たまりば

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2020年07月03日

数は音声では聞き取りにくいのです。

数は音声では聞き取りにくいのです。

ある年、中3の生徒の英語の1学期の期末テストの得点が普段より10点ほど下がったことがありました。
見ると、リスニングでかなり失点していました。
しかし、普段はリスニングが苦手な子ではなかったのです。
英検3級のリスニング過去問は、毎回ほぼ満点を取ることができていました。
話を聞くと、内容に特徴があったことがわかりました。

場面は空港。
飛行機の出発時刻とゲート番号が列挙されたアナウンスを聴き取るものだったそうです。
中学生向けですから、英文はゆっくり読まれたと思います。
それでも、時刻や番号が列挙されると混乱し、数字を聴き取り間違えてしまったのです。

数字は、視覚での情報伝達力は極めて高いのですが、音声で伝えられると把握しにくい傾向があります。
日本語での口頭の場合も、数字は他の単語よりも聴き取りにくいです。
まして英語で数字を聴き取るのは、難しくて当然です。

私個人は、小学生の頃に珠算教室に通い、「読み上げ算」を練習していますので、日本語による数字の聴き取りは比較的得意なほうだとは思っています。
今も塾での算数・数学の宿題の答えあわせは、生徒が口頭で数字や式を読み上げ、正解かどうか私が判断することが多いです。
これが逆に、私が正解を口頭で述べ、生徒が自分で丸付けをすることにしたら、正しく聞き取れず、間違っているのに丸をつけてしまう子がいるだろうと予想されます。
とはいえ、生徒の読み上げる数字はスピードが速すぎるうえに語尾が不明瞭なことがあります。
もしもそのスピードと不明瞭さで私が数字を読み上げたら、あなたは聴き取れないでしょう、と思うこともあります。
数字を読み上げるときは、ゆっくりはっきり言わないと正確に伝わらないということが、年齢的にまだ理解できないから仕方ないのです。
速く読み上げることが頭の良さの証明だという誤解もあるかもしれません。
ただ、こういうことは、注意しても、「別にいいじゃん。聴き取れないのは、そっちの責任じゃん」という反発心を起こさせる小言の類に聞こえそうで、私も余程速い場合以外は注意しないのですが。
同じ生徒が、私が正しい式をゆっくり読み上げても、上手く聴き取れないことがあります。
そんなときが良い機会です。
私がホワイトボードに式を書いていくと、その子は、当然理解できます。
そうした経験を重ねることで、数字は、音声で早口に読み上げても伝わらないということを実感してくれるようです。
ゆっくりはっきり読み上げることを徐々に学んでいくのです。
それは客観性や社会性の獲得ということでもあると思います。

例えば電話番号を早口でペラペラペラっと伝えられたら、誰でも「はあ?」と思いますよね。
相手の社会性を、むしろ疑う事態です。
数字は、はっきり、ゆっくり読む。
そして、互いに確認しあう必要があります。


日本語でも難しいのですから、英語のリスニングで数字にまつわる問題が出題されると、非常に難度が上がります。
社会人向けの英語検定なら、そうした出題は当然でしょう。
ビジネスに数字はつきものですから。
しかし、英語を学び始めたばかりの子にとって、数字の聴き取りはハードルが高いです。

何年か前、都立高校の英語リスニング問題で、電話番号の問題が出題されたときも、その問題だけ正答率が低かったのです。
男女の会話で、間違い電話の受け答えを聴いて、問いに答える問題でした。
間違い電話をするくらいですから、番号は部分的に数字が入れ替わっているものでした。
間違った番号と正しい番号と両方を英語で言われ、正しい電話番号を以下から選べ、と言われても、それは混乱しますよね。

男「もしもし、〇〇さんのお宅ですか」
女「いいえ、違います。何番におかけですか」
男「そちらは、いちさんはちよんのごさんはちいちではありませんか」
女「いいえ、うちは、いちさんはちよんのごはちさんいちです」
男「ああ、間違いました。すみません」
女「どういたしまして」
聴き取りにくさをあえて日本語で表記すれば、こんな感じでしょうか。


中1の最初の定期テストの場合、そもそもリスニング問題に上手く対応できない可能性もあります。
これも何年か前、英語のリスニング問題を塾の授業中に最初に行ったときのこと。
CDには日本語でくどいほどの説明があるし、例題とその解説もあるから大丈夫だと思っていたら、いざ第1問が始まると、
「え?何をするんですか?」
と声を上げた子がいて、慌ててCDを止めたことがあります。
最初に説明したつもりだったのですが、その子にとっては、十分な説明ではなかったのでしょう。
CDの説明をよく聴いてその通りにしなさい、という指示を出さなかったのがまずかったのだと思います。
いや、そもそもリスニングテストというものが英語にはあるのだという話から始めるべきだったのかもしれません。
初めてのことに対する抵抗感と不器用さに関して、現代の子は突出していることがありますから、中1の最初の定期テストのリスニングは白紙答案になってしまわないかと心配です。
何をどうすれば良いのか、全くわからなかった。
白紙答案を見せて屈託なくそう言う子が現れる可能性は毎年あります。

「学校で、定期テストにリスニング問題が出るという話はありましたか」
中1の生徒にそう問いかけても、首をかしげています。
「・・・いや、たぶん出題されるので、そのつもりでいてね?」
リスニングは色々な出題形式があるから、日本語の説明をよく聴いてね。
選択肢があるとは限らないですよ。
聴き取った英文を書くのかもしれません。
とにかく、その場でパニックを起こさないでね。
色々とくどいほど話すのですが、それでも心配は尽きません。

そんな状況なのに、英語で数字を読み上げて書き取る問題が出題されたらどうしましょう。
日本語で出題しても難しい問題を英語で出されても・・・。
そういうのは、英語力以外の何かが付加された課題です。
でも、やっぱりそれは、英語力かなあ。
上手く対応できますように。
そう願うこの頃です。





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