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2021年12月06日

北高尾山稜を歩きました。2021年12月。

北高尾山稜を歩きました。2021年12月。

2021年12月5日(日)、2年ぶりに北高尾山稜を歩いてきました。
中央快速で、高尾駅下車、トイレを済ませて、歩き始めました。8:00。
まずは登山口まで歩きます。
「小仏」行きのバスに乗って、駒木野で下車しても良いのですが、短い距離ですから、北高尾山稜を歩くときは、いつも駅から歩きます。
駅前から、まずはロータリーを渡り、そのまま直進。
ファミリーマートの角で左折。
そのまま、バス通りをとことこ歩き、JRの高架下をくぐった先の交差点を右折します。
バスの経路そのままです。
駒木野病院の先、道路の左側にメゾンドプラムというアパートがあるところで、右折。
ゆるい上り坂の道はそのまますぐにJRの跨線橋となり、農道へとつながっています。
神社の前を道なりに左に行き、2019年に設置された道しるべの通りに分岐を左へ。
樹木に囲まれた暗い鬱蒼とした道をしばらく行き、高速道路の下をくぐると、その先が登山口です。
小さい道しるべがありますが、まさかこの細い崖みたいなところから登山道が始まると思わないためか、すぐ横の広い道に入っていって道に迷う人もいらっしゃるようです。
登山口は、「細い崖」です。

朝から急だなと思いながら、手も使って細い岩がちな崖を登っていくと、平らなところに出ます。
ここからは、そんなにひどい道はありません。
ほっとひと息。
ポールを出して、さて、改めて歩きだしました。
10年以上前に初めて歩いた頃と比べると、随分整備された印象があります。
最後の細い崖っぷちの道は今もありますが、尾根道のほうもよく踏まれ、歩きやすくなっていました。
尾根を直進し、地蔵のあるピーク。8:55。

ここからはアップダウンが繰り返されます。
分岐に道しるべがないこともあります。
道しるべがないときは、どちらに行っても、同じ場所に着きます。
今回、左の道を選んだら、まき道に入ってしまい、このまま富士見台までまいてしまうのではないかと不安になりました。
しかし、そんなことはなく尾根道と合流し、しばらく行くと、富士見台。10:00。
今朝は晴れているのに、富士山の周囲に雲が漂っているのが電車からも見えていました。
そんなわけで、富士見台からの富士山は見えず。
テーブルでちょっと休憩し、先に進みます。
ここまで、ほぼ手ぶらな装備の人と何人かすれ違いました。
近所の人の散歩コースなのでしょうか。

さて、富士見台からいったん大きく下ります。
ここから、道は、下ってはそれ以上に上っていく繰り返しで高度を上げていきます。
すれ違う人が結構います。
北高尾山稜は、昔と比べると、歩く人が増えました。
奥高尾の主脈と比べれば少ないですが、やはり先週の笹尾根とは違う人数でした。

マスクもせずに「こんにちは」と声をかけてくる人が多いのが憂鬱でした。
都会でそんなことをしたら、「こんな時代に、非常識な人だ」と驚かれます。
山でもやめてほしい。
互いに黙礼すれば、互いにマスクをせずに歩けるのです。
「野外なんだから、そんなに気にしなくていいだろう」
と本人が思うのは、自由。
でも、その考えを他人に押し付けないでほしい。
「この人は、気にしている人なんだな」
と思ったら、そのときだけその人に合わせるのが心の柔軟さだと思うんです。

タオルで口元をおおっている私を見て、高齢の男性が、
「そんなに気になるの?みんな気にしてないよ。そんなに気になるものかねー」
と、べらべらべらべらしゃべって通り過ぎていきました。
飛沫跳び放題。
これは、悪意の顕現。
相手が嫌がっているのを見てとったうえで、あえて相手の嫌がっていることをやる、その精神性。
しかし、言い返すと、さらに相手から飛沫が跳んでくると予想されるので、無視するのが一番です。

マスクをしてくれなんて言いません。
私も山ではマスクをしていません。
ただ、互いにマスクをしていないのに、すれ違いざまに「こんにちは」を言うのをやめてほしいのです。

そんな直後、何の偶然か、耳元で低くかけていたラジオから、銭湯で働く人からの投稿メールが読まれました。
銭湯は黙浴が推奨されていますが、それでも顔見知りとしゃべる客も多いのだそうです。
「しゃべっている人がいる。注意してほしい」
という客からの苦情と、いや、知り合いとしゃべるのが楽しみなんだという常連との板挟みで、苦労しているのは、銭湯で働く人たち。
そういう内容のメールでした。
こんな時代でも、そんなにまでしても、しゃべりたい人たちがいるのか・・・。
まだまだ当分、銭湯も温泉も行けないなあ・・・。

そんなとき、私がタオルを口元でおおって黙礼をすると、すぐに悟って黙礼を返し、距離をとって通り過ぎてくれる若い男性もいました。
ああ、いいなあ。


山に来て、そんなことばかり鬱々と考えていても仕方ない。
紅葉の残るきれいな道を歩いているのですから。
写真に撮ってどう映るかはまた別ですが、肉眼では、良い紅葉でした。
道が細いので、樹木が近く、秋深い山歩きの雰囲気を楽しめました。

黒ドッケ。11:35。
周囲からぽつんと高いポイントです。
ここから、夕焼け小焼けへと降りていくこともできます。

少し休憩して、また出発。
まずは下り。
すぐに道が岩がちな登りになりました。
枯葉が積もっているので、注意して登っていきます。
これをまた下るのは嫌だなと、まだこの道に慣れていない頃は思っていましたが、ここは印象的な場所なので、登る途中でもうわくわくしていました。
登り切ったところが、上の画像の場所です。
突然開ける、明るい尾根道。
北高尾山稜でも一番好きな場所です。

そこからもアップダウンは繰り返されます。
高度が上がっていきます。
まだ広葉樹の葉も完全には落ちていないけれど、樹間から、奥多摩の山々が見えてきます。
秋の光の加減か、山々は青紫色に見えます。
秋色の山々です。

最後の上りを終わった頃、上空をヘリコプターが爆音を立てて飛ぶようになりました。
すぐに通り過ぎると思ったのに、旋回しているのか、ホバリングしているのか、いつまでも爆音が続きます。
・・・事故か?
樹間から見えたのは、赤いヘリコプターでした。
あれは、消防庁のヘリ?

関場峠。12:35。
まだヘリが飛んでいます。
長いな・・・。

関場峠は、木下沢林道の終点です。
林道へと降りていく道への進入禁止のテープは解除されていましたが、「道が崩れるところあり」といった注意が掲示されていました。
2019年の台風で通行禁止になった木下沢林道。
今は、通行注意となっている様子です。

関場峠からも、さらに上りは続きます。
岩がちな上りを終えて、植林帯の上りに入ると、別の道から、私の歩いている道との合流点に向かって走るように上ってきた2人の男性がいました。
ヘルメットをつけて、腰にはガチャ。
大きなザック。
無線の音がガーガー鳴っています。
「◎△◇そっちですか?」
数メートル先で、何か私に向かって訊いたのですが、上空のヘリの爆音で聞こえません。
「はい?」
「堂所山!」
私はうなずき、私の進行方向を指さしました。
「ああ、あっちか」
その人たちは、私の指さした方向に走っていきました。

・・・救助隊?

家に帰って地図で調べると、その道は、陣馬高原下から堂所山に直接登れる最短距離の道でした。
こんな登山道があるんだ・・・。

さらに、少し遅れて3人、また少しおいてさらに3人、やってきました。

ザックの隙間から「東京消防庁」の文字が背中に見えました。
うわあ・・・、マジだ・・・。
堂所山で事故か病人・・・。

堂所山の危険個所というと、奥高尾縦走路と合流するための、木の根の作る段差の大きい下り道が一番危ない。
とはいえ、事故は、どこで起こるかわかりません。
何でもないところであっけなく転び、骨折ということもありえます。
急病も多いです。

植林帯から、熊笹の原に出ました。
熊笹の原の上り道を上っていく救助隊を見送って、私は上り道のてっぺんの古い切り株に座りました。
堂所山の山頂が、今、どうなっているかわからないけれど、野次馬でごった返している可能性があります。
近寄らないほうが無難です。

古い切り株に座って、カレーヌードルにお湯を入れました。
事故に興味がないわけではないけれど、北アルプスを歩くと、血のにじんだタオルを巻いた人が座り込んで救助を待っているのを見ることがあります。
富山県や岐阜県の救助隊が危険な場所に救助に向かう姿。
ヘリでの救助。
そういうものを見たこともあります。
冬の八ヶ岳で、遭難者をそりに乗せて下っていく救助の人たちとすれ違うこともありました。
そんなとき、
「写真に撮ってはいけない」
と、お世話になったガイドさんに教わりました。
山で事故にあった人は、あいたくてあったわけではない。
まともな登山者は、山での怪我は、自分の不注意だと感じている。
救助隊を呼ばねばならないのは、恥ずかしいことだとわかっている。
絶対に避けようと思っているが、それでも事故は起きてしまうことがある。
その写真を撮ってはいけない。
興味本位で見るものではない。

静かな山道を見下ろしながら、カレーヌードルを食べました。
厳しめな道を歩いた後のカレーヌードルはおいしい。
ヘリの爆音が遠のき、私もカレーヌードルを食べ終わり、出発。

切り株から5分で、堂所山山頂。13:20。
そこは無人でした。
何ごともなかったかのようです。


え?
ただの訓練だったのかな?
日曜日に?

さて、毎年、ここから高尾山に向けて縦走するのがお決まりのコースです。
16:30、何とか日没前にケーブル駅に着き、観光客でごった返すなか、順番を待ってケーブルで下山したのが2年前。
今年も同じペースで歩いているので、日没には間にあうでしょうが、日曜日の大混雑に向かっていくのは、気が進みません。
今回は、反対方向の明王峠に向かい、そこから相模湖駅に下山することにしました。

堂所山は、奥高尾縦走路と言えないこともないのですが、まき道を行く人が大半です。
堂所山から景信山方向の縦走路に戻る道は、前述の通り、木の根の作る段差が大きく、ちょっと用心が必要な道。
反対側は、逆にびっくりするくらい緩やかな道でした。
多少の段差はありますが、よく整備されています。

縦走路は、伐採地に入りました。
樹木が切り開かれて、視界の開けた場所です。
後ろから、救助隊の人が来たので、道を譲りました。
最初に3人。
続いて3人。
最後に3人。
・・・1人増えてる!
私の数え間違いでなければ。

ヘリから吊るされて降りた隊員が、救助するべき人を引き上げるための器具の装着をし、ヘリに引き上げ、自分はそのまま地上に残ったということでしょうか?
だとしたら、訓練ではなく、やっぱり本番だったのか・・・。

底沢峠で、救助隊員が休憩しているのと再び遭遇。
その先はもう出会わなかったので、私とは別の道を下山されたのでしょう。
ご苦労様でした。

私はさらにその先をとことこ歩きました。
奥高尾縦走路は、まだ少し紅葉の残っているところもあり、風情のある道でした。
写真に撮ったりなどして、のんびり歩いていき、明王峠。13:50。

ここから、相模湖の与瀬神社へと下山します。
この道を前回下ったのは、2か月前。
まだ秋の始まりの頃でしたが、もうすっかり晩秋となりました。
そんなに派手な紅葉ではなく、枯葉じゃないかというような状態でも、秋の山道はいいですね。

まずは階段道。
そこから、少し荒れた、下り道。
いったん林道と交差し、そこからは平らな道が続きます。
たまに少し上りますが、基本は緩やかな下り道です。
大平の茶店跡で休憩。14:30。

さらに、歩きやすい道をたったか下りました。
やがて、相模湖が見えてきました。
終わりかけの紅葉の奥に相模湖がキラキラ光っています。
その相模湖に向かって下りていきます。
良い眺めですが、段差が急な下り道で、石もごろごろしていますので、足元に注意が必要です。

見晴台。15:10。
相模湖がよく見えます。
ベンチでちょっと休憩。
ここから最後の下りに向けて、気持ちを整えます。
ここからは、時間的な問題とはまた別に、心理的に長いんですよね。
広葉樹の林の中の細い急坂の九十九折がずっと続くんです。
落ち葉が積もって、2か月前よりも歩きにくくなっていました。
用心して通過。

与瀬神社。15:30。
はあ、着いた。
神社の階段は急なので、まき道を選び、最後の数段だけ下りると、中央高速道路の上を通る歩道橋。
歩道橋の階段を下りて、左折。
細い道をとことこ歩いていくと、相模湖駅。15:45。

時刻表を見ると、15:59に、10両編成の東京行きがありました。
1本で帰れて、ラッキーです。
ちょうど良い時間で下山できました。
1番線のトイレに入り、持参のジェル石鹸で手を丁寧に洗い、3番線に移動。
自販機で、甘い炭酸水を購入。

10号車の位置で支度をしたり、炭酸水を飲んだりしている間に、電車がやってきました。




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