たまりば

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2020年05月27日

高校英語。関係代名詞。関係代名詞 what の慣用表現。




関係代名詞 what は、慣用表現が多いことも特徴です。
慣用表現は、覚えるしかありません。
1つずつ見ていきましょう。

◎what is called または、what we call
「いわゆる」という意味です。

This music is what is called rap.
この音楽は、いわゆるラップです。

what we call は、文脈により、what you call や what they call という形でも使用されます。
「いわゆる」というと、so to speak などの熟語もあります。
言い換えは色々ある、ということも含めて、記憶しておきたい熟語です。


◎what S is
「現在のS」という意味です。
これは慣用表現というよりも what の普通の用法なのですが、最初にこの用法の文を見たときに意味をとれない高校生は多いので、一応ここで解説します。

His mother has made him what he is.
彼の母が、彼を今日の彼にした。

時制を過去にすれば、「過去のS」という意味になります。

This town is a diffrent place from what it was ten years ago.
この町は、10年前とは違う場所だ。

This town is a diffrent place from what it used to be ten years ago.

この文も同じ意味です。
過去の状態を表す熟語の助動詞 used to を用いた文です。


◎what is more 「さらに、そのうえ」
 what is worse 「さらに悪いことには」
 what is more surprising 「さらに驚くことに」
what is more important 「さらに重要なことに」 など。 

His power is absolute, and what is more, hereditary.
彼の権力は絶対的なものであり、そのうえ、世襲によるものである。

We got lost in the dark and, what was worse, it began to rain.
私たちは暗闇で道に迷い、さらに悪いことには、雨が降り出した。

上の2文を見て気づくかと思いますが、カンマ(,)と and の位置関係は、どちらでも大丈夫です。
基本、文の途中にカンマ・カンマでこの慣用表現を挿入します。
1文目をいったん終わらせて、2文目の冒頭に置くことも可能です。


このあたりまでは何とか覚えている人も多いのですが、この先になると、
「そんなのありましたか?」
と秀才まで言い出すことがあるので、がっかりするところです。
この先こそ、理解していないと、全く対応できなくなるので気合を入れて覚えましょう。


◎what little +名詞 「少ないながらもあるだけの~」

He gave her what little money he has.
彼は、少ないながらもあるだけのお金を彼女にあげた。

これも、慣用表現とすることには異論があると思います。
正しくは、この what は、関係形容詞と呼ばれるものです。
名詞を修飾するのが、形容詞。
だから、名詞を修飾しつつ関係詞の働きをしているものは、関係形容詞です。
でも、そうした文法分析が面白い人はそれでいいですが、もう勘弁して・・・という人は、これも慣用表現として覚えてしまって構わないと思います。

little のない用法もあります。

He gave me what help he could give.
彼は、できる限りの援助を私に与えてくれた。

「what+名詞」=「all the+名詞+that」と把握できます。

後ろに名詞のつかない用法もあります。
その場合は関係形容詞ではなく、関係代名詞です。
これの基本は、what =anything that です。

What I have is yours.
私の持っているものは全てあなたのものです。

この例文の what は、後に学習する whatever に置き換えることができます。
とりあえず、これらの what には、「すべての」という意味がこもっているという把握で乗り切りましょう。


さて、以下の2つは、これまで以上にガチの慣用表現です。
覚えていないと文の構造を把握できません。

◎what with A and (what with) B 「AやらBやらで」

What with the wind and the rain, our walk was spoiled.
風やら雨やらで、私たちの散歩は台無しだった。

そもそも日本語の「AやらBやらで」の意味がわからない、聞いたことがない・・・という高校生は多いですが、こういうのは死語ではなく、文語表現です。
自分は知らなくてもこの世に存在する正しい日本語なのだという意識をもって覚えてください。
「AやBのせいで」という意味です。


◎A is to B what C is to D 
「AとBとの関係は、CとDとの関係と同じだ」
「BにとってのAは、DにとってのCと同じだ」

Reading to the mind what food is to the body.
精神にとっての読書は、肉体にとっての食べ物と同じだ。

これを学習すると、
「何かそういうのを前に勉強した気がする・・・」
と言う高校生がいます。
え?
言い換え表現がありましたっけ?
私はピンとこないので授業が停滞するのですが、よくよく聞くとその生徒の頭の中にあるのは、「クジラ公式」のことだったりします。
それは、全然違うので、結びつけないでください。
クジラ公式は、
「クジラが哺乳類なのは、馬が哺乳類なのと同じだ」
というのが有名な例文です。
「哺乳類にとってのクジラは、哺乳類にとっての馬と同じだ」
ではありません。

関係ないことが頭の中で結びついてしまうのは脳の働きの1つで、脳としてはそれで知識を安定させたいらしいのです。
そういう錯誤にも気をつけましょう。

慣用表現は、覚えているかいないかの問題。
学校の文法テキストでは、最後のほうに列挙してあるので、まあこれはいいや・・・と捨ててしまい、テストにがっつり出て後悔した人は多いと思います。
あるいは、テストに出ていても、それが文法のテスト範囲の慣用表現だと気づかず、熟語集などの他のテスト範囲から出題された問題なんだろうと誤解して済ませてしまうために、テスト対策の姿勢が改められない、という人もいると思います。

学校からは、文法テキストとセットで、似たような表紙のぶ厚い文法の参考書が配布されていると思います。
そうした参考書のボリュームと比べれば、文法テキストは薄いのです。
もともと薄いのに、見開きの左側は解説ページ、右側は問題ページという構成になっているものが多く、解説は厳選され絞り込まれています。
そこに載っているのは、文法のエッセンスです。
どんなに小さな字で書かれていても、全て重要事項です。
捨てて良い箇所は1つもありません。

しかし、参考書の存在を忘れ、文法テキストだけを見る人は、その中でも重要な箇所とそうでない箇所とを選別しようとします。
そして、そのような判断をする人は、重要箇所と、中学の文法の復習箇所とを混同しがちです。
自分が知っていることだから重要な気がする・・・という錯誤を起こしてしまうようです。
中学の文法の復習は、それは基本ですから、重要です。
しかし、そこから一歩も先に進まず、中学の復習以外は全て些末なことで、覚えなくてもいいや、テストにはたぶん出ないよ・・・という判断で大丈夫でしょうか?
絶対ダメですよね。
でも、テスト前になると、そんな錯誤をしてしまうのです。

学校の文法テキストに載っていることで、自分の知らないこと、初耳のことが全てテストに出る。
そこが重要。
そのように意識を変えて勉強してください。

what の慣用表現は、テストに出て当たり前のことばかりです。

  


  • Posted by セギ at 14:25Comments(2)英語