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2020年06月14日

高校数Ⅱ「図形と方程式」。座標平面上の点の座標と内分・外分。

高校数Ⅱ「図形と方程式」。座標平面上の点の座標と内分・外分。

数Ⅱ「図形と方程式」、今回は2回目です。
前回は、数直線上の内分点、外分点の座標の求め方を学習しました。
今回は、座標平面上の線分の内分点・外分点の座標の求め方です。
まずは上の左の図を見てください。
座標平面上に点A(x1,y1)、点B(x2,y2)があります。
この2点を結んだ線分ABをm:nに内分する点Pの座標を考えます。

斜めになっているけど、何とかして線分ABの長さを求めて、それを内分するのかな?
三平方の定理を使えば、長さは求められるから・・・。

そういう考え方もわからなくはありませんが、もっと簡単に求めることができます。
これ、まずはx座標のことだけ考えましょう。
点A、Bのx座標をx軸に記してみます。
それぞれの点から真下に点を下ろしていくイメージです。
上の図の赤で記したものがそれです。
赤で示した3本の点線は全て平行です。
したがって、平行線と線分の比から、線分AB上でm:nだったものは、x軸上でもm:nであることがわかります。
つまり、求めたい点Pのx座標は、点AとBのx座標を内分の公式に当てはめて求めることができます。
すなわち、点Pのx座標は、


nx1+mx2
m+n

となります。

同様に、点Aと点Bのy座標をy軸上に記して考えるなら、点Pのy座標は、AとBのy座標を内分の公式に当てはめれば求めることができます。
点Pのy座標は


ny1+my2
m+n

となります。

以上の説明でわかりにくいところがある場合、以前に学習したことが曖昧になっている可能性があります。
おそらく、「平行線と線分の比」のことを忘れているのではないかと思うのです。
中3「相似」の単元で学習している定理です。
高校で図形に関係した問題がよくわからない人は、中3の「相似」をマスターできていない場合が多いです。
平行線と線分の比。
三角形の相似条件。
中点連結定理。
角の二等分線の定理。
三角形の辺の比と面積の比。
これらの基本の定理を復習すると、少なくとも、問題集の解答解説を読んでも意味がわからない・・・ということが今までよりは減ってくると思います。


問題 4点A(-2,0),B(-3,-2),C(0,-1),Dを頂点とする平行四辺形ABCDがある。頂点Dの座標を求めよ。

座標平面について初めて学習する中学1年生の数学でも、これと同じ問題は存在します。
中1では、点Bから点Aへの座標上の移動を読みとり、同じように点Cから点Dへ移動していることからDの座標を求めます。
点Bから点Aへは、x軸の正の方向に1、y軸の正の方向に2だけ移動しています。
したがって、点Cから点Dへも同じだけ移動します。
点C(0,-1)をx軸の正の方向に1、y軸の正の方向に2だけ移動すると、(1,1)。
よって、D(1,1)です。

その求め方でも構わないのですが、対角線の中点の座標を利用して求める方法もあります。
この平行四辺形の対角線はACとBDです。
そして、平行四辺形の対角線は、それぞれの中点で交わります。
これは、中2「三角形と四角形」の単元で学習した、平行四辺形に関する定理です。
この定理を利用します。
A(-2,0),C(0,-1)の中点の座標はx座標、y座標をそれぞれ足して2で割れば良いのですから、(-1,-1/2)となります。
対角線BDの中点も同じ座標です。
中点の座標の求め方も既習ですが、内分の公式で解いても構いません。
これを利用して、方程式を立てます。

D(x,y)とすると、
-3+x /2=-1 
-3+x=-2
x=1

-2+y /2=-1/2
-2+y=-1
y=1

よってD(1,1) となります。

ここまで書いていて、自分でもただし書きが多い、と感じます。
ただし書きが多くなるのが、この「図形と方程式」という単元の特徴です。
中学・高校の数学でこれまで学習したことを忘れていると、そこでいちいちつまずくことになるのがこの単元です。
覚えてはすぐ忘れる学習を繰り返してきた人が、高校2年で数学が全くわからなくなる最大の理由はそれです。
中学で学習したことも含め、これまで学習したすべてを使わないと理解できないし問題を解けない。
そういうことが多いのです。

次に学習する重心の座標も、そうです。

三角形の重心。
三角形には外心・内心・重心・垂心・傍心の5種類の点が存在します。
それを三角形の五心と呼びます。
中3数学でも発展的なテキストには載っていますし、高校数Aの「図形の性質」でも学習する内容です。
外心は、三角形の外接円の中心。
内心は、三角形の内接円の中心。
重心は?

三角形の頂点と対辺の中点を結ぶ線分を中線という。
三角形の3つの中線は1点で交わる。
この点を三角形の重心という。

これが、重心の定義です。
また、重心は、各中線を2:1に内分します。
これも非常に重要です。
中3か数Aのテキストに戻って復習すると、理解が深まると思います。

今回学習するのは、重心の座標の求め方です。
A(x1,y1),B(x2,y2),C(x3,y3)の三角形ABCの重心の座標は?
まず、頂点Aから辺BCに中線を引きましょう。
頂点Aと、BCの中点Mとを結んだ線分です。
Mの座標は、(x2+x3 / 2 , y2+y3 / 2)。
重心Gは、線分AMを2:1に内分する点ですから、内分点の公式にあてはめ、整理すると、

G(x1+x2+x3 / 3 , y1+y2+y3 / 3)

となります。

問題 △ABCの頂点A、Bの座標はそれぞれ(4,-4),(-1,4)で、重心Gの座標は(-1,2)である。頂点Cの座標を求めよ。

C(x,y)とします。
公式にあてはめると、x座標に関しては、
4-1+x / 3=-1
3+x=-3
x=-6

y座標に関しては、
-4+4+y / 3=2
y=6

よって、C(-6,6) です。


繰り返しますが、図形問題が苦手という人は、それまでに学習した定理が身についていないために問題を解けないのです。
説明されれば定理を思い出せるというのでは自力で発想することはできません。
まして、説明されても「そんな定理ありましたか?」とポカンとしてしまうのでは、問題を解けるわけがないのです。

センスも勿論あります。
二等辺三角形を横たえた途端に、それが直角三角形に見えてしまう。
正方形を斜めにすると、それがひし形にしか見えなくなってしまう。
見取り図が平面のままに見え、立体的に把握することができない。
三角形が線分で分割されていると、もとの三角形を認識できない。
そうした、視覚的な課題を抱えている場合は、そうではない場合と比べれば、図形問題を解くまでに解決すべき課題が多いです。
しかし、努力で解決できることもまた多いのです。
図形問題が苦手な人は、図形問題を自力で解いた経験があまりないまま高校生になってしまっています。
中学の図形問題を解いたことがないのに、高校の図形問題が解けない、解けない、と苦しんでいます。
中学の図形に戻って復習すれば、スッキリします。

「図形は苦手だから、捨てます」
文系の生徒の場合、そういう決断をしてしまう人もいます。
大学入試共通テストでは、数Aは3つの単元のうち2つを選択すればいいから、図形は捨てて、「確率」と「整数の性質」で受験します。
そういう人は多いです。
本当に図形が苦手で、何の望みもないのならそれでもいいのですが、「確率」も「整数の性質」も、数学センスが必要です。
決まりきった定理を使うだけの図形問題よりも、「確率」や「整数の性質」のほうが発想力が必要で、攻略が難しく、半分も得点できない場合があります。
特に「整数の性質」は、むしろ私はこの単元が得意な生徒に会ったことがほとんどないのですが、図形と異なり、苦手を自覚していない人が多いのです。
「確率が苦手」「図形が苦手」という声は聴きますが、「整数の性質が苦手」という声は聞きません。
しかし、現実には、最も得点が低いのは「整数の性質」で、ほとんど0点に近いのです。
図形で半分得点することのほうが、むしろ可能なのではないか?
少なくとも、図形問題を選択することが視野に入っていたほうが良いのではないか。
そう思うことも多いのです。
しかし、その決断をするには、図形アレルギーとでもいうものからは脱却しておく必要があります。
普通に図形問題に対処できるようになっていないと、やはり「図形は苦手」という呪縛からは逃れられないようなのです。





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