たまりば

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2018年10月17日

雨に似ている?雨が好きです?



It looks like rain.

「雨に似ている」と訳してしまう子は、文法的な把握はできています。
少し誘導すれば、正解に達することができます。
「うん。雨に似ている、雨のように見える。というのは、つまり、どういうことかな」
「あ。雨が降りそうだ、だ」
「そう。正解」
英語の表現の仕方って、即物的というか、そのまんまだよね、わかりやすいよねー、と話も弾みます。

ところが、わからない子は、ヒントを出しても、わからない。
いえ、私の誘導が悪いのでしょう。
「雨に似ている、というのは、つまり、どういうことかな?」
「・・・・雪?」
「いや、雪ではなく」
「みぞれ?」
「いや、そういうことではなく」
「わかった、あられ?」
うーむ。

でも、もっと深刻なのは、下のような誤訳。
「私は、雨が好きです」
It と I を見間違えています。
把握できない look は、無視しています。
英文を読む姿勢が雑で、目についた単語をちょいちょいと拾っているだけです。
文法なんかわからなくても、英語はニュアンスで何とかなる。
単語さえわかれば、何とかなる。
そんなふうに思っていて、限界が来ている姿です。

like には、動詞の like と、前置詞の like があります。
その2つは見た目はそっくりですから、文の中の位置や働きで識別しなくてはなりません。
すなわち、文法的な把握が必要です。

そういう事実を示すと、英語に対して怒り出す子が、かつていました。
「何だよ、面倒くせえ。だから英語なんか嫌いなんだよ」

他人の子どものこととして聞くと、ダメな子だなあという感想が湧くかもしれません。
しかし、口に出さないだけで、英語が苦手な子は、多かれ少なかれこういうことを内心で思っているのかもしれません。
口に出しても出さなくても、ダメな考え方であることに変わりはありません。

英語に限らず、学習に対する姿勢が雑な子は、そうした雑な姿勢でも小学校の頃は大丈夫だったのではないかと思います。
斜め読みでも、拾い読みでも、正解を出すことができたのだと思うのです。

学年が上がるにつれて、学習内容は複雑になり、緻密な読み取りが要求されます。
今までのような雑な姿勢は通用しなくなります。
子どもは子どもの全人生で雑なやり方を今まで通してきたのですから、変えることには抵抗があります。
今までのやり方で雑にやっていきたいのです。
自分のスタイルを変えたくない。
その抵抗感が、
「何だよ面倒くせえ。だから英語なんか嫌いなんだよ」
という怒りに表れているのかもしれません。

自分のスタイルを変えてでも得るものがあるかどうか。
あるいは、そういう判断ができるほどにその子の心が成長しているかどうか。
面倒くせえけど、でも、この面倒くせえことをやると、ああなってこうなって、こういう可能性が広がって、だから、この面倒くせえことはやる価値がある。

実利の面からそのようにやり方を変えるのは、受験期の子どもに起こり得ることです。
特に中3の受験生で秋以降に急激に学力をつけていく子は、こういう子が多いです。

しかし、そうならない子もいます。
面倒なことを丁寧にやる努力なんかしたくない。
努力しなくてもできるのがカッコいい。
本気なんか出したくない。
そう思っているかのように、受験が近くなっても努力できない子もいます。

・・・・努力してもできるようにはならないかもしれない、という内心の不安も原因の1つかもしれません。
努力しないでいる間の自分の可能性は無限です。
しかし、本気で努力しても結果が出ない場合、自分の可能性はそこまでだと思い知ることになります。

同じように受験に失敗するのだとしても、
「あまり勉強しなかったから、まあ仕方ない」
と言い訳できるほうがいい。
全力で頑張ったのに不合格だったら、自分の能力を思い知ることになる。
そのとき、自分がどれだけ傷つくだろうと考えたら、怖くて努力できない。
努力すれば合格していたんだ、自分は本当は素質があるんだ、とずっと思っていられるほうがいい。

努力しても結果につながらないと知るのが怖いから、努力できない。
そういう気持ちになっている子は、そう簡単には努力できるようにならないと思います。

努力しなかった場合は、結果はダメでも、
「まあまあまあ。まあこんなもんでしょう」
とごまかすことが可能です。

努力してダメだった場合、それとは次元の違う傷つき方をするのは事実です。
でも、傷は時間が解決しますし、その後、また頑張れるのですが、努力したことのない子は、それを知りません。

努力しなかった場合、逃げ癖がつきますから、その先もずっと努力せず言い訳だけしていくかもしれません。
傷は表面化しないが、確実に内攻していきます。
努力して傷ついた場合よりも、長い時間をかけて深く深く、傷は心の内をえぐっていきます。
いくら何でも30歳を過ぎてまで「自分は本気出してないだけ。本気でやればできるんだ」と思っていられるほど、人は愚かではありませんから。
努力できない自分、大事なところで努力できなかった自分を呪う気持ちのほうが年月とともに強くなっていくかもしれません。

子どもを褒めるときは、その子の素質を褒めるのではなく、努力していることを褒めなさい。
近年、そう言われることが多いのは、努力と結果と素質が上のようにグチャグチャに絡んで努力できなくなってしまうことを避けるためもあるのでしょう。
素質はあるのに努力できない子は多いですから。
それは、勉強に限らず、あらゆる分野で。
努力を、結果や素質と切り離し、とにかく努力していることを褒める。
努力していることに褒賞がある状態にする。
努力が喜びと繋がるようにする。
そういう教育論は納得できます。

本来、勉強は、結果が得られるからするというものではありません。
勉強すること自体が喜びです。
難しいことを理解する喜び。
理解できる自分を知る喜び。
努力する喜び。
それを知っている子は、目先の試験の結果などを越えて、もう大丈夫だと思うのです。
幸福な人生は、必ずしも成功と結びついているわけではない。
そういうことも、過程を重視できるようになれば実感できるようになると思います。



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