たまりば

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2019年07月20日

期末テスト結果出ました。2019年1学期末。


2019年1学期末テストの結果が出ました。
高校生は、コミュニケーション英語と英語表現の平均を英語として、数学2科目の平均を数学として記してあります。

数学 80点台 2人  60点台 1人  40点台 2人
英語 80点台 1人  50点台 2人  40点台 1人 30点台 1人

定期テスト得点は、上がったら下がる、下がったら上がるを繰り返す子が大半です。
上がると気が緩んで次は下がる、下がると危機感を抱いて次は上がる。
そうした中で、数回の推移が上昇基調であるか下降基調であるかを見通すと、その子が伸びているのか下っているのかを判断できます。
上がったときの最高点が、上昇し続けているか。
下がったときの最低点が、下降し続けているか。

前回の中間テストで大幅に上昇した子が、予期した通りに下がりました。
次は、頑張りましょう。

特に高校生の場合、英語も数学もそれぞれ2科目ありますので、週1回90分の個別指導では全てをカバーしきれない場合もあります。
英語で言えば、文法がわからない、独りでは勉強できないという場合、英語表現の学習に当面集中し、コミュニケーション英語は自力で学習してもらうこともあります。
全訳プリントも、穴埋め式の重要表現をまとめたプリントも、教科書準拠ワークも解答付きで学校からもらっている場合は、あとは本人がそれで勉強するだけです。
勉強のやり方は説明してありますし、入塾した頃には、それらを使ってどのように勉強するのか、手取り足取り練習してもいます。
あとは、それを自分で継続するだけ。
塾では独りではできない勉強をしたほうが合理的と思いますし、本人も「大丈夫」と安請け合いします。
しかし、蓋を開けてみるとほとんど勉強していないことがあり、私は天を仰ぐことになります。
「今回は、同じ日に世界史があったから」
( 一一)
何で一夜漬けすることが前提なんでしょう。

「塾に行くことにしたから大丈夫」
と本人が思っている場合、塾の宿題しかしなくなる、果ては塾の宿題もしなくなる、塾でしか勉強しなくなるという、勉強嫌いな小学生みたいな学習姿勢になることがあります。
塾に行かないほうがまだ危機感を維持できて、自分でそれなりに勉強するのでは?
塾講師である私がそれを言うのは矛盾ですが、そう言わざるを得ない子もいないわけではありません。

学習意欲が低く、学習習慣がほとんどない子の多くは、基礎学力や思考力が低い子ではありません。
小学生の頃は、家で勉強しなくても学校の勉強は楽にこなしていただろうと思われる子たちです。
勉強ができないわけではないのに、何でそんなに勉強しないのだろう・・・。

特に中高一貫校の子の中には、公立・私立を問わず、勉強ができないわけではないのに勉強しない子がいます。
中学受験が終わった後、伸び切ったゴムみたいになり、もう勉強しなくなる子たちです。
保護者の方も、まあ受験勉強は頑張っていたし、多少無理もさせたから、少し休むのも良いだろうと思ってしまいます。
すると、そのまま休む休む。
頭は悪くないので、テスト前だけちょこちょこっと勉強するのでも、良い成績とは言いませんが、それなりの点数はとります。
中高一貫校は進度も速くレベルも高いから、こんな成績でも仕方ないのかなと、本人も保護者も思ってしまうこともあります。
全力を出してもいないのに、まあこのくらいで・・・と思ってしまいます。

ただ、まあこのくらいで・・・のレベルは、年々下がっていきます。
勉強していませんし、しても一夜漬けですから、積み上げ科目である英語や数学はジリジリ下がっていきます。
中1の頃は、70点くらいで、まあこのくらいで・・・。
中2の頃は、60点くらいで、まあこのくらいで・・・。
中3の頃は、50点くらいで、まあこのくらいで・・・。
高1の頃は、40点くらいで、まあこのくらいで・・・。
高2の頃は、30点くらいで、まあこのくらいで・・・。
もっとこれよりも一気に下がっていく子もいますが、遅かれ早かれ30点台が見えてきます。

なぜ、こんなに学習意欲が低いのだろう?
なぜ、モチベーションが低いのだろう?
どうしたら、モチベーションは高まるのだろう?
どうしたら、やる気になってくれるのだろう?

日々、そうしたことを考えていたところ、先日、興味深いネット記事を読みました。
教育関係のネット記事ではなく、ビジネス関連の記事でした。
「いちいちモチベーションという概念にふりまわされている人は生産性が低い」という内容でした。
目からウロコが落ちました。

生産性が低く、仕事のできない人の特徴は、
①自発的に動かない。
②当事者意識に欠けている。
③危機感がない。
の3つなのだそうです。

うわあ・・・。
それは、成績不振の生徒に対して丸ごとあてはまることです。
自発的に勉強しない。
自分の人生だし自分の成績だという当事者意識に欠けている。
このままいくとどうなるという危機感がない。

では、そうした人のモチベーションをどう上げるか?
あるいは、そういう本人がどうやって自分のモチベーションを上げるのか?
答えは明快。
そもそも、モチベーションという概念をいちいちもちだしてくる人は行動できない。
モチベーションがむしろ言い訳になり、そこでワンクッションある人は、行動できない。

朝ごはんを食べることは、モチベーションの問題ではないから、誰にでもできます。
朝起きて顔を洗って身支度を整えることも。
定刻に家を出ることも。
昼ごはんを食べることも。
家に帰ってとりあえずテレビをつけることも。
着替えてベッドに寝転んでスマホをいじることも。
モチベーションの問題ではないから、毎日行うことができる。
それは、「習慣」。
モチベーションがなくても、習慣になっていれば、それはできる、というのです。

一方、そうしたことをモチベーションの問題にしてしまったら、そのいちいちでやるかやらないかを判断することになり、多大な精神力が必要となる。
いちいちやるかやらないかを判断していたら、できない。
やりたいかやりたくないかを考えていたら、できない。
だから、やるべきことをモチベーションの問題にしないこと。
生活習慣とすること。

勉強することを生活習慣とすること。
勉強したくないなあとか、モチベーションが上がらないなあとか考えないこと。
考えそうになったら、
「はいはい。それはモチベーションの問題じゃない。習慣習慣。考えない。考えない」
と自分に言い聞かせ、とにかくいつもの時間になったらいつも通りに勉強する。
半年も経てば、それは習慣になり、今日は勉強したいとかしたくないとか、そんなことは関係なくなる。
勉強する時間が毎日の生活習慣の中にある。
それが大事。

そう考えますと、中学受験というのは罪深い側面もあります。
受験勉強をしている3年間だけ、小学生としてはありえないほどの時間を使って勉強します。
学校から帰ったら、毎日5時間、6時間。
その反動で、中学入学後は全く勉強しなくなるという事態が起こり得ます。
それに対して、親が強く言えない。
受験期に無理をさせ過ぎたという後ろめたさがあると、特に言いづらいかもしれません。
受験をしていなかったら、「もう中学生なんだから、しっかり勉強しないと」という当たり前の忠告ができます。
「高校入試があるんだから」と言えます。
それが言えないのです。
学習習慣が消え去っていくのを手をこまねいて見ていることになります。

勿論、保護者の方は危機感を抱いているのですが、中学受験のときほどには、子どもは親の言う通りには動かなくなります。
「受験勉強のときだけだと思っていたのに、中学に入ったら入ったで、また勉強しろと言っている」
口にはしなくても、そんな目で見返されると、ついひるむということもあると思います。
あるいは、ひるまず「勉強しなさい」と言っても、もう言うことを聞いてくれない・・・。
6年先の大学入試について何を言っても、子どもに当事者意識を持たせるのは難しいこともあります。

中学受験をしていなかったら・・・。
公立中学に通い高校受験をしたのであれば、少なくとも学習習慣は身についたのではないか?
中高一貫校の中で成績が悪くても「みんな勉強ができるから」と言い訳できるけれど、地元の公立中学で自分が劣等生というのはあり得ない。
勉強は普通にするでしょう。
5教科「5」はマストだよね。
そういう気持ちになっていたかもしれません。

しかし、中学受験をしたのだし、その結果中高一貫校に通っているのですから、そのことについて今更どうこう言っても意味がありません。

中高一貫校には良い面も多いのです。
大学受験について学校側が強く意識していますから、全体の流れに乗っていればそれなりに何とかなります。
中1の最初から大学受験に向けたカリキュラムが組まれ、どの程度頑張ればどの大学に入れるのか、そうした数値的なデータもそろっています。
土曜日も授業。
7限もあり。
繰り返される小テスト。
単元テスト。
追試。
放課後の補講。
学校の夏期講習。
山のような宿題。
それをこなしていれば何とかなるのは、将来の目標を持って学習できていない子にはありがたいシステムです。
高2までで高校の学習内容が終わるので、高3は受験勉強に集中できるのも強みです。

全く学習習慣のない子も、高2になって周囲がざわつけば、意識もちょっと変わります。
ずっと先だと思っていた大学入試はすぐそこ。
中学受験のときには、もっと早くから準備していましたよね?
そんな話が案外心に響くことがあります。

さあ、ここから。
そう思います。
  


  • Posted by セギ at 12:47Comments(0)講師日記