規則性の問題。受験算数・中学数学。

セギ

2025年02月12日 16:26


問題 上の図のように数字を並べる。125は、何段目の何列目になるか。

小学生対象の受験算数でも、中学数学でも、規則性の問題として、典型題です。
都立高校の入試問題の大問2でも、こうした規則性を理解した上で式を立てる問題が出題されることがあります。

これは、頭の柔らかさが問われる問題です。
頭が固くて、1度目は何も思いつかないのであれば、せめて、その解き方を理解し、記憶し、以後、似たような問題でそれを利用できるようにしたいものです。

「この問題は、どういうルールで数字が並んでいるんでしょうか」
そう問いかけて、上手く説明できる子は、コミュニケーション能力の高い子です。
ルールをぼんやりと理解しているけれど、それを説明しようとすると上手く言葉にできない。
小・中学生ならば、それで普通です。

1段目の1列目に「1」があります。
その周りをとぐろを巻くように、「2・3・4」が取り巻き、さらのその周りをとぐろを巻くように、「5・6・7・8・9」が取り囲んでいる・・・。

こういう表現を小・中学生ができる可能性は低いですし、その表現ができることが問題を解くことに直接つながるわけでもありません。
表現はできないけれど、そういうルールだと理解できていれば、十分です。

では、問題を解くには、どうすればいいのか?
「とぐろを巻く」ではなく、算数・数学として考えるには、どうすればいいのか?

1段目に着目しましょう。
1段目の数字は、左から順に、

1,4,9,16,25,・・・

この数列の規則性は?

これが重要です。
ここで、頭が固いか柔らかいかを問われます。
そして、このルールは、規則性に関する他の問題でも繰り返し出てきます。
それなのに、規則性というと、「差を読む」発想しかもてない子が多いのです。
規則性は全部等差数列だと思い込んでいます。
そういう問題を沢山解いたせいで、全部そういう問題、という思い込みが強いのかもしれません。

上の数列の差を読むと、

3,5,7,9,・・・

これは、差が一定ではありませんから、等差数列ではないのです。

でも、よく見ると、この差は、等差数列・・・。
これは、高校生になれば、階差数列の考え方で処理できますが、小学生には手に余ります。
もっと、簡単な規則はないのでしょうか?

1,4,9,16,25,・・・

ここの発想力です。
差を読むのではなく、その数字1つ1つに何かルールがないか?
頭が柔らかければ、思いつくのです。

そう。
・・・これは、何かの2乗の数なのです!

1は1×1
4は2×2
9は3×3
16は4×4

数字がそれまでの数を取り巻いて正方形を作るごとに、また下に戻って、さらに外側を取り巻いていく。
このルールに気づいたとき、つまり、正方形を作っているのだから、その段階で、□×□の個数の数字が使われているのです。

このルールを見抜ければ、あとは簡単。
問題は、125が何段目の何列目か。
しかし、125は、□×□で表される数ではありません。
ですから、125に近い数で、そういう数字、すなわち「平方数」を考えます。

「125に近くて、□×□の答になる数字は、何でしょうか」
「62.5」
「・・・62.5?どんな式で求めましたか?」
「・・・125÷2」
「うーん・・・」

2乗と2倍の区別がつかない子は、中学数学に進んでも一定数いますから、小学生のこの発想は責められません。
しかし、一度これで頭が凝り固まると厄介でもあります。

中学生になっても、繰り返し、繰り返し、2乗と2倍を混同する子もいます。
4^2=8 といった誤答を繰り返します。
さらに悪化すると、4×2=16 と答える子もいます。

「62.5×62.5は、125になりますか?元の式にあてはめて、考えてみてください」

しかし、このような指示の意味がよくわからず、混乱していく子もいます。
何を説明されているのか、文脈がつかめないようです。
その誤答がなぜ誤答なのかを説明されているということが理解できず、正解のためのヒントを出されていると思うようです。
意思の疎通が難しい子の多くは、相手の文脈とは違う文脈でものを考えています。
コンピュータを相手にするように、冷静に一歩ずつ伝達していく必要があります。
理解力がないのではないのです。
文脈がずれているのです。

それはさておき。
□×□の答で、125に近いものは何か?

中学受験生として標準的な学力を持っている子は、15×15くらいまでのかけ算の答を覚えていることが多いです。
覚えなさい、と強制されたのではなくても、円の面積を求める問題などで繰り返し計算した結果、何となく覚えてしまっているのです。
塾で強制的に暗記させられた子は、20×20くらいまでは覚えています。
さて、そうした同じ数どうしのかけ算で、125に近い答になるのは?
11×11=121
ですね。
ということは、121は、上の表の、1段目の11列目の数字です。

あとは、実際に指折り数えていったほうが速いです。
12段目の1列目が122。
12段目の2列目が123。
12段目の3列目が124。
12段目の4列目が125。

よって、正解は、12段目の4列目、です。

さて、これを、中学生として式に表す場合。
都立高校入試の大問2では、a、b を用いて、規則性のある数を式で表す問題が出されることがあります。
表中の数字を、a 段目の b 列目として、式を立てるのです。

これもまた、上のように、1段目が平方数であることに気がつけば、立式できます。
1段目の a 列目の数は、a^2です。
ここまでで、a×a の正方形の形に数が埋まっています。
よって、その次の数、すなわち(a+1)段目の1列目の数は、a^2+1です。
したがって、(a+1)段目のb列目の数は、a^2+b と表されます。

125は、何段目の何列目になるのか?
a^2+b=125
と表すことができます。
これに具体的な数をあてはめて、
11^2+4=125
という関係を発想して、
正解は、12段目の4列目、と答えることが可能です。


さて、最後に、高校数B「数列」の考え方で、この問題を解いてみますが、かえって難しくなるだけなので、あまりお勧めしません。
上の考え方のほうがシンプルで良いと思います。

一応やってみましょう。
まずは、とぐろを巻いている数列を、1周目、2周目として、群数列を考えてみます。

(1) , (2,3,4) , (5,6,7,8,9) , (10,11,12,13,14,15,16) , (17,18,19,・・・

この数列で、125は、第何群の何番目でしょうか。
各群の項の個数を考えましょう。
第1群から順に、
1,3,5,7,9,・・・
これは、等差数列です。
第n群までの個数の和を、等差数列の和の公式にあてはめて考えます。

初項1、公差2の等差数列の、第n項は、
1+2(n-1)
=2n-1
ですから、第n項までの和は、
1/2n(1+2n-1)
=n^2
よって、この群数列において、第n群までの項の総数はn^2となります。
群数列として分割する前のもとの数列は、自然数の数列ですので、総数n^2が、そのまま、その項の数字となります。
したがって、第n群の最終項は、n^2です。

その1つ前の第(n-1)群の最後の数字は、(n-1)^2と表されます。

125は、第n群の数字なのですから、
(n-1)^2<125≦n^2
という不等式が成り立ちます。
11^2=121、12^2=144より、
n=12
よって、125は、第12群の数です。
ここで、第11群の最後の項は121ですから、第12群の最初の項は、122。
125は、第12群の4番目となります。
数の表のように数字をあてはめた場合、第12段の4列目。
ただし、これは、もしも第12群の14番目などの数字の場合は、第12段の位置ではなくなってしまうことに注意が必要です。

簡単なことが、何か面倒くさかったですね。

さらに面倒くさい解き方をしてみましょうか。
1段目の数字に着目して、大真面目に高校数学で解いてみると、
1,4,9,16,25,・・・
これは、等差数列でも等比数列でもありません。
しかし、上の数列の差を読む、すなわち、階差数列を考えると、
3,5,7,9,・・・
これは、初項3、公差2の等差数列です。
この階差数列の第n項は、
3+2(n-1)
=2n+1
となります。

よって、元の数列の第n項は、
1+Σ(2k+1)
となります。
ここで、Σの下はk=1、上は、k=n-1 です。
つまり、初項から第(n-1)項までの階差数列の和を、もとの数列の初項1にたしたものが、もとの数列の一般項です。
公式を利用して、計算してみましょう。
1+2・1/2(n-1)・n+n-1
=1+n^2-n+n-1
=n^2

やはり、この数列の第n項は、n^2なのです。
見たらすぐわかることを、異様に難しく解いてしまいました・・・。

つまるところ、

1,4,9,16,25,・・・

という数列を見たときは、2乗だ、平方数だ、とすぐに気づいたほうが簡単です。
最初に発想できなかったら、こういうことがあるのだと、知識として頭の中に入れておきましょう。
それで解くことのできる問題に、必ず再び出会います。



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