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2019年09月04日

高校英語。分詞 その2。前置修飾と後置修飾。

高校英語。分詞 その2。前置修飾と後置修飾。

分詞の限定用法の話を続けます。
現在分詞と過去分詞との使い分けは、前回お話しました。
今回は、前置修飾と後置修飾の話です。

限定用法とは名詞を修飾する用法です。
名詞を修飾するには、前から修飾する場合と後ろから修飾する場合があります。
それが前置修飾と後置修飾です。

まずは、分詞以外の語句で確認してみます。

Someone is in that old house.
誰かが、あの古い家の中にいる。
この old が形容詞で、house を修飾しています。

Someone is in that burning house.
誰かが、あの燃えている家の中にいる。
この burning が現在分詞で、house を修飾しています。

形容詞と分詞が全く同じ位置にあるのがわかると思います。
これが、前置修飾です。

次に後置修飾を確認します。

The boy playing soccer is my brother.
サッカーをしているその男の子は、私の弟です。
playing soccer という語句が、boy を修飾しています。
The boy in the park is my brother.
公園にいるその男の子は、私の弟です。
in the park という語句が、boy を修飾しています。

形容詞句と分詞句が全く同じ位置にあるのがわかると思います。

分詞だけが特別な位置にあるのではないのです。
名詞を修飾する語句は、1語の単独で名詞を修飾するならば名詞の直前に置きます。
2語以上の意味のまとまり(句と呼びます)となって名詞を修飾するときは、名詞の直後に置きます。
それは、分詞でも他の形容詞句でも変わらないのですが、そもそも、他の形容詞句の正しい位置がわからないという人は、かなり苦労する様子です。
The boy in the park is my brother.
という上の文でも、乱文整序問題になるとこの語順にできず、
The boy is my brother in the park .
という文を作ってしまう人は多いと思います。
英語を習い始めた最初の頃に何となく学び取った、「場所を表す語句は文の後ろのほうに」というルールにこだわり過ぎてバージョンアップできないと、そうなってしまいます。
最初の頃に学習した英語で出てきていたのは形容詞句ではなく副詞句で、だから動詞や目的語など、SVOCを全部言い終えた後に述べていたものでした。
副詞句というのは、名詞以外のものを修飾する語句です。
具体的には、動詞、形容詞、副詞、文全体などを修飾するのが副詞。
2語以上のまとまりならば、副詞句です。

The boy is my brother in the park .
という文だと、これは直前の brother を修飾している形容詞句となり、「その男の子は、公園にいる私の弟です」という意味になります。
公園にいない別の弟がいるのか?
いや、いつも公園にいるホームレス中学生なのか?
と、さまざまな疑問が浮かぶ、不自然な文となります。

英語がよくわからなくてモヤモヤしている人で、こうい説明が一度腑に落ちると、そこからグッと成績が向上していく人がいます。
それまで、とにかく例文を丸暗記して、その英文の意味を覚えて、の繰り返しで、そうすることでそのうち何となく英語の仕組みがわかってくるだろうといった学習をさせられてきたけれど、それが肌に合わなかった人ほど、そうなります。
英語が想像以上にロジカルで、全部理屈で成り立っているとわかったときに、今までの霧が晴れて、すっきりするらしいのです。
全部理屈なら、その理屈を理解すれば、あとは単語・熟語を覚えるだけ。
何をやれば良いか目標も明確になり、やればやるだけ成果も上がります。

一方、丸暗記は苦手だが、理屈はもっと嫌いで、どんな説明も聞き流すタイプの子は、幾度説明を聞いても文法的説明は頭に残らない様子です。
難しくて理解できないが理解したいというのであれば、いくらでも噛み砕いて何度でも説明するのですが、理解しても聞き流すというタイプの子のほうが多いように感じます。
名詞・形容詞・副詞とはそれぞれ何なのか。
それは根幹の理解につながることなのですが、そこに興味を抱けない。
聞き流す。
でも、英語は得意になりたいと漠然と思っている。
そういう子にどのようなアプローチが有効なのか。
難しい課題です。


分詞の前置修飾と後置修飾に話を戻します。
2語以上の意味のまとまりは、後ろから名詞を修飾。
それはわかったけれど、どれが単独の分詞で、どれが2語以上の意味のまとまりなのか、わからない。
そういう話もよく聞きます。
わからないので、結局、全部後置修飾にする。
英語が苦手な子の中には、そのようにして切り抜けている子も多いです。

Look at that singing bird.
これは、前置修飾。
Look at the bird singing on the tree.
これは、後置修飾。

上の文は、bird という名詞を修飾している語は、that と singing の2つですが、それぞれ単独です。
that bird ですし、 singing bird です。
一方、下の文をそのように単語ごとにバラバラにすると、奇妙なことになります。
siging bird で、 on bird で tree bird ?
いや、そんなことはないでしょう。
それじゃ意味がとれない。
siging on the tree な bird 、です。
意味のまとまりとは、バラバラにそれぞれで名詞を修飾しているわけではない、ということです。
より詳しく説明するなら、on the bird は、まずsinging という分詞を修飾し、そこで分詞句となり、その丸ごとで bird を修飾しているのです。
しかし、これを説明すると余計にわからなくなる人もいます。
国語でも、修飾・被修飾が全く理解できず、ほとんどトラウマという人もいて、そういう人にこの説明を始めると途中で顔が曇るのでよくわかります。

「木の上で歌っている鳥を見て」
国語で、これを文節に分割すると、
木の / 上で / 歌って / いる / 鳥を / 見て。
となります。
中1の初めに学ぶとき、文節は間に「~ね」をいれて区切ることができるところ、と曖昧な説明をするしかないのですが、厳密には、1つの文節には1つの自立語しか入らないというルールがあります。
1つの文節は、1つの自立語のみか、1つの自立語+付属語で成り立っています。
自立語・付属語、さらに品詞というものを学習するのが中2なので、中1ではこの説明をできないのがネックとなり、間に「~ね」を入れるという、わかるようなわからないような説明しかできず、「歌っている」を1文節とするか2文節とするか判断できないということも起こります。
英語も日本語も、学習の初めは、説明してもわからないから説明できないことが多く、それが曖昧さを生むのです。
ようやく説明できるようになったときに改めてきちんと説明されているはずですが、その時期にはもう文法に対して嫌悪や諦めが生じていて、まともに説明を聞いていない・・・。
だから、ますます文法が理解できない。
そういうことが起こりやすいです。

それはともかく。
木の / 上で / 歌って / いる / 鳥を / 見て。
この修飾関係を見てみましょう。
「木の」は「上で」にかかります。
そして、「木の上で」という意味のまとまり(連文節または大文節)を作ります。
「歌って」は「いる」にかかり、そして「歌っている」という意味のまとまりを作ります。
さらに、「木の上で」は「歌っている」にかかります。
そして、「木の上で歌っている」という意味のまとまりを作ります。
その大きな意味のまとまりが「鳥を」という文節を修飾します。
修飾語は、このようにどんどんまとまっていくのですが、そのことを理解し、その修飾関係を正確に図示できる子は、少ないです。
国語の修飾・被修飾が上手く理解できないのだから、外国語の理解はさらに難しいかなあ・・・。
しかし、英語の修飾関係のほうがルールがシンプルなので理解しやすく、その理解をもとに、国語の理解が深まっていくという見方もできます。
比較することでわかりやすくなる、ということもありますし。
日本語も、英語も、意味のまとまりになって修飾していくんだよー。
というくらいの理解で次に進みましょうか。


単独ならば、前置修飾。
2語以上の意味のまとまりは、後置修飾。
このわかりやすい文法ルールに対し、しかし、新たな波が到来しています。
英語の本場、アメリカで、このルールが崩れ始めているというのです。

例えば、
Look at that smoking man.
という言い方はしない、というのです。
「タバコを吸っているあの男性を見て」
smoking は単独で man という名詞を修飾しているのだから、前置修飾で何が悪いの?
文法的には正しいでしょう?
そう思うのですが、なぜか、そのような表現だと「年柄年中タバコを吸っている人」という印象になるからダメだ、今、たまたまタバコを吸っているのだから、
Look at that man smoking.
が正しい、という説が流布され始めました。

うわー、黒船来航だ。
whom は古い、もう使われていない、今は全部 who だ、という黒船。
仮定法過去の be 動詞は、必ず were というのはもう古く、 was のほうが普通という黒船。
英語を長年教えていますと、これまでにも度々黒船は来航してきましたが、今度のもかなり厄介な印象です。

ネイティブの英語の使い方が変われば、それに応じて英語を学ぶ側も変えていかなければならないのは、それは仕方ないのです。
しかし、whom のときにも感じたのですが、それは、日常会話としての英語が乱れてきている証拠では?
言語感覚の雑な人が使う英語が過半数になったということだけなのでは?
という印象もなくはないのです。

私は、上のほうで、こう書きました。

2語以上の意味のまとまりは、後ろから名詞を修飾。
それはわかったけれど、どれが単独の分詞で、どれが2語以上の意味のまとまりなのか、わからない。
そういう話もよく聞きます。
わからないので、結局、全部後置修飾にする。
英語が苦手な子の中には、そのようにして切り抜けている子も多いです。

これは、日本人の中学生・高校生の話ですが、ネイティブも実はそうなのではないか?
使い分けができないので、全部後置修飾にしているだけなのでは?

これで連想するのは、日本語の「らぬき言葉」です。
「見れる」「知れる」といったらぬき言葉を使う人が多くなったので、もうそれは許容範囲となりました。
助動詞「れる」と「られる」の使い分けができない人が多くなり、そこから、「見られる」と「見れる」とでは意味が違うというニュアンスの後付けもされるようになり、やがて許容されていったという経緯がありました。
英語も同じだと思います。

言語は生き物。
今、その言葉を使っている人の過半数がその用い方をするようになれば、それが正しい言葉です。
だから、昔の用法にこだわることが正しいわけではありません。
ただ、用心しなければならないのは、日本に伝わってくる、その「新しいアメリカ英語」が、本当に正しいのかどうかということ。
らぬき言葉も許容されているというレベルの話ならば、「れる」と「られる」とは使い分けられたほうがいい。
そこの見極めが難しいところです。

先日、ぼんやりテレビを見ていましたら、こんな映像が流れました。
「最近腹が立ったこと」といったエピソードを映像化したものでした。
「出身、どこ?私、中野」
「私、府中」
「え?宇宙?」
「違う。府中」
「・・・何それ?どこにあるの?(笑)」

・・・いや、中野に住んでいて府中を知らないのは、本人が無知なだけです。
それを勝ち誇ったように笑う。
知識の幅の狭い人が、その狭い知見で上からものを言い、人をバカにしてかかる。
そういうことが言語の世界でも起こることがあるので、用心が必要なのです。
「アメリカじゃ、今はこれが正しいんだぜー」
本当に?

whom の件は、 who も許容範囲としつつ、やはり whom と who は正確に使い分ける英語教育が続いています。
仮定法の件は、was も許容されていますが、were は、今も生きています。
今回の件は、どんな結末になるでしょうか。






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