たまりば

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2018年04月27日

場合の数と確率。組合せの公式と活用。



「組合せ」は、例えば、こんな問題です。

問題 4人の生徒の中から3人を選ぶ選び方は何通りあるか。

まずは「順列」で考えてみます。
4人から3人を選んで並べる順列は?
樹形図をイメージして、
4・3・2・1=24
という式で求めることができます。
でも、これは順列。
組合せは、順番は関係ありません。
上の式で求める答えは、同じ選び方で順番が異なるものを何度も繰り返しカウントすることになります。
それは、3人を並べる順列の数だけ繰り返しカウントしているでしょう。

わかりにくいと思うので、4人に記号を与えましょう。
A君、B君、C君、D君の4人です。
上の24通りを全て書きだしてみましょう。
(A、B、C)、(A、C、B)、(B、A、C)、(B、C、A)、(C、A、B)、(C、B、A)
(A、B、D)、(A、D、B)、(B、A、D)、(B、D、A)、(D、A、B)、(D、B、A)
(A、C、D)、(A、D、C)、(C、A、D)、(C、D、A)、(D、A、C)、(D、C、A)
(B、C、D)、(B、D、C)、(C、B、D)、(C、D、B)、(D、B、C)、(D、C、B)

順列としては、上の24通りですが、よく見ると、選び方としては、横に1列になっているものは、全て同じ選び方ではないでしょうか。
選ぶだけなら、順番はどうでも良いのですから、同じ選び方です。
同じ選び方を横一列、それぞれ6回カウントしていることがわかります。
この「6」という数字は何でしょうか?
それは、A、B、Cならその3つの文字の並び方、すなわち順列の数ではないでしょうか?
ということは、まずは4個から3個を並べる順列で、4×3×2とした上で、それを、3個のものを並べる順列 3×2×1で割れば、組合せの数が計算できるのでは?


4・3・2
3・2・1

=4

答えは4通りです。

一般化するならば、n個のものからr個を選ぶ組み合わせの個数は、

n(n-1)(n-2)×・・・×(n-r+1)
    r!

これが、組合せの公式です。

ところで、上の一覧に戻り、左端の( )にだけ着目していくと、(A、B、C)は、Dを選んでいないもの。
(A、B、D)は、Cを選んでいないもの。
(A、C、D)は、Bを選んでいないもの。
(B、C、D)は、Aを選んでいないもの。
と見ることもできます。
何を選んだかということは、何を選ばなかったかということと同じこと。
したがって、選ばないものは4通りあるので、答えは4通り。
そのように考えることもできます。
もう少し数字を大きくしてみると、この考え方はとても便利だとわかります。

問題 15人から12人を選ぶ選び方は何通りあるか。

公式通りに書くと、

15×14×13×12×11×10×9×8×7×6×5×4
12×11×10× 9 ×8 ×7×6×5×4×3×2×1

この2行は、上が分子、下が分母の分数だと思ってください。
これ、分母と分子に同じ数が多いので、かなり約分できますね。
約分した結果は、

15×14×13
3× 2× 1

あれ?
この式は、15個のものから3個を選ぶ組み合わせの式と同じなのでは?

そうです。
15個から12個を選ぶ組合せと、15個から3個を選ぶ組合せは、同じ数となります。
これは数字上のことだけではなく、意味の上からもそうなります。
15個から12個を選ぶということは、15個から3個を選ばないということ。
ならば、その選ばない3個を「選ぶ」と考えても、同じことである。

しかし、ここは授業が停滞しやすいところです。
ここがわかりにくいのは、数字上の問題ではなく、表現上の問題なのかもしれません。
「15個から12個を選ぶ」ことを「15個から3個を選ぶ」ことにすり替える。
それが、同じことであるはずがない。
だから「わからない」と言う子が多いのかもしれません。

そうです。
意味上は、同じことではないのです。
でも、「15個から12個を選ぶ」ことと「15個から3個を選ばない」ことは同じこと。
だから選ばない3個を先に選んで除外しましょうということなのです。

問題 15人にうち、特定の5人から3人だけを選び、特定の5人以外の10人から9人を選ぶ方法は何通りあるか。

うーむ、何だこのえこひいきは?
いや、そもそも15人から12人を選ぶこと自体がおかしい。
12人選ぶくらいなら、もう全員にすればいいのに。
そうツッコみながら、楽しく解いていきましょう。
まずは、特定の5人から3人を選ぶ組合せを考えます。

これは公式を使って簡単に解いていけますね。

5×4×3
3×2×1 
=10
です。
ちなみに、組合せは「コンビネーション」の頭文字Cを用いて、5C3と表します。
5C3で、5個から3個を選ぶ組合せ、という意味です。
5C3=10 です。

次に、残る10人から9人を選びます。
先ほどの考え方を用いて、
10C9=10C1=10 となります。

さて、この2つをどうするのか?
足すのか?
かけるのか?
この2つは同時に起こる事柄です。
5人から3人を選んだ組合せの1つ1つに対して、10人から9人を選んだ組合せが対応します。
だから、かけ算をします。
これを「積の法則」と呼びます。
 
5C3・10C1
=100
100通りが、この問題の答えです。

問題 15人のうち、特定の2人を含まずに12人を選ぶ選び方は何通りあるか。

どうせ含まないのですから、特定の2人は最初から除外しましょう。
15人から12人を選ぶのではなく、13人から12人を選ぶのです。
よって式は、13C12=13C1=13
答えは、13通り です。

ここで、
「その特定の2人を選ぶ方法を考えなくていいんですか?」
と高校生によく質問されます。
ですが、問題に「特定の2人」と書いてあるとき、その時点でその特定の2人は確定しているので、問題を解く我々がその2人が誰であるかを選ぶ必要はないのです。
という説明が、これまで高校生にこのことを説明してきて、まだしも理解しやすい説明だと思います。
それでも納得してくれない子とは、延々と不毛な論争をすることになります。
そういう子の論理は循環して、トリックアートのようになっています。
階段を下りているつもりがいつの間にか登っている、有名な絵画のようなものですね。
そこに切り込んで、循環した論理を粉砕するのは意外に難しいです。
本来存在しない論理の筋道が本人の頭の中だけではつながっているので、何を言われても自分の誤解に気づけなくなるようなのです。

「場合の数と確率」という単元は、その人の思考の癖や文章の読み取りの癖が出やすい単元です。
「自分の考え方の何が悪いのか」
を突き詰めようとしても、もうそれが見つからず、教えてくれる人が何を言っているのかもわからなくなったときは、答えを全て書きだす作業を1度行うと良いと思います。
少なくとも、正解が自分の出した答えとは異なることは納得できるはずです。
自分の考え方のほうが正しいのではないかという思いを捨てきれないから、間違った循環から脱出できない場合もあるでしょう。
自分の答えが明らかに正解ではないと理解することができれば、一歩先に進めます。
自分の考えを捨てて、
「正しい考え方はどういう構造のものであるのか」
を学ぼうとできると思うんです。


問題 15人から12人を選ぶとき、特定の2人のうち少なくとも1人を選ぶ選び方は何通りあるか。

さて、これが一番の難問です。
計算自体は非常に楽なのですが。
問題文に「少なくとも」と書かれているときは、その反対を考えると楽に解けることが多いです。
確率で言う「余事象」というものです。
「特定の2人のうち少なくとも1人を選ぶ」ことの反対とは何か?
それは、「特定の2人を選ばない」ことになります。
もう少し具体的に考えてみましょうか。
例えば、ここで特定の2人をAさんとBさんと名付けましょう。
この2人の選び方は、以下の4通りあります。
「AさんもBさんも選ぶ」
「Aさんを選ぶ。Bさんは選ばない」
「Aさんは選ばない。Bさんを選ぶ」
「AさんもBさんも選ばない」
他の選び方はないですよね?
さて、ここで、2人のうち少なくとも1人を選んでいるのは、どの選び方か?
上から3つ目までがそうです。
最後の4つ目だけが、それとは異なる選び方となります。

だから、「特定の2人のうち少なくとも1人を選ぶ」ことの反対は、「特定の2人を選ばない」ことになります。
ということは、上で求めた、何の条件もない選び方455通りから、特定の2人を選ばない選び方13通りを引けば、この問題の答えとなります。
よって、455-13=442
442通りが答えです。

この考え方を、スパンと理解して、
「あー!場合の数、面白い!」
と言う高校生と、
「それ全然わかんない」
という高校生と、はっきり分かれます。

例として出したAさんとBさんが、むしろ悪影響を及ぼすこともあります。
「では、CさんとDさんの場合はどうなるんですか?」
という質問を受けることがあります。
・・・・いや、AさんとBさんだけが特定の2人です。
「特定の2人」と問題に書いてあるので、その2人にAさん・Bさんと名付けたのです。
CさんやDさんは、特定の2人になることはありません。
「他の場合もあるんじゃないんですか?」
・・・・ありません。
他の場合とは、では、どんな場合があるの?
「何かありそうな気がする」
・・・・それは、気の迷いでしょう。

このやりとりで高校生に納得してもらえることのほうが実は少ないのです。
そして、こうした質問に対し、具体的に全ての場合を書いていくには、442通りは、あまりにも数が多い。

「場合の数と確率」という単元は、思考のサーフィン。
上手く波に乗れると楽しくて大好きになる単元ですが、どうしても波に乗れないこともあるようです。
場合の数の考え方の何かが肌に合わない、ということなのかもしれません。
ここは、一種の思考訓練と考えましょう。
自分の考え方のどこが間違っているかを究明しようとして迷宮を彷徨うよりも、自分の知らない新しい考え方を理解することに専念することをお勧めします。
それは「数学的思考」というものへの道を開く鍵かもしれません。
どうか頭を柔らかく。




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