たまりば

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2018年12月21日

関係代名詞3 目的格の whom


さて、関係代名詞。今回は目的格です。

前回まで説明したのは、実は、主格の関係代名詞でした。

I have an aunt. She lives in New York.
この文を関係代名詞で1文にすると、
I have an aunt who lives in New York.

この関係代名詞 who は、2つ目の文の中で、主語の働きをしています。
こういう関係代名詞を主格の関係代名詞といいます。

I will show you the pen which was given to me by my uncle.

この文もそうですね。
この関係代名詞 which は、2つ目の文の中で、主語の働きをしています。
ここは誤解しやすいところですが、1つ目の文、すなわち主節の中でどんな働きをしているかは関係ないのです。
主節の中で先行詞が主語だろうと補語だろうと目的語だろうとどうでもよいのです。
2つ目の文、すなわち関係代名詞節の中で主語の働きをしている関係代名詞が主格。
関係代名詞節の中で目的語の働きをしている関係代名詞が目的格です。

今回は、その、目的格の関係代名詞について説明します。

She is the girl. Tom invited her to the party.

この2文を1文にして、「彼女は、トムがパーティーに招待した女の子です」という文を作りたい場合。
1つ目の文の the girl と、2つ目の文の her が同一人物です。
これまでと異なり、関係代名詞になる単語は2つ目の文の先頭ではないので、文をつなげにくいですね。
でも、ルールは同じ。
修飾される名詞である先行詞がきたら、すぐに関係代名詞です。
だから、2つ目の文の her は、whom という関係代名詞となり、先行詞の直後に置きます。
その後、2つ目の文を主語から普通に続けていきます。
her はもう whom に形を変えて先頭にいったので、飛ばします。

She is the girl whom Tom invited to the party.

whom って何?

今までの関係代名詞って、疑問詞と同じ形をしていたのに、何か、whom って見慣れない・・・。
そういう感想を抱く中学生がいますが、 whom も疑問詞の1つで、書き言葉としてはまだ使われることがあります。
By whom was this book written ?
「この本は、誰によって書かれたのですか」
直訳が不自然に固くなりましたが、英語的にも固い表現です。
しかし、「誰によって?」という疑問が文頭から明確に伝わるという点で、論理的な文章としては有効です。
語句の関係が明瞭だということは、読みとりやすいということです。
who was this book written by ?
という形も正しい文ですが、最後の by を聞くまで、疑問の中身が何であるか不明瞭です。

勿論、こんなことを受動態で質問するからややこしいので、話し言葉ならば、
who wrote this book ?
と能動態で質問するでしょう。
けれど、もっと込み入った内容の論説文の場合、by whom 、 for whom 、with whom などは、有効な表現です。
そして、勿論、関係代名詞 whom も書き言葉として現役です。


ところが、ゆとり教育の時代に、中学の英語教科書から関係代名詞 whom が消えました。
新課程になった後も、復活していません。

理由は色々考えられますが、最も大きい理由は、目的格の関係代名詞は省略可能だということ。
She is the girl Tom invited to the party.
と、whom を省略することが可能です。
話し言葉では、むしろ省略される場合がほとんどでしょう。
girl と Tom の間に少しポーズをとって区切れば、十分意味が伝わります。
アメリカの口語英語を基準としている中学英語教科書は、そういうわけで whom の存在を消してしまったようです。

日常で省略されることが多くなると、何が起こるか?
ネイティブでも、who と whom の使い分けができない人が増えていきます。
たまに使うときに、whom と言うべきところを誤って who と言ってしまうのです。
間違う人が多くなると、しかし、それが正しい表現として認められていくのが言語です。
現在では、目的格でも who を用いることが許容されています。
高校の「英語表現」の教科書では、目的格の関係代名詞は、whom の他に who が明記されています。


こうした情報をどう読み取るか?
「じゃあ、何でも who でいいんだ!who しか覚えない」
と決めてかかって良いのでしょうか?
いいえ。
whom も身につけておいたほうが良いでしょう。
なぜなら、書き言葉として、whom は現役の関係代名詞だからです。
「前置詞+関係代名詞」という内容を高校で学習しますが、それはさすがに who での代用を認められていません。
前置詞の後ろに主格の who をもってくる感覚は、ネイティブにはないのです。
ですから、結局、whom は学習しなければならない関係代名詞です。
どうせ学習しなければならないのなら、基本の用法から正確に身につけておくに越したことはありません。
実際問題として、何でも who でいいと覚えていたのに、高校の英語表現のテストの四択問題で、選択肢に who がない、ということはあり得ることです。

「どちらでもいいのなら、片方しか覚えない」という学習姿勢は、英語には不向きです。
覚えていないもう片方を相手が使う可能性があるからです。

関係代名詞に限らず話を広ければ、英語は同じ表現の繰り返しを嫌いますから、1つの文章の中で同じことを常に言い換えていきます。
1つしか覚えないという姿勢では、英文を読めないのです。
英語長文を読んでいて、
「何でいちいち言い換えるの?だから途中で意味がわからなくなるんだよ」
と愚痴を言う子もいますが、1つのことを1通りの表現でしか表せない言語は、文化的に痩せた言語です。
類義語・類語表現の多さは、言語的な豊かさの証です。
自分1人の学びやすさのために英語が存在するわけではない。
つくづくとそれを悟るのも、外国語を学ぶ意味の1つであるように思います。


それでは、中学生としては、whom をどう扱いましょうか?
学校で学習していないのなら、学校の授業やテストでは使わないほうが良いと思います。
教えてもいないのに生徒に whom を使われて、かっとなったのか、
「whom なんて古い。今は使わない」
と断言し、後に生徒たちから陰で笑い者にされた英語の先生がかつていました。
こういうのは、お互いにとって不幸です。

学校の先生の判断で whom を教える場合もあります。
その場合は積極的に覚え、使用しましょう。

高校受験ではどうなのか?
入試で使うのは問題ありません。
whom は口語としてやや堅苦しいというだけで、間違った表現ではありません。
入試の答案を採点するのは、それぞれの高校の英語の先生です。
高校の英語の先生は、whom に特別な感情はありません。
日常会話では使わなくても、論説文には普通に使用されている単語ですから。

私立高校を受験する場合は、whomの他、中学では学習しない所有格の関係代名詞 whose や、関係副詞の基本まではひと通り学習しておくと安心です。
長文問題の本文で使用されていることが多いですし、特に whose は文法問題で出題されることがあります。
もっとも、配点がそんな高いわけではないので、その1問が解けなくても合否にはさほど影響しないでしょう。
発展的な文法事項に神経を尖らせるよりも、語彙の難度が高くボリュームのある英語長文をある程度のスピードで読み通せる読解力を鍛えることのほうが入試には重要です。
当然、関係代名詞が多用されています。

さて、whom の基本的な用法に話を戻しましょう。
The boy could speak Japanese a little. I met him in the park.
この2文を「私が公園で会った少年は、少し日本語を話すことができた」という文にしたいとき。
先行詞と、関係代名詞になる語との距離がさらに開きましたね。
これも、先行詞がきたら関係代名詞、という基本ルールでつなげば大丈夫です。
したがって、主節は途中で分断されます。

The boy whom I met in the park could speak Japanese a little.

The boy という先行詞がきたら、すぐに whom。
その後、2つ目の文、すなわち関係代名詞節を先頭から書いていきます。
ここで変な倒置を考える人がいるのですが、必要ありません。
主語から普通に述べていき、ただし、whom に変わった him は省略し、さらにその後ろを普通に述べていきます。
関係代名詞が全部終わったら、主節に戻り、これも、普通に順番通りに述べていきます。
ルールは極めてシンプルです。
勿論、このwhom も目的格ですから省略可能です。


上のように2つの英文が与えられて、関係代名詞を使って1文にしなさい、という問題なら正答できる人が、日本文を英文に直す問題では難渋することがあります。
「私が公園で会った少年は、少し日本語を話すことができた」
この日本語を英語に直す問題のとき。
多くの場合、まず、I met the boy in the park と書いてしまい、その後に何も続けられなくなってしまうのです。

これは日本語の構造を把握する力が問われる問題です。
「私が公園で会った少年は、少し日本語を話すことができた」
この文の主語と述語は何でしょうか?
国語の文法の学習でも主語と述語を見つけることが苦手な人がいますが、そういう人は大体、まず主語を探しています。
しかも、主語は必ず文頭にあるという間違った思い込みをしています。

日本語で主語と述語を探すときは、まず述語を探します。
倒置法などの特殊な場合を除き、述語は、文末にあります。
一方、主語は、文頭にあるとは限らないのです。
上の文の述語は、1文節で正確に答えるなら「できた」ですが、今は英文を作るための主・述の確認なので、意味がとれるよう「話すことができた」とざっくり把握しましょう。
話すことができたのは誰なのか?
その「誰」にあたるのが、この文の主語です。
話すことができたのは、「私」ではなく、「少年」です。
英語は、主語から書き出します。
だから、英文の書き出しは、The boy です。
The boy
どんな少年なのか?
私が公園で会った、少年。
この修飾関係が見えたら、もう大丈夫。
名詞を修飾する2語以上の語句は、名詞の直後に置かれます。
修飾語句に主・述の関係が感じ取れますから、これは関係代名詞節で修飾するのだと予想が立ちます。
The boy I met in the park
ここまで、すぐに作れますね。
これで、文の主語とその修飾語句が作れました。
で、そのボーイがどうしたのか?
「少し日本語を話した」
なるほど、では、主節を続ければ良いんだ。
The boy I met in the park could speak Japanese a little.
で、問題を読み直し、「関係代名詞を用いて」と、もし書いてあれば、これは先行詞が人間で、目的格の関係代名詞だなと判断し、
The boy whom I met in the park could speak Japanese a little.
これで正解です。
ヽ(^。^)ノ

そんな手間はかけられない、と言う子もいます。
しかし、最初はこうやってしっかり分析して書くようにすると、そのうち、パッと読んだときに日本語の構造が見えてくるようになります。
そうなれば、こんな手順を踏まなくても、スラスラと正しい英文を書けるようになります。
日本語の構造を正しく把握できるようにもなります。
良いことづくめです。

  


  • Posted by セギ at 12:10Comments(0)英語