたか。 
    上の画像がそれです。

    大沢の里古民家は、野川沿い。
    この辺は幾度か来ています。 
    ここも、アプリの反応が悪い。
    自転車を置き、階段を昇って、入口まで行くと、しばらくしてアプリに反応がありました。

    さて、そこから、新川方面の冥王星エリアに回りました。 
    東八道路に出たら良かったのですが、坂を上るのが嫌で、脇道を行ったら、道に迷って迷って迷い続けました。
    その度、地図アプリを開いて、次のスタンプ箇所をチェック。
    仙川の影響なのでしょうか、道が曲がりがちで、入り組んでいます。 
    スタンプ箇所は郵便局。
    複雑に入り組んだ道の奥。
    あるいは、農園。
    広過ぎて、どこでポイントをゲットできるかわからない。 
    自転車でぐるぐる回りました。

    それでも、予定していた冥王星エリアを制覇。
    もう4時。
    帰ろう。
    しかし、新川に土地勘のない私は、そこからさらに道に迷いました。
    地図をかなり拡大しないと、今いる道がわからない。
    あまりに拡大し過ぎているので、全体の方向が把握できない。
    紙の地図も欲しいなあ。 

    東八道路が出てこなーい、と古い歌を替歌にして気持ちを落ち着けながら、何とか新川の迷路を脱出しました。

    ここまでで、102ポイントゲット。 
    コンプリートへの道は続きます。

      


  • Posted by セギ at 09:47Comments(0)