2019年12月04日
高校英語。比較表現。クジラの公式。
高校英語の「比較表現」。
今回は、いきなり難度の高いクジラ構文を見てみます。
クジラ構文、あるいは「クジラの公式」と呼ばれるもので、一番有名な例文にクジラが出てくることから、そう呼ばれています。
A whale is no more a fish than a horse is.
クジラが魚でないのは、馬が魚でないのと同じである。
「クジラ構文」と言われてもピンとこなくても、この例文を見ると、ああ、あれか、と思い出す人が多いと思います。
構造としては、
A is no more B than C is D.
AがBでないのは、CがDでないのと同じだ。
となります。
ただし、BとDが同一のものであるとき、Dは省略されます。
上の文も、省略しなかったら、
A whale is no more a fish than a horse is a fish.
となりますが、英語は同じ言葉の使用を嫌いますので、最後の a fish は省略されます。
構造の理解としては、否定語 no が一度使われていますので、これで否定文です。
主語である a whale が否定されますので、「クジラは魚ではない」という情報をまず正確に受け止めることが必要です。
とりあえず、クジラは魚ではない。
それも普通の否定の仕方ではなく、もう全く魚ではない、と強く否定したい。
どれくらい強く否定したいかというと、「馬が魚である」こと以上に。
馬が魚であるわけがないので、それ以上に、クジラは魚ではないのだ。
常識的に絶対違うこと以上に、それは違うのだ。
そういう強い否定になります。
だから直訳は、「CがDでない以上に、AはBではない」
です。
ニュアンスを正確に日本語に写し取るなら、
「AがBでないのは、CがDでないのと同じだ」
が最も妥当だということで、この訳し方が定着しています。
構造を理解したら、とにかく覚えましょう。
文の構造の「A is no more B than C is D.」か上のクジラの例文か、とにかくどちらかを暗記しましょう。
覚えなければどうにもならないことが英語にはあります。
問題 以下の空所に適語を入れよ。
The ability to write poetry made ( )( ) money at that time ( ) it does now.
今日と同じように、当時も詩を書く能力はお金にはならなかった。
覚え方がbe動詞を使うものだったせいで、be動詞の文しかこの構文は作れないと思う人がいるのですが、実は一般動詞でも大丈夫なのです。
「クジラ構文」ではない、「クジラの公式」だ、と言われる理由はそれかもしれません。
ともかく、この問題は一般動詞の文ですが、クジラの公式が使えます。
正解は、
The ability to write poetry made (no)(more) money at that time (than) it does now.
です。
問題 以下の空所に適語を入れよ。
A whale is ( ) a fish ( )( )( ) a horse is.
クジラの公式で暗唱した文と同じ意味のようなのに、空所の位置が何だか違う・・・。
ここで生きてくる知識は、no more = not ~any more だということ。
したがって、正解は、
A whale is (not) a fish (any)(more) than a horse is.
このタイプの文もあわせて暗唱しておくと安全ではありますが、混同しやすいので、一番上の形だけしっかり覚えて、あとは他の文でも使える知識、no more = not ~any more で補うと、理屈で理解するのが好きな人には好評です。
勿論、not と any more を文の中のどこに置くのかよくわからないと、この文は作れません。
英語の基本の語順、どの単語がどの位置にくるかという文法の基礎を身につけておくと、こういうときに楽ができます。
何でも土台がしっかりしていれば、大丈夫。
さて、クジラの公式は、もう1つあります。
A whale is no less a mammal than a horse is.
クジラは馬と同様に哺乳類である。
A is no less B than C is D.
AがBであるのは、CがDであるのと同じだ。
これも、B=Dのときは、Dは省略されます。
省略せずに書けば、以下のようになります。
A whale is no less a mammal than a horse is a mammal.
less というのは little の比較級。
little は準否定表現で、否定語の仲間です。
当然、less も否定語の仲間となります。
したがって、no less は否定語を2つ使っていますから、結果的に強い肯定を意味します。
Aは絶対にBなのです。
クジラは、もう絶対に哺乳類なのです。
どれくらい哺乳類なのかというと、馬が哺乳類であるのと同じくらい確実に哺乳類なのです。
no less を、not ~any less に書き換えることは不可能ではありませんが、あまり見られない形です。
さて、no more とno less と2種類あるとなると、空所補充問題は、文意を読み取ってどちらであるかを判断する必要があります。
問題 以下の空所に適語を補充せよ。
Air pollution does ( )( ) harm to birds and animals ( ) it does to human being.
高校生として、特に難しい単語はないはずなのですが、それでも、air pollution や、harm や、human being の意味がわからない、という人もいると思います。
どれも、中3か高1の教科書やサイドリーターで一度は目にしているはずの単語なのですが、英単語が頭の中を素通りしてすぐに忘れてしまい、覚えられない人もいます。
このあたりに1つ大きな壁があり、英語が苦手な人は、このレベルの単語を覚えていない場合が多いのです。
そして、このレベルの英単語を覚えていないとなると、高校のコミュニケーション英語の定期テストで出題される初見の英文は読解できないですし、上のように、文意がわからないと解けないタイプの文法問題も解けなくなります。
単語を覚えられない・・・・。
そのように悩んでいる人は、悩んでいるわりに、単語暗記に関して、実際には何もしていない場合が多いのです。
学校が毎週行ってくれる単語テストは、一夜漬け、あるいは当日の朝に覚える即席漬けを繰り返します。
計画的に学校からもらった単語集を1冊覚えようと努力している人はほとんどいません。
単語力は、簡単につくものではありません。
1年以上の長期スパンで考えましょう。
学校の単語集は自分で先取りし、できるだけ早く覚えて、何度も回転させると効果的です。
紙の単語集だけでなく、準拠のCDや音源のダウンロードを利用しましょう。
また、覚えた単語を定着させるという意味で、コミュニケーション英語の教科書本文を繰り返し音読するのも効果的です。
コミュニケーション英語の本文の和訳を見ながらそれを英文に戻す「反訳トレーニング」は、英語の筋トレのようなもので、さらに効果絶大です。
NHKのラジオ講座を聴くのも、とても良いことです。
学校の長文問題集があるならそれを、なければ別に購入して、初見の長文を読む経験を積むことも欠かせません。
そうしたことをこつこつ実践していると、1年後、信じられないような英語力がついています。
気がつくと、読めなかった初見の長文が読めるようになっている。
そのようにじわじわと効果が表れてきます。
一方、上のような、やるといいと言われたことは一切実行しないのですが、「覚えやすい英単語集」といった情報にはすぐに反応し、購入する人がいます。
購入しますが、持っているだけで安心するのか、使いません。
覚えやすいといっても限度があります。
持っているだけでその本の情報が脳に写し取られて、目が覚めたら単語力がついていた、ということにはならないのです。
私も興味があるので、覚えやすい英単語集という情報に触れれば書店で手に取ってみますが、感想は「他の単語集と大差ない」という場合が大半です。
やはり努力して暗記しなければ、この1冊は頭に入らない。
そうした感想しかわいてきません。
単語集は、学校から渡されているもので十分だと思います。
学校のテスト範囲でもありますし。
結局、反復と努力しかないのです。
それしかないのだという現実を受け入れる精神的成長を遂げた人から、英単語を覚えられるようになります。
いきなりパーフェクトを目指す必要はありません。
学校の単語集の5割でも7割でも覚えることができれば、ゼロよりはましになります。
努力が苦手な人は、完璧な結果を求めすぎるのかもしれません。
全てかゼロか、ではないのです。
半分覚えるだけで随分変わります。
問題に戻りましょう。
問題 以下の空所に適語を補充せよ。
Air pollution does ( )( ) harm to birds and animals ( ) it does to human being.
air pollution は「大気汚染」、harm は「害する、傷つける」、human being は「人間」です。
そうすると、( )を除いた前半の内容は、「大気汚染は鳥や動物に害を与える」という内容です。
後半は、「大気汚染は人間に害を与える」という内容。
これは、肯定される内容か、否定される内容か?
大気汚染は、鳥や動物に害を与えるでしょう。
だから、これは肯定文。
no less と二重に否定することで、強く肯定すれば良いとわかります。
正解は、
Air pollution does (no)(less) harm to birds and animals (than) it does to human being.
問題 以下の空所に適語を補充せよ。
A home without love is ( )( ) a home ( ) a body without a soul is a person.
この問題文は、単語は比較的易しいですね。
前半は「愛のない家庭は家庭である」という内容。
後半は、「魂のない肉体は人間である」という内容。
今回は、B=Dではないので、Dにあたる内容も省略されず書かれています。
内容から判断して、これは否定文でしょう。
だから、正解は、
A home without love is (no)(more) a home (than) a body without a soul is a person.
となります。
クジラの公式は、理解し、整理して覚えれば、そんなに難しくありません。
比較表現の学習は、このように1つ1つの表現を正確に理解し、整理していきましょう。
今回は、いきなり難度の高いクジラ構文を見てみます。
クジラ構文、あるいは「クジラの公式」と呼ばれるもので、一番有名な例文にクジラが出てくることから、そう呼ばれています。
A whale is no more a fish than a horse is.
クジラが魚でないのは、馬が魚でないのと同じである。
「クジラ構文」と言われてもピンとこなくても、この例文を見ると、ああ、あれか、と思い出す人が多いと思います。
構造としては、
A is no more B than C is D.
AがBでないのは、CがDでないのと同じだ。
となります。
ただし、BとDが同一のものであるとき、Dは省略されます。
上の文も、省略しなかったら、
A whale is no more a fish than a horse is a fish.
となりますが、英語は同じ言葉の使用を嫌いますので、最後の a fish は省略されます。
構造の理解としては、否定語 no が一度使われていますので、これで否定文です。
主語である a whale が否定されますので、「クジラは魚ではない」という情報をまず正確に受け止めることが必要です。
とりあえず、クジラは魚ではない。
それも普通の否定の仕方ではなく、もう全く魚ではない、と強く否定したい。
どれくらい強く否定したいかというと、「馬が魚である」こと以上に。
馬が魚であるわけがないので、それ以上に、クジラは魚ではないのだ。
常識的に絶対違うこと以上に、それは違うのだ。
そういう強い否定になります。
だから直訳は、「CがDでない以上に、AはBではない」
です。
ニュアンスを正確に日本語に写し取るなら、
「AがBでないのは、CがDでないのと同じだ」
が最も妥当だということで、この訳し方が定着しています。
構造を理解したら、とにかく覚えましょう。
文の構造の「A is no more B than C is D.」か上のクジラの例文か、とにかくどちらかを暗記しましょう。
覚えなければどうにもならないことが英語にはあります。
問題 以下の空所に適語を入れよ。
The ability to write poetry made ( )( ) money at that time ( ) it does now.
今日と同じように、当時も詩を書く能力はお金にはならなかった。
覚え方がbe動詞を使うものだったせいで、be動詞の文しかこの構文は作れないと思う人がいるのですが、実は一般動詞でも大丈夫なのです。
「クジラ構文」ではない、「クジラの公式」だ、と言われる理由はそれかもしれません。
ともかく、この問題は一般動詞の文ですが、クジラの公式が使えます。
正解は、
The ability to write poetry made (no)(more) money at that time (than) it does now.
です。
問題 以下の空所に適語を入れよ。
A whale is ( ) a fish ( )( )( ) a horse is.
クジラの公式で暗唱した文と同じ意味のようなのに、空所の位置が何だか違う・・・。
ここで生きてくる知識は、no more = not ~any more だということ。
したがって、正解は、
A whale is (not) a fish (any)(more) than a horse is.
このタイプの文もあわせて暗唱しておくと安全ではありますが、混同しやすいので、一番上の形だけしっかり覚えて、あとは他の文でも使える知識、no more = not ~any more で補うと、理屈で理解するのが好きな人には好評です。
勿論、not と any more を文の中のどこに置くのかよくわからないと、この文は作れません。
英語の基本の語順、どの単語がどの位置にくるかという文法の基礎を身につけておくと、こういうときに楽ができます。
何でも土台がしっかりしていれば、大丈夫。
さて、クジラの公式は、もう1つあります。
A whale is no less a mammal than a horse is.
クジラは馬と同様に哺乳類である。
A is no less B than C is D.
AがBであるのは、CがDであるのと同じだ。
これも、B=Dのときは、Dは省略されます。
省略せずに書けば、以下のようになります。
A whale is no less a mammal than a horse is a mammal.
less というのは little の比較級。
little は準否定表現で、否定語の仲間です。
当然、less も否定語の仲間となります。
したがって、no less は否定語を2つ使っていますから、結果的に強い肯定を意味します。
Aは絶対にBなのです。
クジラは、もう絶対に哺乳類なのです。
どれくらい哺乳類なのかというと、馬が哺乳類であるのと同じくらい確実に哺乳類なのです。
no less を、not ~any less に書き換えることは不可能ではありませんが、あまり見られない形です。
さて、no more とno less と2種類あるとなると、空所補充問題は、文意を読み取ってどちらであるかを判断する必要があります。
問題 以下の空所に適語を補充せよ。
Air pollution does ( )( ) harm to birds and animals ( ) it does to human being.
高校生として、特に難しい単語はないはずなのですが、それでも、air pollution や、harm や、human being の意味がわからない、という人もいると思います。
どれも、中3か高1の教科書やサイドリーターで一度は目にしているはずの単語なのですが、英単語が頭の中を素通りしてすぐに忘れてしまい、覚えられない人もいます。
このあたりに1つ大きな壁があり、英語が苦手な人は、このレベルの単語を覚えていない場合が多いのです。
そして、このレベルの英単語を覚えていないとなると、高校のコミュニケーション英語の定期テストで出題される初見の英文は読解できないですし、上のように、文意がわからないと解けないタイプの文法問題も解けなくなります。
単語を覚えられない・・・・。
そのように悩んでいる人は、悩んでいるわりに、単語暗記に関して、実際には何もしていない場合が多いのです。
学校が毎週行ってくれる単語テストは、一夜漬け、あるいは当日の朝に覚える即席漬けを繰り返します。
計画的に学校からもらった単語集を1冊覚えようと努力している人はほとんどいません。
単語力は、簡単につくものではありません。
1年以上の長期スパンで考えましょう。
学校の単語集は自分で先取りし、できるだけ早く覚えて、何度も回転させると効果的です。
紙の単語集だけでなく、準拠のCDや音源のダウンロードを利用しましょう。
また、覚えた単語を定着させるという意味で、コミュニケーション英語の教科書本文を繰り返し音読するのも効果的です。
コミュニケーション英語の本文の和訳を見ながらそれを英文に戻す「反訳トレーニング」は、英語の筋トレのようなもので、さらに効果絶大です。
NHKのラジオ講座を聴くのも、とても良いことです。
学校の長文問題集があるならそれを、なければ別に購入して、初見の長文を読む経験を積むことも欠かせません。
そうしたことをこつこつ実践していると、1年後、信じられないような英語力がついています。
気がつくと、読めなかった初見の長文が読めるようになっている。
そのようにじわじわと効果が表れてきます。
一方、上のような、やるといいと言われたことは一切実行しないのですが、「覚えやすい英単語集」といった情報にはすぐに反応し、購入する人がいます。
購入しますが、持っているだけで安心するのか、使いません。
覚えやすいといっても限度があります。
持っているだけでその本の情報が脳に写し取られて、目が覚めたら単語力がついていた、ということにはならないのです。
私も興味があるので、覚えやすい英単語集という情報に触れれば書店で手に取ってみますが、感想は「他の単語集と大差ない」という場合が大半です。
やはり努力して暗記しなければ、この1冊は頭に入らない。
そうした感想しかわいてきません。
単語集は、学校から渡されているもので十分だと思います。
学校のテスト範囲でもありますし。
結局、反復と努力しかないのです。
それしかないのだという現実を受け入れる精神的成長を遂げた人から、英単語を覚えられるようになります。
いきなりパーフェクトを目指す必要はありません。
学校の単語集の5割でも7割でも覚えることができれば、ゼロよりはましになります。
努力が苦手な人は、完璧な結果を求めすぎるのかもしれません。
全てかゼロか、ではないのです。
半分覚えるだけで随分変わります。
問題に戻りましょう。
問題 以下の空所に適語を補充せよ。
Air pollution does ( )( ) harm to birds and animals ( ) it does to human being.
air pollution は「大気汚染」、harm は「害する、傷つける」、human being は「人間」です。
そうすると、( )を除いた前半の内容は、「大気汚染は鳥や動物に害を与える」という内容です。
後半は、「大気汚染は人間に害を与える」という内容。
これは、肯定される内容か、否定される内容か?
大気汚染は、鳥や動物に害を与えるでしょう。
だから、これは肯定文。
no less と二重に否定することで、強く肯定すれば良いとわかります。
正解は、
Air pollution does (no)(less) harm to birds and animals (than) it does to human being.
問題 以下の空所に適語を補充せよ。
A home without love is ( )( ) a home ( ) a body without a soul is a person.
この問題文は、単語は比較的易しいですね。
前半は「愛のない家庭は家庭である」という内容。
後半は、「魂のない肉体は人間である」という内容。
今回は、B=Dではないので、Dにあたる内容も省略されず書かれています。
内容から判断して、これは否定文でしょう。
だから、正解は、
A home without love is (no)(more) a home (than) a body without a soul is a person.
となります。
クジラの公式は、理解し、整理して覚えれば、そんなに難しくありません。
比較表現の学習は、このように1つ1つの表現を正確に理解し、整理していきましょう。