たまりば

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2015年11月03日

奥多摩 御前山を歩いてきました。2015年11月。


2015年11月1日(日)、奥多摩の御前山を歩いてきました。
いつものようにホリデー快速おくたま号に乗って、終点奥多摩駅下車。
「鴨沢西」行きの臨時バスが来ていたので、すぐに乗車しました。

奥多摩湖バス停下車。9:40。
バス停から来た道を少し戻るように10mほど行くと、トイレがありました。
支度をして、出発。
まずは奥多摩湖周遊道を行きます。

山に突き当たると道は左右に別れます。
左が御前山への道です。
階段の手前に昔のドラム缶橋の1つが展示されてありました。
以前はこんなのなかったなあ。

この前来たのは、2012年の5月。
毎年1度は来たいなあと思っている山でも気がつくと3年ぶりくらいになっています。
しばらく行ってないなあと思う山は10年以上歩いていなかったりします。

階段を数段上がるとベンチとあずま屋があり、道しるべが見えてきました。
あとは道しるべの通りにさらに奥に進んで階段を上がって行くと、急登が始まります。
落ち葉と小石で滑りやすい道でした。
用心して木の根につかまりながら登っていきます。
ここ数日で気温がぐっと低くなってきて、急登でもオーバーヒートの心配がなくなりました。

ガンガン登ると、奥多摩湖はみるみる足元に。
道が不安定なので、振り返るのはちょっと怖いのですが。

バス停では人が結構下りたのに、遊歩道を周遊する人が大半なのか、御前山に来る人はあまりいませんでした。
急登の途中で、高校生くらいの単独行の男の子に道を譲りました。
登り切ったところでは、ご夫婦らしき2人連れが休憩中。
ほんのときどき人とすれ違う、静かな山でした。

急登がいったん終わり、傾斜が緩くなると紅葉が始まりました。
紅葉は、今、1000mくらいまで下りてきているようです。
奥多摩のカエデは背が高く、写真に撮りにくい。
登山道から少し離れた斜面に木が立っている場合も多いです。
肉眼で眺める分には文句のない鮮やかな赤です。

足元には、ドングリがたくさん。
今年はどの山もドングリが豊作のようです。


いったん緩く下って、その先は、また急登。
今度は植林帯で、足元は土の道。
登る分にはあまり滑らない道です。
登りきると、再び広葉樹の下の急登が始まりました。
岩がちなところも少しあります。

西側の斜面が開け、樹間に富士山が薄く見えた頃から、紅葉はさらに赤さを増してきました。
登山道がふと広くなり、前を行く登山者が見えます。

単なる風景よりも登山者が小さく映っている写真のほうが好きです。
腕が悪いので感動が伝わらないかもしれませんが、登山者のたたずまいが秋の山の景色に溶け込んで、良い雰囲気でした。


もう何年も前になりますが、やはり紅葉の季節に、尾瀬の鳩待峠から至仏山に登ったことがあります。
至仏山から来た道を戻り、笠ヶ岳から温泉小屋へと縦走しようとして、しかし、分岐を見過ごしてしまいました。
どんどん下るのがちょっとおかしいなと感じ、ちょうど登ってきた三十代くらいの男性登山者に尋ねました。
「笠ヶ岳への分岐、この先にありましたか?」
その人は、笑顔になって、
「やあ、わからない」
と答えました。
会釈してもう少し下ったのですが、でもおかしいなと感じて登り返すと、やっぱり私は分岐を見過ごしていて、登った先に「温泉小屋」と書かれた小さな道しるべがありました。
その紅葉の下に、先ほどの男性登山者が座っていて、私が来たのを確認すると笑顔になって、立ち上がりました。
私が道しるべを見落とさないよう、待っていてくれたのでした。

登っていく登山者に、
「ありがとうございました」
と声をかけるとちょっと振り返って、笑顔で去っていった後ろ姿が良かった。
思い出に残る秋の山の風景です。


特に秋の山は、登山者の姿も風景の重要な一部と感じることがあります。
私は、他人にとって、思い出の山の風景の一部になり得ているだろうか。
そう考えると反省することがいろいろあります。
おしゃれして山に登ろうという話かというと、まあそういうことでもあるのですが、そればかりでもありません。
登山者としてのたたずまいというのは、また別の話のような気もします。


急登を登りきると惣岳山。11:55。
山頂標識を囲むようにベンチが並んでいますが、座っているのは1人だけ。
静かな山頂でした。
周囲は落ち葉が積もって、風の音がカサカサ聞こえます。
お腹もすいたので、ここでお昼にしました。
こってりした具材のおにぎりがおいしい。
甘い熱いカフェオレもおいしい季節になりました。

そこから御前山までは、両側を杭とロープに囲まれ、よく整備された道です。
春にはこの両側にカタクリが咲くのでしょう。
最後のひと登りで御前山山頂。12:30。
ここは昼食を取る人たちでそこそこの賑わいでした。
ちょっと息を整え、地図と道しるべを確認して、さて下山します。

山頂を通過するように、東側の登山道を降りていきます。
階段状の道をどんどん下っていき、避難小屋への分岐を見送って右へ曲がると、大ダワ方向を示す大きな道しるべが見えてきました。

ここから、道はときどき細くなり、小さなアップダウンが繰り返されます。
クロノ尾山。12:55。
また下り、そこから登り返して、鞘口山。
そこからはどんどん下って、いったん林道に出ます。
ここが大ダワ。13:45。
林道を渡り、向かい側から再び登山道が始まります。
木段を登っていくと、道がだんだん岩がちになってきました。
鉄階段もあります。

鋸山。14:00。
今日一番の紅葉が周囲に広がっていました。
見とれてしまいますが、道幅が細いところも多いので、紅葉を見たり足元を見たり、忙しい。


さあ、鋸尾根を下山します。
岩がちな下り道です。
昔よりはずっと整備されて、木段のところも多くなりましたが、なお注意は必要。
いったん植林帯になり、危険なところは終わったかなと思わせて、もうひと山あるのがこのコースです。
天狗の石像のあるピーク付近は特に岩がち。
まず、鎖場との分岐があり、その先、その鎖場コースと合流した辺りから岩場が多くなってきます。
岩に横にかけられた銀の鎖から鉄の階段へと移り、さらに岩を登っていくと、天狗の石像のあるピーク。
小さなお社もあり、安全登山のお礼に頭を下げて、岩に座って、小休止。15:00。

そこからは歩きやすくなって林道のようになりますが、まだひと山、愛宕山が待っています。
再び登ります。
もうほとんど下界だとわかっているのに、道は案外岩がちです。
神社の右手をまわり込んで、裏側から再び登山道。
しばらく行くと、急な石段の下り道となります。


全部で187段あるそうです。
たんたんと下っていき、鳥居をくぐって、ようやく下山。15:50。
左へ行くと昭和橋。
橋を渡れば奥多摩駅近くの交差点。
右へ行くと、吊り橋からもえぎの湯への近道です。

さて、もえぎの湯へ。
吊り橋には「30分待ち」と掲示してありましたが、建物の少し前に立つスタッフからは、「ただいま10分ほどお待ちいただきます」と整理券を配られました。
しかし、建物に着く寸前で私の整理券番号を呼ばれました。
温泉の時間待ちは状況が刻々と変化しますね。

脱衣所は人でごった返していて服の脱き着も大変なくらいでしたが、中に入ると洗い場は空いていました。
露天風呂に浸かると、もう日が暮れかけていて、灯りがともり、良い風情です。
のんびり浸かって出ると、内湯は洗い場も含めて無人。
そして、脱衣所もがら空き。
人の波が突然引いた原因の1つは、東京行きのホリデー快速でしょうか。
乗り換えなしで便利ですから。
電車時刻に合わせてラッシュ時の温泉に必死に入るのは、しかし、休日の過ごし方として、今1つ何というか・・・・。
いや、でも、気持ちはわかる。
間に合うものなら間に合わせたいホリデー快速。

外に出るとすっかり日が暮れていました。
交差点のスーパーで缶ビールを購入。
駅のベンチで飲もうと楽しみにしていたら、もう電車が入っていました。
走ることもなく乗り込んだ電車が、なんとホリデー快速東京行き。
あと2分で発車とのこと。

え、マジですか。
そして、この缶ビール、どうしたらいいんですか。
1つ空いている席を発見。
通勤電車と同じ横座りの電車ながら、あちこちでビールを飲んでいる登山者もいたので、私も安心してビールの缶を開けました。

  


  • Posted by セギ at 13:06Comments(0)