たまりば

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2018年06月22日

道順と確率。これは難問です。


問題 上の図の地点Aを出発した人が最短の道順を通って地点Bへ向かう。このとき、途中で地点Pを通る確率を求めよ。

なあんだ。ヽ(^。^)ノ
道順の問題なんて、簡単、簡単。
まず、全体の場合の数を求めましょう。
Aから、縦方向の動きを3回、横方向の動きを4回行えば、Bに到達します。
これは、縦・縦・縦・横・横・横・横の順列ということ。
すなわち、同じものを含む順列なので、公式を利用して、
7!/3!4!=35
そのうち、P地点を通る場合の数は、AからPまで到達すれば、あとの道順は横横の1通りしかないから、AからPまで、縦・縦・縦・横・横の順列ということ。
5!/3!2!=10
よって、確率は、10/35=2/7
できたー。ヽ(^。^)ノ

しかし、これは、間違いなのです。
ええっ?ですよね。
(*_*)

道順の場合の数の問題や、同じものを含む順列などをしっかり勉強している人ほど、この間違いに至る可能性があります。
恐ろしい。

この問題、道順によって確率が異なるのです。

え?どういうこと?
1つ1つの道順は、全て根元事象でしょう?
それぞれ、1/35の確率でしょう?
・・・・まず、その固定観念を打破するために、これとは少し違う問題を考えてみましょう。
上と同じ図で、別の問題を考えてみます。

問題 コインを投げて、表が出たら縦に1区画、裏が出たら横に1区画進むとする。Aから出発し、7回コインを投げてBに到達する確率を求めよ。

縦縦縦縦横横横なのだから、7回で全部Bに到達するのかな?
・・・・いや、違いますね。
例えば、表・表・表と立て続けに縦縦縦と3回動いてしまったら、地点Cに到達してしまいます。
すると、その後、もう一度表が出た場合に、動けないのです。
4回目の表が出てしまったら、7回のコイントスではBに到達できなくなります。
コインの表と裏の確率は1/2。
そこは平等なのに、7回で到達できる道順と到達できない道順があります。
・・・・つまり、この道順は、確率的に平等ではないのです。
確率的に平等とは、無機質に動いていくことが可能で、初めて平等です。
この先はその進路しか進めない、この先は一択しかない道順があるのでは平等ではありません。
Bに到達するために、実は判断し、調整しながら進むことになります。
もう縦に進めない。だから横に進む。
それは1つの判断です。
それでは確率的に平等ではありません。
そういうことだ。
(''_'')

それでもわかりにくければ、こんな説明はどうでしょう?
上の図は実際の道で、P地点には毒ヘビがいるとします。
P地点には行きたくない。
P地点は避けたい。
そういう気持ちでA地点を歩きだしたとき、C地点に行くでしょうか?
C地点まで行けば、避けようもなくP地点を通らなければなりません。
Cに行くということは、毒ヘビに遭遇する確率が上がります。
毒ヘビに遭遇する確率が低くなるよう、まず横へ横へと移動しないでしょうか?
毒ヘビに遭遇する確率とは、P地点を通る確率のことです。
どの道を通れば、毒ヘビに遭遇する確率が高いかは、すなわち、どの道を通ればP地点を通るかということ。
私たちは、実は実感として、どの道がP地点を通ることになるか、その確率をわかっているのではないでしょうか。
とりあえず、確率は等しくないことだけでも。

確率は等しくない。
平等ではないことがわかったので、最初の問題に戻りましょう。
どうすれば、平等ではない道順の確率を求めていくことができるのか。
どこから進路が一択になるか、そこを場合分けし、それぞれの確率を求めていけば良いでしょう。




上の図に新たに記号を加えたのがこの図です。
C、Dに至った場合、もうその先は横一択です。
だから、Cを通る場合、Dを通る場合、どちらも通らずにPに行く場合と、3つに分けることができます。
ここで、さらによく考えると、Cを通る場合も必ずDを通ります。
そこを二重に計算してしまわないよう、もっと厳密に定義しましょう。
本当に言いたかったことは、どういうことでしょうか。
Dを通る場合は、Cは通らないでDを通る場合という意味で3つに分けたはずです。
そこを明確に表現するためには?
縦方向に行き止まりになる1つ手前に、図のようにC',D',P'を記入してみると、明確になります。
Cを通る場合とは、C'からCを通ってPに進む場合。
Dを通る場合とは、D'からDを通ってPに進む場合。
そして、P'からPに進む場合。
これで厳密に場合分けできました。

そして、問題を解く人は、スモールライトを浴びて、この図の中に入りましょう。
自分が縦に進むか横に進むか、曲がり角の度に、その確率を考えます。
縦に進む・横に進むの二択がある場合、それぞれの確率は、1/2ですが、横一択になったら、その確率は1/1=1です。
その道しか選べないのですから、確率は1=100%です。
曲がり角の度に、その確率で進みます。
C'からCを通ってPに進み、さらにBに到達する道順は、縦縦縦横横横横の1通りです。
確率は、1/2・1/2・1/2・1・1・1・1・1=1/8

D'からDを通ってPに進み、さらにBに到達する道順はどのようになるでしょう?
AからD'までは縦縦横の順列、すなわち3!/2!=3通りあります。
3C1と組合せの式で表しても良いですね。
3通りあるので、確率は3倍になります。
D'からDへ進む確率は1/2。
その先は横一択ですから、1。
よって確率は、3・1/2・1/2・1/2・1/2・1・1・1=3/16。

P'からPに進み、さらにBに到達する道順の確率はどうでしょう?
AからP'まで、道順は、縦縦横横の4!/2!2!=6 通り。
P'からPまでの確率は1/2。
その先は横一択。
よって求める確率は、
6・1/2・1/2・1/2・1/2・1/2・1・1=6/32。

よって、その総和は、
1/8+3/16+6/32
=2/16+3/16+3/16
=8/16
=1/2

求める確率は、1/2 です。

好みの問題もありますが、確率の問題の中でも、考え方を革命的に変えなければ正解に至らないという意味で、これが最高難度の確率の問題だと私は思うのですが、いかがでしょう。
数学は、超クール!ヽ(^。^)ノ



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