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2020年09月15日

高校数Ⅱ「図形と方程式」。円の方程式。その1。

高校数Ⅱ「図形と方程式」。円の方程式。その1。

さて、今回は、円の方程式です。

まず、「円の方程式」ということの意味がわからず、ポカンとする高校生がいます。

これは、1つには、中2で最初に学習した、直線の方程式の意味が、実はよくわかっていないことが根本の原因ではないかと思います。
直線は、x座標とy座標とが同じ関係を持った点の集合です。
直線の方程式は、そのx座標とy座標の関係を表す式です。
例えば、直線y=3x+5 ならば、この直線上の全ての点のx座標とy座標には、y=3x+5 という関係があります。

直線に限ったことではありません。
曲線でもそれは同じです。
中3や高1で学習した放物線もそうです。
1つの放物線上の点のx座標とy座標には共通の関係があります。
例えば、y=2(x-1)2+3 という放物線ならば、その放物線上の全ての点のx座標とy座標に、この式の関係が成り立ちます。
そうした関係を持つ点の集合が、y=2(x-1)2+3 という放物線です。

そして、円もそうです。
円が閉じているからなのか、何のことかよくわからず、
「え?円盤の内側のことですか?」
という質問を受けたことがあるのですが、そうではなく、円周を描いている、曲線のことです。
その曲線を表す式が、円の方程式です。

この誤解は、わからないでもありません。
小学生の頃から、「円の面積」というと、円周で囲まれた、円の内側の面積のことでした。
それが「円」そのものだと思っても、おかしくありません。
「円」が円周を形成する曲線そのものであるなら、そんなものに「面積」は存在しないのですから。
「円」の定義が、揺れているのですね。

さて、「円の方程式」とは何であるか、意味がわかったところで、では、確認しましょう。

中心が(a , b)、半径が r の円の方程式は、
(x-a)2+(y-b)2=r2
特に、中心が原点、半径が r の円の方程式は、
x2+y2=r2

この式の証明は、特に難しくありません。
上の図を見てください。
中心が、C(a , b)、半径 r の円があります。
この円周上の任意の点をP(x , y)とすると、PC=r であることから、2点間の距離の公式を使って、
√(x-a)2+(y-b)2=r
と表されます。
この両辺を2乗すると、
(x-a)2+(y-b)2=r2
これは、円周上のどの点の座標(x , y) についても成り立ちますから、これが、中心C(a , b)、半径 r の円の方程式です。
これを、円の方程式の標準形といいます。

この式に、中心O(0 , 0)を代入すると、
(x-0)2+(y-0)2=r2
よって、
x2+y2=r2
これが、中心が原点、半径がrの円の方程式です。


では、ちょっと練習してみましょう。

問題1 中心が(1 , 2)、半径が3の円の方程式を求めよ。

これは、公式に代入するだけです。
(x-1)2+(y-2)2=9
これで答です。


問題2 2点(1 , 2)、(3 , -2)を直径の両端とする円の方程式を求めよ。

ちょっと難しくなりました。
中心の座標と半径を自分で求めなければなりません。
この2点が直径の両端ならば、この2点の中点が、円の中心です。
まず、それを求めましょう。
(1 , 2)、(3 , -2)の中点の座標は、(2 , 0)です。
では、半径は?
中心と、この2点のどちらかとの距離です。
(1 , 2)、(2 , 0)の距離を求めましょう。
√(1-2)2+(2-0)2
=√1+4
=√5
これらを、円の方程式の公式に代入して、
(x-2)2+y2=5


問題3 中心が(1 , 2)で、点(2 , -1)を通る円の方程式を求めよ。

また少し難しくなりました。
中心はわかっているので、あとは円の半径がわかればいいですね。
円の半径は、(1 , 2)、(2 , -1) の距離ですから、
√(1-2)2+(2+1)2
=√1+9
=√10
よって、
(x-1)2+(y-2)2=10


問題4 中心が(-2 , -√3)で、y軸に接する円の方程式を求めよ。

ここまでは比較的順調にきた人も、ここで詰まってしまうことがあります。
わかりにくいときは、実際に座標平面上にそういう円を描いてみるのが一番です。
中心は、第3象限にあります。
中心がそこで、y軸に接する円を描いてみましょう。
その円の半径は2であることが、見てとれると思います。
中心のx座標が-2だからです。
よって、
(x+2)2+(y+√3)2=4


問題5 中心が(√3 , 2)で、x軸に接する円の方程式を求めよ。

これも、実際に座標平面上にそうい円を描いてみるとわかります。
中心は、第1象限。
x軸に接する円を描いてみましょう。
その円の半径は、2であることが見てとれます。
中心のy座標が2だからです。
よって、
(x-√3)2+(y-2)2=4


こうした練習問題を、最初の1問は機嫌良く解く子が、2問目からもう応用になったと感じるからか、暗く辛そうな表情を浮かべることがあります。
小学校の頃ならば、上の問題1レベルのような、例題とそっくりな問題だけをたくさん練習します。
それ以外の問題は教科書に存在しないことすらあります。
中学校ならば、上の問題1レベルの問題を10問くらい解き、同じページの最後のほうに1~2問、問題2レベルのものがあります。

しかし、高校は、助走は短く、あっという間に離陸します。
基本の練習だから大丈夫だろうと解き始めても、例題と全く同じ解き方の問題は1問しかありません。
いや、1問もないことすらあります。
自分で解き方を考えなければならない。
そのことに、気持ちがついていかない子がいます。

問題4、問題5は、中心のx座標やy座標に注目して円の半径を読み取る問題です。
こうしたことが、中学生の頃から、うまく理解できない子もいます。
「円を描いてみるとわかります」
先ほどはそのように書きましたが、自分で円を描いても、私が描いた円を見ても、何も思いつかない子も、一定数存在します。
自力で発想できないだけでなく、一度解説されたときに、そういう考え方があると理解し記憶することもできない様子で、毎回、そのような問題で詰まるのです。

高校生になって突然そうなるわけはないので、中学生の頃から、座標平面上の図形の問題は苦手だったと思います。
座標平面上の三角形の底辺や高さの読み取りに苦労していたと思うのです。
座標平面の見方の何かが身についていないのです。
「2点間の距離を読み取ればいいよね」
といった説明に眉を寄せることが多く、そのあたりのことが理解できていないのだろうと思われます。
座標平面上で水平な位置の2点の距離は、x座標の差を読み取ればよいことが理解できない子もいます。
x軸上に落として考えればよいでしょうとヒントを出しても理解できません。

座標平面を描き、y軸と接する円を描き、半径を赤くペンで描き、同じ長さをx軸上になぞって示して、こことここは同じ長さだねと解説すると、何とか理解した様子は見せます。
しかし、しばらく経つと、また何も読み取れなくなります。
完全にリセットされてしまいます。
結局、それは理解していなかったということなのだと思いますが。

x座標とy座標の読み取りがときどき逆転することがあるのも、そうした子たちです。
最初に覚えるときに、何かを誤解をしてしまったのかもしれません。
点の座標の根本の何かが理解できていないのかもしれません。

直線x=1 はy軸と平行な直線です、といった説明も苦手な様子で、頭を抱え、苦しそうにします。
y軸と平行なら、y=1でなければならないと思うようです。
何かもっと簡単に頭の中で整理し直したいのに、そうならないことに苦しんでいる様子が見られます。

・・・いや、これ以上は簡単にならないです。
このまま、受け入れてください。
そのように願うのみです。


ところで、放物線の方程式は、y=a(x-p)2+q という、平方完成した形の式の他に、y=ax2+bx+c という形の式もありました。
問題の形式によって、それらを使いわけました。
あるいは、問題では、y=ax2+bx+c の形の式が与えられ、それを平方完成することも多かったです。

円の方程式も、そのような一般形があります。
x2+y2+ℓx+my+n=0
これが、円の方程式の一般形です。

この形が問題で与えられたら、標準形に直すことで、その円の中心や半径を求めることができます。
やってみましょう。


問題 円x2+y2-2x-6y+5=0 の中心の座標と半径を求めよ。

x と y、それぞれに、平方完成をすれば求めることができます。
最初なので、丁寧にやってみます。
(x2-2x)+(y-6y)=-5
それぞれ平方完成し、式にはもともとないのに加えてしまった定数項を右辺にも加えることで辻褄を合わせましょう。
(x-1)2+(y-3)2=-5+1+9
(x-1)2+(y-3)2=5
よって、円の中心(1 , 3)、半径√5


考え方はそんなに難しくないので、あとは、ケアレスミス・計算ミスに気をつけるだけです。
とはいえ、ここまでくると、1年前に学習した高校1年の数学内容など1つも覚えていない、1つ前の単元どころか、先週学習した内容ももう忘れている、という人が増えてきます。
周囲は全て霧。
足元の細い道だけが見えている。
後ろは、おそらく崖崩れが起きていて、戻れない。
前方に何があるのかも、わからない。
このような精神状態で問題を解いているためでしょうか、比較的簡単に思われるこうした問題でも、符号ミス、計算ミス、円の方程式の右辺は半径の2乗であることを忘れているミスなど、多様なミスを繰り返し、正解に至ることが難しい人が出てきます。
この問題だけならば、落ち着いて解けば正解が出せるはずなのに、もう何を解いても正解に至らない・・・。
何を解いても正解にならないので、気持ちがどんどん暗くなる・・・。
精度の低さが、本人の心をむしばんでいきます。

理解度と精度は、別のことですが、理解があやふやであれば精度が下がります。
同時に、精度の低さが、精神的な不安を招き、さらに精度を下げていくこともあります。
全問不正解のとき、それが全てケアレスミスが原因だとしても、
「いや、自分は理解しているから大丈夫」
とは思えないでしょう。
数学が苦手な高校生の多くはそのような精神状態かもしれません。
理解できないわけではない。
ただ、計算が合わない。
正答に至らない。

そして、理解しているとはいっても、先週学習した問題を、例題も解説もなくすっと出され、さあ解いてと言われたときに、何をどうしていいか、わからない・・・。
どうしてこんなに頭をすりぬけていってしまうのか。
理解したつもりだったが何も覚えていないのは、なぜなのか・・・。

理解と記憶は、また別のものだからです。

理解すること。
記憶すること。
精度を保つこと。

それは、別べつのことですが、根は同じところにあります。
改善していくには、反復することです。
1回目に学習するときよりも、2回目に学習するときのほうが、まだ少し気持ちが落ち着き、わかることが増えます。
正答も増えていきます。
諦める前にどうか反復してください。
数学が受験にどうしても必要な人は、夢を諦める前に、まだできることがあるはずです。




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