たまりば

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2012年06月01日

ギアをチェンジしていこう


さて、中間テストが返却され始めました。
中学生、高校生の答案を見て、ときに感じるのが、この子は、進学したのにギアチェンジできていないのかもしれない、ということ。

たとえば、私立中学生。
中学受験のための受験算数を、そんなに得意ではないけど、一生懸命勉強した子。
受験算数が、わからなくて、つらくてつらくて、叱られながら、それでも何とか身につけた、つるかめ算、通過算、旅人算、食塩水の問題。
しかし、それは中学に入った途端、使わないものになってしまいます。
全部、方程式で解くことになります。

楽々と、その新しい流れに乗れる子も多い中で、取り残されてしまう子がいます。
苦労して身に着けた手法を、なぜ手放さなければならないのか、理解できないのかもしれません。
つるかめ算でも解けるのに、何がいけないのか?
中学に合格し、一種の燃え尽き状態に陥っている場合は特に、学校の授業をあまり真面目に聞いていなかったりするものですから、数学の基本を身につけそこねてしまう場合もあります。

あるいは、もっと切実に、もうキャパの限界だと感じている場合もあります。
もう何も新しいことが頭に入ってこない。
もう無理だ。
それは、本人の思い込みですが、本人がそう思っている限り、実際、何も新しいことは入っていかないのですから、切実です。

受験をしなかった中学生でも、同じです。
小学校の算数は、答えを求めるために式を立てます。
頭の中に、答えに至る過程が存在しないと、式が立ちません。
しかし、方程式は、関係を表すだけです。
関係を正しく読み取り、方程式を立てれば、あとは、その式を変形し、自動的に解いていける。
それは、子どもにとっては、発想の大転換。
それについていけない子が、現れます。
単純な方程式の計算問題なら、解けます。
でも、文章題になると、x を全く使わない、小学生ふうの式を書こうとします。
小学校の算数で習った文章題と比べると格段に複雑ですから、うまく書けず、答案はぐちゃぐちゃ。
「あなたの解き方、小学生だよ」
と言われても、何のことか、わからない。

この節目、中学数学から高校数学に進む場合にも、存在します。

中学時代、数学はあまり得意ではなかった。
興味もなかった。
でも、受験のために、一生懸命勉強した。
解き方も、公式も、全部覚えた。
そして、高校に合格した。

ところが、高校数学は、中学の数学としては多少複雑な過程で解いた同じ問題を、たった1本の公式で解くことがあります。
この流れに乗れない子が、ときに現れます。

比較的、簡単な例をあげれば。

問題
AB=5cm、BC=8cm、∠B=60°の三角形ABCの面積を求めなさい。

これは、中学生でも、数学が得意な子や、これの解法テクニックを知っている子ならば、簡単に解きますが、この手の問題を初めて見る、どちらかと言えば数学の苦手な中学生は、ギブアップする問題です。
そういう意味では、一種の応用問題。

しかし、高校になると、これは、公式を使う練習をするための基本問題です。
これを求めるための公式があるからです。


問題
点A(1,5)、点B(-2,-8)を通る直線の式を求めなさい。

中学生は、これを、連立方程式を作って解きます。
私は、傾きだけ先に求めて、後は y=ax+b の式に代入して求める方法のほうが好きですが、どちらにしろ、解いていく過程は、答案で何行にもなります。

しかし、高校生は、これを1本の式で解きます。
そういう公式があるからです。

有名私立高校を受験する中学生には、塾で、その公式を教える場合もありますが、意味を理解できる子は少数ですし、使い間違える危険もありますので、私は、数学の成績が5段階で「5」の子以外には、教えません。
でも、高校生には、教えます。
もう、理解できるはずだから。
それに、テスト範囲ですから。

高校の公式を知っていれば、応用問題が、基本問題に変わる。
そこで、ギアをチェンジできれば、そこからの加速は凄い。

けれど、高校の公式を覚えられない子が現れます。
あるいは、覚える意味を感じないのかもしれません。
覚えなくても、解けるんじゃないか?
中学生のときは、そうやって解いたのだから。

もしくは、もうキャパの限界だと感じている。
高校の数学は、正直言って、何のために何をやっているのか、もうわからない。
この上、新しく公式を覚えることは、もう自分には無理だ。

自分で限界だと感じたら、そこが限界となります。


この子は、進学した学年にふさわしいギアチェンジができているか。
いつまでも、ギアがローのままでは、走れない。
その学年にふさわしい数学の答案を書いているか。
点数と合わせ、そういうことを判断し、今後の指針とします。



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