たまりば

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2017年12月04日

高川山を歩きました。2017年12月。


2017年12月3日(日)、山梨県大月市の高川山を歩いてきました。
2年ぶりです。
7:48三鷹発中央特快高尾行きに乗車。
高尾で向かい側ホームに待つ、中央線にすぐに乗り換えて、大月駅到着。8:56。
駅前で支度。
ふと見ると、「お待たせしました。12月8日より岩殿山登れます」といった掲示が。
台風で登山道が崩れ、この夏から通行禁止になっていた岩殿山、解禁のようです。

支度をして出発。
駅前ロータリーからまずは甲州街道に出て、右折。
そのまま、「え、こんなに歩くの?」というくらい甲州街道を直進します。
大月橋を渡ります。
徒歩で歩くには長い橋ですが、歩道が車道と区分けされていますので、あまりストレスはありません。
橋を渡り切ってすぐに左折。
病院を右手にみながら坂道を登っていきます。
左手足元に富士急の線路が見えます。
ここも橋なのですね。
坂を登り切って、少し下り気味になり、突当りの手前に道しるべがありました。
大月市内の山でよく見る、白く小さめの道しるべです。
あとは道しるべの通りに坂道を上がっていくと、突当りに民家。
その民家のまさに庭先から登山道が始まります。
ここ、民家じゃないの?と足を止めると、登山道が見えてきません。
民家の庭先、芝生まで入って初めて登山道が見えてきます。

実は、ネットで、「大月から高川山への登山道は廃道になった」「駅から登山口まで道しるべはない」といった記述を事前に読んでいました。
たった2年で廃道までいくかな?
不可解に感じ、ダメだったら田野倉駅から登ろうと確かめに来ました。

結論から言えば、大月から高川山への登山道は、今も明瞭です。
廃道になったと誤解した人は、民家の手前の藪を閉ざされた登山道と判断したのかもしれませんね。
あと一歩踏み込めば見えた道。
朝から何やら考えさせられます。

さて、「この付近で熊が目撃されています」という掲示も最初に歩いた5年前と同じ。
熊鈴をリンリン鳴らしながらまずは細い登山道を登っていきました。9:25。
すぐに、むすび山に到着。9:30。
背中に飲料の宣伝が書いてあるベンチが1つおいてあります。
しかし、以前よりも樹木が育ち、富士山の眺望はそれほどでもありませんでした。
樹木越しに富士山の大きな頭は見えています。

そこからは、右手に大月市街、左手に禾生駅付近の市街を見下ろす尾根道を行きます。
アップダウンが続く道です。
カエデの木も大半は葉が落ち、茶色の枯葉にカエデの赤が大量に混ざって、登山道は花が散っているように明るい。
日差しも暖かく、気持ち良い尾根道でした。

5年前、そして2年前にここを歩いたときは、向こうからやってくるのは単独行か2人連れの若い男性ばかりで、それも1日に2組程度でした。
それが今年は、続けざまに3組とすれ違いました。
しかも、男女ペアです。
この道を下るのは技術的に難しいところがあるはずなのですが。
それとも、あの急斜面は整備されて木段にでもなったのだろうか?
だったらいいなあ。

山道はいったん大きく下り、そこから登り返します。
歩き始めて2時間ほど、ついに問題の急斜面が現れました。
ああ。
特に整備はされていません。
のぺっとした広い急坂のままでした。
しかし、そこを下ってくる若いお母さんと幼稚園生くらいと思われる男の子が。
口を開けてみていると、お母さんは、急斜面をジグザグに切って颯爽と降りてきます。
歩ける人だ。
上手いなあ。
男の子も、お母さんから少し遅れて、達者に降りてきました。
「大変な坂ですね、これは」
私が声をかけると、男の子が答えました。
「大変な坂ですよ」
「凄いですね。よく降りてこられましたね」
「大変でしたよ」
「ご苦労様でした」
お母さんはただ笑っていました。
さて、私の番。
腰痛予防にストックを使っていましたが、ここでそんなものを使うと、のけぞって後ろ向きに落ちそうです。
まずはストックを片付けて。
基本は両手をついて、木の根などの少しの凹凸に頼って登っていきました。
ロープは張ってありますが、劣化が進んでいる様子で、あまり頼り切らないほうが良さそうです。
急坂の距離はそんなに長くなく、登り切ると道はジクザグ道になり、歩きやすくなりました。

田野倉駅からの登山道との合流点。11:15。
ここもロープの張ってある箇所もありますが、下る人のためのものでしょう。
登るのには不安を感じない道でした。
やがて道は岩がちになり、傾斜は先程の急坂よりも急なくらいですが、岩があると段差は岩を使って上り下りできますので、技術的にはむしろ楽です。
山頂方向から次つぎと人が下りてきます。
今日の高川山は賑わっているなあ。
この快晴。
富士山のよく見える山を歩きたくなりますよね。

岩がちの登りが終わり、道が緩くなるとやがて山頂。12:20。
山頂は子どもの集団でけたたましいことになっていました。
子どもは20人ほどでしょうか。
一人一人、大量のお菓子を詰めたジップロックの大きな袋を引きずるようにし、お菓子を頬張りながら岩場をぴょんぴょん歩いています。
目についたリーダーは若い男女。
それぞれ、カタカナの愛称を書いた名札をつけていました。
サポートの保護者も何人かいるようです。
これは何の集団だろう。
リーダーの女性が口笛を吹き始めました。
子どもたちが聞いている様子はないのに、ずっと吹いています。
高音が耳に障ります。
子どもの歓声は仕方ないが、口笛はちょっと余計かなあ。

この違和感は何でしょう。
善意でやっているらしいことに何かハレーションが起きている感じです。
口笛のせいかな。
カタカナの妙な愛称の名札のせいかな。
子どもたちに自分を妙な愛称で呼ばせ、山に連れてくる行為は、エコロジーやスローフードといったものと親和性が高い気がするのです。
それと大きなジップロックの大量のお菓子とがつながらず、違和感があるのかもしれません。
子どもを山に連れてくるには、お菓子で釣るのが一番簡単だからなあと穿った見方をしてしまいます。

ともかく、山頂から少しくだった岩場の隅に腰かけて、昼食。
木の枝は少し邪魔ですが、そこからも富士山はよく見えました。
すると、男の子のうちの1人がやって来て、私の座っている崖っぷちの岩から下へと降り始めました。
おいおい。
それを見つけた女の子3人が、お菓子の袋を引きずりながらやって来て、私と同じ岩に座り、男の子に話しかけます。
「そこ落ちたら、人生の近道だよ」
ゲラゲラ笑っています。
子どもは、他人のパーソナルスペースは、あまり意識しないですね。
移動したいのですが、お弁当を開いたばかり。
移動したくても、山頂はどこも空いていないですし。
女の子たちの騒ぎに、さすがに異変に気づいて、若い男のリーダーがやって来ました。
口で言っても男の子は崖を降りていくのをやめないので、自分も崖を降りていきました。
ようやく二人で戻ってくると、私の隣りに座り、リーダーはスマホをいじり始めました。
イヤホンで聴いていた私のラジオに、スマホのせいで雑音が。
(T^T)

子どもの頃に親しんだ自然でなければ、人は本気で守る気にはならない。
その後、山好きにはならなくても。
むしろ山歩きは嫌いでも。
だから、子どもを山に連れてくることには意味がある。
そう思って、多少の違和感は帳消しとしよう。
統率のとれていない子どもの集団を、怪我なく山に連れていき、無事に連れて帰るだけで大変なことなのですから。

さて、下山。12:45。
下りは一番整備されていて距離も短い、初狩駅への道を行きます。
山頂から離れるとすぐに山の静寂が戻ってきました。
無理せず、自分から離れれば良かったのです。
せっかく富士山がきれいだったから、もう少し見ていたいなと思ったのが間違いだったかもしれません。

初狩駅への道は、男坂、女坂、沢コースと別れます。
女坂を選択。
崖っぷちの細い道もあり、用心して降りていきました。
植林帯に入ると道も広くなり、緩くなって、ほどなく登山口。13:40。
そこからは舗装された道を道しるべ通りにいきます。
道しるべのないときは、直進。
高架下をくぐって、初狩駅。14:00。
14:09、高尾行きの電車がやってきました。
時間は早いのですが、登り下りともに急だったので、歩きごたえを感じた1日でした。


  


  • Posted by セギ at 14:47Comments(0)