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2018年10月29日

奈良倉山・鶴寝山・大マテイ山を縦走しました。2018年10月。

奈良倉山・鶴寝山・大マテイ山を縦走しました。2018年10月。

2018年10月28日(日)、2年ぶりに大マテイ山を歩きました。
三鷹発7:22、高尾で中央線に乗り換えて、上野原8:26。
バス停は北口。
階段を下りていって、驚きました。
上野原駅はすっかりきれいに改築され、駅前には整備されたロータリーが広がっています。
うわあ、浦島太郎の気分。
元来た家も村もなく。
でも、ロータリーのところに、小菅村の職員の方が立っていて、
「三頭山に登る人いる?じゃあ、これ持っていってね」
と、略地図のコピーを渡している光景は2年前と同じでした。
今回も、小菅の湯の割引券をいただきました。

松姫峠行き。8:32。
松姫峠までいくバスはこの1本しかありません。
「松姫行き1日1本」と、懐かしのNHK人形劇『ネコジャラ市の11人』の主題歌を心の中で口ずさみながらバスは出発。
まだ紅葉の季節には少し早いので、バスはそんなに混雑せず、空席もありました。
1時間ほどののんびりとしたバス旅です。
バスは市街地を抜け、山へと入っていきました。
ヘアピンカーブが続きます。
あれ?
山の上のほうは、紅葉が始まっています。
標高が高くなるにつれ、道路脇のカエデも、半分紅葉している木が現れました。
わあ、これは、予想外。
人が少ない中で紅葉を堪能できそうです。

鶴峠。9:40。
下りた人は10人ほどでした。
しかし、皆、道路の反対側、三頭山登山口のほうに向かっていきます。
奈良倉山のほうが人気があると思ったのに、私1人でした。
バス停のすぐ前が奈良倉山登山口です。
縦書きの渋い登山口の表示があります。
よく整備された坂道を登っていきました。

子ども向けの自然教育の掲示が立っています。
しかし、その掲示板にはナタのようなものでえぐられた傷が。
「これ何だ?」
と矢印でその傷を示す掲示があり、
「正解 ツキノワグマがやったものです」
おいおいおい・・・・。
熊鈴を良く鳴るようにザックに付け替えました。

舗装されていない林道とそれをショートカットする登山道。
坂道が続きますが、それほどの急登はありません。
やがて道は林の中に入りました。
薄日の中も登山道は紅葉で明るい。
秋の林の中を軽く彷徨う気分で歩いていきます。
紅葉を熱心に撮影している登山者が時おり前方に現われ、道を譲っていただきながら、林の奥へ奥へと進んでいきました。
坂道をジクザグに登り、林の向こうに空が見えて、奈良倉山山頂。10:45。
広い山頂にはいくつものパーティが休んでいました。
少し下がったところは伐採されていて、展望地になっています。
ベンチに座って、煮炊きを始めている人も。
ここは富士山の展望地だそうです。
予報ほど晴れず、富士山は見えませんでした。

さて、今日は行程が長いので、ひと息ついてすぐに出発。
松姫峠に向かいます。
緩やかに下っていくと、紅葉の林。
上の写真がそれです。
光が足りず、目に見えているほどの鮮やかな写真にならないのが、残念。
足許には黄色い落ち葉。
時おり混ざる赤い葉が鮮やかな明るい秋の山道です。

道は舗装されていない林道に出ました。
林道をゆるくくだっていくと、分岐。
どちらも松姫峠に行きます。
右は少し遠回りの、登山道。
林道を選びました。
後半、登山道と並走していく道となり、松姫峠。11:25。
ここは朝乗ってきたバスの終点。
バスはまだ駐車場に停まっていました。
13:15に、1日1本の上野原行きとして出発するのでしょう。

ペーパーも整備されたバイオトイレに入って、さてここからは2年前にも歩いた道です。
やはり縦書きの渋い「牛ノ寝 大菩薩峠登山口」と書かれた道しるべを見て、枯葉の積もるゆるい坂道を登っていきました。
道はニリンソウの群生地を通るコースを右に分け、やがて急坂となって、鶴寝山山頂。11:50。
ベンチが2つある、こじんまりとした山頂でした。
雁ヶ原摺山の稜線が見えます。
晴れた日は、その向こうに富士山が見えるそうです。

さて、ここからいったん尾根を下ります。
緩く下っていくと、分岐。
道しるべが立っています。
「巨樹のみち」と「日向みち」。
どちらも大マテイ山へと通じています。
今回も2年前と同じ巨樹のみちを選びました。
2年前は紅葉の終わり頃に訪れたのですが、そのときと同じくらい道には枯葉が積もっています。
踏む人が少ないのか、道は一部不明瞭でした。
よく目を凝らし、足元を確かめながら下っていくと、休んでいる人が。
「あ、そっちの道、壊れているよ」
と声をかけられました。
「壊れている?」
「倒木でね、道がなくなっちゃっているんだよ。ほら、こっちから歩けるから」
「え?」
「向こうに、大きな木が見えるでしょう。あれに向かって歩いていくと、元の道と合流できるから」
踏み跡はなく、ここが道だと全くわからない状態でした。
礼を言って進んでいくと、確かに、大きな木の先からは踏み跡があり、ゆるく登っていくのでした。
さらに行くと、分岐。
「山沢入りのヌタ」と呼ばれるところです。
2年前は、間違えて尾根よりはるかに下がった崖っぷちの道を歩いてしまいました。
ここで道は3つに別れ、右に下っていく道は「栃の巨木コース」。
小菅の湯への近道ですが、危険個所があるらしいです。
左に登っていく道は、前回選んでしまった、尾根道と見せかけて大マテイ山を巻いてしまう崖っぷちのまき道でしょう。
よく確認し、真ん中の尾根道を選択。

ガイドブックによれば、尾根道はさらに南面ルートと北面ルートに分かれて、両方とも大マテイ山山頂に向かうそうなのですが、歩きだした尾根道は、自然に北面コースにつながっていきました。
枯葉は積もっていますが、踏み跡は比較的明瞭です。
尾根から一段下がったまき道でしたが、斜面が緩いため道は細いもののそれほど怖くはありません。
見上げる尾根は、ところどころ倒木が折り重なっているのが見えました。
少し前の台風の被害でしょう。
この季節にしては枯葉が多いのも、台風の影響なのだと思います。

踏み跡をずっとたどっているのですが、尾根に登る道は見つかりませんでした。
そのうち道が下り始め、あれ?と思うと、道しるべ。
ああ、やはり、大マテイ山を巻いてしまったようです。
道しるべに従い、そこから登り返すことができ、5分ほどで山頂へ。12:40。

大マテイ山の名は、一説に「大迷い」から転化したものと言われるほどですから、このくらいの迷い方で山頂を踏めれば、まあ助かったと思います。
前回は、山の南の崖っぷち道から随分な急登を登り返してやっと山頂にたどりつきました。
今日、山頂の道しるべを見ると、その方向を示す「大ダワ」にはテープでバツ印がつけられていました。
通行不能のようです。
それも台風の影響でしょうか。
尾根道を示す道しるべにもバツ印がついていました。
今は、尾根を歩けないんだなあ。
折れ重なった倒木を片付けないと無理ですよね。

ベンチに座って昼食休憩。
ここはもともと眺望はそんなにない山ですが、樹木の様子がしみじみと良い風情です。
今日はアルファ米のドライカレーを朝、家で水を入れて持ってきました。
ピリッと辛く、疲れていても食べやすいです。
ポットに詰めて来た、食後のコーヒー。
ようやく温かいものを山で飲む気候になりました。

さて、下山。
先程の道を戻り、道しるべに従って細いまき道を進みます。
2年前の道の記憶とまるで違っているので、道しるべだけが頼りです。
大マテイ山をずっと巻いていき、北の崖っぷち道と合流すると、すぐに大ダワ。13:05。
棚倉小屋跡とも呼ばれる小広い平地です。
良かった。見覚えのあるところに出ました。

ここから、大きく右に折れて、また崖っぷちの道が始まりました。
ここは、切れ落ちている崖っぷち道で、今までよりも高度感があります。
でも、この春に歩いた檜原都民の森から月夜見山への道や、水根沢林道と比べたら、何てことないさ。
道幅があるということは、こんなにもありがたいこと。

とはいえ、たまに道は細くなり、下り坂になり、途中に桟道もありました。
そういうところは用心してそろそろと通過。
もう1つ桟道を越え、やがて道は大きく右に旋回して下り始めました。
歩きやすくなり、もう怖くないかなと思うと、再び崖っぷちの道。
しかも、倒木で道が壊されている箇所がありました。
道の外側半分は倒木とともに一段下がってグチャグチャになっています。
うわあ。ここに足を置くのは危険では?
木の根が横に張っていたので、それを支えに、残っている登山道に足を置いて何とか通過。

どんどん下って、モロクボ平。13:50。
道しるべに従い、田元・小菅の湯方面へ。
広く平らな尾根に枯葉が積もり、道を見失いかけましたが、赤テープに救われました。
ここからはジグザグに斜面を降りていきます。
植林帯に入ると、倒木が目立つようになってきました。
伐採された木が斜面を滑り落ちて登山道を塞いでしまったようです。
1本なら軽くまたいで通過できますが、4本まとめて登山道を塞いでいる箇所もあり、一瞬通行止めの可能性を疑いました。
しかし、やろうと思えばまたげるものですね。
ここをまたがないと下山できないのですから、もう必死です。

九十九折りの道をどんどん下っていくと、自動車の音や沢音が近づいて来ました。
作業小屋の屋根の横を通過し、登山道はようやく平らに。
小さい道しるべに沿って左に曲がり、コンクリートの小さな橋を渡ると、舗装道路に出ました。
そこから、道は再び未舗装の道を通ったりもしますが、もう基本は歩きやすい道。
ただ、登り坂なのがちょっときついです。
最後の最後に急な登り。
息が切れる頃、小菅の湯の建物が見えてきました。14:40。

入口左手が下駄箱。
下駄箱の鍵を受付に渡し、入浴料を払って脱衣所のロッカーの鍵をもらいます。
脱衣所までの廊下が長い。
曲がり角の右側にザック置き場があったのですが、それは帰り道に気づき、ザックを持ってそのまま脱衣所に入ってしまいました。
ロッカーには、ザックは入りきらなかったので、貴重品はロッカーに入れ、それ以外はザックごと脱衣所の隅に置かせてもらいました。

洗い場は、空いていました。
お湯は、内湯は普通の湯。ジェットバス。寝湯。打たせ湯。
外は普通の露天、ハーブ湯。
お湯はトロトロのアルカリ泉です。
お風呂上がり、玄関の下駄箱と反対側に酒類の自販機。
麦とホップ350mL、250円。
靴を履いて外に出ると、玄関のすぐ左手にバス停があります。
バス停の横にザックを置き、ベンチに座って発泡酒を飲みました。
ほどよく冷たい風に、風呂上がりの汗がすっと引いていきます。
至福のひと時。
出発5分前、バスが入ってきました。
15:25、定刻に発車。
ここから1時間20分の長い長いバス旅です。
一番前の1人がけ席に座りました。

今朝下りた鶴峠バス停。
往路も復路もバス停は共通なので、1人が道路まで出て、手を振ってバスを止めていました。
8人ほどがここで乗車。
運転手さんが無線でやりとりしています。
反対方向からやってくる、次のバスの運転手さんと交信している様子です。
細い道だから、どこですれ違うのか、打ち合わせが必要なんだろうな。
しかし、それだけでなく、反対方向からの運転手さんは、どこのバス停で乗客がどれだけ待っているという情報を伝えてくるのでした。
「乗れば乗れるけれど」
と、こちらの運転手さんの反応。
「こちらから連絡しておきます」
と、向こうの運転者さんの応答。
郷原というバス停に、10人ほど待っていました。
笹尾根から降りてきた人たちでしょう。
バスの席は埋まり、立っている人も目立つようになりました。
そのまましばらく行くと、増発バスが待機していました。
立っている人たちは、そのバスに移動していきました。
乗れば乗れるけれど、バスを増発してくれたんですね。
サービスいいなあ。

上野原駅。16:47。
朝のロータリーにバスは到着。
そこからの階段の登りの多さが、歩き疲れた身体に応えました。
ここは土合駅かと言いたいほど。
高尾行きの電車はすぐにやってきました。
行楽客で、本日も帰りの電車は満員でした。



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