2019年04月19日
高校数A「整数の性質」不定方程式。項が3次式の場合。
「不定方程式」の学習も今回が最後です。
今回学習するのは、こんな問題です。
問題 方程式x3+y3-2x2y=1を満たす整数の組(x,y)をすべて求めよ。
これは3次式ですね。
これも、( )( )=整数 という形に整理できれば、解けそうです。
ですから、まず、( )( )でくくるという、因数分解のようなことをしましょう。
定数項は外にはみ出していいけれど、文字を含む項だけは必ず( )( )の中に収めることが目標です。
まずは、xについて降べきの順に整理してみましょうか。
共通因数でくくって、
x2(x-2y)+y3=1
うーん・・・。
これでは、この先が手詰まりとなりますね。
( )の中を共通因数にすることが、これではできません。
ふりだしに戻りましょう。
見た目から、何となくですが、(x-y)という共通因数がありそうな気がします。
どうしましょう?
強引に(x-y)となるようにくくってみましょうか。
x3-2x2y+y3=1
x2(x-y)-x2y+y3=1
真ん中の-2x2yという項を、-x2y-x2y と分けたイメージです。
そうすると、さらに後半の2項もくくれることに気づきます。
x2(x-y)-y(x2-y2)=1
x2(x-y)-y(x+y)(x-y)=1
(x-y){x2-y(x+y)}=1
(x-y)(x2-xy-y2)=1
できました!ヽ(^。^)ノ
これは、因数分解の問題としても発展的で難しいものです。
ある文字について降べきの順に整理していくのが因数分解の定石ですが、これはその定石では解けない種類の因数分解です。
こういう特別なやり方を何もないところから初めて発想するには、この1問を何日も考え続けることになるかもしれません。
何日も何日も考えて、それでも思いつかないかもしれません。
しかし、考え続けることで数学の力は伸びていきます。
ただ、それをするには、少なくとも定石通りの因数分解なら自在に解けるほどには練習を重ねている必要があります。
そうでないと、そもそも何をどう考えるかもわからないのは仕方のないことです。
あるいは、こういう難問にもパターンというものがありますので、それを覚えて、頭の中にストックしておくこと。
今回の問題でストックしておくべき知識は、1つにまとまっている項を2つに分けることで因数分解できる可能性がある、ということでした。
あるいは、この問題の見た目を何となくでも記憶しておくこと。
こんな問題を前にも解いた、何だか特別な解き方をしたなあという記憶をとどめておくこと。
そうすれば、類題を解くときにはスンナリと因数分解できるかもしれません。
長い時間考えて、今の自分には解けないと見切りがついたら、解答・解説を見て、そのテクニックをしっかり学びとり、2度と忘れないことが大切です。
別の機会に必ずこれを活用できるように覚えておきましょう。
さらに、これは数Ⅱで学習する内容になりますが、多項式÷多項式の筆算ができるのならば、x-y という共通因数があるのではないかと気が付いたら、強引に割ってみるのも1つのやり方です。
x2-xy-y2
x-y ) x3-2x2y +y3
x3-x2y
-x2y +y3
-x2y+xy2
-xy2+y3
-xy2+y3
0
割り切れました。
これで、
x3+y3-2x2y=(x-y)(x2-xy-y2)
であることがわかります。
かなりの力業ですが、どうしてもこの問題を解かねばならない場合、やってみる価値のあることだと思います。
何よりも、思考錯誤を重ねることを厭わないことが大切です。
小学生の頃の意識の延長なのだと思いますが、結論まで全て見えて、正しい解き方だと確信してから答案を書きたい、ノートを汚したくないという姿勢の人がいます。
それでは難問の解法を自力で見つけるのは難しいと思います。
ノートは、後で見直すためのノートと、問題を演習しては使い捨てていくノートと2種類あるのです。
問題を演習しては使い捨てていくノートは、振り返ることなどありませんから、途中まで解いてダメだと気が付いて大きくバツをつけてまた書き出すということがあっても、全く構わないのです。
意識を変えましょう。
さて話を戻して。
(x-y)(x2-xy-y2)=1
と、ここまで整理できたら、その後はどうしましょうか。
初めて見る応用問題になると、ここまででもかなり時間がかかっていますので、何のためにこれをやったのか、途中で目的を見失うことがあります。
今回は、何のためにこんなことをしたのでしたっけ?
xとyの整数値を出したかったからでした。
前回解いたような問題では、例えば、
(x-3)(y+2)=1となったら、(x-3,y+2)=(1,1),(-1,-1)
として、
(x,y)=(4,-1),(2,-3)と求めるのでした。
だったら今回は、
(x-y)(x2-xy-y2)=1
(x-y,x2-xy-y2)=(1,1),(-1,-1)とすれば良いでしょう。
x, y が整数ですから、x-y も、x2-xy-y2 も整数です。
その積が1となるのは、1×1の場合と、-1×(-1) の場合しかないでしょう。
この2通りのそれぞれを解けば良いです。
すなわち、
x-y=1・・・①
x2-xy-y2=1・・・②
という連立方程式と
x-y=-1・・・③
x2-xy-y2=-1・・・④
という連立方程式をそれぞれ解きます。
上のほうの連立方程式をまず解きます。
①より
x=y+1・・・①'
これを②に代入して、
(y+1)2-(y+1)y-y2=1
y2+2y+1-y2-y-y2=1
-y2+y=0
y2-y=0
y(y-1)=0
y=0,1
これを①'に代入して、
y=0のとき、x=1
y=-1のとき、x=0
同様に③、④を解いて、
y=-2のときx=-3
y=1のときx=0
したがって、最終解答は、
(x,y)=(1,0),(2,1),(-3,-2),(0,1)
となります。
今回学習するのは、こんな問題です。
問題 方程式x3+y3-2x2y=1を満たす整数の組(x,y)をすべて求めよ。
これは3次式ですね。
これも、( )( )=整数 という形に整理できれば、解けそうです。
ですから、まず、( )( )でくくるという、因数分解のようなことをしましょう。
定数項は外にはみ出していいけれど、文字を含む項だけは必ず( )( )の中に収めることが目標です。
まずは、xについて降べきの順に整理してみましょうか。
共通因数でくくって、
x2(x-2y)+y3=1
うーん・・・。
これでは、この先が手詰まりとなりますね。
( )の中を共通因数にすることが、これではできません。
ふりだしに戻りましょう。
見た目から、何となくですが、(x-y)という共通因数がありそうな気がします。
どうしましょう?
強引に(x-y)となるようにくくってみましょうか。
x3-2x2y+y3=1
x2(x-y)-x2y+y3=1
真ん中の-2x2yという項を、-x2y-x2y と分けたイメージです。
そうすると、さらに後半の2項もくくれることに気づきます。
x2(x-y)-y(x2-y2)=1
x2(x-y)-y(x+y)(x-y)=1
(x-y){x2-y(x+y)}=1
(x-y)(x2-xy-y2)=1
できました!ヽ(^。^)ノ
これは、因数分解の問題としても発展的で難しいものです。
ある文字について降べきの順に整理していくのが因数分解の定石ですが、これはその定石では解けない種類の因数分解です。
こういう特別なやり方を何もないところから初めて発想するには、この1問を何日も考え続けることになるかもしれません。
何日も何日も考えて、それでも思いつかないかもしれません。
しかし、考え続けることで数学の力は伸びていきます。
ただ、それをするには、少なくとも定石通りの因数分解なら自在に解けるほどには練習を重ねている必要があります。
そうでないと、そもそも何をどう考えるかもわからないのは仕方のないことです。
あるいは、こういう難問にもパターンというものがありますので、それを覚えて、頭の中にストックしておくこと。
今回の問題でストックしておくべき知識は、1つにまとまっている項を2つに分けることで因数分解できる可能性がある、ということでした。
あるいは、この問題の見た目を何となくでも記憶しておくこと。
こんな問題を前にも解いた、何だか特別な解き方をしたなあという記憶をとどめておくこと。
そうすれば、類題を解くときにはスンナリと因数分解できるかもしれません。
長い時間考えて、今の自分には解けないと見切りがついたら、解答・解説を見て、そのテクニックをしっかり学びとり、2度と忘れないことが大切です。
別の機会に必ずこれを活用できるように覚えておきましょう。
さらに、これは数Ⅱで学習する内容になりますが、多項式÷多項式の筆算ができるのならば、x-y という共通因数があるのではないかと気が付いたら、強引に割ってみるのも1つのやり方です。
x2-xy-y2
x-y ) x3-2x2y +y3
x3-x2y
-x2y +y3
-x2y+xy2
-xy2+y3
-xy2+y3
0
割り切れました。
これで、
x3+y3-2x2y=(x-y)(x2-xy-y2)
であることがわかります。
かなりの力業ですが、どうしてもこの問題を解かねばならない場合、やってみる価値のあることだと思います。
何よりも、思考錯誤を重ねることを厭わないことが大切です。
小学生の頃の意識の延長なのだと思いますが、結論まで全て見えて、正しい解き方だと確信してから答案を書きたい、ノートを汚したくないという姿勢の人がいます。
それでは難問の解法を自力で見つけるのは難しいと思います。
ノートは、後で見直すためのノートと、問題を演習しては使い捨てていくノートと2種類あるのです。
問題を演習しては使い捨てていくノートは、振り返ることなどありませんから、途中まで解いてダメだと気が付いて大きくバツをつけてまた書き出すということがあっても、全く構わないのです。
意識を変えましょう。
さて話を戻して。
(x-y)(x2-xy-y2)=1
と、ここまで整理できたら、その後はどうしましょうか。
初めて見る応用問題になると、ここまででもかなり時間がかかっていますので、何のためにこれをやったのか、途中で目的を見失うことがあります。
今回は、何のためにこんなことをしたのでしたっけ?
xとyの整数値を出したかったからでした。
前回解いたような問題では、例えば、
(x-3)(y+2)=1となったら、(x-3,y+2)=(1,1),(-1,-1)
として、
(x,y)=(4,-1),(2,-3)と求めるのでした。
だったら今回は、
(x-y)(x2-xy-y2)=1
(x-y,x2-xy-y2)=(1,1),(-1,-1)とすれば良いでしょう。
x, y が整数ですから、x-y も、x2-xy-y2 も整数です。
その積が1となるのは、1×1の場合と、-1×(-1) の場合しかないでしょう。
この2通りのそれぞれを解けば良いです。
すなわち、
x-y=1・・・①
x2-xy-y2=1・・・②
という連立方程式と
x-y=-1・・・③
x2-xy-y2=-1・・・④
という連立方程式をそれぞれ解きます。
上のほうの連立方程式をまず解きます。
①より
x=y+1・・・①'
これを②に代入して、
(y+1)2-(y+1)y-y2=1
y2+2y+1-y2-y-y2=1
-y2+y=0
y2-y=0
y(y-1)=0
y=0,1
これを①'に代入して、
y=0のとき、x=1
y=-1のとき、x=0
同様に③、④を解いて、
y=-2のときx=-3
y=1のときx=0
したがって、最終解答は、
(x,y)=(1,0),(2,1),(-3,-2),(0,1)
となります。
Posted by セギ at 11:24│Comments(0)
│算数・数学
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