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2020年10月20日

高校数Ⅱ「図形と方程式」。円の方程式。円の弦の長さ。

高校数Ⅱ「図形と方程式」。円の方程式。円の弦の長さ。


今回は、円の弦の長さを求める問題です。

問題 直線 y=x+2 が円x2+y2=5 によって切り取られる弦の長さを求めよ。

上の図のように、円と直線の交点をA、Bとおくと、求める弦の長さは、線分ABです。
これを求めればよいのですね。

求めようと思えば、点A、Bの座標を求めることはできます。
直線と円の方程式を連立すればよいのですから。
そうやって2点の座標を求めてから、2点間の距離を求めることはできると思います。
最悪、その求め方も視野に入れておくとして、他にもっと簡単に求める方法はないでしょうか?

ここで、点Oと点A、Bを結び、△OABを考えてみます。
線分OA、OBは、それぞれ円の半径ですから、OA=OBです。
ということは、△OABは二等辺三角形です。
二等辺三角形・・・。
二等辺三角形の定理というと・・・。

ここで、「2つの底角は等しい」しか思い浮かばない人が多いのですが、案外よく使うもう1つの定理があります。
「二等辺三角形の頂角の二等分線は、底辺を垂直に2等分する」
というものです。
図形が苦手な人に、二等辺三角形の定理を言ってもらうと、こちらの定理を言える人はほとんどいません。
よく使う大切な定理を活用できる状態で記憶していないので、問題を解くことができないのです。
幾度それで失敗しても、時間が経つと、またこの定理を忘れています。
この定理、本当によく使いますから、覚えておいてください。

頂角の二等分線をひき、線分ABとの交点をMとしましょう。
定理の通り、AM=BMとなります。
また、∠OMA=∠OMB=90°です。
△OMAは、直角三角形。
三平方の定理が使えます。
OMとOAの長さを求めれば、AMの長さを求めることができます。
それを2倍すれば、ABの長さとなります。

やってみましょう。

OMは、円の中心O(0,0)と、直線ABとの距離ですから、点と直線との距離の公式に代入しましょう。
直線x-y+2=0 との距離ですから、
OM=|2| / √1+1=√2
また、OAは、円の半径ですから、円の方程式より√5 であることが読み取れます。
よって、△OMAにおいて三平方の定理より、
AM=√5-2=√3
AB=2AM=2√3
これが答となります。

この問題は典型題で、よくテストに出ます。
自力で発想できなかった場合は、この解き方のテクニックを覚えておきましょう。
数学の問題の解法テクニックを覚えておくことは、解き方の丸暗記というのとは少し違います。
使いまわしが効く覚え方をしておくことは、必要なことです。
発想のヒントになります。
他の問題で、この解き方を使えるかもしれません。
定理を頭に入れておくことと同様に、数学の問題を解くために必要なことです。
自力で解き方を発想できない人は、定理やテクニックが頭に入っていないことが多いのです。
使える武器が頭の中にないのに、発想できない、どうしたら解き方を思いつけるようになるのか、と悩んでいます。
頭の中にないものは、発想できないと思います。
誰でも、無から有を生み出しているわけではありません。
発想は空から降ってくるものではなく、自分の中の知識を組み合わせるのです。
頭の中にあるものから発想するのです。

頭の中にある武器が有機的につながっていて、網の目のように張っている人ほど、発想しやすいです。
どうすれば網の目を張れるかといったら、それは問題を解いた経験値を上げていくのが一番です。
自分で考えてみる。
試行錯誤してみる。
そうした思考の痕跡が網の目の1つ1つになります。
急にスラスラ解けるようになる発想法や頭の使い方があるのだろうにそれを誰も教えてくれないと嘆くより、自分の頭を使って考えてみましょう。
使えば使うだけ、頭の中の網の目は張ります。


ところで、最初の発想に戻って。
点A、Bの座標を求めれば、2点間の距離を求められる。
この発想にちょっとこだわってみましょうか。
とはいえ、円と直線との交点です。
分子に平方根のある分数になる可能性が高く、嫌な予感がしますが。

y=x+2 と、x2+y2=5 を連立して、
x2+(x+2)2=5
x2+x2+4x+4=5
2x2+4x-1=0
明らかに、因数分解はできないですね。
解の公式を用いましょう。
x=-2±√4+2 / 2
=-2±√6 / 2

点Aのx座標が-2-√6 / 2 で、Bのx座標が-2+√6 / 2 です。
そして、それぞのy座標は、y=x+2 に代入して求めることができますから、
A(-2-√6 / 2 , 2-√6 / 2)、B(-2-√6 / 2 , 2+√6 / 2) 
となります。
この2点間の距離ですから、2点間の距離を求める公式に代入します。
手書きならば普通に書いていけばよいのですが、ネット上では見た目が煩雑になるので、途中はちょっと省略します。
x座標の差の2乗+y座標の差の2乗が、2点間の距離の2乗です。
x座標の差の2乗は、6。
y座標の差の2乗も、6。
よって、2点間の距離の2乗は、12。
2点間の距離は、√12=2√3 です。

落ち着いて丁寧に計算すれば、正解に至りますが、やはり、煩雑でした。
この発想で、もう少し計算が簡単になる方法はないでしょうか?
さらに考えてみましょう。
2次方程式といえば、解と係数の関係。
これを使うのは、どうでしょうか。

点Aのx座標をα、点Bのx座標をβとおきます。
これは、先ほどのように、y=x+2 と、x2+y2=5 とを連立して整理した方程式である、
2x2+4x-1=0
の2つの解です。
解と係数の関係より、
α+β=-2、αβ=-1/2
となります。
また、y=x+2 に代入すると、点A、Bの座標は、
A(α , α+2)、B(β , β+2) と表せます。

2点間の距離の公式を、ただし2乗のままで表すなら、
AB2=(β-α)2+{(β+2)-(α+2)}2
=(β-α)2+(β-α)2
=2(β-α)2

ここで、
(β-α)2=(β+α)2-4αβ ですから、
AB2=2{(α+β)2-4αβ}
=2{(-2)2-4・(-1/2)}
=2(4+2)
=12
よって、AB=√12=2√3 となります。

解をいったんα、βと置くのも、よく使う手法ですが、解くことができるという確証が得られないと、なかなか使う気になれないかもしれません。
しかし、数学の問題で、最初から解くことができるという確証を得られることは少ないです。
大抵の場合、見切り発車です。
ダメだったらまた別の解き方で解こうと思う人たちが、試行錯誤を繰り返し、数学を得意になっていきます。





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