たまりば

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2020年10月05日

高校数Ⅱ「図形と方程式」。円の方程式。その3。式の中の文字の値の範囲。

高校数Ⅱ「図形と方程式」。円の方程式。その3。式の中の文字の値の範囲。


これを書いている現在、高校1年生には「2次方程式の解の個数」に関する問題を指導しています。
例えば、こんな問題です。

問題 方程式 x2+6x-2k+1=0 の実数解の個数を求めよ。

これは、判別式で識別する問題です。
判別式D>0 ならば、実数解は2個。
判別式D=0 ならば、実数解は1個。
判別式D<0 ならば、実数解なし。
と判別できます。

判別式 D/4=9-(-2k+1)>0 とおくと、
9+2k-1>0
2k>-8
k>-4

よって、
k>-4 のとき、実数解2個。
k=-4 のとき、実数解1個。
k<-4 のとき、実数解なし。


数Ⅱを学習している今なら、こんな問題で済んでいた数Ⅰの頃が懐かしい・・・と遠い目になる人も多いかと思います。
あの頃、この程度のことを、なぜ難しいと感じていたのだろう・・・。

しかし、初めてこの問題を解く高校1年生の抵抗感はすさまじいのです。
5分おきに判別式の解説に戻ってしまうこともあります。
kについての不等式を立てて解こうとすると、また、
「何で判別式を使うんだっけ?」
と言い出すからです。
ようやく、判別式を使うことは納得できても、解いている途中で、x と k が混ざる・・・。
方程式を解くのなら、x について何かを求めるのだという意識が抜けず、本人が途中で k を x に書き間違えてしまうこともあります。
そして、自分の書いた x に自分で混乱して、訳がわからなくなっていきます。
方程式は x について解くものなのに、k についての、しかも「不等式」を立てている理由が、また一瞬でわからなくなるのです。
え?
何のために何でこんな式を立てたんだっけ?
そこでまた判別式についての解説が必要となります。
・・・結局、1問解くために、同じ解説を5回ほど行い、30分以上かかることもあります。

そもそも、kで場合分けして解の個数を答えるという、答え方そのものが理解しづらい様子です。
・・・これで、解いたことになるの?
方程式は、x について解くものなのに、何で k のことをごちゃごちゃやっているの?
これじゃ、方程式を解いてないじゃん!
そんなの、ダメじゃん!
そういう内心の不満を解決できないようなのです。

また、こういうのは「超」応用問題だと感じている様子も見られます。
自分が理解する必要はないんじゃないの?
こんなのテストに出ないでしょう?
そうした疑問を抱いているのか、理解しようとする意欲も低いのです。
x 以外は全て数字の、「以下の2次方程式を解け」という計算問題なら楽しそうに解くのですが、上のような文字kが含まれる問題になると、極端にテンションが低くなる子もいます。
わからないだけでなく、わかる必要がないと思っていないだろうか・・・?
そんな心配をしてしまうのです。

これは、別に応用問題ではありません。
この先の数学は、こんな問題のほうが多いのです。
去年までのセンター試験の過去問も、2次関数に関する問題は、x 以外の文字も式に含まれている問題が出題されていました。
それが「センターレベル」と呼ばれるものでした。
単純な計算問題なんて、入試には出題されないのです。
それは共通テストも同様でしょう。
方程式でも不等式でも関数でも、高校数学では、x 以外の文字が式の中にあって当たり前なのです。
文字の値の範囲を求めたり、それの範囲によって場合分けしたりする問題は、定番の問題です。
しかし、これが標準だと説明しても、初めて高校数学を学ぶ子にとって、そんな話は大げさな脅しに過ぎないように感じるのかもしれません。

高校数学へのぬぐいがたい抵抗感と違和感。
最近、それを、久しぶりに目のあたりにしています。
ここ1~2年、数学センスのある高校生ばかり教えていたことに改めて気づかされました。
この感覚を忘れていました・・・。
x 以外の文字が出てきた瞬間にアウトな子のほうが、実は多いのでした・・・。

そんな問題ばかり解いて、苦労して、苦労して。
やがて、数Ⅱを学習するようになり、さらに苦労して苦労して。
もう本当にわからない、もうダメだ、とため息をついて。
そんな高2の夏休みに、学校から出された数ⅠAの復習の宿題が、案外簡単であることに気づいた人もいると思います。
難しさに対する耐性が増したのです。
何だ、この程度のことで、難しい難しいと言っていたのか。
この程度で済むなら世の中平和だ。
そういう思いで数ⅠAの復習をし、数ⅠAならいける、数ⅠAなら入試に使えるという手応えを得た高校2年生もいると思います。

そして、この先を学習するなら、数Ⅱだって、これで済むなら世の中平和なのです。
慣れることは、案外重要なことです。
難度に慣れること。
難しい問題と格闘した後、基本問題を解くと、本当に易しくて、心にしみてくると思います。



さて、数Ⅱに戻ります。
円の方程式です。
今回は、こんな問題を。

問題 方程式x2+y2+2px+3py+13=0 が円を表すとき、定数 p の値の範囲を求めよ。


x や y 以外に p が出てきても、数Ⅱをここまで学習してきたのですから、もう平気ですよね?
とりあえず、この方程式を標準形に直してみましょう。

x2+y2+2px+3py+13=0
(x+p)2+(y+3/2p)2=-13+p2+9/4p2
(x+p)2+(y+3/2p)2=13/4p2-13

これが「円」であるための条件とは?
右辺は、半径の2乗を表しています。
であるなら、右辺は、正の数です。

・・・わかった!
13/4p2-13>0 です。
これが、定数 p の値の範囲です。
よし、この不等式を解きましょう。

13/4p2-13>0
13p2-52>0
p2-4>0
(p+2)(p-2)>0
p<-2 , 2<p

これが答です。





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