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2021年09月08日

散歩しながら聴くラジオ英会話。2021年9月。

散歩しながら聴くラジオ英会話。2021年9月。

2021年9月7日(火)、ようやく涼しくなり、長雨もやんだので、2か月ぶりに散歩をしてきました。
足が向くのは、たっぷり歩ける、玉川上水緑道から井の頭公園へのコースです。
三鷹駅南口から、玉川上水の左岸を行きます。
最後に歩いたときはノカンゾウが盛りでしたが、今は、ツルボが沢山咲いていました。
上の画像がそれです。
ピンク色の優しげな花。
秋の訪れを感じます。

歩くだけでは退屈なので、片耳イヤホンでラジオを聴くのが習慣です。
NHK第2のラジオ英語講座。
昼の12時台は、「英会話タイムトライアル」「ラジオ英会話」「ビジネス英語」「ニュースで英語術」と、英語番組が連続します。

「英会話タイムトライアル」は、もう4~5年聴いていますが、10分という短い時間の中でも、自分が英語を話すことが多い構成の番組なので、飽きずに聴き続けられます。
聴く・読む・話す・書くの4領域の中で、「話す」に特化した番組です。
現代アメリカの口語英語は、今、こんなふうなんだと知ることができます。
例えば、食べ物が「おいしい」ときはdelicious は少しおおげさ。
それはすごくおいしいときの表現。
good が普通。
知ったところで、私は学校英語に即して教えるのが使命。
生徒が作文に delicious と書いていても、何も言いません。
生徒にうっかりそんな知識を披露して、それを生徒がまた聞きで学校の英語の先生に、
「普通は、delicious なんて言わない。good って言うんだよ」
などと余計なことを言うのを避けるためにも、余計なことは一切言いません。
そもそも、学校の先生だって、そんなことは百も承知なんです。
生徒が英作文で good と書いてあるのをバツにしたりはしないから、それで大丈夫なんです。


話は逸れて、数学のことになりますが、中学生に数学を教えていて、毎回大幅にズレた直線のグラフを描いてしまう子に、
「・・・うーん。これ、学校のテストでは、バツになりますよ。中学では、1ミリずれたらバツになるんですよ」
と教えたところ、その子は、学校の先生に確認を取り、
「1ミリずれていても、点をぐりぐり大きく描いて、そこを通っていれば大丈夫だって言ってた」
と言うので、頭を抱えたことがありました。

わかった、私が悪かった。
学校の採点基準のせいにしたのがいけなかった。
方眼の格子点から1ミリずれた直線を描いて、それで作業終了と思ってしまう、その考え方を改めてください。
私の採点基準として、そんなものは、正解ではない。

格子点から1ミリずれていても、平気。
円をコンパスで描いて、蚊取り線香みたいになっていても、平気。
見た目が明らかに直角ではないのに、「垂線の描き方」に沿って垂線を描いたんだから、平気。

・・・なぜ、それで平気なのか、私にはわからない・・・。
私は、神経質なほうではありません。
各種リモコンがテーブルの淵とちゃんと平行になっていないと気持ち悪いとか、そんなことはありません。
でも、格子点から1ミリずれている直線は、ダメだと思います。
それを、点をぐりぐり大きく描いてそこを通っていれば可とするのもダメだと思います。
そもそも、点をぐりぐり直径3ミリほどにも描く小学校からの習慣を、まず否定してほしいです。
点に直径なんか存在しないんですから。
ぐりぐり描いていたら、それは、「黒い円」でしょう?

とはいえ、これまで30年以上、中学生にグラフを描く指導をしていて、
「1ミリずれていたらバツ」
というルールを否定されたのは初めてでしたので、これは衝撃でした。
この条件で採点することができないほど、現代の公立中学の生徒は、定規で直線を引く能力が衰えているのでしょうか。
確かに、字を書くのも遅くたどたどしく、道具を上手く使えない子が多いのは認めますが。


そんな中、この夏、例によって中学3年生と国語の入試問題を読んでいたときのこと。
便利な道具を使うことによって、人間は能力を失うといった内容でした。
例えば、ナイフで鉛筆を削れない。

それは確かに私の世代でもそうで、手動の鉛筆削り、さらには電動鉛筆削りを当たり前に使っていましたから、ナイフで鉛筆を削れと言われたら、今もかなり苦労すると思います。
赤鉛筆などは芯が柔らかく、鉛筆削りで削ると、削っても削っても芯のない状態で鉛筆削り機から出てきてしまうので、仕方なくナイフで削りましたが、あまり好きな作業ではなかったです。

だから、この評論の読解は、論説部分は少し難解だけれど具体例が身近でわかりやすいので、きっと読解できるだろうと思ったら、その子は内容をほとんど理解できなかったようでした。
え?
こんなにわかりやすいのに?
便利な道具は、人間の能力を奪いますよね?

色々話してわかったことは、その子は、ナイフで鉛筆が削れるのでした。
できるようになっておいたほうがいいと保護者に言われ、ナイフで鉛筆を削ってきたとのこと。
・・・良い教育をされています。
とはいえ、自分はナイフで簡単に鉛筆を削れるので、それができない人のことがわからず、便利な道具が人間の能力を奪うということの意味が理解できないというのは、しかし、頭を抱えました。

ナイフを使えること。
火を起こせること。
飲み水を作れること。
サバイバル能力が見直され、それが定着したのは、自然災害が毎年のように起こっていることと関係があるのかもしれません。
DIYも変わらず人気です。
その一方で、定規で線を引くと、1ミリ以上ずれてしまう子は多い・・・。
道具が上手く使えない。
そして、それが許容されます。

高校生になれば、方眼紙にグラフを描くことがそもそもなくなり、フリーハンドでグラフを描いていくことになりますから、大きな問題ではないのかもしれません。
フリーハンドで描くグラフには、また、そのルールがあります。
繰り返し助言しても、x軸、y軸を示す、「x」、「y」の文字を書き込まず、原点の「0」も記入せず、y切片は書き込むけれど、x切片のことなど気にしない子が続出します。
このグラフ、傾きが読み取れないですよと言われても、何を注意されているかよく理解できない様子の子は多いです。
グラフは、概念図であっても、そのグラフから、式を復元できなければならないんですよ、それが根本ルールですよと話しても、そもそも、グラフから式を読み取ることができると思っていないので、何の話かわからないのも無理はないのです。
個別指導で丁寧に丁寧に指導していくことが必要となります。
こちらのほうが、やはり重大問題でしょうか。



「英会話タイムトライアル」が終わる頃、万助橋の信号を渡って、玉川上水緑道はいよいよ土の道に入りました。
入り口が相変わらず鬱蒼として暗い。
目が慣れるまで、足元の水たまりもわからないくらいです。
セミしぐれ。
長雨の間は静かにしていたセミも、また騒がしく鳴き始めました。

続いて番組は「ラジオ英会話」。
この番組は「ハートでつかめ英語の極意」という副題にあるように、英文法をわかりやすく解説しようと努力しています。
ラジオ英会話は、NHK語学番組の中でも看板番組。
何年でも継続して聴き続けるリスナーが多い番組です。
歴代の講師が、リスナーから絶大な人気を得てきました。
今の講師も、とても人気があるのがうかがえます。
10月からはEテレの英語番組にも出演するそうです。

話の端々から、本当は物凄く細かい専門的な知識のある人なのだとわかります。
熟語解説や前置詞の働きなどの解説は、参考になることが本当に多いです。
しかし、その日その日のメイン解説は、むしろ曖昧で、首をひねることが多いのです。
例えば、修飾語の位置についての解説。
「指定ルール」。指定語は前に置く。
「説明ルール」。説明は後に置く。

私のハートは、「指定」と「説明」の違いをつかめません。

どんなリンゴなのかを指定する。
赤いリンゴでも、黄色いリンゴでもなく、青いリンゴと指定する。
だから、「青い」という語は、指定ルールでリンゴの前に置く。

どんな場所なのかを説明する。
「彼と初めて会った」場所。
説明しているから、場所の後ろに置く。

・・・これ、「指定」と「説明」を逆に使っても、全く問題ないと思いませんか?
だって、修飾語って、そういうことですから。
指定することは、説明することです。
それが修飾するということ。
赤いリンゴでもなく、黄色リンゴでもなく、青いリンゴなのだと説明する。
他のどんな場所でもなく、彼と初めて会った場所なのだと指定する。

「指定ルール」と「説明ルール」。
それは、わかりやすく説明しようと努力し過ぎた末の、まやかしということは、ないのかな。

1語の修飾語は前から。
2語以上の意味のまとまり、すなわち修飾句や修飾節は後ろから。
その説明で何がいけないのだろう?

「修飾語」「修飾句」「修飾節」という文法用語を用いただけで意味がわからなくなる子は多いです。
「名詞」「形容詞」「副詞」というだけで、もうわからなくなる子もいます。
何度説明を聞いても、なぜか品詞名が一切覚えられないのです。
文法アレルギーの強い子は多いです。

そういう子は、「指定ルール」「説明ルール」なら理解できるのでしょうか。
そんなふわふわした曖昧な言葉で、本当に理解できるのでしょうか。
理解したつもりになることだけでも、大切ということでしょうか。
拒絶反応があると、使うことが全くできないですから。
感情的に嫌なことは、率先的に忘れていきますし。

実際に英語を話す、あるいは書くつもりになったとき、その立場から考えると、さっさと指定してしまいたい修飾語は名詞の前にもう言ってしまい、名詞を言い終わった後、さらに説明したいことがあるときには、それは1単語では済まない内容のことがそもそも多いので、後ろに付け加えていく。
そういう話し手の「気分」のことを言っているのでしょうか。
「文法」と「気分」。
それは共存するような気もすれば、しない気もします。
文法はハートでつかめるものなのか。
頭で理解するほうが速く正確ではないのか。
難しい課題です。


文法を理解できると、英語力はロケット発射のように上昇します。
何人も、そうした生徒に出会ってきました。

英語学習の方法として、毎回、基本文が示され、その基本文の形を真似て使ってみましょうといった、漠然としたやり方はあると思います。
例えば、
I want to ~.
の文を使ってみよう、作ってみよう、という練習をしますが、「不定詞」という文法用語は一切使わない指導です。
「to の後ろは動詞の原形」という説明すらしないこともあります。
文法的な解説はしない学習方法です。
示された基本文が、どういう文法事項のどういう文であるかは説明しないのです。
ただ、それを真似てみる。
使う単語を変えて、別の文を作ってみる。
そのように、単発的でふわふわした英語学習は、初歩の英語学習では特にありがちです。
そうした学習が合わず、英語不振に陥ってしまう子は多いです。
全体の展望が開けないので、上手く学習できないのです。
自分が何のために何をやっているのか、今学習していることは何と結びついているのか、よくわからない。
そうした子には、文法の骨組みをしっかり教えると、見違えるように英語の成績が上がっていきます。
文法を文法用語で正確に理解した子は、あとは単語・熟語を覚えるだけで、どんな複雑な英文も前からどんどん意味を取って読んでいけます。

個人の好み、学習の癖というものがありますから、一長一短なのでしょう。

とはいえ、「ラジオ英会話」。
私は、go on a trip の on は何であるのかといった細かい知識に興味があり、そういう解説部分が好きです。
on は細い線状のものの上を移動する意味があるそうです。
起点と終点のあることを行う場合、go on になるとのこと。


玉川上水緑道は、ツルボの花盛り。
街の散歩をするようになって、もうすぐ1年。
やがて季節もひと巡りします。

ラジオは、「ビジネス英語」が始まりました。
昨年までの「実践ビジネス英語」を長年聴いていてファンだったので、最初は抵抗があったのですが、慣れてくると良い内容であると感じられるようになってきました。
内容があまりにもビジネス英語なので、高校生に勧められないのが残念。
でも、木曜日・金曜日のインタビューは、お勧めです。
「生の英語が聞き取れない」という人すべてにお勧めでもあります。
今月は、バリ島で「バイバイ・プラスティック・バッグ」という活動を行った十代の少女へのインタビュー。
三鷹市で採択されている現行の中3の英語教科書にも、彼女たちの活動が載っています。


今年からの新課程の英語教科書は、扱う単語数が爆発的に増え、高校の学習内容だったことがいくつか中学に下りてきました。
全体に難しいのですが、三鷹市が採択した教科書はその中でも特に教えにくいと感じます。
今に始まったことではなく、三鷹市は英語教科書採択のセンスが悪い気がするのですが。
実際に教えてみると評判が悪かったからか、毎回、次の採択では別の出版社の教科書になり、そしてまた失敗しています。
前回の東京書籍は、それでも、そんなに悪くなかったけれど。
そうしたなかで、三省堂のクラウンだけは決して採択しないけれど、なぜなんでしょうね?

個別指導の性質上、生徒ごとに教科書も異なるので、いくつかの教科書を並行して教えていますが、クラウンは抜群に教えやすいと感じます。
文法事項をひとまとめに1つのレッスンにしていることが大きいです。
「接続詞」を学習するのなら、1つのレッスンで接続詞だけ整理して学習。
「不定詞」を学習するのなら、1つのレッスンで3用法を整理して学習。
そのような学習のしやすさと教えやすさを重視しています。

今の三鷹市採択の教科書は、1つのレッスンのパート1は接続詞の if のみ、パート2は不定詞の形容詞用法だけ、パート3は、また別の文法事項といった構成で、バラバラで関連性がなく、極めて教えにくいです。

三省堂のクラウンを採択をしている市や区は、ずっとそれを継続していることが多いので、教えやすいから変えないでほしいという要望が現場で高いのではないかと思うのですが、どうなんでしょう。


いつものように、大きな通りでUターンして、玉川上水緑道をてくてく戻り、井の頭公園へ。
2か月前、わさわさ生えていたヤブミョウガは、青黒い実をつけていました。
ここも、ツルボが花盛り。
人も少なく、のんびり歩くことができました。




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