高校英語。複合関係副詞の whenever。

セギ

2020年09月28日 11:34


複合関係副詞の whenever。
まずは、こんな例文から。

Come and see us whenever it is convenient for you.
都合の良いときにいつでも会いにきてください。

この whenever は、「~なときにいつでも」という意味です。

複合関係代名詞を学習した後なら、それほど違和感はないと思います。
では、こんな問題を解いてみましょう。

問題 以下の文をほぼ同じ意味になるように空所を埋めよ。
(1) Come and see us whenever it is convenient for you.
=Come and see us ( )( ) it is convenient for you.
(2) I visit my old friend whenever I go to Hokkaido.
=I visit my old friend ( )( ) I go to Hokkaido.

どちらも、「~なときはいつでも」という意味の whenever です。
複合関係代名詞を学習した後なら、何を入れるか想像できそうです。
・・・any time かな?
では、
(1) =Come and see us (any)(time) it is convenient for you.
(2)=I visit my old friend (any)(time) I go to Hokkaido.
でしょうか?


(1) は問題なく正解。
しかし、実は、(2) は、
I visit my old friend (every)(time) I go to Hokkaido.
のほうが良いのです。

これは「いつでも」のニュアンスの違いからくるものです。
逆に、(1) を、
Come and see us (every)(time) it is convenient for you.
とすると、絶対に毎回来ることを強要しているようで、誘い文句としてはむしろ無神経な印象になります。
「いつでも会いに来てね」と「いつも会いに来てね」はかなり印象が違いますよね。

つまり、any time と every time の使い分けは、文脈判断です。
そういうのが苦手な人にはつらいところかもしれません。

では、この場合はどうでしょうか。

問題 次の文を、ほぼ同じ意味になるように書き換えよ。
You will be welcomed whenever you come.
=You will be welcomed ( )( )( ) you come.

うーん・・・?
=You will be welcomed (any)(time)(when) you come.
かなあ・・・?
any time は、これだけでも十分ですが、at any time when としても良いですから。
at も when も省略可能ですが、書いても良いわけですから。

・・・しかし、この文は、ちょっとニュアンスが変ではないでしょうか。
これも文脈上の問題ですが。

「あなたは、来るときはいつでも歓迎されるでしょう」
では、来ないときは、歓迎されないのか?
裏で何か言われているのか?
「来るとき」に限定されているこの表現は、何だか奇妙です。

これは、「あなたは、いつ来ても歓迎されるでしょう」という文なのではないでしょうか。
だから、正解は、
=You will be welcomed (no)(matter)(when) you come.
です。

つらいのは、全て文脈判断だというところです。
例えば、複合関係代名詞 whoever のときには、主節の中でSやOになっているときは「~する人は誰でも」で、M(修飾語)のときには、「誰が~しようとも」と譲歩の意味になる、と文法的な分析ができました。
しかし、複合関係副詞は、どちらにしろM、副詞節なので、文脈判断になります。
日本語に対する感覚の鋭敏さが問われます。

「あなたは、来るときはいつでも歓迎されるでしょう」
「あなたは、いつ来ても歓迎されるでしょう」
この2文のどちらかがおかしいと感じられない場合には、判断がつかないということになります。
おかしい、とまでは言わなくても、どちらのほうが良い、ということが判断できれば、その判断に従うことができます。
しかし、判断がつかない、そもそも違いがわからない、となると、この問題は正答できないかもしれません。

説明するとき、できれば、文法的に分析してあげたい。
しかし、whenever の使い分けに、文法的な違いは、ないのです。
これは、本当に文脈判断です。
できることは、日本語の語感を磨くこと。
こんなことは何でもないと、やすやすとクリアしていく子も多い中で、一生レベルでわからない、と頭を抱えてしまう子もいます。

絶対ではありませんが、no matter when のほうは、例によって助動詞 may が使われていることがありますから、それをヒントにすることは可能です。
少しのヒントを頼りに、何とか正答してください。


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