たまりば

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2012年03月22日

通信添削は有効か



さて、今日は、通信添削の話。
去年まで働いていた、集団指導の塾の中学生たちの中には、通信添削もやっているという子が多くいました。
一種の流行りという印象でした。
子どもにねだられれば、出してしまう程度の金額なのが、通信添削。
しかし、現実には、あまり役に立っている印象はありませんでした。
課題を出さず、ため込んでいる子が大半。
出すとしても、きちんと予習をしてからではなく、やっつけ仕事のようにぱっと課題を解いて出すだけ。
添削された答案が返ってきたら、見ることは見るけれど、それで復習するわけではありません。
やらないか、やりっぱなし。
どんな精選された良問ばかりの添削課題だろうと、その学習姿勢では、効果は期待できません。

なぜ、それでもやるのかと生徒たちに訊くと、何人かの生徒がこう答えました。
「付録の教材がいい」
へえ・・・・・。

どんなにいい教材なんだろう。
中学生が言う、良い教材とは、どんなものだろう。
非常に興味があり、見せてもらって、びっくりしました。
彼らの言う、良い教材とは、実技4教科のポイントを整理したテキストだったんです。

実技4教科。
音楽・美術・体育・技術家庭。
それの参考書が欲しくて、それで通信添削?
通信添削の費用を考えると、その1冊の値段の高さにぞっとします。
実技教科の成績の大半は、提出物の出来や、授業中に行われる実技テストによって決まります。
ペーパーテストだけ頑張っても、良い成績は取れません。
参考書は不要だと思います。

でも、中学生は、その実技4教科のテスト対策テキストを持っている友達がうらやましくて、それで自分も通信添削をやりたいと、親にねだっていたんです。
その他にも、ちょっと心惹かれる薄いテキストが何種類か。
昔なら、「中一時代」「中1コース」などの学年別の学習雑誌の付録についていたようなものです。
はあ・・・・・。
いろいろな意味で、ズレている。
でも、それが子どもというものでしょう。

東京に住む生徒が、通信添削を受けなければならない理由はありません。
近くに勉強を教えてくれる場所がいくらでもある、この都会で。
勉強は、対面で教わるのがもっとも効果的です。
目の前で、肉声で、直接教わることに勝るものは、ありません。
講師は、目の前の生徒の目の動き、声の調子、微かな表情の変化から、常に、その生徒の理解を確認しています。
紙を郵送して教わる。
その情報量の少なさ。
もどかしさ。

それでも、近くに良い塾のない地方の生徒にとっては、通信添削は命綱。
衛星予備校に通うのだって、家からバスに乗って、それから電車に乗って、と時間のかかる生徒にとっては、全国レベルの課題を、全国の仲間と競いあえる数少ない場です。
そして、そういう一種の逆境から、物凄い才能が立ちあがってくる。
通信添削の本質は、そういうものだと思います。

ある英語教科書を出版しているのは通信添削会社で、準拠ワークのようなものは一切市販されず、そこの通信添削課題が唯一の準拠教材という場合がありますが、他の問題集を使っても勉強できますし、個別指導なら、準拠教材を講師に手作りしてもらえますよ。

そんなわけで、一般的には、東京に住む中学生がやることに、あまり意味を感じないのが、通信添削。
子どもがやりたいと言ったら、よくよく確認したほうがいいと思います。
何のためにやりたいのか。
教材が欲しいというのなら、何の科目のどんな教材が欲しいのか。
それは、本当に必要なものなのか。
書店で見つけることは、無理なのか。
そこも、よく確認してください。

通信添削のお金と、安いけれどあまり効果を感じない塾の費用を合わせたら、ちょっと高いけれど効果のある個別指導を受けることができるんですから。
と、最後のは、宣伝でした。
(*^_^*)
  


  • Posted by セギ at 00:02Comments(2)塾選び