たまりば

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2019年05月27日

高校英語 助動詞その3 will の用法。

高校英語 助動詞その3 will の用法。


まずはこんな問題から。

問題 以下の空所に適切な語句を選べ。
He (  ) often go fishing on Sundays.
1. would   2. used to  3.had  4.has

こうした四択問題になると、「そんな英語を見た覚えがある」という主観で英文法の問題を解く人がいます。
勘で解いているので、正解でも不正解でも、学習したことになりません。
まずその癖を自覚し、直すことが必要となります。
中学生の頃から、英語の問題はそのように感覚や勘で解いてきたし、それ以外の解き方を知らない。
こうした問題を「考えて」解くということが、どういうことなのかわからない。
そういう人もいるかと思います。

「考える」とは何をどうすることなのか。
では、こんな問題はどうでしょうか。

問題 以下の空所に適切な語句を選べ。
With more than 60 books to his name , the norvelist was one of the most (  ) of the twentieth century.
1.arcane  2.somber  3.erratic  4.prolific

普通の英語力を持つ高校生なら、問題文はまあまあ意味が取れると思います。
しかし、選択肢の単語は、ほとんど意味がわからないのではないでしょうか。
そんなにスペルが長いわけではなく、一見ありふれた印象の単語なのに、見たことがない・・・。
意味など想像もつかない・・・。

この問題を解けと言われたら?
うーん・・・。
3と4は語尾が同じ。
1と3は最初のほうが似ている気がする。
では、両方がかぶっている3が正解かな?

・・・残念。
正解は、4.prolific「多作な」です。
「その小説家の名で出版された本は60以上あるので、彼は20世紀で最も多作な一人である」

これは、英検1級の過去問です。
高校生がこの問題を解けなくても、落ち込む必要はありません。
ただ、上のような選択肢の分析で正解が選べるほど甘くはないということです。
考えるとは、そういうことではないのです。

考えるとは、知識を根拠としてものごとの筋道を立てていくこと。
AならばBであり、BならばCである。
原因と結果を明瞭にしていくこと。
ですから、根拠となる知識がない場合、考えようがないのです。

もう一度、最初の問題に戻りましょう。

問題 以下の空所に適切な語句を選べ。
He (  ) often go fishing on Sundays.
1. would   2. used to  3.had  4.has

この問題で、まず3と4は早めに選択肢から消去できます。
had にしろ has にしろ、完了形の文を作ろうとしているのだろうと推測できますが、それならば、後に続く動詞は過去分詞 gone になっているはずです。
go という原形が使われている以上、これは完了形ではありません。
また、「~しなければならなかった」という意味なのだとしたら、hadだけではダメで、had to としなければなりません。
3と4は、正解ではありません。

では、1と2と、どちらか正解か?
そもそも、1と2は、何なのか?
考えるためには、その知識が必要です。


考えようにも、根拠が見つからないという場合。
それは根拠となる知識がないからです。
知識がなければ、考えることができません。
短期記憶でパッと覚えてパッと消去してきた知識が、実は全部必要なものだったのです。

知識を蓄えましょう。
問題を解くときは、常に「根拠は?」「理由は?」と自問する習慣をつけましょう。
根拠は、自分の中の知識です。


助動詞。今回は、will の学習をします。
will というと、未来の助動詞。
will you ~?で相手の意志を尋ねたり依頼したりすることもある。
そこまではスラスラと出てくる高校生が多いのですが、それらは中学英語です。
高校で新しく学習した will があるはずなのですが、それを記憶に残さない人が多いのです。

もう何度も繰り返し書いていますが、高校生になっても中学英語からバージョンアップしない人は、自分が既に知っている基礎知識を確認すると安心し、それだけで大丈夫と思ってしまうようです。
しかし、高校の定期テストや大学入試に出るのは、高校で学習した will の用法です。
そこに力を入れて学習するのだという視点を持ちましょう。
will には他にいくつも意味があります。
「未来の意味だけ覚えておけば良くない?」
という感覚を捨ててください。

では、高校の定期テストでよく出題される will 、あるいはその過去形 would の用法とはどんなものでしょうか?

1つ目は、強い意志の will です。
主に否定形で用いられ、「どうしても~しようとしない」「どうしても~しようとしなかった」という強い否定の意志を表します。

He won't listen to my advice.
彼は、どうしても私の助言を聞こうとしない。
この will は、人以外の主語でも成立します。
The door wouldn't open.
そのドアは、どうしても開こうとしなかった。


2つ目は、「性質・傾向のwill」と呼ばれるものです。
Teenagers will not do as they told.
10代の子は、言われた通りにはしないものだ。
Gasoline will float on water.
ガソリンは水に浮くものだ。
このように、人やものごとの性質や傾向を表します。


3つ目は、習慣を表す will です。
現在の習慣でも用いますが、テストによく出るのは、過去の習慣です。

He would often go fishing on Sundays.
彼は、日曜日によく釣りに行ったものだった。

ただ、過去の習慣を表す助動詞は、この often の他に used to があります。

He used to go fishing on Sundays.
彼は、日曜日に釣りに行ったものだった。

両方とも同じ過去の習慣。
では、その使い分けは?

would の後ろは、動作動詞のみがきます。
語り手・書き手が個人的に過去を回想する場合に用いられ、現在もそうであるかないかを明言するものではありません。
また、他の would の用法と区別するため、often , sometimes などの頻度の副詞とともに用いられるのが普通です。

used to の後ろは、動作動詞・状態動詞の両方がきます。
現在はそうではないが、過去はそうだった場合にのみ用いられます。
そして、頻度の副詞とともに用いられることはありません。
「過去は常に~したものだった」という意味になります。

その視点で、もう一度問題を見直しましょう。

問題 以下の空所に適切な語句を埋めよ。
He (  ) often go fishing on Sundays.
1. would   2. used to  3.had  4.has

(  )の後ろに、often があります。
明らかに、正解は、1.would です。

根拠をもって考える。
根拠をもって四択問題を解くとは、このようにすることです。
文法問題を勘で解かず、間違えたら、正答の根拠を把握すること。
その問題を解くのに必要だった知識を確認すること。
答えを覚えるのではなく、根拠を覚えます。
間違えた問題には必ずチェックを入れて、時間をおいて解き直すこと。
その繰り返しで、力がついていきます。
頑張りましょう。








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    Posted by セギ at 14:25│Comments(0)英語
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