たまりば

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2020年03月08日

高校数Ⅱ「式と証明」。因数定理と高次方程式。

高校数Ⅱ「式と証明」。因数定理と高次方程式。


今回学習するのは「因数定理」です。
整式f(x)が、x-aで割り切れるための条件は、f(a)=0である。

これが因数定理です。
「x-aで割り切れる」ということは「x-aを因数にもつ」ということ。
f(x)=(x-a)(   )
という形に因数分解できるということです。

前回、剰余の定理を学習しました。
整式f(x)をx-aで割った余りは、f(a)である、というのが剰余の定理でした。
それならば、f(a)=0のとき、余りは0です。
したがって、f(a)は、x-aで割り切れます。
これが因数定理です。
3次以上の方程式を解くという学習目標に一歩ずつ近づいてきましたね。

問題 f(x)=x3-7x+a が x-3 で割り切れるようにaの値を定めよ。

x=3 を代入すれば良いですね。
因数定理より、
f(3)=33-7・3+a=0
27-21+a=0
      a=-6

問題 整式x3+6x2+13x+8がx+1を因数にもつかどうかを判定せよ。

f(x)=x3+6x2+13x+8 とする。
f(-1)=(-1)3+6・(-1)2+13・(-1)+8
    =-1+6-13+8
    =0
よって、因数にもつ。

さて、ここまで勉強して。
では、3次以上の式を因数分解するには、因数定理を利用すれば良いですね。
式の値が0になるxの値を見つければよいのです。
その数をaとすれば、その整式はx-aを因数にもつ。
すなわち、それで因数分解できます。

問題 x3-6x2+11x-6 を因数分解せよ。

xにどんな値を代入すれば、この式は0になるのか。
試しに+1や-1を代入して、地道に解いていきます。
丁寧に答案を書いていっても勿論良いですが、面倒くさいので、そのあたりは答案に残さなくて大丈夫です。
こういう問題は、考え方の過程を問われるタイプの問題ではないのです。
答えがあっていれば良いのです。
x=1 とすると、
与式は、1-6+11-6=0
やった、もう見つかったー。ヽ(^。^)ノ

x=1を代入すると0になるということは、与式はx-1を因数にもつ、すなわちx-1で割り切れるということです。
因数分解するには、x-1で割り切ったときの商が必要ですね。
その商がもう一つの( )の中身になります。
そこで、前回学習した組立除法を用います。
真面目に筆算しても答えは出ますが、組立除法は簡単に答えが出ます。

1 -6  11 -6   |1
    1 -5  6
1 -5   6  0

よって、商はx2-5x+6
すなわち、
x3-6x2+11x-6
=(x-1)(x2-5x+6)
さて、後ろのほうの( )はさらに因数分解できそうです。
これは中学3年生の学習内容の因数分解です。
かけて6、たして-5になる数字を探すと、-2と-3ですから、
=(x-1)(x-2)(x-3)
これで因数分解できました。ヽ(^。^)ノ

ところで、+1や-1なら簡単に見つかって楽勝ですが、問題によってはそうではない場合もあります。
地道にやるにしても、何か目安はないものでしょうか?

あります。

整式f(x)で、f(a)=0となる有理数aの候補は、
±(定数項の約数)÷(最高次の係数の約数)
に限られていることがわかっています。
上の問題では、定数項は-6。
したがってその約数は、符号を抜くと、1、2、3、6。
最高次の係数は、1。
よって、aの候補は、±1、±2、±3、±6だったことがわかります。
実際のaは、上の答案の通り、1、2、3でした。
+1や-1を試してダメだったときには、この考え方を使って、aの候補をさぐっていきます。

ここで課題となるのが計算力です。
高校生は、このあたりの解き方が理解できないわけではないのです。
あるいは、最悪、理解できないまでも、作業手順としては飲み込みやすい内容です。
しかし、計算力が足りない場合があります。
例えば-1がaだったのに、代入して符号ミスし、
「あれ?0にならないから、これは違うんだ」
と思ってしまい、後は延々と探し続けるということが起こりやすいのです。
負の数のかけ算やたし算になると、計算精度が下がる。
これは、大きな課題です。

計算のやり方が中学1年で教わったやり方と違っているために精度が下がっている人もいます。
上の問題で言えば、
1-6+11-6
=12-12
というように、正の数どうし、負の数どうしを先に足し、最後に異符号の計算をするのが定石です。
そのほうが間違えにくいからです。
ところが、中学1年の学習をしてからもう何年も経っている高校生は、その定石を忘れていることがあります。
1-6+11-6
=-5+11-6
=+6-6
=0
と、1つずつ足している子は案外多いです。
それでも答えは同じですが、足したり引いたりを繰り返している過程で計算ミスをしやすいのです。
計算ミスの多い人は、計算ミスをしやすい方法で計算している場合があります。
それを直すだけで、精度は上がります。

もう1つ。
計算が苦手なのに暗算に固執するのもリスクが高いです。
少しメモを取って、目に見える形にすれば楽に速く計算できます。
絶対に暗算しなくてはいけない、暗算ができないなんて恥ずかしい、といった謎の脅迫観念にとらわれて、メモもとらずにうんうんうなって暗算したあげくに誤答する子もいるのです。
時間もかかるしミスも多いし、この子は何の苦役を選んでいるんだろうと不思議に思うのですが、
「メモを取ろうよ」
という助言を聞いてくれないことがあります。
効率の良いやり方を選択し、しっかり正答しましょう。

問題 2x3-5x2+7x-6 を因数分解せよ。

これは、xに+1や-1を代入しても0になりません。
定数項は-6、最高次の係数は2。
+2、-2もダメ。
+3を試してみますが、やはりダメ。
-3でもダメ。
まさかと思いながら、3/2を代入してみます。
2・(3/2)3-5・(3/2)2+7・3/2-6
=2・27/8-5・9/4+21/2-6
=54/8-90/8+84/8-48/8
=138/8-138/8
=0
うわあ、3/2だったー。((+_+))

それでは組立除法を。


2   -5   7  -6    | 3/2
     3  -3   6
2   -2   4   0


2x3-5x2+7x-6
=(x-3/2)(2x2-2x+4)
最初の( )を2倍し、後ろの( )は1/2倍することで整理しましょう。
=(2x-3)(x2-x+2)
後ろの( )は、一見因数分解できそうですが、よく見るともうできないですね。
これが解答となります。

こういう問題になると、
「どうやってもaが見つからない」
と投げ出してしまう高校生がいます。
涙ぐんでしまう高校生すらいます。
数学があまりにもわからな過ぎてメンタル崩壊。( ;∀;)

そんな大げさに考えないで。
aの候補には限りがあります。
符号ミスや計算ミスをしないように落ち着いて1つ1つ調べていけば、必ず見つかります。



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