たまりば

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2019年08月13日

数Ⅰ「1次不等式」、1次不等式の文章題。

数Ⅰ「1次不等式」、1次不等式の文章題。

さて、お盆休みは、文章題を。
こんな問題です。

問題 
25人以上50人以下の団体で目的地に向かうとする。
電車賃は目的地まで1人420円で団体割引はない。
バスは1人480円だが、1万円の団体券で25人まで乗ることができる。
電車で行ったほうが料金が安いのは、人数が何人以上何人以下のときか?

中学生・高校生に方程式・不等式の文章題を教えていて苦慮するのは、何年経っても最初の1行を書き出せない人がいることです。
「求める人数をx人とする」
これさえ書いてしまえば、その次は、ではこのxを用いて問題文の中のどんな数量を表す式を立てようかと、次の段階に進むことができます。
この書き出しを発想できず、文章題を見た途端に意識が小学生に戻り、どうやって人数を求める式を立てよう、うーん、うーん、うーん、わかんない・・・と考え込んでしまう人は多いです。
結局、中学の3年間、方程式の文章題の学習になる度にそれを繰り返す人は多いです。
そのまま高校生になり、たまに出てくるこうした文章題に歯が立たない。
そうなりがちです。

xを用いて式を表すことは発想できても、xを定義しない人も多いです。
文字を用いるのなら、その文字が何であるかを定義する必要があります。
どんな文字を用いても良いけれど、その文字が何であるかを定義する。
それは数学の答案の根本ルールの1つです。
「えー。面倒くさい。そんなの、わかるじゃん」
と言う人は、その式が間違っていたときに、何をxとしたのか質問されて、すぐに答えられるでしょうか。
もう一度問題を読み直し、もう一度解き直さないと、xが何であるかわからないのではないでしょうか。
自分でも、自分の思考の跡をたどれないのです。
数日後には自分でも思考の跡をたどれないような答案を、他人が見てわかるわけがありません。
数学の答案は、どのように解いたのかを相手に明瞭に説明するものです。
それは、何か月経っても、自分の答案を見直したときに、何をどう解いたのかすぐにわかるということでもあります。
数学答案の根本のルールはそれです。
どう書いたら良いかわからない・・・。
そんな質問もよく受けますが、細部の書き方にこれでなければならないという定型があるわけではありません。
後で意味がわかるように書けば良いだけです。

問題に戻りましょう。

求める人数をx人とする。(25≦x≦50、xは自然数)

とxに関する定義を書いたら、次は不等式の立式です。
xを求めることに集中し過ぎるあまり、xの値を表す式を立てようとして苦慮する人もいますが、方程式でも不等式でも、式が表す数量は、xを表すものではありません。
何か他の数量を表すものです。
「え?式は関係を表すもので、何かの数量を表すものではないのでは?」
という質問を受けることがありますが、そのように思っていると式は立てにくいです。
関係を表す・・・というのは、間違っていませんが漠然としています。
どうやってどんな関係を表すのか、よくわかりません。
式が何かの数量を表すことを明確に意識していると、立式は楽になります。

この問題では、勿論、バスを使った場合の料金の全額と、電車を使った場合の料金の全額とを比較して立式しましょう。
まずはバス料金のほうから。
25人分の団体料金が10000円。
それ以外の人は、普通に1人480円を払います。
その人数は、(x-25)人。
よって、バス料金の全額は、
10000+480(x-25)
と表すことができます。
一方、電車料金は、常に1人420円ですから、
420x円
電車で行くほうが安くなるのですから、不等式は、
10000+480(x-25)>420x
これを解きましょう。
10000+480x-12000>420x
              60x>2000
                x>100/3
                x>33+1/3 ・・・①

ああ、じゃあ、答えは、34人以上50人以下だ。

・・・本当に、それで良いでしょうか?
ここで、発想の飛躍が必要となります。
人数分いなくても、団体券を2枚買うことも可能なのです。
え?そんなのずるくない?
そんなことしたらダメなんじゃない?
・・・いいえ、別に構わないです。
座席指定券を買い占めて、座る人もいないのに席を確保するということではありません。
料金は50人分を払うというだけのことです。
そもそも、そういうモラルの話をしているのでもありません。
これは、どちらが安いのか、という単純な計算です。
ただ、何というか、善良な人というかお人好しというか、そういう人はこの発想がなく、この不等式の問題を間違えてしまうことがあるようです。

団体券を2枚買うことにすれば、バス料金は20000円。
電車賃は変わらず、420x円。
ですから、不等式は、
20000>420x
    x<20000/420
    x<47+13/21 ・・・②

①、②より、
33+1/3<x<47+13/21
ここで、25≦x≦50、xは自然数だから、
求める人数は、34人以上47人以下。

これで最終解答となります。

気をつけたいのは、答案の最後を、34≦x≦47 で終えてしまう人もいることです。
勝手に自分でxを使ったのに、それでは終われません。

どんな文字を使ってもいいが、正確に定義する。
使った文字は、最終解答には残さない。
これを守るだけで、答案を見る先生に「お。答案の書き方がわかっているね」と思われます。



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