たまりば

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2019年04月06日

数A「整数の性質」。不定方程式。文字が3種類で自然数の解を求める問題。


今回も「不定方程式」。こんな問題です。

問題 方程式 x+3y+5z=23 を満たす自然数の組(x,y,z)をすべて求めよ。

方程式は1本。文字は3つ。
こんな問題、解は無数にあるのでは?
でも、全部たし算ですし、「自然数」という条件があるので、解は限定されます。
「自然数」というのは、1,2,3,4,・・・・という、正の整数です。
どの文字も負の数になってはいけないということです。
合計23の中で、1つの文字の取り分が増えていけば、他の文字の取り分が減るので、これは限りがあるとわかります。

さて、こういう問題は、係数の大きい文字の範囲をまず計算します。
この問題では、zの係数が5と一番大きいので、zの範囲を決めます。
23からの取り分が大きくなる文字から決定したほうが、その後の計算が楽だからです。
x+3y+5z=23
移項して、
5z=23-x-3y
ここで、x、yは自然数なので、x≧1、y≧1。
x=1、y=1を代入して、
5z≦23-1-3・1
5z≦19
z≦19/5
zは自然数だから、
z=1,2,3

ここで一番難しいのは、5z≦23-1-3・1 でしょうか。
予想していた向きとは不等号の向きが逆で、「え?え?」となってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
合計は常に23です。
その中で、xとyの最小値1を代入しました。
その場合、5zの取り分は最大となります。
だから、実際の5zはその最大値以下となります。

さて、ここから場合分けして考えていきます。

[1] z=1のとき
x+3y+5z=23 に代入して、
x+3y+5・1=23
x+3y=18
よって、
(x,y)=(3,5),(6,4),(9,3),(12,2),(15,1)

[2] z=2のとき
x+3y+5・2=23
x+3y=13
よって、
(x,y)=(1,4),(4,3),(7,2),(10,1)

[3]z=3のとき
x+3y+5・3=23
x+3y=8
よって、
(x,y)=(2,2),(5,1)

これらは、x=1の場合から1つ1つ代入して計算しても勿論求められるのですが、時間がかかります。
もう少し早く合理的に求めたいです。
例えば、x+3y=18 の場合、
x=0ならば、3y=18なので、y=6です。
しかし、xは自然数なので、x=0は解ではありません。
そこからyが1減って、y=5になると、3y=15です。
全体の18から3減ることになります。
それがxの取り分となりますから、x=3、y=5が最初の解の組だとわかります。
あとは同じように変化していきます。
つまり、全体としては常に3だけyからxへとやりとりがあります。
だから、xは3ずつ増え、yは1ずつ減ります。
(3,5)が見つかった後は、xは3ずつ増やし、yは1ずつ減らして、yが0や負の数になる前に止めれば良いのです。

こういうやりとりの問題は、中学受験の受験算数でも出題されます。
しかし、小学生でも、そして高校生でも、このやりとりがよくわからないという場合があります。
わからないから、1から全部代入して求めたい。
よく考えればわかるかもしれないけれど、煩わしいので、普通に計算したい。
とりあえず解き方の理解に集中したい。
やりとりの話は全体が見えてからゆっくり考えたい・・・。

じっくり考えれば何も難しいことではないので、そういう人も大丈夫だと思いますが、これがわからないままとなると、テストでこの問題を解くのに時間がかかり、時間切れの恐れが出てきます。
これは理解してほしいところです。

例えば、 2x+3y=24 (x、yは自然数) を解くときに、xが0ならば、yは8です。
これは暗算ですぐ出てきます。
ここからxを増やしていきますが、yの項からもらえるものは必ず3の倍数です。
しかし、2xは2の倍数です。
だから、余りが出ないようにするには、2と3の最小公倍数の6ずつやりとりをすることになります。
すなわち、xは3ずつ増え、yは2ずつ減ります。
だから、
(x,y)=(3,6),(6,4),(9,2)
どうでしょうか?
このことは、理解できる子には何でもないことなのですが、「わかりにくい」と感じる子にとっては、いくら説明を聞いてもわからない、何を言っているのかさっぱりわからない、日本語で説明されているとは思えないくらいわからない、ということのようなのです。

表現が難しいですが、「数字と友達になっていない」ということなのかもしれません。
サッカー選手にとって「ボールは友達」で自在に操れるものであるように、数字を自在に操れると、色々なことが楽になります。

こういうことだけに限りません。
例えば、「関数」の学習をしているとき。
座標平面上の点の移動を上手く読み取れない子がいます。
A(1,-5)からB(-3,-2)への移動は、x軸方向に-4、y軸方向に3だけ移動したもの。
これは、見ただけでわかることなのですが、中学生・高校生の中に、この移動が読み取れない子がいます。
「どういう式ですか?」
と質問されたりします。
・・・式?
あえて言えば、「移動後の座標-移動前の座標」で、
-3-1=-4
-2-(-5)=3
ということですが、そんなややこしい式をいちいち立てていたら、かえって符号ミスをしそうです。
1から-3への移動が-4の移動であることを、見ただけで読み取るというのは、ではどのように判断しているかというと。
頭の中で、まず符号を決定しています。
小さい数のほうに移動しているので、これはマイナスの移動です。
移動の絶対値は、まず、1から0までで1。
0から-3までで3。
だから合計4。
したがって、-4の移動です。
-5から-2への移動。
これは、大きい数に移動していますので、ブラスの移動です。
移動の絶対値は5-2で3。
だから、+3の移動。
見ただけで判断するというのは、分析すれば、こういうことをほぼ直感的にやっていることです。

「なぜたし算だったりひき算だったりするの?」
そう訊かれれば、
「同符号のときはひき算で、異符号のときは足し算です」
と答えるのですが、ピンとこないようです。
「わかんない、わかんない、わかんないー!」
「・・・・・」
これは私が悪いのです。
わからないなら、式を立てて計算すればいいんですよ。
こういう会話の後で、そのように話すこともあります。

高校生でこの状態の子は、中1で最初に学ぶ「正負の数」の計算を実感をもって理解できず、やり方を丸暗記したのだろうと思います。
数直線上の数値の移動が飲み込めなかったのでしょう。
だから、数直線を見た瞬間に「ああ、これ嫌い」と言ったりします。
数直線でイメージしていないので、正負の数の計算はルールを暗記しているだけです。
だから、久しぶりに「正負の数」を復習すると、誤答が目立ちます。
「あれ?負の数+負の数って、正の数になるんじゃね?」
「・・・なぜ、そう思うの?」
「あれ?違った?」
「・・・負の数×負の数と混ざっていない?」
「あ、そうかそうか」
本人は気楽そうですが、負の数+負の数は、実感として正の数になるわけがないのに、なぜそこに違和感を抱かないのかと思うとき、私は足元に暗い深淵が覗いているように感じます。
そういう子にとって、数字は友達ではありません。
数字なんて、扱いにくくて厄介な存在なのだと思うのです。
どうすれば、数字が友達になるかなあ。

かなり話がそれました。
まだ最終解答をまとめていませんでした。
答えは、(x,y,z)の値の組で答えますから、
(x,y,z)=(3,5,1),(6,4,1),(9,3,1),(12,2,1),(15,1,1),(1,4,2),(4,3,2),(7,2,2),(10,1,2),(2,2,3),(5,1,3)
これが最終解答です。




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