たまりば

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2022年11月28日

NHK「ラジオビジネス英語」が好きになりました。

NHK「ラジオビジネス英語」が好きになりました。


(この記事は、2024年4月に加筆修正しました)
ラジオ英語講座は、ポータブルラジオレコーダーに録音して聴いています。
夏期講習の忙しさに録音がたまってしまい、聴くのがひと月遅れていたラジオ英語講座も、今週おいつきました。
継続は力なり。

どの勉強でもそうなのですが、継続できない人は、無駄に完璧を目指してしまう傾向があるように思います。
ちょっと休んでしまうと、もうそれで全部ダメだと思ってやめてしまう。
少しサボっても、またその後に再開したらいいのです。

もう1つ。
継続できない人は、即効性を求める傾向があるようにも思います。
学習効果には、タイムラグがあります。
「今回のテストはしっかり勉強した!」
と思っていたのに、テスト結果はパッとしなかった・・・。
だからもう嫌になって、その次のテストはいい加減な準備だったのだけれど、そんなに悪い結果ではなかった・・・。
そんなこと、経験ありませんか?

やっぱり、努力なんて意味ないな。
勉強しても無駄だ。
そんなふうに思ってしまう人もいるかもしれません。

でも、それは違うと思います。
今頑張ったことは、早くても2か月後に結果が表われるのです。
だから、今回のテスト勉強を頑張っても、今回のテストの結果にそんなに反映されないことがあります。
でも、今回の頑張りは、次回のテスト結果に上積みされます。
だから、もう嫌になって適当に勉強した次のテストが、そんなに下がらなかったりするのです。
テスト範囲は違うものでも、勉強すれば頭の働き自体が良くなりますので、結果は次に持ち越されるのです。

英語の勉強は特にそうです。
即効性を期待しても嫌になるだけです。
そのうち何とかなるだろうと地道に継続していくと、気がつくと次のステージに上がっています。
長文読解は苦手だなと思っていたのに、気がつくと前よりも読みやすくなっている。
リスニングは苦手だなと思っていたのに、気がつくと前よりも英語が聞こえるようになっている。
それは、努力している今ではなく、ずっと先に効果として表れます。


英語学習を継続できるかどうかの1つの試金石がNHKのラジオ講座です。
一説によれば、英検1級合格者の4割は、NHKのラジオ講座を聴いているそうです。
これは私自身もそうです。

少なくとも、「基礎英語」を毎日しっかり聴き続けている中学生で、英語ができない子に出会ったことはありません。
ラジオ講座を聴いていなくても英語のできる子は、もちろん存在します。
しかし、ラジオ講座を聴いているのに英語ができない子に出会ったことはないのです。
英語が苦手な子は、大抵、ラジオ講座を勧められてもそもそも聴かないか、途中で挫折してしまいます。

ただ、これは、番組にそれだけの効果があるというよりも、正直それほど面白いわけではないラジオ英語講座を毎日毎日聴き続ける性格傾向が英語学習に向いているということの表れなのかもしれません。

NHKのラジオ講座。
ただ漫然と聴くだけでも、何も聴かないよりは何がしかの効果がありますが、より効果的なラジオ講座の利用法があります。
まず、番組をしっかり聴く。
放送中は本文のシャドーイングをします。
そんなコーナーがなくても本文2回目は自分でシャドーイングしてみましょう。
ちなみに、シャドーイングとは、英文を見ないで、音だけ聴いて後について言ってみる練習です。
英文の構造と単語の発音と意味を把握していないとたちまちガタガタになるので、自分がいかに未習熟かを実感できます。

そうです。
自分がいかに未習熟かを実感してぞくぞくするような性格傾向が、そもそも英語学習に向いています。
まだ登るべき山があることのワクワク感が好きであること。

だから、勿論、英文を自分で作って言ってみるコーナーは声に出して積極果敢に挑戦します。
上手くできないのは嫌だから挑戦しない、のではなく、上手くできないからこそ挑戦します。


番組を聴いた後は、日本語訳を見て、その英文を言ってみる練習をします。
「反訳トレーニング」という言葉で近年定着されつつある練習方法です。
文法力と単語力の両方を同時に鍛えることができます。
さらに、日本語訳を見て、その英文を書いてみます。
そして、テキストの英文を見て、自己採点。
このように番組をしゃぶりつくすような英語学習をすれば、英語力は必ず向上します。

中1で「基礎英語1」。
中2で「基礎英語2」。
中3で「基礎英語in English」。
高1で「ラジオ英会話」。
高2で「ニュースで学ぶ『現代英語』」。

学年ごとに、このように順調に進級すれば、英語学習はスムーズです。
高3は、受験勉強が忙しいので、上のような作業を毎日やるのは無理がありますから、「ニュースで学ぶ『現代英語』」を聴き、リスニングテスト対策として耳の衰えを予防する程度で十分と思います。
それでも何かやりたいのであれば、NHK出版から年4回発売されている音声ダウンロードブック「杉田敏の現代ビジネス英語」が良質です。

え?
「ラジオビジネス英語」は?
この記事のタイトルなのに?

うーん・・・。
大学受験までの英語学習には、あまり使えないかもしれません。
ただ、金曜日のインタビューは、外語大入試などの、リスニング問題が生の英語で聴き取りにくい大学を志望する場合には良い教材となります。
プロの朗読ではなく、講義録音などの生の英語音声をリスニングに使う大学です。
スピードの緩急が激しく、全体に声が小さくて聴き取りにくく、早口。
どこの訛りなのかわからないけれど、何か独特の訛りのある英語のこともあります。
「ラジオビジネス英語」のインタビューも、英語が母語でない人が英語を早口で喋っているインタビューが多いのです。
癖が強いです。
ついでに言えば、インタビューを行っているのはこの番組の講師で、もちろん日本人です。
「日本人の英語」としての1つの完成形を感じることができます。
自分の英語の発音に自信のない人に勇気をくれると思います。
こういう英語でいいんだ。
日本人の話す英語が日本語訛りなのは当然で、それでいいのだ。
それで伝わる。
伝わる英語というのは、こういうことなんだ。
発音よりも、内容だ。
何をどのような語彙で話すかだ。
英語的教養とは、そういうことだ。
それを実感できます。
私は昔、杉田敏先生のラジオ講座の英語でそれを感じ、常に励まされていました。

「ラジオビジネス英語」は、月曜日・火曜日・水曜日はビジネスシーンでの会話を扱います。
大学の一般入試にはあまり関係ないですが、大学受験に使うために英検準1級取得やTOEICでそれなりのスコアを目指している人には役に立ちます。
ビジネス英語も普通の英語なのですが、実社会での経験のない高校生には、場面に違和感があり、よく理解できないことがあります。
英検準1級のリスニングは、オフィスでの会話も含まれます。
TOEICは大半がそれです。
とにかく慣れることが必要です。
もちろん、前述のインタビューも、TOEICのリスニングに役立つ教材です。


「ラジオビジネス英語」は、2021年度に、杉田敏先生の「実践ビジネス英語」の後番組として始まりました。
杉田敏先生のビジネス英語は、NHKラジオ英語講座の金字塔。
英検1級合格者の4割というのは、つまり、これを聴いていた人たちでした。
合格後も聴き続ける。
通訳などの仕事についた人も聴き続ける。
そのように圧倒的な内容でした。

その後番組。
まあ、アンチが多くて当然です。
私自身も、昨年度は、斜に構えて聴いていました。
2021年度の感想としては。
まず、月曜日・火曜日のスキットに共感できませんでした。
主人公の日本人の若者が、まずはアメリカ支社と仕事をし、アメリカ人と交流し仕事も上手くいきかけていたのに、唐突にシンガポールに転勤するという内容に首を傾げました。
え?何で?
主人公と一緒にハシゴを外されたような気分になりました。
だったら最初からシンガポールで活躍する話にしてほしかった。
アメリカのほうがいいのにといった話ではないのです。
シンガポールでの仕事が上手くいきかけたら唐突にアメリカ転勤、でも同じ感想だったと思います。

また、水曜日のビジネスメールの書き方という講座の内容も疑問でした。
日本人が書いてしまいがちなメールを添削するという内容が、上から目線で鬱陶しい。
そんなまわりくどいメール、そもそも書かないだろう、という内容でした。
英語を使うときは、日本人でも、思考方法や文の組み立て方が変わります。
仕事に使うくらいの英語力があるのに、日本語のもってまわった言い方をそのまま英語にしようとする人は少ないと思います。
ビジネスメールのマニュアルもありますしね。
かえってビジネスライクになりすぎるのをどう抑えるかが課題ではないかと思うのです。

木曜日・金曜日のインタビューは人選がつまらなくて、あまり話を聴く気にならないのが難点でした。
もともと聴き取りづらいうえに、この人の話を聴いてみようという意欲も起こらないのです。

そのような感想のまま半年、さらに下半期の再放送も聴き続けました。
つまらない放送を1年聴く。
凄いでしょう?
こんなに文句があっても、それでも聴くんですよ。
だから英語が得意になるのですよ。

・・・と、謎の自慢はさておき。


さて、2022年度。
もう11月で、先月からは再放送が始まっていますが、この年の放送は良かったです。
番組のファンになりました。
月曜日・火曜日は、Business Expression。
スキット形式のビジネス英会話です。
これが、昨年度と比べて好感のもてる物語になっていました。
日米の自動車メーカーの、突然の合併。
佳那は、日本側のプロジェクトリーダーとして、アメリカ側の責任者ヘンリーとともにインドでのプロジェクトに挑戦していきます。
突然の合併後の、リモート会議。
佳那のアメリカ出張。
ヘンリーの日本出張。
互いの国民性や仕事の質に対する意識の違いをどうすりあわせていくか。
さらに、インドでの生産拠点設立。
今度はインドのよくわからないビジネス慣習に悩まされ、それを2人で解決していきます。
そして、プロジェクトは成功し、2人はそれぞれ、次の仕事に向かっていきます。

楽しかったのは、水曜日の英文メールの学習が、謎の添削ではなく、模範メールによる解説になっていたことです。
しかも、昨年度よりもずっとしっかりと、ストーリーとからんでいました。
昨年度もまあ関係はあったのですけれど、あってもなくてもどうでもいい感じがつきまとっていました。
今年度は、特に最終週のメールが良かったです。
佳那からのヘンリーへのメール。
ストーリーの結末をメールで明かす展開になっていたのです。
4月の最初の会話での佳那のちょっとした勘違いを最後のメールに活かした、気のきいたラストにもなっていました。
番組が提唱する、明瞭で簡潔でありながらパーソナルタッチが感じられるメール。
その意味が、実例としてわかるものでした。

木曜日・金曜日のインタビューは、6月(再放送では、12月)の、落語家桂三輝さんのインタビューが群を抜いて面白いものでした。
やはり、落語家は話すことが仕事ですから、発声から違いますし、カナダ人の英語なので聴き取りやすく、中身も面白い。
テキストで英文を確認しなければならない部分が1つもないクリアな英語でした。
聴き取りにくい英語を聴くから勉強になるとはいえ、聴き取りやすい英語はやはり嬉しい。
もう1度聴きたいので、今から12月の再放送が楽しみです。

そんなわけで、「ラジオビジネス英語」は、高校生ではなく、大学生か社会人が聴くと良い番組と思います。

さらに2023年度は、ヨーロッパのワイン販売会社に転職した日本人女性の話でした。
スキットは、月曜日・火曜日・水曜日となり、木曜日が英文メールの書き方。
金曜日が、ゲストを招いてのインタビュー。
スキットはこの年も面白いものでした。
就職面接から始まり、まずは日本支社での勤務。
そして、イギリス本社に出張。
自然派ワインや日本製のワインをどう売っていくかで、実力を示していきます。
これもサクセスストーリーとして、楽しめました。

2024年度のスキットは、半年を通してのストーリーではなく、毎月、登場人物が変わるようです。
その分、今までは描けなかったシーンが展開されています。

そして今年も、音声ダウンロードブック「杉田敏の現代ビジネス英語」が、変わらず楽しみです。
ビジネス英語と言いますが、こちらは、ビジネスシーンでの雑談と言いますか、時代に即した新しい話題を英語で提供してくれるビニェットが最高です。
英検のライティングや二次面接に悩みのある人にお勧めです。
新しい社会的な話題を英語でどう言うのか、どのような考え方があるのか、参考になります。




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