たまりば

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2019年02月11日

付加疑問文と否定疑問文。



前回、間接疑問文の話をしました。
今回は、まず、付加疑問文の解説から。
Tom cooks well , dosen't he ?
トムは、料理が上手ですよね?

このように、平叙文(肯定文・否定文)や命令文の後に付け加える簡単な疑問形の文を付加疑問と呼びます。
イントネーションは2通りあり、上昇調で言うときは、相手に賛同を求めたい気持ちが強く、下降調のときは、自分の言うことに自信があり確認する気持ちが強いとされています。

付加疑問は、中2で学習する教科書が多いですか、チラッとしか出てこないためか、学習したのかしていないのか、よく覚えていない子もいます。
「不定詞」のようには大きな単元の扱いになっていないからでしょう。
中3で間接疑問文を学習したのにあわせ、「いろいろな疑問文」としてまとめて復習しておくと良いですね。

付加疑問の作り方は、そんなに難しくありません。
上の文のように、肯定文の後に続く付加疑問は、否定形で訊きます。
主語は、代名詞に直します。

では、以後は空所補充問題として、基本を確認していきましょう。

That is unfair , (  )(  )?
「それは公平ではないよね」

一番上の文は、一般動詞の文でしたが、これは、be 動詞の文です。
これは、be 動詞の疑問文の作り方で付加疑問を作れば良いですね。

That is unfair , isn't it ?

では、助動詞を含む文は、どうしましょうか。

We must answer the letter , (  )(  )?
「私たちは、その手紙に返事を書かなければなりませんよね」

これも、助動詞を含むの文の疑問文の作り方で大丈夫です。
正解は、
We must answer the letter , mustn't we?

簡単ですね。ヽ(^。^)ノ
では、前の文が否定文ならば、どうでしょうか。

I'm not wrong , (  )(  ) ?
「私は間違っていませんよね」

前の文が否定文ならば、疑問は肯定形になります。
正解は、
I'm not wrong , am I ?

一般動詞の文は場合は、

You don't know his address , (  )(  ) ?
「あなたは、彼の住所を知りませんよね」

正解は、
You don't know his address , do you ?

助動詞の文の場合は、

You won't tell anyone , (  )(  ) ?
「あなたは誰にも言いませんよね」

正解は、
You won't tell anyone , will you ?

簡単、簡単。ヽ(^。^)ノ

では、この空所は?
There is no need to hurry , (  )(  ) ?
「急ぐ必要はありませんよね」

no を含む文も、否定文です。
付加疑問は肯定形になります。
There is no need to hurry , is there ?

The accident victim could hardly walk , (  )(  ) ?
「その事故の被害者は、ほとんど歩けませんでしたね」

少し難しい内容ですが、hardly , scarcely という副詞は「ほとんど~ない」という意味で、文を否定の意味に変える、準否定表現です。
一種の否定文ですから、付加疑問は、肯定形になります。

The accident victim could hardly walk , could he ?

seldom , rarely は、「めったに~ない」という意味で、やはり準否定表現です。
名詞に前につける few , little が使用されている場合も同様です。
There are a few girls. は、「女の子が数人いる」。
There are few girls. は、「女の子はほとんどいない」。
a の有無で意味が大きく異なります。


ところで、命令文の後に付加疑問をつけることがあります。
これは、定型なので、そのまま覚えてしまうのがお勧めです。

Take a seat , will you ?
Take a seat , won't you ?
「座りませんか」

これは、どちらでも正解です。
ただし、will you を下降調で言うと、命令口調。
won't you は、will you より丁寧というニュアンスの違いはあります。
とりあえず、「命令文 , will you ?」という形で覚えておけば、大丈夫です。

Let's go together , shall we ?

これも、「Let's ~ , shall we ? 」の形で覚えておけば、大丈夫です。

覚えておけば、大丈夫。
しかし、こういう覚えておけば大丈夫なことを、絶対に覚えない中学生もいます。
付加疑問に「命令文+~」の形があることが、何回練習しても身につきません。
前半の簡単な付加疑問に正解できると、もうそれで良しとしてしまうようです。
何でも基本的なことが正答できるようになれば、まあ大丈夫、自分は理解している、という感覚なのかもしれません。
例外的なことは、例外的なことだから、関係ない。
そういう判断なのでしょうか。

・・・でも、入試って、例外的なところが出るんですよね。( 一一)
だから、そこに力を入れて覚えたほうが、得点は向上します。
英語の受験勉強の力点は、例外的なところに置きましょう。


さて、会話補充文などで出題されるのが、付加疑問文、あるいは否定疑問文に対する答え方。

You don't know his address , do you ?
「あなたは、彼の住所を知りませんよね」

そう問われて、いや、自分は彼の住所を知っているというとき、どう答えるのでしょうか。

正解は、
Yes , I do. I know his adress. です。

英語はシンプルで、「知っているか?」と問われても、「知らないよね?」と問われても、答えは同じです。
知っているのなら、Yes. 知らないのなら、No. です。

相手の言うとおり、自分は彼の住所を知らないのならば、
No , I don't. I don't know his adress.
となります。

ここで、「英語と日本語は、Yes. と No. が逆で」という説明を聞いて、それでピンとくるのならそれで良いのですが、そのような説明ではますます混乱して訳がわからなくなる子もいます。
日本語で否定形で問われても、正しく「はい」「いいえ」が答えられない子が増えています。
「あなたは、彼の住所を知りませんよね?」
と日本語で問われて、知らないときに、
「はい。知りません」
と答えられないのです。
「はい」か「いいえ」か瞬時に判断できず、「知りません」しか答えられない子は多いです。
意味は伝わりますから、まあそれで良いですし。
これは、現代の子どもの言語能力の1つの表れかもしれません。
機能語、日本語で言えば助詞や助動詞の働きをほとんど意識できず、名詞や動詞を拾って文の意味を取っているだけの子は、相手が肯定形で訊いているか否定形で訊いているかを認識する力が弱いのだと思います。

日本語の受け答えが正しくできないときに、日本語と対比して英語の否定疑問への答え方を解説されても、ますます混乱します。
英語の話は、英語だけにとどめて理解しましょう。
とにかく、相手の疑問文をなぞるように文末まで正確に答えるときに肯定文になるのなら、そのときの返事は Yes.
相手の疑問文をなぞるように文末まで正確に答えるときに否定文になるのなら、そのときの返事は、No.


これは、付加疑問に限らず、独立した否定疑問文のときも同じです。

Aren't you a member of the tennis club ?
あなたは、テニス部のメンバーではありませんか?

この日本語に日本語で「いいえ。私はテニス部のメンバーです」と答えるかどうかは、大人でも難しいかもしれません。
「はい。私はテニス部のメンバーです」で、いいんじゃないの?
何で、そこで「いいえ」なの?
と、日本語の問題として混乱するのです。
これは、相手のイントネーションによっては、「ありませんか」が否定語として耳に響いてこないことも一因でしょう。
ただ、確認をとっているだけのイントネーションというのもありますよね。

「あなたは、田中さんではありませんか?」
久しぶりに会った人に道で声をかけたら、「いいえ」と答えられた。
ああ、田中さんではないのかと受けとめるのが普通でしょう。
そういう意味では、日本語も英語も、反応は同じとなります。

このような混乱もありますから、日本語と英語は逆に答えるのだよという解説では理解しづらいのです。
日本語にいちいち直す必要はありません。
とにかく、テニス部のメンバーならば、
Yes , I am. です。
テニス部のメンバーでないのならば、
No , I'm not. です。

そして、日本語に訳せと言われたときだけ、否定文の後に続く間接疑問や否定疑問文の答えは、
Yes. は「いいえ」、 No. は「はい」と訳しておけば、丸くおさまる。
そのへんは、機械的な処理で良いと思います。
「訳せ」という形で否定疑問文が出題されることは少ないですし。


実際によく出題されるのは、こういう形式です。

A: You are late. What's up ? Didn't you get on the 8:00 a.m. bus ?
B:(  ),(  )(  ). But the bus was stuck in a traffic jam.

空所に入るのは、Yes , I did. か、No , I didn't. か?
バスには乗ったのだけれど、交通渋滞に巻き込まれたと言っているのですから、答えは、Yes , I did. です。

文脈から判断して、否定疑問文に正確に答える。
そういう出題に対応できれば、大丈夫です。



  


  • Posted by セギ at 13:28Comments(0)英語