たまりば

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2020年05月04日

高校英語。関係代名詞。所有格の関係代名詞 whose。


今回は、所有格の関係代名詞 whose の話です。

まずは、2文を1文にするところから確認しましょう。

I found a notebook. Its cover was red.
私はノートを見つけた。その表紙は赤だった。

この2文を、「私は表紙の赤いノートを見つけた」という1文にします。
1文目と2文目で共通のものを表す単語は、1文目の notebook と2文目の its です。
2文目が、1文目の notebook を修飾するようにしたいですが、関係代名詞は、いつも通りの which で良いでしょうか?
関係代名詞は、2文目の中でどんな働きをしているかで使い分けます。
人以外のもの、すなわち物や動物が先行詞(修飾される名詞)のときは、主格でも目的格でも which でしたが、今回は、主格でも目的格でもありません。
its は、所有格です。
こうした場合に用いるのが、所有格の関係代名詞 whose です。

I found a notebook whose cover was red.
私は、表紙の赤いノートを見つけた。


日本語に訳すときは、上の文のように、whose を訳さないようにすると、むしろスムーズです。

I have a friend whose father is an actor.
私は、お父さんが俳優の友達がいる。

The man whose old rusty bike had been stolen was reluctant to report the theft to the police.
古い錆びた自転車を盗まれたその男は、いやいや警察に届けを出した。

This grammar book is specially intended for people whose native tongue is not English.
この文法書は、特に英語を母国語としない人たちに向けて書かれたものである。

だんだん難しくなっていますが、基本構造がわかれば、意味は取れると思います。

関係代名詞 whose は、先行詞が人でも、人以外でも使います。
そこを誤解し、人以外のときには which を使ってしまう人がいますが、そういうことはありません。
所有格のときは、全て whose が使えます。

上のような誤解をする人がいる一因は、whose の言い換え表現にあるのでしょう。
whose を of which で言い換えることができるのです。

We mended the chairs whose legs were broken.
= We mended the chairs the legs of which were broken.
私たちは、脚の壊れた椅子を修理した。

「whose +名詞」を「the 名詞+ of which 」に言い換えることができるのです。
この場合は、さすがに先行詞は人以外のもののときとなります。


whose は、中学では学習しない関係代名詞ということもあり、そういう関係代名詞があることすら忘れてしまう高校生は多いです。
中学で習った文法以外は一切身につかない様子なのは、高校の学習内容は量が多く覚えきれないことが一因だろうと思います。
高校1年の「英語表現Ⅰ」で高校文法を全て学習し、高校2年の「英語表現Ⅱ」では、それを踏まえた演習を行う高校は多いです。
高1で学んだ文法が全部頭から抜け落ちていると、高2の演習で苦労します。
何の文法単元の、どんな文法事項の問題を解いているのか、全くわからないまま、ただ問題を解いてしまうのです。
全部、熟語や語法の問題だと勘違いして解いてしまう人もいます。
何の文法単元なのかを意識し、文法のテキストや参考書を読み直してから解くと、かなり演習しやすくなります。
定期テストのために一度は覚えても、また忘れてしまっていることが大半です。
繰り返し復習することで、身についてきます。


ところで、『ルーム』という映画をご存じでしょうか。
新型コロナウィルスによる閉塞感の強い今、あの映画は、メンタルの弱い人は見ないほうが良いのかもしれませんが、5歳の男の子の視点で描かれていることもあって、英語は非常に易しく、聞き取りやすいです。
メンタルの強い人は、リスニング学習のつもりで、字幕なしで見てみると良いでしょう。
映画の後半、登場人物の一人が叫びます。

Do you think you're the only one whose life was destroyed?
人生を破壊されたのは、あなただけだと思っているの?

非常にクリアに聞き取れるはずですし、完璧な形で whose が使われています。
今の時代でこそ、共感できることも、励まされることも多い映画です。






  


  • Posted by セギ at 15:40Comments(0)英語