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2022年02月27日

高校英語。否定。few と little

高校英語。否定。few と little

さて、否定の続きです。
今回は、few と little です。
前回の hardly , seldom などは、副詞ですので、動詞を否定していたのですが、few と little は形容詞ですので、名詞を否定します。
だから、位置も働きも異なるのですが、日本語の意味と1対1で覚える人は、どれも「ほとんど~ない」なので、区別がつかなくなるのです。
few と little は、形容詞ですので、名詞の前に置き、その名詞がほとんどないことを表します。

few は、可算名詞(数えられる名詞)に用い、数がほとんどないことを表します。
little は、不可算名詞(数えられない名詞)に用い、量がほとんどないことを表します。

例文を見てみましょう。
He has few faults.
彼は欠点がほとんどない。
He paid little attention to the fact.
彼はその事実にほとんど注意を払わなかった。

few と little の使い分けが覚えられないのも課題ですが、それは一応覚えても、実際に使いわけるには、後ろの名詞が数えられるのか数えられないのかを知識として知っていないといけないことも大きな課題です。
そして、数えられるか数えられないかの感覚は、日本語と同じ場合もありますが、何でそうなるのと思う場合もあり、結局、いちいち覚えていくしかありません。
「注意」が数えられないのはわかる気もするが、「欠点」って、数えられるのかなあ?
1つの欠点、2つの欠点・・・?
それが数えられるのなら、「情報」も数えられる気がするが、imformation は、不可算名詞です。
しかし、「議論」discussion は、可算名詞。
わかるような気もするが、わからないといえば、わからない・・・。
どこからどこまでが、1つの議論なの?
どこで区切って数えるの?

外国語を学ぶことは、その国の人の言語感覚を学ぶことです。
それを面白いと感じられるとよいですね。
「変だなあ?」と思うことも1つの興味。
変だから英語はダメだなどと言うのではなく、日本語と感覚が違っていて面白いなあと思うと、違和感がむしろ覚えるとっかかりになります。
興味をもって覚えてください。

数えられるか数えられないかに関しては、中学英語でも、many と much の使い分けなどで学習していますが、英語が苦手な子は、英語のこういう細かいところに興味がないし、だから覚えられないことが多いです。
例えば、money は、数えられない名詞としてはわかりやすいほうだと思うのですが、間違えてしまう子は多いです。

お金は数えられません。
「自分は、お金を100枚持っている」
と言っても、意味をなしません。
それは、1円玉を100枚なのか?
1万円札が100枚なのか?
お金は単位をつけて表さなければ意味がない。
個数では意味がない。
そういうものは、数えられない名詞です。

ただ、many に関しては、much との使いわけを力説しようにも、生徒の中には、別の課題を抱えている子もいます。
many も some も「多くの」だと覚えてしまっていて、幾度解説し修正しても、時間をおくと、また誤解が復活しています。
some と any の使いわけでモヤモヤし、any と many がスペルが似ているので結びつき、そのあげくに、こういう混乱が常態になったものと思われます。
その子は、日本語でも、「ひじ」と「ひざ」の区別で混乱しますし、「エレベーター」と「エスカレーター」も、一瞬言葉に詰まって半分あてずっぽうで呼んでいる気配を感じます。
気持ちはわからないでもない・・・。
many と much が意味的にはペアだよ、同じmから始まるよ、それ以外の語は、関係ないよと、その都度声をかけ、何とか覚えるとっかかりを作ろうと鋭意努力中ですが、もしかしたら一生治らないかもしれないとも感じています。
一度混乱したものは、なかなか治りません。
最初にしっかり正確に覚えることが大切です。
some , any , many の混乱は、複数の子に表れる症状です。
そういうところで毎回つまずいて派手に転んでいる子に、few と little の使い分けは、ちょっとレベルが高いかもしれません。

しかも、これに、few と a few 、さらに little と a little の使い分けが加わってきます。
同じ可算名詞の前におくのでも、
few ならば、「ほとんど~ない」
a few ならば、「少し~ある」なのです。

例文で確認しましょう。

Few people live to be one hundred.
100歳まで生きる人はほとんどいない。
A few people live to be one hundred.
100歳まで生きる人は少しいる。

He had little time to buy a present for her.
彼は、彼女へのプレゼントを買う時間がほとんどなかった。
He had a little time to buy a present for her.
彼は、彼女へのプレゼンを買う時間が少しあった。


これらをイメージとして理解するには。
few も little も、数直線上では、0にほぼ近い位置に存在します。
ゼロではないけれど、ゼロに近い。
しかし、そこに、a という、存在することを明瞭に表す語が付け加えられた瞬間に、その存在が強調されます。
だから、「少しはある」になるのです。
そういうイメージで覚えてください。

ところで、以下の文の意味はわかりますか?
Quite a few people live to be seventy.

quite は、「かなり」という意味で、very と同様、後ろの語句を強める働きをする副詞だから、quite a few は、「とっても少しの」という意味かな?
そのように誤解する人が多いのですが、これは「かなり多くの」という意味です。
few とは異なり、a few は、その存在が否定されず、肯定的に受け止められている表現です。
それをさらに quite で強めたのですから、これは「かなり多くの」という意味に変わってしまうのです。
上の文は、「かなり多くの人々が、70歳まで生きる」という意味です。

ちなみに、very few ならば「非常に少しの」という意味になります。
これも、a がないからだと思えば、理解できますね。



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    Posted by セギ at 13:44│Comments(0)英語
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