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2017年06月12日

鷹ノ巣山を歩きました。2017年6月。

鷹ノ巣山を歩きました。2017年6月。

2017年6月、奥多摩の鷹ノ巣山を歩いてきました。
いつも通りホリデー快速奥多摩3号で、終点奥多摩駅下車。
駅を出てすぐ右のバス停に並び、「東日原」行きのバスに乗車します。
梅雨入りしたせいか、登山客はそれほど多くなく、バスは1台で出発。
バスの右側に奥多摩駅近くの工場が見えてくると、若い客の目は釘付けになりました。
「あれ、何?」
私もあの工場は見飽きないです。
ジブリ映画に出てきそうな外観の工場なのです。
さらに行くと道が細くなり、バスがバイクを通すために止まりました。
「左に子どもの鹿がいます」
と運転者さんがアナウンス。
左側の乗客が窓から下を覗き込んでいました。
道路に出てきちゃったんだなあ。

終点「東日原」下車。10:00。
トイレを済ませて、さて出発。
バスの進行方向のまま、まずは舗装道路を歩いていきます。
登山届は奥多摩駅でも出せますが、バスを降りてからでも、登山口までの間に派出所があり、登山届提出用紙とポストが置いてあります。
しばらく歩くと、左手に「鷹ノ巣山登山口」の看板があり、コンクリートの階段を下りていきます。
看板が出来たてのときは、随分目立つ大きな看板が出来たなあと思ったものでしたが、板が色あせて灰色になり、周囲になじんだ分だけ、注意していないと見落とす感じになっていました。

コンクリートの階段は、沢沿いの細い登山道につながっています。
沢が随分下のほうに見えるので高度感があり、朝一番に歩く道としてはちょっと緊張します。
でも今日は腰痛予防にトレッキングポールを2本使っていますので、細い道も安心です。
ポールは楽だなあ。
けれど、足運びが雑になって緊張感がなく、つまらないなあ。

下に見えていた沢をしっかりした造りの橋を渡って越えると、ゆるい登りが始まります。
道はときどきV字に曲がりながら高度を上げていきます。
この辺りも全体に道は細いです。
「この先足元注意」の看板の出ているところと出ていないところの区別がつかないくらいに、全体に足元には注意が必要なところがしばらく続き、やがて1つ目の木橋。
何年か前の大雪で、雪崩で運ばれてきたのでしょう大きな岩が沢を塞いでから、ここはむしろ登山道との区別がはっきりしました。
以前は、沢が枯れているときには、沢が登山道に見えたものでした。
明瞭な踏み跡をたどり、2本目の木橋で沢の左岸に戻ります。
左岸は土止めの整備が進み、歩きやすくなっていました。
しばらく進み、3本目の木橋で右岸に戻ります。
3本目の木橋は老朽化が進み、横板が1つ朽ちて崩れ、他に2つの横板が取れていました。
ポールがなかったら、ここは少し怖かったかもしれません。

右岸をしばらく進むと苔むした4本目の木橋がありますが、そこは渡りません。
左手に登り口が見えています。
斜面をジグザグに登っていく急登の始まりです。
今年はまだ早いのかヒグラシの声は聞こえませんでした。
ときどき鳥が鳴く静かな登山道を淡々と登っていきました。
稲村岩分岐。11:05。

例年、ここで誰か登山者に会うのですが、今日は誰もいませんでした。
稲村岩で死亡事故が起きた注意喚起の掲示がありました。
去年はなかったものですから、この1年の間に起きた事故のようです。
空が暗いせいもあり、ここをいつになく荒涼とした場所に感じました。
風も冷たい。

道しるべ通りに、木の根で作られた大きな段差の道を登っていきます。
しばらく尾根は細いですが、その先、幅の広い岩村岩尾根が始まります。
景色も単調で、道の印象をあまり記憶できないところなのですが、しかし、ところどころ道が付け替えられているのを感じました。
古い道と比べて、まだフカフカで、ここは新しい道だなと気づきます。
元の道らしきところは、深くえぐれ、落ち葉が積もって歩けなくなっていました。
大きなブナの倒木。12:10。
数年前の大雪の年に雪崩で倒れた木です。
その先の少し平らなところで、休憩しました。
静かな山道で、追い付いてくる人もいません。

単調な登りが続きますが、樹間から空が見えてきました。
いったん平らな道になり、そこがヒルメシクイノタワ。
新しい掲示が提げられていました。12:45。
今日はそれほど暑くないので、息切れしない程度のゆっくりペースで歩いているわりに時間的にも順調です。

そこから、さらに登っていくと再び平らになり、道は二手に分かれます。
今日は左の尾根道コースをとりました。
右の道は前半は平らな歩きやすい道で、最後にまとめて急登があります。
左の尾根道は、ずっと登りが続きます。
山頂直前で道は合流し、空が開けて、山頂。13:15。
さすがにここは先客が2パーティ。
草地にレジャーシートを広げ、のんびりお湯を沸かして昼食中でした。
私は土がむき出したところまで出て、石の1つに座りました。
曇っていて、近くの尾根しか見えません。
秋や冬に見るくっきりした富士山と南アルプスを心に描きながら、休憩。
今日もおにぎりはちょっと喉を通りそうにないので、ゼリー飲料の昼食を取りました。

さて、下山開始。
石尾根を奥多摩駅へと下ります。
山頂直下の急な下りも、トレッキングポールの補助で快適に降りていけました。
たったか下って道は平らになったり、また急な下りになる繰り返しで少しずつ高度を下げていきます。
ヤマツツジがまだ咲き残り、新緑の緑の中にアクセントを添えていました。

広い尾根道が続きます。
1本目の倒木は、半分埋まり、大きな段差があることでそれと気づく程度になっていました。
2本目の倒木は、迂回路が踏み固められ、もうそこが正式な登山道です。
3本目の倒木は、よいしょとまたいで、先に進みます。
尾根から少し下がった巻き道を行くことが多くなり、そこから急下降点へ。
トレッキングポールがあると、ここも随分楽でした。
下るだけ下り、細い尾根をどんどん行くと、石尾根縦走路の巻き道と合流。
尾根から少し下がっていますが、道幅は広く、歩きやすい道が続きます。
今年の2月に歩いたときは、時間帯も違いますが、ここは明るい日差しに雪も融けていた道でした。
今日は、曇り空に加えて木陰の薄暗い道です。
左に回り込んでいくと、道は下り坂になり、大きなV字を描いて折れていきます。
いったん下りきると、そこからは六ツ石山への登り返し。
2月は雪が吹きだまって斜面と一体化し、登山道の端ギリギリにトレースがある、歩きにくい道でした。
こんなに道幅があるのに、全部斜面と一体化したんだなあと感心しながらゆるい登り坂を行き、六ツ石山分岐。15:00。
上の画像はそこで来た道を振り返って撮ったものです。

少し休憩して、さらに進みます。
道はなお尾根から少し下がった巻き道が続いています。
先程よりも少し道幅が細くなり木の根の段差も少しあります。
注意して歩いていくと、広い尾根に出ました。
ここからは御前山が本当に大きく見えるのですが、木の影に隠れて、最初のうちは山の姿が見えませんでした。
やっと見えてきた御前山の上のほうは雲の中。

広い尾根が終わると、三ノ木戸との分岐。15:30。
道幅のある巻き道が続きます。
まわり込んでいくと、木陰が濃くなり、夕方のように暗くなってきました。
登山道が深くえぐれたところに来たので、右手の林の中の踏み跡をたどります。
覗き込むと、最近雨が少ないせいか、いつもより少しはましな様子でしたが、やはり底に泥がたまっていて、登山道を歩くのは大変そうです。
林の中の踏み跡はやがて登山道と合流し、落ち葉の積もった下り坂へ。
去年の落ち葉の大半は崩れて歩きやすくなっていました。
道が緩くなり、歩きやすい道をどんどん進みます。
三ノ木戸からの道との合流点でV字に曲がり、さらにどんどん行くと、桟道。
そこから道は細くなり、むしろ少し歩きにくくなりますが、木陰が切れて少し明るく感じるようにもなってきました。
ぽつぽつと雨が降ってきましたが、気になるほどではありません。
朽ちかけた小さな小屋の前を過ぎ、道しるべの通りに右へ。
道なりにジグザグに曲がっていくと、舗装された林道が下に見えてきました。
林道出合。16:45。

どんどん下り、途中は近道で林道をショートカット。
2本目の近道で羽黒三田神社を通り過ぎ、最後の登山道を行くと、再び林道。
しばらく行き、左手に「奥多摩駅近道7分」の道しるべの通りに階段を下っていくと、コンビニ脇にぽんと出ます。
橋を渡って、交差点からもえぎの湯へ。17:30。
もえぎの湯は、入場制限もなく洗い場の順番待ちもない、ほどよい盛況でした。
木の椅子ではなく、背の高いプラスチックの椅子に変わっていました。
背が高いと、シャワーを元の位置に置いたまま両手で髪を洗うことが難しいですし、両脇の人に水がはねやすいから、前の高さのほうが良かったかもしれません。
まあ、そんなことは小さなことだ。
今日は入って右手のほうの温泉でした。
露天が薬湯ではなく温泉のほうです。
とろっとした泉質。
山や木々の眺めも良いので、もえぎの湯はやはりいいなあ。

お風呂上がりもまだ外は明るく、のんびりと駅へと歩きました。
6月の夕方の空気の匂い。
夕暮れの山の景色。
交差点のスーパーは閉まるのが早く、橋を渡ってコンビニへ。
そんな回り道も、奥多摩の町を散歩している気分で歩けます。
いつか、山を歩けなくなったら、こうやって年に何度も来ている奥多摩の町も、2度と来なくなるだろうか。
まだ遠い話と思っていたけれど、今回の腰痛で、それは明日にもやってくることかもしれないと感じました。
1座1座、大切に歩かなければなあ。
そんなことを思いながら、発泡酒を手に駅へと歩きました。



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