たまりば

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2018年10月07日

10月20日(土)、大人のための数学教室を開きます。


10月6日(土)の大人のための数学教室は延期となりました。
次回は、10月20日(土)の予定です。

さて、前回の授業で学習しました、直線と対称な点の座標を求める問題。
今回はこれを少し掘り下げてみます。
こんな問題でした。

問題 直線y=2x+1に関して、点A(3,2)と対称な点Bの座標を求めよ。

数Ⅱ「図形と方程式」の問題です。
前回も書きましたが、これは、線対称の性質を利用して解くのでした。
求める点Bの座標を(p,q)とします。
pとqに関する方程式を2本作ることができれば、それを連立して、p、qの値を求めることができます。
1本はすぐに思いつきますね。
直線ABは、直線y=2x+1と垂直に交わりますので、傾きの積は-1です。
すなわち、
q-2 / p-3 ・ 2=-1
これを整理して、
2(q-2)=-p+3
p+2q-4=3
p+2q=7 ・・・①
さて、もう1本。
対称な点から対称の軸までの距離は等しいです。
言いかえれば、線分ABの中点は、直線y=2x+1を通ります。
線分ABの中点の座標は、(p+3 / 2 , q+2 / 2)。
この中点がy=2x+1の関係を満たすということですから、代入して、
q+2 / 2=2(p+3 / 2)+1
これを整理して、
q+2=2p+6+2
-2p+q=6
2p-q=-6 ・・・②
①と②を連立して解くと、p=-1, q=4 
よって、B(-1,4)

そんなに複雑な問題ではないと思っていたのですが、この問題、教室では案外難渋しました。
何をやっているのか全くわからない、という感想を参加者の方が口にしたのです。

何をやっているのか、全くわからない?(''_'')
え?
何でだろう?

後になって振り返ると、分岐点は、①の式を作るときにありました。
垂直に交わるのだから、傾きの積は-1になりますよね?と、
q-2 / p-3 ・2=-1
という式を板書したとき、質問があったのです。
「それ、直線ABの傾きは、-1/2 である、という式にしていいですか?」
つまり、q-2 / p-3 =-1/2 という式にしたいと言うのです。
私は、内心、何でわざわざそうするのだろう?
と微かな違和感を抱きました。
私が板書した式は、テキストの例題解説にも載っている式そのままでした。
なぜ、それをアレンジするのか?
これから式を整理するのだから、わざわざ直線ABの傾きは-1/2であることを暗算した上での式など立てなくても良いのだが?
しかし、参加者の方が書きたい式は、間違った式ではありません。
その式にして良いかと問われて、ダメという理由はないのです。
「あ。いいですよ」
と、私は軽く受け流したのですが、後から考えれば、ここが分岐点だったのです。

どういうことだったのか?
参加者の方は、そのとき、p、qに関する式を求めようとしていたのではなく、直線ABの式を求めようとしていたのです。
直線ABの式を求めようとしているのに、解説される答案がその方向にいかず、pとqの式を整理したりしている。
何のために何をやっているのか、全くわからない・・・。
その誤解がようやく理解でき、解決してから、私は、その方に尋ねました。
「何で直線ABの式を求めるんですか?」
「今まで、ずっと直線の式を求めていたから」
「・・・・なるほど」

大人のための教室はいつも示唆的です。
数学の問題を解説していて、これは誤解の余地などないはずだと私が思っていることも、誤解の余地はあるのだということを教えてもらっています。
数学が苦手な子どもの多くは、何がわからないのかを語る言葉を持ちません。
日常のルーティンではおしゃべりな子も、論理的なことを正確に語るのは難しいことも多いです。
「どこがわからない?」
という質問は、その字面通りの質問なのですが、どんなに柔らかい口調で尋ねてもなお、責められているように感じることがあるようです。
もともと言葉で説明するのが苦手な子どもが、さらに責められていると感じたら、黙り込んでしまうのも道理。
板書を1行ずつ指差しながら、
「ここはわかる?ここはわかる?何行目がわからない?」
と、私は、わからなくなっている行をまずは明確にしようとするのですが、こちらのそういう意図を理解してくれず、黙り込んでしまう子もいます。
「まあ、いいや。次いこう、次」
などと、勝手に諦める子もいます。

生徒がどこでつまずくのかを知りたい。
何がわからないのかを知りたい。
何を誤解しているのかを知りたい。
今回も、大きな答えを1ついただきました。

直線の式に関するさまざまな公式など、直線の式を求めることをずっとやっていると、応用問題でも、絶対に直線の式を求めるものだと思い込んでしまう。
わからない原因はそれだったのです。

板書に書いてあること・テキストに書いてあることと違うことを生徒がやろうとしているとき、生徒の頭の中で何か異変が起きている可能性を考えること。
微かな違和感を大切にすること。
それを改めて感じました。

ところで、上の問題ですが、では、直線の式を求めてはいけないのか?
いえ、いけないことはありません。
そうやって解く方法もあります。

もう一度問題に戻って考えてみましょう。

問題 直線y=2x+1に関して、点A(3,2)と対称な点Bの座標を求めよ。

線対称の性質から、直線y=2x+1と直線ABとは垂直に交わります。
それを利用して、直線ABの式を求めてみましょう。
傾きは-1/2で、点A(3,2)を通る直線ですから、公式に代入して、
y-2=-1/2(x-3)
これを整理して、
y=-1/2x+3/2+2
y=-1/2x+7/2
次に、直線ABと、y=2x+1の交点を求めましょう。
2本の式を連立して、
-1/2x+7/2=2x+1
これをxについて解きます。
-x+7=4x+2
-5x=-5
x=1
これをy=2x+1に代入して、
y=2・1+1
 =3
よって、2本の直線の交点の座標は、(1,3)。
さて、ここからどうするか?
点Aとこの交点との距離は、この交点と点Bとの距離と等しいです。
すなわち、点Aからこの交点への移動は、この交点から点Bへの移動と等しくなります。
点A(3,2)から交点(1,3)へは、x軸方向に-2、y軸方向に1だけ移動しています。
よって、交点の座標を同じだけ移動させると、
x座標は、1-2=-1。
y座標は、3+1=4。
よって、点B(-1,4)

あれ?
この解き方のほうがわかりやすいし、解きやすい。
そう思うでしょうか?
今回は、確かにそうでした。
しかし、中点の座標が分数になったりすると、途端に計算が面倒くさくなります。
さらに、今後のさらなる応用問題の解き方とのつながりがありません。
ABの中点の座標が直線を通ることを用いる解き方は、汎用性があります。
この先の学習のために身につけておきたい解き方です。
ただ、そういうことも理解した上で、この問題をこのように解いてはダメなのかといえば、そんなことはありません。
この解き方、ありです。

秋になり、高校3年生には、同じ入試問題を解くのでも、どう解けば時間を短縮できるのか、どの解き方が計算ミスが少なく楽なのかという方針で授業を進めるようになってきました。
基礎学力はあるので、普通の解き方ならもう説明は不要なのです。
どうブラッシュアップしていくかが今後の課題です。
例えば、反復試行の確率に関する条件付き確率の問題などで、
「私もこれを自分で解いたとき、うっかり数値をそのまま代入しちゃって、計算がウザくてウザくて大変だったんだけど、ここは数値をいったん文字にして式を整理すると、すぐにスッキリするよね」
といった解説をしますと、
「ははあー。文明開化の音がしますね」
といった反応があり、手応えを感じています。
解き方は1つではない。
より洗練された解き方は、どういうものか?
それを模索していくのも、数学の楽しみの1つです。

さて、次回の数学教室のお知らせです。

◎日時  10月20日(土)10:00~11:30
◎内容  数Ⅱ「図形と方程式」を続けます。p.48例題14の解説から。
◎場所  セギ英数教室
       三鷹市下連雀3-33-13
         三鷹第二ビル 305
       春の湯さんの斜め前のビルです。
◎用具   ノート・筆記用具
◎参加費 2,000円
       当日集めさせていただきます。
◎予約  私の携帯メールかLINEに、ご予約をお願いいたします。





  


  • Posted by セギ at 14:35Comments(0)大人のための講座