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2019年10月17日

高校英語。分詞構文その2。

高校英語。分詞構文その2。

分詞構文の学習。
前回は、分詞構文の作り方の基本を学習しましたので、今回は、否定文や各時制の分詞構文を見ていきましょう。

①否定語を含む従属節
As I didn't know which way to go, I had to guess.
どちらの道を行けばよいかわからなかったので、私は勘に頼らねばならなかった。

さて、これを分詞構文にしましょう。
簡単に復元できるものはどんどん省略するのがルールでした。
理由を表す接続詞 as と、主節と同じ主語 I は省略します。
主節も従属節も過去形で、時制のズレはないので、これも復元可能ですから気にしなくてよいです。
問題は、否定語 not。
これを省略したら、意味が真逆になってしまいます。
だから、これは残します。
分詞構文の冒頭に残します。

Not knowing which way to go, I had to guess.

これで、分詞構文にすることができました。
否定語を先頭に立てて、その後、従属節の動詞を現在分詞に変える。
これで分詞構文への書き換えはOKです。


②完了形の従属節
Since I had lost the bet, I had to pay for dinner.
私は賭けに負けたので、夕食代を払わなければならなかった。

従属節は過去完了形で、主節は過去形です。
この過去完了は、大過去を表します。
大過去とは、過去よりもさらに古い過去のことです。
掛けに負けたのは、夕食代を払うときより前です。
また、この文の場合は、「賭けに負けてしまった」という完了の意味ととらえることも可能です。
過去完了は、このようにどちらの用法なのか曖昧なものも多いのです。
どちらに解釈しても文意が変わらない場合は、曖昧なままで良いのです。

さて、接続詞 since と、主節と同じ主語 I が省略可能なのは、もう大丈夫でしょう。
その後、動詞 lose を単純に現在分詞の losing にしていいかというと、これでは、従属節に復元しようとしたとき、主節と同じ過去形と同じ時制に戻すことになってしまいます。
分詞構文をもとの従属節に戻す際のルールは、「主節と同じ時制に復元する」だからです。
時制が1つ古いことを示したいとき、あるいは、完了形だったことを示したいときは、どうしたら良いでしょうか。
動詞を「having +過去分詞」にします。

Having lost the bet, I had to pay for dinner.

分詞構文は、とにかく何かを~ing 形にする、と覚えておくと、印象に残ると思います。
完了形を作る助動詞 have をhaving にするのです。
印象的ですね。


③受動態の従属節
Since this book is written in simple English, it is easy to read.
この本は簡単な英語で書かれているので、読みやすい。

接続詞 since は省略可能です。
主語は、従属節の this book と主節の it は同じものを表していますから、主節のほうに this book を移動させれば、従属節の主語は省略可能です。
さて、どこを現在分詞にするか?
be 動詞を現在分詞にします。

Being written in simple English, this book is easy to read.

これはこれで正しい英語ですが、この being も要らないですね。
being を省略しても、いきなり過去分詞から始まっていれば、「ああ、being を省略したんだな」とわかります。
だから、
Written in simple English, this book is easy to read.
と書くのが普通です。
これを「過去分詞による分詞構文」ととらえる文法書もありますが、面倒くさくなるだけですので、being が省略されていると考えたほうが、1つのルールで統一されている感があります。
ルールは、シンプルなほうが良いのです。
分詞構文は、とにかく現在分詞~ing を用いるものなのだと思っていたほうがスッキリします。
先程の完了形の分詞構文 having+過去分詞という荒業も、統一されたルールから考えれば何となく腑に落ちてきますし。


④独立分詞構文
急に文法用語が出てきて、え、何それ、と思うでしょうが、これは、主語が従属節と主節で異なる分詞構文という意味です。
歴史的には、ラテン語の用法を英語が模倣して広まったとのことです。
へえ・・・以外の感想も特にないだろう豆知識ですが、ともあれ、実際の用法を見てみましょう。

Because it was Tuesday , the barber shop was closed.
火曜日だったので、その理髪店は閉まっていた。

接続詞 because は省略できます。
従属節の主語は、時や曜日を表す主語の it 。
主節の主語は、barber shop です。
主語が異なるのに省略すると、復元できません。
そこで、従属節の主語は先頭に残し、動詞は現在分詞にすることで、分詞構文を作ります。

It being Tuesday , the barber shop was closed.

これを独立分詞構文と呼びます。
また別の例を。

When the ceremony was over, the crowd dispersed.
式が終わって、群衆は散った。

これも、接続詞 when は省略可能です。
従属節の主語は ceremony 、主節の主語は crowd ですから、省略できません。
The ceremony being over, the crowd dispersed.
となります。
ここで、この being を省略しても意味がわかるので、これも省略してしまうことがあります。
The ceremony over, the crowd dispersed.
従属節がSVCで、Cが名詞のときは、 being は省略しにくいですが、この文のように、従属節がSVCでCが形容詞のとき、特に over のときは、省略してもいいかなという意識が働く様子です。
よくわからないときは、省略しないでおくのが賢明でしょう。

ところで、従属節と主節とで主語が異なるときは、主語を省略してはいけないといっても、言語というのは人間が日常生活で用いるものですから、省略してはいけないのに省略しちゃった、ということはありがちです。
意味はわかるから、これはこれでいいじゃないという意識が働くのも、ネイティブならば自然なことです。

Looking out of the window, the mountains were beatiful.
窓から外を眺めると、山々が美しかった。

するっと読めてしまう文ですが、よく見ると、分詞構文の主語は I で、主節の主語は mountains です。
文法的正確さにこだわるならば、I は省略してはいけないのです。
だから、英米の文法学者はこれは誤りであると言うのですが、一般人にとっては、そんなのどうでもいい・・・という、日本語でも「あるある」な状況が起きているそうです。
言語は今を生きる人が使うもの。
言語は生き物。
そういうことが英語にも日本語にもいえるのだと気づくと、言語を学ぶことがまた少し楽しくなるかと思います。






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    Posted by セギ at 14:21│Comments(0)英語
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