たまりば

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2018年05月02日

5月12日(土)、大人のための数学教室を開きます。


4月28日(土)、大人のための数学教室を開きました。
今回も「因数定理・高次方程式」に関する問題です。

問題 方程式 x4-3x3+ax2+bx-4=0 がx=1、2を解にもつとき、定数a、bの値と他の解を求めよ。

中3の「2次方程式」の頃から、このタイプの問題はよく出題されていますね。
その頃と解き方も同じです。
x=1、2が解なのですから、もとの方程式にx=1とx=2を代入できます。
やってみましょう。
x=1 を代入して、
1-3+a+b-4=0
整理しましょう。
a+b=6 ・・・➀
x=2を代入して、
16-24+4x+2b-4=0
整理すると、
4a+2b=12
両辺を2で割って、
2a+b=6 ・・・➁
文字はaとbの2種類。式は2本。
これは連立方程式として解けますね。
➁-➀
 a=0 ・・・➂
➂を➀に代入して
b=6
ここで問題を見直すと、他の解も求めなければなりません。
この値をもとの方程式に代入します。
x4-3x3+6x-4=0
この4次方程式を解きます。
x=1、2は既にわかっていますので、それを利用して組立除法をしましょう。

1 -3   0   6 -4  |1
   1  -2 -2  4
1 -2 -2    4  0   |2
   2   0 -4
1  0 -2   0

よって、与式は、
(x-1)(x-2)(x2-2)=0 と因数分解できます。
x2-2=0 の場合、
  x2=2
   x=±√2
です。
よって、この問題の解答は、a=0、b=6、他の解 x=±√2 となります。

問題 実数係数の方程式x3+ax2+bx+6=0がx=1+√2 i を解にもつとき、定数a、bの値と他の解を求めよ。

あれ?文字が2つなのに、与えられた解が1つしかない。
しかも、解が複素数なので、計算がごちゃごちゃしそうです。
ここで登場するのが、「共役な複素数」です。
複素数を最初に学習したときに出てきた言葉でした。
複素数a+√b i と共役な複素数は、a-√b i です。
これは定義ですので、「なぜ?」という質問は不要です。
「共役の複素数」と呼ぶと決めただけのことなので、それ以上の理由はありません。
と説明すると不審そうな顔をする高校生もいるのですが、それはおそらく「共役」という言葉が耳慣れず、その言葉の意味を説明してほしくて質問しているのかもしれません。

どのへんが共役なのかというと、
x=a+√b i が解である方程式は、x=a-√b i も解なのです。

これを本格的に証明しようとすると、いろいろと面倒くさいことになるのですが、感覚的には理解しやすいことだと思います。
2次方程式の解の公式を思い出してみましょう。
x=-b±√b2-4ac /2
この解の公式を眺めていると、a+√b i とa-√b i という2つの解が同時に得られるのは自然なことと感じますね。
√b2-4ac /2 の部分が√b i にあたると考えると、その前の±によって共役な2つの解が同時に得られるのがわかります。
そういう把握で十分です。

上の問題に戻りましょう。
x=1+√2 i が解のとき、それと共役なx=1-√2 i も解です。
したがって、上の方程式の左辺は、
{x-(1+√2i)}{x-(1-√2i)}(x+p)
と因数分解できます。
前半の2つの{ }を展開して1つの( )にまとめてみましょう。
複素数ではない、簡単な式に整理できるんです。
{x-(1+√2i)}{x-(1-√2i)}
=x2-(1+√2i+1-√2i)x+(1+√2i)(1-√2i)
=x2-2x+1-√22i2
=x2-2x+1+2
=x2-2x+3
よって、上の方程式の左辺は、
(x2-2x+3)(x+p)
となります。
展開しましょう。
x3+px2-2x2-2px+3x+3p
xについて降べきの順に整理しましょう。
=x3+(p-2)x2+(-2p+3)x+3p
これがもとの方程式の左辺と等しいのですから、
x3+ax2+bx+6=x3+(p-2)x2+(-2p+3)x+3p
係数を比較して、
a=p-2 ・・・➀
b=-2p+3 ・・・➁
6=3p ・・・➂
という3本の式が得られます。
文字が3種類、式が3本。
連立方程式として解くことができます。
➂より p=2
これを➀に代入して、a=0
➁に代入して、b=-1
他の解も求めなければなりませんが、今回は、もとの式に代入して組立除法で解き直す必要はありません。
もとの方程式の左辺は、途中でpを用いた因数分解をしてありましたので、
(x2-2x+3)(x+p)=0
ということです。
では、解の1つはx=-p、すなわち、x=-2です。
忘れてはいけないのは、最初に見つけた共役な複素数もxの解であること。
よって、この問題の解答は、
a=0、b=-1、他の解x=1-√2i、-2 
となります。


問題 x3=1の虚数解の一つをωとするとき、ω12+ω6+1、ω10+ω5+1の値を求めよ。

これも高次方程式に関する問題の一種です。
しかし、高校生には非常に評判が悪いのが、このωに関する問題です。
あまりにも唐突に出てきて、違和感が強すぎる。
意味がわからない、ということのようです。
そもそも、読み方すらわからない、という声さえ聞きます。

ωは「オメガ」と読みます。
ギリシャ文字です。
数学にギリシャ文字が出てくることが本当に嫌で嫌で我慢ならないという高校生もたまにいるのですが、数学の発祥はギリシャですから、まあそう嫌がらずに。
普段使わない文字なので、その違和感は理解できますが。
覚えることが1つ加わって、ハードルが高くなってしまいますものね。
書き慣れていないので、書きにくいですし。

ωは小文字で、大文字はΩです。
「オームの法則」で有名な、電気抵抗の単位を表す記号です。
この説明をすると、高校生の顔が微妙に和らいだりします。
Ωは許容範囲なのでしょう。
要するに、慣れの問題なのだと思います。

さて、x3=1 の虚数解の1つがωです。
すなわち、ωは1の3乗根、あるいは立方根という言い方もします。
ωという文字で表していますが、iを用いて表すことも可能です。
3次方程式として、普通に解いてみます。
x3=1
x3-1=0
因数分解の公式を使えます。
(x-1)(x2+x+1)=0
x2+x+1=0 のとき、
x=-1±√1-4 /2
x=-1±√3i /2
共役な2つの複素数の解が得られました。

え?それのどっちがωなの?
と高校生に質問されることがあるんですが、結論としては「それはどっちでもいい」となります。
ここも高校生には理解しづらいところのようです。
どっちでもいいわけないだろうと思うらしいのです。
でも、本当にどっちでもいいのです。
この問題は、ωの値を求めることではないのですから。
上の問題では、x3=1の複素数の解の1つをωとする、としてあるだけです。
どちらと限定していません。
それは、どちらでも同じ結果が得られるからです。

ω=-1+√3i /2 としてみましょう。
ω2=(-1+√3i /2)2
  =1-2√3i+√32i2 /4
  =1-2√3i-3 /4
  =-2-2√3i /4
  =-1-√3i /2
お?
ω2は、ωと共役の複素数、-1-√3i /2 となりました。

ω=-1-√3i /2 としてみましょう。
ω2=(-1-√3i /2)2
  =1+2√3i+√32i2 /4
  =1+2√3i-3 /4
  =-2+2√3i /4
  =-1+√3i /2
あ。
やはり、ω2は、ωと共役の複素数、-1+√3i /2 となりました。
つまり、ωが1の3乗根ならば、ω2も1の3乗根なのですね。

なぜω2にそんなこだわるか?
上のx3=1に戻って考えましょう。
x3-1=0
(x-1)(x2+x+1)=0
でした。
x-1=0 のとき、x=1。
これは、整数解です。
もう1つの( )の中身、
すなわち、X2+x+1=0
が成り立つときのxが、x3=1の虚数解ωでしょう。
すなわち、x=ωを代入すると、
ω2+ω+1=0
そして、問題を解くときによく使うのが、この ω2+ω+1=0 なんです。
ωがどちらの虚数解でも、結果に影響しないのです。

ここまでのところをまとめますと、
ωは1の3乗根ですから、
ω3=1 です。
そして、
ω2+ω+1=0
この2つのことを使って、問題を解いていきます。

上の問題で求めよと言われたのは、まず、ω12+ω6+1の値でした。
ω3=1ですから、
ω12+ω6+1
=(ω3)4+(ω3)2+1
=1+1+1
=3

次のω10+ω5+1は?
ω10+ω5+1
=(ω3)3・ω+ω3・ω2+1
=ω+ω2+1
=0

ωがどちらの虚数解であるかは、やはり何も影響しないですね。
ωに関する問題は、知識を利用するだけなので、わかってみれば得点源です。
忘れたら、x3=1 を自分で解き直せば、ω2+ω+1=0の式は復元できます。
ヽ(^。^)ノ

さて、次回の大人のための数学教室のお知らせです。
欠席のご連絡は不要です。
出席のご連絡はメールか「メッセージ」でお願いいたします。


◎日時  5月12日(土)10:00~11:30
◎内容  数Ⅱ「因数定理・高次方程式」を続けます。p.37例題14の解説から。
◎場所  セギ英数教室
       三鷹市下連雀3-33-13
         三鷹第二ビル 305
       春の湯さんの斜め前のビルです。
◎用具   ノート・筆記用具
◎参加費 2,000円
       当日集めさせていただきます。
◎予約  私の携帯メールに、ご予約をお願いいたします。










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