たまりば

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2018年12月19日

高校数A 合同式の利用 その2。



今回も「合同式」。
まずはこんな問題です。

問題 整数nを3で割った余りが2のとき、n3-3nを3で割った余りを求めよ。

合同式を使えば簡単です。
整数nは3で割った余りが2なのだから、
n≡2 (mod3)
よって、
n3-3n≡23-3・2=8-6=2 (mod3)

したがって、余りは2です。

合同式を用いて、証明問題を解くことも可能です。
これも、普通の解き方よりも簡単に書いていくことができます。

問題 nが整数であるとき、n3+5nは6で割り切れることを証明せよ。

6で割り切れるかどうかを証明するのですから、6を法として論を進めていけば良いのです。

整数nは6を法とするとn≡0、n≡1、n≡2、n≡3、n≡4、n≡5のいずれかに分類される。
(1)n≡0のとき
n3+5n≡03+5・0≡0
(2)n≡1のとき
n3+5n≡13+5・1≡6≡0
(3)n≡2のとき
n3+5n≡23+5・2≡18≡0
(4)n≡3のとき
n3+5n≡33+5・3≡42≡0
(5)n≡4のとき
n≡4≡-2
n3+5n≡(-2)3+5・(-2)≡-8-10≡-18≡0
(6)n≡5のとき
n≡5≡-1
n3+5n≡(-1)3+5・(-1)≡-1-5≡-6≡0
(1)~(6)より、
n3+5n≡0
よって、nを整数とすると、n3+5nは6で割り切れる。

シンプルで楽ですね。
あっという間に終わりました。



これを普通の解き方で解くとなると、答案は少なくともこの倍のボリュームになります。
その中で、この問題は、実は隠れた重要事項を利用できると、少し楽に解けます。
それは、「連続する3つの整数の積は6の倍数である」というものです。
しかし、このことに、ノーヒントで気づく高校生は少ないです。
問題集の欄外などにヒントとして、「連続する3つの整数の積は6の倍数であることを利用する」などと書いてあることが多いですが、そう書いてあっても、何のことかわからない場合もあります。

連続する3つの整数なんだから、どれかは2の倍数だし、どれかは3の倍数ですよ。
だから、積は必ず6の倍数でしょう?

この雑な説明が頭の中でスパークし、顔を輝かせ、
「すげえっ!そうか!」
と感動する子もいます。
「・・・・おまえ、オラが見えるのか?」
私は、哀しい妖怪の定番のセリフを口にすることになります。
正直、こんな雑な説明で伝わるとは思わなかった・・・。

一方、私がそういう雑な説明をすると余計に
「え?」「え?」「え?」
となってしまう子も多いのです。

もっと詳しく説明しても、
「でも、どれが2の倍数で、どれが3の倍数かわからないじゃないですか」
と言われてしまうこともあります。
そこを詳細に場合分けして説明すると、むしろ場合分けしたことがあだとなり、
「だって、こっちの場合とこっちの場合では話が違うじゃないですか」
と言われてしまうこともあります。
そんなときは、ああもうこの話はしたくないと泣き伏したくなります。

わからないことが苦しいのは何より本人なのだけれど。

何をどう説明しても、わかってもらえない。
講師と生徒と1対1のとき、わからない生徒が絶対王者のように君臨し、「わかるように説明できない講師が悪い」という空気の中で私は絶望的な闘いを続ける。
そういうことは、たまに起こります。
集団指導の場合は、理解の速い子は説明が終わる前にもう理解し、
「あ。そうか」
「ああ。そういうことか」
と声に出してくれます。
その一言で、わからないのは、わからないほうが悪いという空気が生まれます。
そうなると、本当はわからない子も、わかったふりをします。
あるいは、わかったふりはしないまでも、それは自分の理解力に問題があるのだと哀しい気持ちで認め、少なくとも王者のように君臨することはありません。

どちらか良いのか。
・・・それは、個別指導のほうがいいです。
だって、実際わからないのですから、わからないことをわからないと表明できるほうが健全です。
だから、泣き伏しそうになりながらでも、私は頑張るぞ。

膠着状態を脱却する方法はあります。
相手が納得のいくまで、具体例で説明していくのです。
連続する3つの整数として例えば「9、10、11」を考えます。
9は3の倍数です。
3×3と分解できます。
10は2の倍数です。
2×5と分解できます。
したがって、
9×10×11=3×3×2×5×11
3×2という因数が含まれていますから、これは6の倍数です。
これをいくつかの例でやれば、ある程度は理解してもらえます。
しかし、私の中では1つの敗北と感じてもいるのです。

せっかく文字を用いて抽象化しようとしているのに、結局、具体例で考えないと理解できない。
抽象を抽象のまま理解できなくて、この先の学習は大丈夫だろうか?

・・・・心配ばかりしていても仕方ないのですが。
いずれにしろ主題ではないことにかなりの時間を費やし、さて問題は何だったかというと。


問題 nが整数であるとき、n3+5nは6で割り切れることを証明せよ。

n3+5n
=n3-n+6n
=n(n2-1)+6n
=(n-1)n(n+1)+6n
連続する3つの整数は、6の倍数である。
ゆえに、n3+5nは、6の倍数。

・・・やっぱり難しい。( ;∀;)
合同式で証明するほうが簡単な気がしてきます。

  


  • Posted by セギ at 12:12Comments(0)算数・数学