たまりば

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2016年11月17日

中学数学 図形の証明問題。



さて、今回は証明問題のお話です。
証明問題が苦手という子は多いです。
たいていは三角形の合同か相似を証明する易しい証明問題なのですが、生徒の答案を見ると、世の中には証明を書くことに向いていない人がいるのかもしれないと思うほどに、何だかよくわからない答案になっていることがあります。

証明には、作法があります。
読む側はその作法で読みますので、書く側もその作法で書く必要があります。
その作法で書いていない証明は、
「え?」
「何で?」
と読む側は思ってしまいます。
読む側にそう思われないように作法を守って書けば良いのです。


最もシンプルな三角形の合同の証明問題の答案の例として、例えばこのようなものが考えられます。

△ABCと△DCBにおいて
仮定より
AB=DC
∠ABC=∠DCB
共通な辺なので
BC=CB
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので
△ABC≡△DCB

この程度の易しい証明問題も、書き間違える子は、この1題の中で2か所、3か所と間違えてしまいます。
AB=DC
と、対応する頂点を揃えて書かなければならないのに、
AB=CD
と書いてしまう。
∠ABC=∠CDB
と書き間違えて、全然違う角を示してしまう。
同じ角を示しているのであっても、
∠DCB=∠ABC
と、示した角と、最初に提示した三角形の順番が逆になってしまう。

しかも、自己採点ではそれに〇をつけてきたりするので、私が見直して×をつけることも多いです。
本人は正解だと思い込んでいます。
「え。ちゃんと書きましたよ」
と主張するので、どこが間違っているかを説明する必要があります。

書き間違いがあまりにも多いので、
「これは、0点ですね」
と言っても、
「え?少し減点くらいでしょう?」
と気楽に構えている子もいます。
大体できているんだから大丈夫と思うようです。
精度に対する意識が低い、ということなのでしょう。
結果、テストで得点できず、落胆するのは本人です。

証明というのは相手を説得するために書くものです。
順番がぐちゃぐちゃで通用するわけがありません。
自分が書くときには順番がぐちゃぐちゃな子に、私が同じように順番がぐちゃぐちゃな説明をして理解できるかといったら、おそらくできないでしょう。
私がうっかり言い間違えたり書き間違えたりしたら、生徒はそこで詰まって理解できなくなっ
てしまいます。
だから、同じように自分も順番を守って正確に説明しなければならない。
そう自覚するだけで、証明のどこに気をつけなければならないかわかってくると思います。

また、根拠を示すことの重要性に対する認識が必要です。
根拠を示さなければ誰も納得しません。
何の定理を使ったのか。
どこに根拠があってそれが言えるのか。
それを明示しなければ読む人は理解してくれません。
読む側の立場にたってわかるように書くのが証明の答案です。

どこに注意を払い、何をどう書いていけば良いのか。
そのコツさえつかめれば、証明問題は型通りに書いていくだけのものなので、典型題に関してはむしろ得点源とすることが可能です。

こうした易しい典型題の証明問題なら解けるけれど、もう少し難しい問題が発想できないという人もいます。
これも人によって様ざまな課題があります。
まず、考える時間が異様に短い子。
問題を読んでから「わからない」と言うまで1分もかからないこともあります。
ものをじっくり考えるという習慣がないようです。
そういう子にとって、問題は、「ぱっと見てわかる問題」と「わからない問題」の2種類しかないのかもしれません。
頭の回転自体は速い子にこういうタイプが多く、わかる問題だけ解いていればいい、自分がわからない問題は難しい応用問題だから解かなくていいという意識を持っていることもあり、改善には時間がかかります。
ものをじっくり考える習慣のない子が考えるようになるには動機が必要です。
多くは、高校入試を意識するようになってから必要に迫られてようやくそういう方向に気持ちが動き始めます。
遅過ぎるようですが、何しろ頭の回転自体は速いので、中3の秋から大きく伸びることがあります。
高校入学後は、身につけた考える力が良い結果を生むようになります。

もっと不器用なタイプで、一所懸命考えているけれど証明問題が解けない子の場合は、その子に特有の盲点がある場合が多いです。
例えば、線分で区切られると図形が見えなくなる子。
区切られた最小の図形しか見えません。
線分をまたいで大きく図形を把握することができないので、合同な三角形も相似な三角形もその子の視点では存在しないことになります。
ものの見え方の癖のようなものなのでしょう。
説明されても見えないのであればもう仕方がないのですが、大抵は知力でカバーできますから、どういう図形が本当は見えるものなのかを繰り返し把握することで少しずつ見えてくるようになります。

あるいは、特定の定理が使用できない子。
例えば中2で、
「2角の等しい三角形は二等辺三角形である」
という定理を使用できない子。
あるいは中3で、
「半円の弧の円周角は90°である」
という定理を使用できない子は多いです。
言われれば理解できる定理です。
何度もそれに気づかないせいで問題が解けなかった経験があるにも関わらず、やはりその定理が使用できず、問題が解けません。
その定理が使用できる状態で頭の中にない。
そこが盲点になってしまっています。

漠然と「応用問題が解けない」ではなく、どういう応用問題が解けなかったのか。
その応用問題はどういう定理を使用する問題だったのかを自分で分析するようにすれば、傾向は見えてくるはずです。
そうすれば、その定理は使用できるようになるでしょう。
間違えた問題にバツをつけることすらやりたくないタイプの子にはこれは難しいことのようですが、正答できた問題よりも間違えた問題、解けなかった問題から多くのことが学べます。




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