都立野川公園にキンランが咲きました。2021年4月。

セギ

2021年04月18日 15:46


2021年4月16日(金)、野川公園を歩いてきました。
例によって自転車で30分走って、野川公園へ。
空は思いのほかどんよりしていますが、あまり晴れると暑い季節に入ってきましたので、これはこれで散歩日和です。
駐輪場に自転車をおいて、早速お目当ての自然観察園に向かいました。
ゲートで掲示されている、今咲いている花の写真に、今回も驚愕。
・・・え?こんな花が咲いているの?
凄すぎないですか?

ゲートから木道に入ると、オドリコソウの大群落が広がっていました。
木道から見晴らせる限り、オドリコソウのピンク色の花畑です。
オドリコソウって、こんなにわさわさ生えて、わさわさ花をつけるものなんだ・・・。
フェンスに守られた自然観察園は、植物の別天地です。

木道の反対側、花の少ない地帯に、目立つ花が1つ。
赤に近い濃いピンク色の花を輪のようにつけて、すくっと立っていました。
クリンソウです。
山で見たのは、いつだったか。
もうずっと前、確か日光かどこかの山奥の麓の道で見たきりです。
珍しい花が咲いているなあ。

そして、木道の反対側は、ゲンゲの花畑。
俗称レンゲです。
近くで見るのは初めてです。
木道にしゃがみこみ、まじまじと見ました。

少し行くと、今度はイチリンソウの群落。
ニリンソウと名前が似ていますが、イチリンソウは、花が大きいです。
イチリンソウは、でかいなあ。
むしろクサイチゴと見間違うサイズです。

木道の曲がり角のところでは、イカリソウを発見しました。
イカリソウは、奥高尾や中央線沿線の山で、これからの季節に沢山見かける花です。
しかし、ここでは、イカリソウは、1つしか見ませんでした。
ここは自然界とは異なる偏りがあって、面白いです。
もともとはどこかから慎重に移植してきた植物か、種をまいたものなのでしょうか。
一方で繁殖力の強い帰化植物は丁寧に除草しているのだと思います。

木道から土の道に変わると、ついにお目当てのキンランを発見。
道から少し遠いので、精いっぱい手を伸ばして撮影しました。
まだつぼみで、見ごろはあと数日後でしょうか。
ここのキンランは盗掘の心配がないので、安心して見ていられます。
奥高尾のキンランは、毎年盗掘との闘いのようで、パトロールが出ています。

昔、山のバスツアーに参加したときに、隣りに座った人が最近花屋で働き始めたという人で、しかも、組織的に山に盗掘に行くことを全く悪気もなく話すのに驚いたことがあります。
何ならこのツアーで見つけた花を、職場に報告しようという勢いでした。
山野草などを扱う花屋だったようです。
「そういうのは、犯罪ですよ」
と言っても、
「違うの。花盗人は罪にならないのよ」
と笑っていました。
罪悪感がないことが、何より怖かったです。
働き始めたばかりの職場の「常識をくつがえすものの考え方」が新鮮で、簡単に洗脳されたのでしょう。
盗掘した花を売る花屋が存在するのだということもあわせ、恐ろしい経験でした。


何周しても楽しいので、ぐるぐる回って、同じ植物を何回も撮影して、飽きることがありません。
入った直後は少し人が多かったのですが、雨がぽつぽつと降りだして、人の姿が消えました。
傘をさすほどではありません。
人を気にせず、のんびりと観察し、満足して自然観察園を出ました。

歩数計を見ると、9,000歩ほど。
もうちょっと歩きたい。
橋を渡って、野川の南側に入りました。

都立野川公園は、昭和の頃はゴルフ場だったそうですが、そういわれるとなるほどそのような地形です。
なだらかな起伏の芝生が広がっています。
その芝生が、タンポポの花畑になっていました。
「いちめんのなのはな」
という詩の1節がありますが、
「いちめんのタンポポ」
もいいなあ。

野川のほとりに下りて、東へと歩いていきました。
調整池の整備のために、野川の右岸は、途中で通行止めになっています。
そこから橋を渡って左岸に回り、舗装された遊歩道を歩いていきました。
コデマリの垣根。
モッコウバラの咲く家。
どんどん行くと、工事中の調整池が見えてきました。
工事中なのに、カモが泳いでいます。
カモには工事なんて関係ないですもんね。

工事中の場所を過ぎると、野川は再びのんびりとした道に。
サギが飛来しています。
川遊びに来た幼稚園児らしき3人ほどが、飛び立つサギを追いかけて川のほとりを走っていました。
右岸には八重桜の大木があり、枝を野川に投げかけています。
花が散り始めていて、周辺はピンクに染まっていました。
その隣りには、ハナミズキの白い花、ピンクの花。

時計を見ると、午後1時半。
野川の左岸は、中学の通学路のようで、中学生たちが下校してくるのが見えました。
こんなにきれいな場所が通学路なのはいいなあ。
本人たちにとっては、何でもない日常なのでしょうけれど。

さて、そろそろ帰ろう。
夕方から、私も授業です。



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