たまりば

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2019年01月11日

中3英語 間接疑問文

中3英語 間接疑問文

中3で学習する単元の最後は「間接疑問文」です。
どういうものかというと、例えば、

I don't know where she lives.
彼女がどこに住んでいるか、私は知らない。

疑問内容は「彼女がどこに住んでいるのか」なのですが、それを直接尋ねている疑問文ではなく、その疑問内容を私は知らない、と言っているのです。
つまり、疑問内容は、間接的なものになっていて、文全体としては疑問文ではなかったりします。
こういうものが間接疑問文です。
主節の中の適切な位置にこの疑問内容を入れれば良いので、構造を見抜けるようになれば、簡単ですね。
あとは、間接疑問の語順。
普通の疑問文とは異なり、「疑問詞+主語+動詞」という語順となります。
疑問詞の後ろは、肯定文の語順です。

「これは誰の車かしら」という文を作るのでしたら、
~かしら、というのは英語では、I wonder ~ですから、
I wonder whose car this is.
となります。

余談ですが、wonder という動詞の直訳は、「不思議に思う」ですが、そのまま直訳すると、
「私は、これが誰の車であるかを不思議に思う」
となり、最近では自動翻訳機ですらこんな訳はしないだろうという不自然な訳になってしまうので、「~かしら」というこなれた訳が推奨されています。
しかし、これもまた高校生あたりには不評です。
男性の英語の先生が「~かしら」と訳すのでむずむずすると言うのです。
可愛くていいじゃないのと私は思いますが。

不思議な日本語訳というので言えば、関係代名詞 what を含む文で、私の高校のリーダーの先生は、例えば、
I didn't understnd what he would say.
という文を訳すとき、
「私は、彼が言わんとするところのものを理解できなかった」
と訳したので、高一の最初のうちは、
「『ところのもの』って何だ?」
「俺に訊くな」
と教室が静かにざわついたのを覚えています。
英語を訳すときだけに表れる古風な日本語。
最近は、そういうものは減ってきましたね。


間接疑問文に話を戻しましょう。
主節も疑問文の間接疑問文というのもあります。
Do you know what I have in my hand?
「私が手に何を持っているかわかりますか」

間接疑問文の語順は、「疑問詞+主語+動詞」の語順。
主節は、普通の疑問文の語順。
きちんと区別すれば、問題なさそうです。

普通の中3でしたら、間接疑問文の学習はここまでで十分ですが、私立を受験するなど、もう少し進んだ学習が必要な人に、少し発展的な説明を。
「私が手に何を持っているかわかりますか」
は、上の英文で良かったですが、では、
「私が手に何を持っていると思いますか」
という疑問文はどうなるでしょう?
思うという動詞は、think です。
では、
Do you think what I have in my hand?
で、良いでしょうか?

・・・いいえ。この英文は間違っています。
正しい英文は、
What do you think I have in my hand?
なのです。

・・・え?
何、その語順?
間接疑問文の間に主節がめりこんでいるような、変な語順になっている・・・。

これは、know と think という動詞の性質の違いによるものなのです。
「私が手にを何を持っているかわかりますか」と問われた場合、返事は、「はい」か「いいえ」です。
わかるか、わからないかを訊かれたのですから。
しかし、「私が手に何を持っていると思いますか」と問われて、「はい」と答えたら、変です。
具体的に、何を持っていると思うかを答える必要があります。
コインとか、鍵とか。

「はい」「いいえ」で答える種類の疑問文を、Yes-No 疑問文と呼びます。
「はい」「いいえ」では答えられない疑問文を特殊疑問文と呼びます。
特殊疑問文は、疑問詞で始まるのが特徴です。
この呼び名は初耳でも、英語の疑問文を最初に学習したときから、これはこの通りでしたね。

もう一度言います。
「はい」「いいえ」で答えられない疑問文は、疑問詞で始まるのが特徴です。
何としても、疑問詞で始めないといけないのです。
それがルールです。

Do you think what I have in my hand?
では、ダメです。
疑問詞で始めないと。
疑問詞?
ああ、間接疑問の先頭にありますね。
これを文の先頭に持ってきましょう。
What do you think I have in my hand?
これで、正しい英文になりました。ヽ(^。^)ノ

英語は、このように明解なルールで骨組みが作られています。
ルールを理解し、それに従うだけで、正しい語順で単語を並べていくことができす。
「そのルールがうざい」と言わないで。
そのルールがあるから、ネイティブでなくても学習しやすい言語なのです。

疑問詞が先頭にくるかどうかは、動詞の性質によります。
know ならば、「はい」「いいえ」で答えられました。
think という動詞だったから、「はい」「いいえ」では答えられず、疑問詞で始める疑問文になったのです。
think のような性質の動詞は、他にもあります。
believe(信じる) consider(~と考える) fear(恐れる) hope(望む) suppose(思う) conclude(結論を下す) expect(期待する) guess(思う) imagine(想像する)  などです。
大体、心に思う意味合いの動詞がそうなる可能性が高いのだと、把握できます。
こうした動詞が主節に用いられている疑問文は、疑問詞で始めれば良いのですね。

ここまで学習が進むと、勘の良い人は、「あれ?」と思うかもしれません。
疑問文には、Yes-No 疑問文と、疑問詞で始まる疑問文があるのは、よくわかった。
だとしたら、間接疑問が疑問詞で始まらないもの、つまりYes-No 疑問文だったら、どうするの?

いい質問ですね。ヽ(^。^)ノ
これも中学では学習しない内容ですが、高校の英語表現で学習することになります。
「その博物館が火曜日に開いているかどうか、教えてください」
これを英語にするには、どうするのでしょう?

主節は、Please tell me ~. でしょう。
問題は、疑問内容が、「その博物館が火曜日に開いているかどうか」だということ。
疑問詞が使えそうにありません。
これは、もともとの疑問文は、
Is the museum open on Tuesday?
です。
Yes か No で答えるタイプの疑問文ですから、やはり疑問詞は使いません。

これは、if または whether という接続詞でつなぐことで間接疑問文を作ることができます。
この if または whether には、「~かどうか」という意味があるのです。

Please tell me if the museum is open on Tuesday.
「その博物館が火曜日に開いているかどうか、教えてください」

これで正しい英文になりました。ヽ(^。^)ノ

if はまだいいけど、 whether って何?
見たことないし、スペルも何かちょっと難しいから、覚えない。
全部 if で済ますことにする。
・・・なんて言わないでください。
この2つ、どちらを使っても良い場合も多いですが、細かいところで使い分けがありますから。
その使い分けは大学入試で扱うことなので、ここでは説明しませんが、学習した最初に、とにかく両方あるし使い分けもあるらしいと知っておき、両方使えるようにしておくと良いです。

「2つあるなら片方しか覚えない」撲滅運動を私は展開したい。
till と until と2つあるなら、片方 しか覚えない。
though と although と2つあるなら、片方しか覚えない。
それで済むと思っていたのに、覚えていない片方が長文読解問題に出て、その度につっかえている中3や高校生を知っています。
自分が覚えたほうしか他人も使わないとは限りません。
自らボキャブラリーを痩せさせる愚は避けたいところです。

無駄に思えることこそが、言語の豊かさです。
ヽ(^。^)ノ




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