高校英語。仮定法。I wish +仮定法。

セギ

2021年01月01日 12:33


あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

さて、新年への願いをこめて、今回は、I wish ~の文を。
といっても、仮定法の I wish なので、実現不可能な願望になってしまうのですが。

I wish+仮定法。
wish という動詞は、「願う」「強く望む」という意味です。

まずは例文から。
(1) I wish I knew her telephone number.
(2) I wish I had known her telephone number.
(3) I wished I knew her telephone number.
(4) I wished I had known her telephone number.

さて、この4つ、文法的には全て正しい英文です。
意味はどう異なるのでしょうか?

「I wish+仮定法」は実現不可能な願望を述べる文です。
仮定法ですから、時制は実際よりも1つ古くなります。

(1) I wish I knew her telephone number.
これは、仮定法の部分が過去形であることから、現在の事実に反する願望だということがわかります。
現在の事実に反することを現在願っているのです。
だから、意味は、
「彼女の電話番号を(今)知っていればなあ」
となります。

(2) I wish I had known her telephone number.
これは、仮定法の部分が仮定法過去完了であることから、過去の事実に反する願望だということがわかります。
過去の事実に反することを現在願っているのです。
だから、意味は、
「彼女の電話番号を(過去のあのとき)知っていたらなあ」
となります。

ここまでは比較的楽に理解できるのですが、ここから、少し混乱します。

(3) I wished I knew her telephone number.
これは、単なる時制の一致の文のようにも見えます。
主節が過去形のとき、that 節も時制の一致で過去形にするのが時制の一致です。
しかし、仮定法なら、主節の動詞よりさらに1つ古い時制にしなければならないのではないか?
大過去にするのが、仮定法なのでは?
・・・いいえ、それをすると、その先に困ってしまうことがあるのです。

仮定法は、もともと1つ古い時制をあえて用います。
時制の一致も、主節の動詞にあわせてその時制になります。
それが二重に重なると、「大過去」の「過去」、「大々過去」といった時制が必要になりますが、英語にはそのようなものは存在しません。
だから、時制の一致と仮定法が重なったときは、表面上は時制の一致が起こっているように見えるが、実際には時制の一致は起こっていない。
仮定法で時制を決定している、とするとわかりやすいです。

(3) の従属節は、主節の動詞は過去。
時制の一致が起こり、従属性も過去形。
しかし、意味から考えれば、これは明らかに仮定法。
主節の時制(過去)の事実に反する仮定です。

したがって、意味は、
「私は彼女の電話番号を知っていればなあと思った」
となります。

(3) が理解できると、(4) もわかりますね。

(4) I wished I had known her telephone number.

主節は過去形。
従属節は大過去。
これは仮定法として、主節の時制よりも1つ前の時の事実に反する仮定を表します。
すなわち大過去の事実に反する願望となります。
「私は彼女の電話番号を(大過去のあのときに)知っていたらなあと、(過去のそのとき)思った」
という意味になります。


「過去にああだったらなあ」という願望を抱きたくなる気持ちもわかりますが、できるなら、これからのことを願いたい。
入試は、まだ未来。
未来は変えられます。
しかし、その未来も、あっという間に過去になります。
悔いのないように、入試までの期間を過ごしてください。


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