たまりば

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2022年01月30日

カムカムエヴリバディを見て、映画『あん』を思い出しました。

カムカムエヴリバディを見て、映画『あん』を思い出しました。

2022年1月27日(木)、狭山・境緑道から小金井公園へと歩いてきました。
狭山・境緑道は、多摩湖自転車歩行者道と一体化しています。
歩行者専用のゾーンを狭山・境緑道と呼ぶようです。

入ってすぐ、ロウバイの花が咲いていました。
かなり大きな木が、1本、また1本。
明るい青空に、ロウバイの淡い黄色が映えていました。
少し行くと、梅も1輪・2輪と咲き始めていました。
春がそこまで来ています。

片耳イヤホンで、録音したラジオ英語講座を聞いています。
録音がかなりたまりました。
いきなり Happy new year! で始まる放送をロウバイを見ながら聞きました。

それでも、「ラジオで!カムカムエヴリバディ」だけはその日のうちに聞いてしまうんですよね。

慣れてくると、テキストで扱う内容から、ドラマ本編のストーリーを想像できることもあるようになりました。
1月26日放送は「安子と稔の結婚式はどんな様子だったか説明してみよう」。
おお・・・、これは、おそらく、娘のるいが結婚するんだなと予想していたら、ずばり、正解!

しかし、1月25日放送の「ビートルズ初来日の様子を説明してみよう」は、事前にテキストを見ても、何のことかわかりませんでした。
まさか、ドラマの登場人物たちがよく聞いている、名物ラジオ・パーソナリティー浜村淳、じゃなくて磯村吟に関係していたとは。
ビートルズがチャート5位までを独占しているのに反発し、あえてルイ・アームストロングの曲をかけ、それを主役2人がそれぞれ聴いていたというストーリーでした。
さすがに、それはわからない。

それはともかく、登場人物たちは、浜村淳、もとい磯村吟のラジオばかり聞いているけれど、あれは関西の民放ラジオですよね?
早く、NHK第二のラジオ英語講座を聞きなさい。
そういうドラマでしょう?
全然関係ない話が続いています。
英語は?
ラジオ講座は?
・・・どうやら、今週、ついに第三世代ヒロインひなたが子役で登場し、ラジオ英語講座も聞き始めるようで、ひと安心です。

ところで、ラジオ講座をただ聞いていただけの安子が、あんなにペラペラと英語を喋りだしたことは、少し気になりました。
聴き取ることはできるようになっていたでしょうが、聴くのと話すのとは別の能力です。
英語は聴き取れるけれど、話せない。
多くの日本人が、そこで行き詰まってしまうのではないでしょうか。
うちの生徒にもいます。
文法・語法も読解も、英検2級の過去問を初めて解いて、すぐに合格点。
リスニングも合格点。
しかし、英作文は、テーマにもよりますが、かなり怪しい・・・。
そして、スピーキングとなると、質問されたことに英語で応えられない。
絶句したまま、何も言えずに終わってしまうのです。

すなわち、インプットは十分だけれど、アウトプットできないのです。
インプットとアウトプットは関係があるけれど、インプットすればすぐにアウトプットできるというものではありません。
アウトプットするための練習が必要です。

和菓子作りもまた同じではないでしょうか。
るいが、生まれて初めて餡を煮て、いきなり老舗の和菓子屋を凌駕する味を出すのは、さすがに受け入れがたい・・・。
それで済むなら、修行は要らない。
作り方は、幼い頃に毎日見ていたので覚えていたでしょうが、見ていたからといって再現できるとは限らないのです。

見るだけでは、再現はできません。
レクチャーを受けて、試しにやってみて、最初は失敗して、それでも自分で何度も何度も練習して、ようやく習得するのが普通です。
努力や修行が必要です。

安子の英語もそうです。
難しい単語も構文も使っていませんが、あれくらいに喋れるようになるまでには、毎日英語を話す練習が必要です。
NHKの英語講座はとても良いものなのですが、放送を聴いているだけでは英語は上達しません。
聴き終わったら、全文暗唱。
さらに、日本語訳を見て、全文を書く。
さらに、学習した内容を使って、自分なりの英語を話したり書いたりする練習。
それを毎日積み重ねていくならば、ラジオ講座は、最高の英語教材です。

積極的にアウトプットの練習をすることで、アウトプットできるようになります。
勿論、インプットしていない人は、アウトプットはできません。
十分なインプットの後、アウトプットの練習もすることで、できるようになっていきます。
うちの塾の生徒も、英問英答に絶句し、黙り込むことが続きましたが、繰り返し繰り返し練習すると、口から英語が出てくるようになってきました。
練習の勝利です。


「カムカムエヴリバディ」というドラマを見て、映画『あん』を思いだされた方もいらっしゃるのではないかと思います。
そして、あの映画の壮絶さを思いおこすと、「カムカムエヴリバディ」は、かなり薄っぺらい・・・。
映画『あん』。
晩年の樹木希林さんが主演をされた映画です。

小豆を煮ている間、じっと小豆の声を聞く。
ここへ来るまでに小豆が見てきたもの。
陽の光。
風。
そうしたものを感じとりながら、湯気の匂いの微かな変化にも神経を払い、餡を完成させるまでに六時間以上も丹念に作業を重ねます。
五十年間、ひたすらに餡を煮てきたからこそ、小豆の声が聞こえるのです。
そして、それほどの時間を惜しげもなくかけるのには、理由がありました。
年老いるまで外に出ることを許されなかった、彼女の人生。

「私たちは、この世を見るために、聞くために生まれてきた。
だとすれば、何かになれなくても、私たちには生きる意味があるのよ」

あのセリフは、胸が詰まりました。
ちょっと覚悟しないと見られない映画で、見終わるとずんと落ち込みますけれど。
この映画を見て怒っているコメントを読んだことがあります。
こんな映画だと思わなかった。
食べ物を扱うのだから、もっと楽しい映画だと思った。
見て、嫌な気分になった。
・・・おそらくとても若い子なのだと思いますが、そういう気持ちもわからなくはない。
覚悟して見るのでないと、ちょっときつい映画です。

だから、毎朝見るには、「カムカムエヴリバディ」がちょうどいいのでしょう。
夢物語を見ているのです。
ラジオ講座を聞いていただけで、英語を話せる。
小豆を煮れば、たちまち絶品の餡になり、回転焼き屋は大繁盛。
それでいいのかもしれません。

さて、都立小金井公園へ。
春にはヒナゲシ、秋にはコスモスの咲く花畑も、今は枯れた土がむきだしになっていました。
冬の柔らかな日差しに、乾いた土。
人の少ない平日の公園でした。

山歩きを始めたのは、晩秋の頃でした。
すっかりはまって、今週はこの山、今週はあの山と毎週歩いたのですが、どの山も冬枯れていました。
でも、山というのはそういうものだと何となく思っていました。
歩くだけで面白かったので、他の楽しみを特に求めていなかったのです。
始めたばかりということもあったのか、時間の流れが遅く、あの年、いつまでもいつまでも冬が続いたような感覚があります。

そして、突然訪れた春。
山の桜の絢爛豪華な眺めに、ただただ驚いたことを覚えています。
山がまるごと、おとぎ話の挿絵のようになっていました。

去年も一昨年も見られなかった山の桜。
今年は、見られるといいなあ。




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    Posted by セギ at 14:31│Comments(0)講師日記英語
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