たまりば

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2018年06月04日

場合の数と確率。確率の根元事象とは。


今回は高校数学A「確率」の学習です。
例えば、こんな問題です。

問題 
以下の真偽を答えよ。
3枚の硬貨を投げた場合の事象は、「表が3枚出る」「表が2枚、裏が1枚出る」「表が1枚、裏が2枚出る」「裏が3枚出る」の4通りである。よってそれぞれの事象の起こる確率は全て1/4である。

うっかり説得されそうになりますが、これは「偽」です。
3枚の硬貨を投げた場合の事象は、4通りではありません。
3枚の硬貨に、a、b、cと名前を与え、それぞれの表裏を(a・b・c)の順に書いていくと、
(表・表・表),(表・表・裏),(表・裏・表),(表・裏・裏),(裏・表・表),(裏・表・裏),(裏・裏・表),(裏・裏・裏)
と8通りとなります。
この8通りの事象のように、これ以上は分解できない事象の1つ1つが根元事象です。
「4通り」としたときは、いくつかの根元事象を合体させてしまっているのです。
したがって、
表が3枚出る確率は、1/8。
表が2枚、裏が1枚出る確率は、3/8。
表が2枚、裏が2枚出る確率は、3/8。
裏が3枚出る確率は、1/8。
となります。

確率は、上のように硬貨の問題もカードを選ぶ問題も、玉を選ぶ問題も、根元事象を区別して明らかにしていくことで正確に求めることができます。

最初から後者の解説をされれば理解できるのですが、最初に前者の話をされるとそれで納得してしまい、正しい説明を受けても混乱する高校生がいます。
後者の考え方は、それはそれでわかる。
でも、前者の何が間違いなのかわからない。
いったんその状態になってしまった高校生を説得するのは、かなり難しいです。
「前者の考え方だと、確率は全て分子が1になり、どんなことも確率は等しくなるけど?」
という説明でハッと気がついてくれると良いのですが、そんなことでハッと気がつく子なら、最初からこういうことでは混乱しないのかもしれません。
何を言われたのか呑み込めない様子で、怪訝そうな表情のままの子が多いです。
間違った考え方にはまってしまった子に説明し続ける徒労感は、「場合の数と確率」に特有のものです。

一対一の個別指導で、生徒の性格が強めですと、わかるように説明できない講師が悪いという雰囲気になることがあります。
わからない生徒が勝者のようにその場に君臨し、授業が全く進まないということが起こります。
一方、集団指導ですと、このようことをいつまでも言い張る子に対して、周囲から、
「え?」
「バカじゃね?」
というつぶやきがもれ、生徒はすごすご引き下がるという事態になりやすいです。
理解できないまま、ただ心が傷ついて終了し、数学なんて大嫌いで終わってしまうかもしれません。
また、個別指導でもあまり自己主張しない子は、よく理解できていないのに理解したふりで済ませてしまうことがあります。
本人はわかったというので、授業が先に進みますが、基本が理解しきれていないので、その先の応用問題は何をどう考えれば良いのかわからない事態に立ち至ります。
それを考えれば、授業進度に支障はきたすものの、わかるまで話しあうほうが「確率」の理解に半歩でも近づけるでしょう。
実際のところ、大変ではありますが。('_')

正しい考え方を聞いてもなお、間違った考え方のどこが間違いなのかわからない。
どこが間違いであるかわからない限りは、それは正しいのではないか?
その姿勢は共感できなくはないのですが、上の例でいえば、
「いくつかの根元事象を合体させている」
という点が誤りであると指摘しても、それで納得はしないのですから、説明はかなり難しいです。
全ての根元事象を具体的に明示しても、
「それはそれでわかるけれど、それで、間違っているほうの考え方はどこが間違っているんですか?」
と相対化させてしまうのですから、説明するほうは手詰まりとなります。
それはそれでわかるって、どういうこと?
それがわかるなら、根元事象を合体させたらダメだよね?
「え?なぜですか?
うーむ、手ごわい。( ;∀;)

「確率」は、手順だけ覚えて済む単元ではなく、事象をどう分析するか、ものごとをどう見るかが深く関わってきます。
そんなに簡単には霧は晴れませんが、簡単に諦める必要もありません。
あまり思いつめずに、やっていくのが何より。
明日にはぽこっと霧が晴れて、理解できているかもしれません。




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