たまりば

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2018年11月26日

丹沢大山を歩きました。2018年11月。


2018年11月25日(日)、丹沢大山を歩きました。
前回歩いたのは、2012年。
でも、このときは、金比羅尾根から登り、北尾根を降りています。
登山道ではない尾根歩きでした。
今回のコースを前に歩いたのはいつだったか記録を調べたら、2006年に遡りました。
というわけで、12年ぶりの表参道です。

三鷹7:33発の中央特快に乗り、新宿で小田急に乗り換え。
伊勢原着8:55。
駅前のバス停は既に長蛇の列でした。
バスは大山ケーブル下までの臨時直通便がガンガン出ていました。
バスの中は地元出身の落語家さんの軽妙な案内が放送されています。
まずは小噺を披露。
面白いサービスです。

直通バスは20分で大山ケーブル下へ。
バス停前に大きなトイレがあり、支度をして、さて出発です。9:25。
まずは「こま参道」の石段道を登っていきます。
両側に食堂や土産物屋が軒を並べる道です。
シイタケや柿の直売。
おせんべい屋さん。
きゃらぶき専門店。
1軒1軒個性があって面白いです。
石段を数段上がるとしばらく平らになり、また石段を数段。
両側の店を眺めながら、飽きずに歩いていき、店が尽きて左手の橋を渡ると、ケーブルの券売所がありました。
ケーブルカーに乗る人の大行列で、列を横切って登山道に入るのに苦労するほどでした。
ケーブルカーに乗るまで、何十分かかるのだろう?
乗ってしまえば6分で下社まで上がれるそうです。

ここから、本格的な石段道が始まりました。
最初はよく整備されている石段ですが、だんだん石の配置が雑になり、石がごつくなり、段差も急になっていきました。
おや、鹿だ。
階段脇の草地で草を食べていました。
こんな麓まで下りてきています。
観光客に混じって、私も鹿の写真を撮影。
そうした人々に怯える様子もなく、むしゃむしゃと草を食べる鹿。
丹沢の鹿は、いつ見ても態度がでかいです。
奥多摩の鹿は、人を見るとぎょっとし、目を丸くしてUターンするのですが。
ハンターに遭遇した経験の差異というものでしょうか。

さて、延々と続く石段道を登っていきます。
登山客と観光客と半々。
でも、案外人の流れはスムーズです。
というより、こんなに速いペースで石段を登ったらバテるのでは?
観光客は、案外歩くのが速い気がします。
がむしゃらに登って疲れ果てて、もう2度と行きたくないと言う人は、歩くペースに問題があることが多いのです。
もっとゆっくり歩けば、息も切れないし、休憩もあまり必要ないので、結局がむしゃらに登るのと同じくらいの時間で上まで着くのですが。

男坂と女坂との分岐に着きました。
久しぶりなので、女坂で様子を見ることにしました。
とはいえ、女坂も、ごつごつした不ぞろいな石段が続きました。

大山寺。10:00。
本堂まで、よく整備されたまっすぐな石段道が続きました。
石段に両側から覆いかぶさるカエデ。
紅葉の盛りは過ぎて、黒ずんだ濃い赤になっていましたが、これだけの量があるとやはり壮観です。
上の写真がそれです。

本堂の右手から登山道はさらに上に伸びていきます。
再びごつごつした不ぞろいな石段道。
歩荷のお兄さんを前方に発見。
この石段を登るのは、バランス面でも難しいでしょう。

阿夫利神社下社。10:25。
前に来たときと比べるとびっくりするくらい整備され、古びた茶店が、カフェとラーメン屋に変わっていました。
観光化の波が山の中腹まで押し寄せてきている印象です。
ベンチに座ってちょっと休憩。
見上げる紅葉は、昔と変わりません。

さて、「登山道」という看板に従い、まずは急な石段を登っていきます。
登りきると、ここまでのオール石段道から、石段+登山道に道は変化しました。
下社を1丁目、頂上を28丁目とする古い石柱が立てられています。
すぐに次の石柱が見えてくるので、励みになります。
ときどき眺望が開け、座り込んで休憩している人も多くなってきました。
8丁目夫婦杉。
10丁目大杉。
21丁目富士見台。11:15。
晴れの予報でしたが、地平線付近は雲が多く、富士山は見えませんでした。
ベンチで休憩。

隣りの家族連れの男の子が、
「YouTube少し見ていい?」
と親に問いかけていました。
お母さんは苦笑して、
「それは、帰りの電車で見ようね」

少しの休憩に、YouTubeを1本見たくなる。
うーむ。今どきの子どもですね。
そう言えば、昔、やはりこの大山の山頂で、
「驚いた。〇〇さんの子どものザックの中、『ハリーポッター』が入ってた」
「ええ?あんな分厚い本を担いできたの?」
という会話を聞いたのを思い出しました。
ハリーポッターの何作目かが発売された直後の日曜日でした。
親とのつきあいで山に来なければならないが、ハリーポッターは読みたい。
せめて山の行き帰りはハリーポッターを読みたい。
休憩時間や山頂でもハリーポッターを読みたい。
そういう気持ちが分厚い本を担いでの山歩きになったのだろうなあと感心したので、よく覚えています。

あの頃にはもう、子どもが本を読まなくなったとは言われていたけれど、ハリーポッターはベストセラーでした。
本など読みそうにない生徒から、
「え?先生、『バッテリー』を知らないの?何で?」
と驚かれたこともあります。
今の子どもから、本の話を聞くことは本当に少なくなりました。
ふと振り返ると、時代は流れているなあ。

25丁目ヤビツ峠分岐。
青い鳥居は銅製とのこと。
丹沢大山は山頂付近は案外平らで、最後のきついひと登りというのがありません。
山頂の阿夫利神社の建物が見えてきました。
28丁目山頂。12:00。
ちょうどお昼どきでもあり、山頂は大混雑でした。
神社の裏側に回り、ベンチが偶然1つ空いていたので、そこで昼食。
関東平野が広く見晴らせました。
今日もお昼はカップラーメン。
周囲もお湯を沸かしてカップラーメンを作って食べている人が大半です。
通りかかる人が、
「わあ、いい匂いがするなあ」
「お腹空いたねえ」
とキョロキョロと周囲を見回し、レジャーシートを敷く場所もないほど満員なのにがっかりして先に進んでいきました。
大丈夫。
この先にも、まだ休憩できるところはあるよー。

さて、下りは少し遠回りして、雷の峰尾根を歩きます。
昔、この道は土がむき出しで滑りやすく、歩きにくいところも少しあった記憶があります。
今は、木段・木道が完全に整備されていました。
歩きやすくなったせいか、人も多いです。
山頂に来た人の大半はこの道を下るのだろうか?というくらいの大行列で下っていきました。
この道は、本当は独りしみじみと歩きたいなあ。
こんな観光シーズンに来たらこうなるのは仕方ないので、初冬の頃とか平日とか、時期を変えてまた歩きたい道です。
ときおり樹間から、ケーブル沿いの紅葉の道が見下せたり、相模湾が見えたり。
眺望は素晴らしい道でした。

見晴台。13:25。
ここはテーブルとベンチが並ぶ広い休憩適地で、久しぶりに来てもこの場所の記憶はすぐによみがえりました。
この先は、直進すると日向薬師へと向かう関東ふれあいの道。
ここで、右にV字を描いて曲がり、下社に戻りました。
崖っぷちの平坦な道がずっと続いていました。
崖側にワイヤーが3本平行に張られていました。
延々と下社までワイヤーは続きました。
崖っぷち道が基本嫌いな私の感覚でも道幅は十分過ぎるほどで、こんなワイヤーは不要だろうという気がしたのですが、どんどん歩いていくと、意外なほど多くの観光客とすれ違います。
この道を歩いても観光的には面白いところはないのですが、下社から平坦にこの道につながっているので、ふらっと入ってきてしまう人が多いようです。
途中、2段の細い滝があります。
滝が龍のように蛇行し、傍にある社の狛犬も龍のブロンズ。
足を伸ばすとしてもここまでで、その先は本当に何にもないのに、観光客がその先にうっかり進んで滑落事故を起こしたことがあったのかもしれません。
「道悪い」の古い看板が残っていますが、橋のような立派な桟道がつけられていて、道は別に悪くない。
山の観光化と滑落事故と過剰整備と。
そんなことを思いながら、下社まで戻ってきました。13:55。
ここは、午後も大盛況でした。

ケーブルで上がり、徒歩で下りる。
観光客はそうする人も多いのですが、体力的には楽でも技術的には難しいのが下りです。
石段には手すりや鎖のついているところが多いですが、ないところもあります。
そういうところでは、しゃがみこんで手をついて石段を下りている観光客もいました。
足許が不安定な年齢になると、この石段の下りは怖いですね。
私もトレッキングポールを出しました。

大山寺。
石段の灯篭にローソクが灯っていました。
紅葉シーズンは、夜になるとライトアップされるそうです。
それを目当てにか、午後もどんどん人が登ってきていました。

下山。14:40。
こま参道を下り、バス停へ。
すぐにバスに乗車できました。
発車し、道路を下っていくバスは、こちらに向かってくるバスと次々にすれ違いました。
どれだけ増発してもきりがないほど大盛況の丹沢大山でした。
こういうのも嫌いじゃないけれど、静かな時期にまた来ようと思います。
これから、どこの低山も冬枯れの良い雰囲気に変わっていきます。
  


  • Posted by セギ at 13:34Comments(0)