2023年01月01日
お正月なので難問に挑戦。
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申しあげます。
さて、いきなり問題です。
問題 上の図の四角形ABCDは長方形で、AB=15、BC=12、CE=9です。DFの長さを求めなさい。
さて、お正月ですから、じっくり考えるパズル系の難問を。
じっくり考えたい人は、ここで上の図をメモにとってください。
少し後ろのほうに解決編を書きます。
この問題、もしヒントを聞けば、
「あ、わかる!待って待って!」
と言う人も多いと思います。
最初の発想さえわかれば、後は案外簡単なのです。
しかし、その最初の一歩が踏めない。
そうです。
算数・数学は、最初の発想が一番難しい。
その一歩さえ踏めれば、後は解けることが多いのです。
最初の一歩をどう発想するか。
それが課題です。
1つには場数を踏むこと。
このような問題を前に解いたことがあり、「ああ、あれだ」と思い出すことができること。
だから、記憶力は、数学にも必要な力です。
学んだことがすべて頭の中に入っていて、いつでも使うことができること。
簡単なことのようで、これが結局一番難しいのだと思います。
学習したことが、頭の中に残らない。
新しいことを学ぶと、1つ前に学んだことは忘れてしまう。
脳が、記憶を消去していく。
本人が覚えていたいと思っていても、脳が、とにかく消去していく。
ものを覚えておくことができない・・・。
あるいは。
言われれば「あー、知ってる」と思うのだけれど、自力で使うことができない。
使える知識として脳に入っていない。
以前から繰り返し書いてきていますが、それは言葉の「理解語彙」と「使用語彙」に似ています。
私たちは母語である日本語においても、聞けば、あるいは読めば理解できる理解語彙は膨大ですが、自分で実際に使える「使用語彙」はそれよりはずっと少ないのです。
使える言葉が少ない。
意味は知っているけれど自分では使えない言葉がたくさんあります。
数学においても同様で、定理を聞けば、
「あー、そんなのあった」
と思い出すことができるけれど、自発的に使用できない定理が多いのです。
それを増やすこと。
知っている定理を使えるようにすること。
それには、問題を多く解き、どの定理をどのように使うのかを把握しておくことが必要になります。
常に出し入れしていると、さすがに少しは使えるようになってきます。
言葉もそうですね。
そして、数学の「応用問題」は、それです。
定理を応用する問題を「応用問題」と呼びます。
全く新しいことを自力で発想することは要求されていません。
そんなのは数学者のやることです。
さて、解決編です。
これは、学校では、中3「相似」の単元で学習する問題です。
相似を利用するのだとわかれば、案外簡単です。
図の中に、相似な三角形がありますね。
△DEF∽△CEB
相似比は?
DE=15−9=6 だから、
相似比は、
6:9=2:3
ということは、
DF:CB=2:3
すなわち、
DF:12=2:3
DF=8
これが答です。
気がつけば、簡単です。
別の解き方もあります。
等積変形を利用するというヒントで、これも、
「あ、わかる!待って待って!」
と言う人もいらっしゃるかもしれません。
等積変形。
「底辺と高さがそれぞれ等しい2つの三角形の面積は等しい」
それを利用して、三角形を面積が等しいまま変形することです。
底辺が一致しているとき、底辺の対角にある頂点が底辺と平行に移動するならば、移動後の三角形の面積は等しい。
底辺と高さは等しいままですから、当然、面積も等しいままです。
それを等積変形と呼びます。
上の問題では、DFの長さを求めよと言われているので、DFを底辺に持つ三角形を考えてみます。
四角形ABCDは長方形だから、
AD∥BC
すなわちDF∥BC
よって、
△DFB=△DFC
ちなみに、合同ではなく、面積が等しい三角形を上のようにイコールで結びます。
△DFCの面積がわかれば、高さはDC=15ですから、底辺を求めることができます。
ということは、△DFBの面積がわかればいいということです。
うん?
でも、△DFBの面積もわからないぞ?
ここで、等積変形を学習した際に解いたことのある練習問題を思い出せると楽です。
面積が等しい2つの三角形が、重なっている部分、すなわち共通部分を持っているとき、残りの面積どうしも等しくなります。
△DFBと△DFCは、△DEFの部分が重なっています。
したがって、重なった部分を引いた残りも等しい。
つまり、
△BDE=△CEF
です。
そして、△BDEのほうは、面積を求めることができます。
図より、DE=15-9=6
よって、
△BDE=6×12×1/2=36
すなわち、
△CEF=36
わかりました!
△CEFの底辺をCE=9と見たときの、高さは、求めたかったDFです!
よって、
9×DF×1/2=36
9DF=72
DF=8
いかがでしょうか。
大人は、「なあんだ、そうかあ」と楽しんでくださればいいのですが、小学生・中学生の皆さんは、こうした解き方を頭の中に入れておきましょう。
問題の解き方の作業手順ではなく、発想を覚えてください。
本年もよろしくお願い申しあげます。
さて、いきなり問題です。
問題 上の図の四角形ABCDは長方形で、AB=15、BC=12、CE=9です。DFの長さを求めなさい。
さて、お正月ですから、じっくり考えるパズル系の難問を。
じっくり考えたい人は、ここで上の図をメモにとってください。
少し後ろのほうに解決編を書きます。
この問題、もしヒントを聞けば、
「あ、わかる!待って待って!」
と言う人も多いと思います。
最初の発想さえわかれば、後は案外簡単なのです。
しかし、その最初の一歩が踏めない。
そうです。
算数・数学は、最初の発想が一番難しい。
その一歩さえ踏めれば、後は解けることが多いのです。
最初の一歩をどう発想するか。
それが課題です。
1つには場数を踏むこと。
このような問題を前に解いたことがあり、「ああ、あれだ」と思い出すことができること。
だから、記憶力は、数学にも必要な力です。
学んだことがすべて頭の中に入っていて、いつでも使うことができること。
簡単なことのようで、これが結局一番難しいのだと思います。
学習したことが、頭の中に残らない。
新しいことを学ぶと、1つ前に学んだことは忘れてしまう。
脳が、記憶を消去していく。
本人が覚えていたいと思っていても、脳が、とにかく消去していく。
ものを覚えておくことができない・・・。
あるいは。
言われれば「あー、知ってる」と思うのだけれど、自力で使うことができない。
使える知識として脳に入っていない。
以前から繰り返し書いてきていますが、それは言葉の「理解語彙」と「使用語彙」に似ています。
私たちは母語である日本語においても、聞けば、あるいは読めば理解できる理解語彙は膨大ですが、自分で実際に使える「使用語彙」はそれよりはずっと少ないのです。
使える言葉が少ない。
意味は知っているけれど自分では使えない言葉がたくさんあります。
数学においても同様で、定理を聞けば、
「あー、そんなのあった」
と思い出すことができるけれど、自発的に使用できない定理が多いのです。
それを増やすこと。
知っている定理を使えるようにすること。
それには、問題を多く解き、どの定理をどのように使うのかを把握しておくことが必要になります。
常に出し入れしていると、さすがに少しは使えるようになってきます。
言葉もそうですね。
そして、数学の「応用問題」は、それです。
定理を応用する問題を「応用問題」と呼びます。
全く新しいことを自力で発想することは要求されていません。
そんなのは数学者のやることです。
さて、解決編です。
これは、学校では、中3「相似」の単元で学習する問題です。
相似を利用するのだとわかれば、案外簡単です。
図の中に、相似な三角形がありますね。
△DEF∽△CEB
相似比は?
DE=15−9=6 だから、
相似比は、
6:9=2:3
ということは、
DF:CB=2:3
すなわち、
DF:12=2:3
DF=8
これが答です。
気がつけば、簡単です。
別の解き方もあります。
等積変形を利用するというヒントで、これも、
「あ、わかる!待って待って!」
と言う人もいらっしゃるかもしれません。
等積変形。
「底辺と高さがそれぞれ等しい2つの三角形の面積は等しい」
それを利用して、三角形を面積が等しいまま変形することです。
底辺が一致しているとき、底辺の対角にある頂点が底辺と平行に移動するならば、移動後の三角形の面積は等しい。
底辺と高さは等しいままですから、当然、面積も等しいままです。
それを等積変形と呼びます。
上の問題では、DFの長さを求めよと言われているので、DFを底辺に持つ三角形を考えてみます。
四角形ABCDは長方形だから、
AD∥BC
すなわちDF∥BC
よって、
△DFB=△DFC
ちなみに、合同ではなく、面積が等しい三角形を上のようにイコールで結びます。
△DFCの面積がわかれば、高さはDC=15ですから、底辺を求めることができます。
ということは、△DFBの面積がわかればいいということです。
うん?
でも、△DFBの面積もわからないぞ?
ここで、等積変形を学習した際に解いたことのある練習問題を思い出せると楽です。
面積が等しい2つの三角形が、重なっている部分、すなわち共通部分を持っているとき、残りの面積どうしも等しくなります。
△DFBと△DFCは、△DEFの部分が重なっています。
したがって、重なった部分を引いた残りも等しい。
つまり、
△BDE=△CEF
です。
そして、△BDEのほうは、面積を求めることができます。
図より、DE=15-9=6
よって、
△BDE=6×12×1/2=36
すなわち、
△CEF=36
わかりました!
△CEFの底辺をCE=9と見たときの、高さは、求めたかったDFです!
よって、
9×DF×1/2=36
9DF=72
DF=8
いかがでしょうか。
大人は、「なあんだ、そうかあ」と楽しんでくださればいいのですが、小学生・中学生の皆さんは、こうした解き方を頭の中に入れておきましょう。
問題の解き方の作業手順ではなく、発想を覚えてください。
Posted by セギ at 11:31│Comments(0)
│算数・数学
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