たまりば

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2014年07月03日

平方根の計算

平方根の計算

公立中学の中3と、国公立・私立中学の中2は、この期末テストの数学のテスト範囲が「平方根」であったところは多かったと思います。
一度わからなくなると、とことん混乱するのが平方根。
計算しているうちに、根本の定義を忘れてしまいがちです。

まず多いのが、符号ミスです。

問 36の平方根を求めなさい。

答えは、6と-6です。

問 √36を整数に直しなさい。

答えは、6です。

この2つのタイプの問題、片方ができるようになると、もう片方ができなくなる子がいます。
そして、ミスが重なるうちに、平方根って何だったのか、どんどんわからなくなっていきます。
根本の理解が曖昧なまま何となく問題を解いているから、上の2つの問題の違いがよくわからないのでしょう。

平方根の計算をする過程で、ああ、基本が理解できていなかった、と気づく場合もあります。
例えば、√60×√27 といった計算問題。
答えは、a√bの形に整理しなければなりません。
これを、√60×√27=√1620
としてから、その√1620を整理する子がいます。

いえ、それでも答えは同じになりますから、どうしてもそうしたいのなら仕方ありません。
でも、1620の中にどんな因数が含まれているかは、ぱっと見てわかるものではありません。
計算で素因数分解をすることになります。
時間がかかります。
そして、そういう子ほど、その途中で計算ミスをする可能性が高いのです。

これは、もっと楽な計算方法があります。

√60×√27
=2√15×3√3
=2×3×3×√5
=18√5

こうやって、こまめに整理していけば、筆算の必要がありません。
ところが、これがなかなか理解できない子がいます。

「・・・・・2×3までは、わかるんだけど、何でもう1回、×3をするの?」
「√15の中の√3と、後ろの√3をかけると3になるからだよ」
「は?」

√15は、√3×√5 と分解できます。
平方根を見たときに、常に分解された形が見えていれば、式の中に同じ平方根を見つけて、さっさと整数にしてしまうほうが楽です。
そのほうが計算が簡単になります。

しかし、その子の表情に全く動きがないので、うーむ、どこがわからないのだろう、どこから説明し直せばわかるのかなと思っていると、やがて、その子の顔が輝きました。

「わかった。√3と√3をかけると、3になるんだ!」
「・・・・・・うん」

そこか!('_')

そういえば、
√3×√3=3 がピンとこなくて、
√3×√3=√9=3
と、いつも遠回りなことをやっているなあと思っていました。
ついうっかり計算していたのだと思っていたら、そこがわかっていなかったのでした。
√3×√3=3 は、平方根の定義に関わることです。
2乗して3になる数を3の平方根と呼び、√を用いて表しています。
なのに、√ の計算を始める頃には、そのことを忘れてしまうようです。

次は、割り算。
√60÷√27

これの計算方法は、何通りかあります。
私は、√ のまま最初に約分してしまうやり方が好きで、自分ではそうします。
分数をネット上で表すのは難しいので、このまま、割り算の式のまま表してみます。
分母・分子を√3で約分して、
√60÷√27
=√20÷√9
=2√5÷3

むやみに約分し過ぎないで、分母が平方数になったら止めるのがコツです。
しかし、√ は√ で約分できることを知らない子は、多いです。
公立中学では、あまり教えないかもしれません。
√ を、√ で割った答えは、√ 。
そのことさえ忘れなければ大丈夫です。

しかし、約分した数字を整数と勘違いする子がいるのも事実。

「あ、そいつは、√ だよ。お1人様だよ。早くペアを見つけて、リア充にしてあげよう」
そんな例えがピンとくる子もいます。
そういう例えをされると余計わからずイラッとする子もいます。
(^-^;

「3と√3は、違うんだよ。区別しよう。いっそ、差別するか。√3なんか、ダメだ。早く結婚したほうがいいんじゃないか」
「・・・・・・・」
時事ネタは、子どもには、あまり通じません。
( ;∀;)

公立中学で教えないことがあるのは、数学が苦手な子もできるだけ理解できるようにシンプルな解き方で教えているからです。
その先生が他の解き方を知らないからではありません。
自分が教えていない解き方で解いたからといって、数学の先生が目くじらたてることは少ないと思います。
「お。勉強してるな」
と、ニマッと笑って丸をくれるはずです。

平方根を整理するには、平方数がピンとくると楽です。
√98 を見たときに、
98って、49×2だなあとすぐに気付くことができれば、
√98=7√2
と即答できます。
平方数とは、整数を2乗した数。
1、4、9、16、25、36、49、・・・・・・。
つまり、九九の中の、同じ数どうしをかけた答えです。

「でも、私は、そういうのが、すぐ出てこないから・・・・」
という子に、
「・・・・・・さては、九九が苦手だな?」
「なぜ、それを・・・・・」
と、小声で会話するのが、この季節のテスト前の恒例です。

かけたり割ったりが頭の中で自由自在になっていると、中学・高校と、いろんなことが楽になりますよー。
小学6年生は、受験するしないに関係なく、分数のかけ算・わり算の計算練習は、中学に入学するまで続けたほうがいいですよー。
約分・通分の作業の中に、そういうかけたり割ったりが、全部入っていますから。
ヽ(^。^)ノ
 




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    Posted by セギ at 14:56│Comments(0)算数・数学
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